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2016年の動向 ― 激変する新たな環境にも柔軟さを

2016年1月1日
編集部

 2016年新年号は例年通り、主要観光団体や大手旅行会社の経営トップによる年頭所感を掲載している。これを読むと、新たな年がどのように動くのかが大体掴める。もう一つ、JTBが毎年発表する「旅行動向見通し」も参考にしたい。

 その「JTB旅行動向見通し」によると、16年は「国内旅行を中心に旅行意欲は堅調」と見る。国内旅行人数は前年比0・7%増の2億9360万人、海外旅行は同0・3%増の1620万人と微増を予想。そして訪日外国人数は同19・0%増の2350万人と推測する。ちなみに昨年の同調査では、15年の訪日外国人旅行者数は同13%増の1500万人と予想しており、実際2千万人近くまで伸びたことは異常な伸びでもあったことを示している。「爆買い」が流行語大賞となるなど、中国やアセアン地域からの訪日外国人数の拡大に沸いた年でもあった。

 当然、予想もしなかった数の外国人観光客が一挙に押し寄せてきたので、「バブル」的な好景気となった地域や業種もある一方で、首都圏や関西圏を中心に福岡市などでもシティホテル、ビジネスホテルの客室の予約が取れなかったり、宿泊料金の高騰という現象が強まっている。そのようななか、違法な「民泊」が大きな社会問題としてクローズアップされた。安全性や近隣住民とのトラブルなど、さまざまな重要な課題が噴出してきた。国は経済的なメリットを語るのもいいが、まずは法的な整備のうえでの話である。

 16年の主な観光関連の予定を見ると、明るい話題が多い。

 2月には新東名高速道路「浜松いなさ―豊田東ジャンクション」が開通。3月26日には北海道新幹線「新青森―新函館」間が開業。そして、3月31日にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)、4月15日には東京ディズニーシーと、日本の2大テーマパークがともに15周年を迎える。5月26、27日には伊勢志摩で主要国首脳会議(サミット)が開かれる。8月は5日からリオデジャネイロオリンピックが開催され、11日は、国民の祝日として「山の日」が制定される。11月には東京・築地市場が移転し、豊洲新市場が開場するほか、松坂屋銀座跡地に銀座エリア最大級の商業施設が開業する計画で、首都・東京はますます魅力的なエリアへと変貌していくはずだ。

 また16年は日本シンガポール国交樹立50周年、日本フィリピン国交正常化60周年、日本国連加盟60周年を迎え、多彩なイベントも行われるだろう。

 今号の1面と6面でも紹介しているが、「全国旅館おかみの集い」が7月5日、鳥羽シーサイドホテル(三重県鳥羽市)で開かれる。運営委員長は、中かほる女将(伊勢志摩旅荘 海の蝶)が務め、地元の女将会「鳥羽あこや会」(迫間優子会長)が中心となって、準備を進めていく。開催テーマは「今を活きる女将、心のふるさとに集合~日本の伝統文化は旅館(ここ)にあり~」に決まった。

 また、本紙関連では、現場のさまざまな経営改革に取り組んできた旅館・ホテル経営者と、工学博士で、サービス産業革新推進機構代表理事の内藤耕氏との対談シリーズ「いい旅館にしよう!」の第2弾が、いよいよ今春からスタートする。

 この激変する時代ではあるが、新たな環境にも柔軟さをもって対応していくことが大切だと思う。

(編集長・増田 剛)

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