行政処分を厳格化、不適格者排除の枠組みも

  • 2017-1-1

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貸切バス事業者へ国交省が通達改正

 国土交通省はこのほど、貸切バス事業者へ監査と行政処分に関する通達改正を行い、16年12月1日に施行した。とくに行政処分を厳格化。違反を繰り返せば、許可取消や運転管理者の資格者証を返納させる。軽井沢スキーバス事故の対策委員会で、6月に総合的な対策を定めた。これを受け、法令違反の早期是正と不適格者排除の枠組みを整えた。

 2015年度は監査で約1800件の違反が見つかり、許可取消が1件、業務停止は0件だった。これまでは監査から処分まで1年程度かかり、取消や停止の対象範囲に課題があった。同省は本格的なスキーシーズンの前に、監査・処分の実効性を向上させる。

 監査は問題のある事業者に早急な対応と、継続的な監視に重点化する。

 街頭監査は、改正によってその場で法令違反を改善できなければ、運行を停止させる。

 一般監査で発見した違反は直ちに是正を指示し、30日以内に監査を実施。改善の有無を調査するため、その後、計1―2回の監査を各30日以内に行う。一方、行政処分は厳しくし、違反の抑止力を向上させる。

 違反を発見したあと、次の監査で是正確認が取れれば、3日間の業務停止処分。その後改めて行う監査で、改善していなければ許可を取り消す。違反を繰り返して、許可を取り消された場合、勤務する全運行管理者に対し、資格者証の返納を命じる。

 処分量定も変更する。処分で使用停止する車両数割合を、全車両の8割に引き上げる。15年度で貸切バスの稼働率は5割ほど。現行の処分車両を絞る方法だと制裁効果は乏しく、全国統一的な方針がない問題があった。

 例えば、中部運輸局は処分が100日車で、配置車両数が5両の場合は「1両×100日」としていた。同様の場合、改正で「4両×25日」となる。使用できるのは、25日間は5台のうち1台のみとなる。

 そのほか、指導監督や点呼などの違反を中心に、各処分日車数を増やす。約2倍から4倍まで引き上げた。

 国交省はさらに法整備も進めている。10月に「道路運送法の一部を改正する法律案」が閣議決定された。5年ごとに事業の許可を更新する制度などを盛り込んだ。安全に事業を遂行する能力を有するか否かを判断する。法律が成立すれば、1カ月以内(17年4月)で施行する。

 同省は「貸切バス事業者が原因の事故で、死亡者をゼロに。負傷事故を10年以内に半減を目指す」とした。

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