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19年ぶり3回目の静岡DCに向け、プレDCで魅力を発信

2018年3月1日
編集部:平綿 裕一

2018年3月1日(木) 配信 

巨大な茶の1文字

静岡県で2019年4~6月に静岡デスティネーションキャンペーン(静岡DC)が開かれる。00年春以来19年ぶり3回目となる。18年4~6月、20年4~6月にはそれぞれプレDCとアフターDCが開催される。静岡県観光協会は2月22日(木)に県中央南部の中東遠地区で、プレDCに先立って取材会を実施。徳川家康と武田信玄の因縁の城や、全国茶品評会で「産地賞」を10年連続受賞する掛川茶など、静岡の魅力ある観光資源をPRした。

ボランティアガイドの大石さん

 「髙天神城(たかてんじんじょう)を制するものは遠州を制する」。かつて難攻不落の城として、武田信玄・勝頼と徳川家康が鎬を削り、奪い合った山城だ。

 1568年に徳川が属城とした3年後、武田信玄が攻め入るも失敗。これで「難攻不落」の名を冠すことになる。73年に信玄が没したのち、意志を継いだ息子の勝頼は、74年に開城を成功。一方、家康は75年に織田信長と連合軍を組み、長篠の戦いで勝頼に勝利して、勝頼は衰退。家康は78年に奪還拠点の横須加城を築き、ついに81年に落城を成し遂げる。

 土塁や溝、尾根の通り道を切り崩した跡など、当時の兵士達の足取りが想像できる。「歴女にも人気で、よく訪れる」(観光ボランンティアガイドの大石さん)と歴史好きに好評を博しているという。

世界農業遺産の地を望む

 中東遠地区は、御前﨑市と菊川市、掛川市、袋井市、磐田市、周智郡森町の5市1町で構成されている。掛川市周辺の伝統農法「茶草場農法」は、世界農業遺産に認定されており、茶草場・茶畑がはるかに広がっている。

 同市東山地区の粟ヶ岳(532㍍)の山肌には、1辺130㍍に及ぶ「茶」の文字があり、見どころの1つ。頂上には巨石群「磐座」と原生林の森が広がっている。プレDC期間中はお茶摘み体験を展開。地元農家の人と触れ合いながら、茶草場・茶畑を散策し、茶摘みや試飲ができる。

 4月30日(月)限定で、月夜のお茶摘み会も用意。地元農家の人は、満月の日に摘む新茶は美味しいという言い伝えを今に守る。月明かりと松明、ランタンが照らす幻想的な雰囲気のなかで、茶摘みが始まる。

事任八幡宮と巨大なクスノキ

 思いごとのままに叶う――。この信仰が残る「事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)」は807(大同2)年に現在の地に遷宮された。言霊の神様を主祭神とし、古くから遠く京都まで知れ渡っていた。1608年には家康が本殿を造営している。この里宮には樹齢600年のクスノキ、500年の杉の木の御神木がある。箱根に次ぐ第2の難所である小夜の中山の手前だったため、「ここでゆっくりと休み、英気を養った場所」(誉田潤宮司)だという。

 里宮から少し歩くと本宮山がある。階段を上った先の「ことだまの杜」の奥に本宮があり、社の足元には白い石が敷き詰められている。これを3つ拾い、1つ目は神様に、2つ目は世の中の人々に、3つ目に自分の願いを込めて白い布で磨くと願いが叶うという。里宮と本宮、粟ヶ岳の「磐座」3カ所を結ぶと三角形になる。誉田宮司は「3カ所を巡ることは、古来の信仰の1つです」と説明した。

小崎社長が説明

 掛川名産の「葛布(くずふ・くずぬの)」は1千年余の歴史を持つ日本最古の高級工芸品。専門店は2店舗しか現存しない。このうちの1つが手織元「小崎葛布」だ。山野に生える葛蔓を葛布にするまでは多くの手間がかかる。10㌔の葛蔓から繊維は10㌘ほどしか取れない。さらにすべて手作業で行う。

 葛布の特徴は、織物として完成した時に放つ淡く放つ〝光沢〟と、「時代を経て色合いが増す」(小崎隆志社長)こと。丁寧に使えば何十年単位で使える。製品はカーテンや壁紙から、かばん、財布などの小物類まで幅広く対応している。小崎社長は「すべての作業が時代に逆行している。ただお客様に使ってもらえれば、こんなに嬉しいことはない」と想いを語った。

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