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2012年の観光業界 ― 課題が見えた年だった

2012年12月13日
編集部

  「本紙見出しで振り返る2012年の観光業界」(4―5面参照)を今年もまとめた。10、11月は記憶に新しいが、1、2、3月など前半は過去の新聞をめくりながらさまざまな取材の思い出などが蘇ってきた。

 昨年は、東日本大震災という未曽有の災害が発生し、社会全体、そして観光業界も震災に関連した出来事や話題が多かった。しかし、今年は根底の部分で震災の経験をベースにした、新たな動きが芽生えてきた印象がある。観光業界でも電力不足による省エネへの取り組みが進んでいるほか、自然災害に対する防災意識の高まりも見られる。今年も7月に九州北部豪雨が発生し、広範囲で甚大な被害を受けた。5月には茨城県つくば市や栃木県真岡市などで竜巻の被害があった。沖縄にも大型の台風が襲った。数え上げるときりがない。本紙11月21日号で掲載したが、日観チェーン所長の安藤寛一氏が指摘するように、来年は災害が多発する「五黄」の年にあたる。「五黄」の年には、過去にも関東大震災、阪神淡路大震災、新潟中越大震災、プーケット大津波などが生じており、一層の防災の心がけが必要だろう。

 一方で、今年は4月には関越自動車道高速ツアーバス居眠り運転事故、5月には広島県福山市のホテルプリンスの火災事故、11月には万里の長城ツアー登山遭難事故などが発生した。いずれも業界の安全性が問われる事故となった。監督官庁も今後の対応について検討に入っているが、やはり業界自らが努力をして、自主ルールづくりをしていくことが大切である。また、12月に入って起こった、山梨県笹子トンネルの崩落事故は、今後日本のインフラ問題を考えるきっかけとなる悲惨な事故だ。道路や橋の新設は新たな動脈となる“メリット”ばかりではなく、継続的な補修費も莫大にかかる。これからの世代が負担しなければならなくなるという「負」の部分もしっかりと考えなければならない。

 明るい話題もあった。東京スカイツリーや東京駅舎復原などによって、新たな観光スポットが現れた。しかし、これらをどう生かすかが観光業界の課題でもある。

 近隣諸国とは領土問題が激化した年であった。政府も民間も外交力が試される年だ。13年が良い年になることを祈ろうと思う。

(編集長・増田 剛)

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