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江藤誠晃氏セミナー 3市場を俯瞰的に捉える 戦略的なツーウェイのシナリオ

2017年10月11日(水) 配信

江藤誠晃氏

 ツーリズムEXPOジャパン業界日の9月22日に行われたツーリズム・プロフェッショナル・セミナーのなかで、国内外の観光地のプロデュースを手掛けるBUZZPORT代表の江藤誠晃氏は、「観光立国の鍵を握る地方都市~戦略的2WAYツーリズムのシナリオとは?~」をテーマに講演。地域に人を呼び込む際には国内と海外、訪日の3市場を俯瞰的に捉えることがポイントだとした。

【飯塚 小牧】

 江藤氏は「日本人は世界的にみて旅行をしない民族」とし、地域間交流の拡大のカギは「ふるさとのシェア」と言及。「都会で育った人が田舎に憧れて第2のふるさとを作るように、生まれた所や住んでいる所に加え、もう一つ関わるまちを皆が作る。そこにうまく鉄道や航空の交通ネットワークがのれば『国民短期移民』が生まれる」と語った。

 そのうえで、戦略的に人を呼び込むためには、国内と海外、訪日市場を1つとして捉えるべきだと主張した。海外と訪日は双方向市場であることや、海外と国内は日本人が顧客になっていること、国内と訪日は日本を舞台に展開されることを示し、「3つの市場は常につながっている」と訴えた。

 また、市場の動きからの分析として「国内と海外」や「日常と非日常」の線引きをやめることを提案した。「日常圏」からの旅行者は日帰りから2泊、「準日常圏」は1―3泊、「非日常圏」は3泊以上と定義。地理的な距離を踏まえ、3つのトラベル圏を意識することが重要だとした。

「準日常圏」の20代女性に注目

 注目する市場は「準日常圏」からの20代の女性層。準日常圏と考える1千㌔圏内は東京を起点にすると、北海道の宗谷岬や韓国のソウルは入るが、沖縄は入らず、これを大阪や沖縄を起点にするとまた別の地域になる。伸長する市場だが既存の旅行会社はこれを取り込めていないという。

 「海外旅行でいうと、旅行会社は非日常といってきたが、女性受けするコンテンツが充実するアジアの近隣都市は準日常だ。若い女性はLCC(格安航空会社)やOTA(オンライン旅行会社)を使って気軽に出掛けている」と紹介。グローバル社会が進み、航空券が下がり短時間で行けるようになれば、旅行者にとっては「国内と海外」「日常と非日常」の壁がなくなると主張した。

 「これを今、実践しているのが20代の女性だ。今のシニア層は80代になればとくに海外旅行へは行かなくなる。それを考えると、20代女性を取り込む所が勝ち組になる」と持論を展開した。

 また、地域の「稼ぐ力」をデザインすることの重要性も強調。DMOの役割はゲストとホストの関係性を作り、情報と旅行者、お金をループさせることだとした。「データベースのメディアを作り、まずは地域の情報を旅行者に送る、それを見て旅行者が旅行し、現地でお金を落とす。地域のストーリーを作ることと、旅行者のコミュニティを作ることが大切だ」。

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