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HIS、売上高3778億円で過去最高 旅行と電力小売り好調 増収増益に

2019年6月10日
編集部:平綿 裕一

2019年6月10日(月) 配信

右から3番目が澤田秀雄会長兼社長

 エイチ・アイ・エス(HIS、澤田秀雄会長兼社長)が6月7日(金)に発表した2019年第2四半期(18年11月~19年4月)連結業績によると、売上高は前年同期比10・7%増の3778億3900万円で過去最高となった。旅行事業と電力小売り事業が好調だったほか、M&Aによる新規連結が寄与して365億円の増収だった。当期純利益は同37・9%増の49億6400万円、営業利益は同17・2%増の89億7900万円、経常利益は同13・0%増の88億7400万円で、増収増益となった。

 旅行事業をみると、売上高は同10・9%増の3368億3100万円だった。営業利益は同46・8%増の62億1千万円で、ともに過去最高を記録した。

 日本発海外旅行は欧州方面などが前期に続いて2ケタ成長し、同13%増と好調だった。ゴールデンウイーク期間では、売上高は同110%増と倍増した。さらに送客数は同59%増、単価は同33%増と大きく伸びた。

 ただ、訪日旅行(ジャパンホリデートラベル)事業は中国市場の競争激化などで収益面に課題が残った。粗利は95%減少し、販売管理費は人員増強などで36%増えた。

 海外の旅行事業は売上高は同6%増加した。M&Aした「ミキグループ」や「ジョンビューカナダ」などの4社すべてが前期成績を上回った(下記に関連記事)。

 このほか、ホテル事業は売上高が同0・6%減の62億500万円、営業利益は同34・4%減の4億6700万円で減収減益となった。ウォーターマークホテル売却やホテル開業費用などの増加が影響した。

 5月末時点で自社運営ホテルは、4カ国35軒に及ぶ。今後は国内で変なホテル、海外で4、5つ星クラスの展開を予定。現状で19年11月から23年までで、計11軒の建設を見込む。

 ハウステンボスグループも減収減益。売上高は同0・9%減の136億8900万円、営業利益は同29・4%減の26億8千万円だった。訪日外国人旅行者の動きが鈍かったことなどが響き、入場者数は同6%減の130万4千人だった。

 エネルギー事業は電力小売り事業の契約数が順調に増加するなどで、売上高は同78・8%増の92億8100万円だった。営業利益は、前期の営業損益3億7300万円から一転、3億6300万円となった。

 HISの19年通期は、売上高が前期比8%増の7860億円、営業利益は同11%増の200億円で増収増益を見通す。経常利益は8%増の210億円、当期純利益は前期並みの110億円とした。

 澤田氏は同日の会見で「メインの旅行業で引き続き2ケタ成長を目指す」と意気込んだ。

海外における旅行事業の展望

 HISでは、北米における総合旅行会社として事業を拡げていく。とくに子会社らとの役割分担を明確化していく。

 3Qからはカナダの旅行会社「レッドラベル」がグループに加わる。同社は2004年に創業。年間146万人以上の旅行者を送りだしている。OTAの「Redtag.ca」などのブランドを柱に展開し、ホールセラー事業も行う。

 これまで現地のHISカナダがアウトバウンドとインバウンドを扱ってきた。今後は、同社は日本人の受客に、ジョンビューカナダは日本人以外のインバウンドに集中。このほか、メリットトラベルは店舗、レッドタグはOTAとして、カナダ人のアウトバウンドに力を入れる。

 海外の旅行事業の方向性に関しては、とくにインバウンド(着地ビジネス)に注力し、リソースを集中投下。着地のオリジナルコンテンツ開発を積極的に進める。

 さらに自社コンテンツを世界で流通させる仕組み作りを進めており、21年にローンチする見込み。同社の商材を他社にも取り扱ってもうといった、BtoBのカタチを展開していく狙い。

 ホテルやアクティビティ、ガイドなどのコンテンツを「グローバルインバウンドプラットフォーム」に一元管理。同プラットフォームから、HISグループはもちろん、各国のOTAもコンテンツを取り扱えるようにする。完全な敵対関係ではなく、パートナーとして捉え、流通・販売の最大化をはかる。

 旅行事業の19年通期予想は同12%増の7280億円で、20年には8500億円を目指す。将来的にはM&Aなどを進め、海外法人取扱高を日本事業と同規模に成長させていく。

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