【発信地点】労基法改正へ 期限は2年間

内藤 耕氏(ないとう・こう)
サービス産業革新推進機構
代表理事、工学博士

 「働き方」という名の下で、政府でさまざまな議論が進められ、労働基準法の改正案が最終的に連合と経団連で概ね合意された。これによって、今から2年後の2019年度からの運用を目指して国会で法改正が進められる運びとなった。

 報道によれば、これまでは労使で特別条項付きの36協定さえ締結すれば、実質的に残業時間が青天井だったのが、今回の法改正で残業時間に上限が罰則付きで定められることである。

 つまり、現在の36協定では、残業時間の上限は年360時間、月45時間だったのが、この法改正で労働時間の延長は特例で年720時間が上限となる。しかし、産業界側からの要望もあって、その延長が繁忙月に100時間未満まででき、これが2カ月から6カ月続くようであればそれは80時間になるが、45時間を超える残業は最大で6カ月という。 

 労働基準監督署が企業をチエックする仕組みも盛り込み、ここで定められた残業時間の上限を5年後に見直す。

 これまでその必要性が繰り返し指摘されてきた「勤務間インターバル制度」の導入への努力義務も新たに書き込まれる。1993年に勤務間インターバルが導入されたヨーロッパでは、終業時刻後から連続して最低11時間の休息を付与することが義務付けられ、とくに宿泊産業への影響が大きい。

 これとは別に、昨年度の法改正で、これまで50%以上と定められていた月60時間を超える時間外労働への割増賃金率について、中小企業への猶予措置を廃止することが既に決まっている。雇用形態の違いによる待遇差の解消も政府によって検討され、昨年末に同一労働同一賃金のガイドラインが公表されている。

 これらの法律改正に対応しようとすれば、企業は就業規則を改定しなければならない。働き方の具体的な方法は法律には定められていなく、あまり意識されることはないが、それは労働契約法第7条に「労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件による」と書かれているからである。

 注意しなければならないのは、就業規則を変更しても、それは適用される企業内の働き方のルールが新しくなるだけである。実際に長時間労働を是正しようと思えば、現場作業を見直す労働生産性の改革を実現しなければならない。

 しかし、サービス産業にとって、作業自身が商品そのものであり、それを変更することは簡単なことではなく、今回の法改正でその実現までの期限が2年間と定められたことになる。

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