宿と煙草 ― 夕食後、喫煙とデザートを楽しむ空間

2017年1月21日
編集部

 政府は、受動喫煙対策として、飲食店内や駅や空港内でも原則禁煙とする改正案を今国会に提出する方針だ。罰則規定も盛り込まれる。ただし、喫煙室の設置は認められている。

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会など飲食に関わる5団体は1月12日、一律禁煙に反対し、自主的な取り組みへの理解を求める緊急集会を東京都内で開いた。

 私は煙草を吸うが、回数にして1年に10回くらいだ。我ながら珍しいタイプだと思う。ルールとして、基本的に飲食店では煙草は吸わないようにしている。それは、自分が食事をしているときに、隣で煙草を吸われるのが嫌だからという理由だ。だが、旅先でひとりぼっちのときには、煙突のように煙草を吸うときがある。だから周りからは煙草を吸わない人だと思われている。

 私は煙草を吸う人の気持ちも、吸わない人の気持ちも同じくらい分かる。その視点で見ると、例えば空港などで見かける、ガラスケースの中で吸わせる喫煙室は、喫煙者に対する悪意のようなものを感じる。高速道路のサービスエリアの喫煙スペースも、一番端っこに追いやられている。分煙によって吸わない人には迷惑を掛けていないのだから、もう少し、まともな空間を提供してもいいのではないかと思える。

 一方、マナーがひどい喫煙者も、残念ながら多い。美味しい料理を楽しもうとレストランに入っても隣に煙草を吸う人がいれば、せっかくの料理が台無しになる。飲食店にとっては、煙草を吸う客も、吸わない客も同じくらい大切な客なので、禁煙にしてしまえばお客さんを逃がしてしまうという考えもわからないでもない。一方で、禁煙だったら入りたいと思う客を逃がしている可能性もある。なかには「煙草が嫌なら来なきゃいい」「自分の店なのだから、お上から決められたくない」という経営者もいるだろう。

 喫煙者と吸わない人との間に、お互いが譲歩し、分かりあえる余地はないと思っている。完全なる分煙でなければ、吸う客、吸わない客、そしてお店もみんな幸せになれない状況になっている。喫煙者のために、喫煙室を作るというのが一番いい落としどころだと思う。喫煙室を作る資金も、空間もないという飲食店が大半だろうが、完全分煙への大きな流れに逆らえなくなっていくのは確かだ。

 例えば旅館では、食事処の近くにあまり使われなくなった小宴会場などのスペースがあれば、食後に葉巻や煙草を吸える空間を作るのも一つの方法だ。空港にあるような安物の喫煙所ではなく、アンティークのソファに座って、ゆったりと落ち着いて煙草を吸える時間と空間を提供する。ブランデーなどを用意してもいい。

 また、煙草を吸わない人のためには、夕食後、別室に移動して、紅茶やコーヒーと、地元のフルーツなど、美味しいデザートを楽しめる空間を作る。旅館では夕食後の過ごし方に困ることがある。煙草や葉巻、あるいは美味しいデザートを満喫できる空間を用意することは、宿にとって大きな魅力となるだろう。子供が遊べるプレイルームや、女性がくつろげるエステルームなども増えた。カラオケが歌えるスナックもいいが、ゆったりと過ごせる喫煙室も、新たなニーズを掴むチャンスかもしれない。

(編集長・増田 剛)

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