重要文化的景観に、金沢の城下町など4件(文化審)

 文化審議会(西原鈴子会長)は12月11日、江戸時代の城下町発展の都市構造を継承する「金沢の文化的景観 城下町の伝統と文化」(石川県金沢市)など4件を重要文化的景観に選定。また、「鶴の湯温泉本陣」(秋田県仙北市)や現存する最古のレンガ造り灯台「菅島灯台」(三重県鳥羽市)など21都県の136件の建造物を登録有形文化財にするよう川端達夫文部科学相に答申した。これで重要文化的景観の選定数は計19件、登録有形文化財登録数は計7865件となる。

 重要文化的景観は「金沢の文化的景観 城下町の伝統と文化」のほか、「姨捨の棚田」(長野県千曲市)、「樫原の棚田」(徳島県上勝町)、「平戸島の文化的景観」(長崎県平戸市)の3件が選ばれた。

 「金沢の文化的景観 城下町の伝統と文化」は、城下町の発展段階を継承するとともに、伝統工芸などの店舗が独特の界隈を生み出している▽「姨捨の棚田」は、大池から更科川への水系を軸に、用水・田越しの導水手法によって継続してきた約1500枚の棚田がある▽「樫原の棚田」は、勝浦川上流の典型的な棚田・山村で、土地利用形態が200年以上変化していない稀な事例▽「平戸島の文化的景観」は、かくれキリシタンの伝統とともに、棚田群や人々の居住地で構成された独特の景観という。

 主な登録有形文化財は次の通り。

 茂木本家住宅主家ほか(千葉県野田市)▽坂戸橋(長野県中川村)▽旧波佐見町立中央小学校講堂兼公会堂(長崎県波佐見町)▽宮崎神宮神殿ほか(宮崎県宮崎市)

ISO14001グループ取得へ、兵庫県淡路島の9旅館ホテル

 兵庫県淡路島の6社(旅館ホテル9施設)は自然環境の維持および改善をはかる環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001のグループ取得を目指し、12月25日、ホテルニューアワジでキックオフ式を開いた。JTB協定旅館連盟の支援の下、取得を目指す。兵庫県内では初。  取得を目指す6社9施設は、淡海荘、海月館、ホテルニューアワジグループ(ホテルニューアワジ、ホテルニューアワジ別亭、淡路夢泉景、夢海游淡路島、ホテルニューアワジプラザ淡路島)、淡路島観光ホテル、四州園なぎさ、淡路インターナショナルホテル・ザ・サンプラザ。

第19回旅行動向シンポジウム(日本交通公社)

 12月16日、東京都内の経団連会館で、「第19回 旅行動向シンポジウム」(主催:財団法人日本交通公社)が開かれた。第1部は恒例の「旅行マーケットの最新動向と2010年の展望」。同財団の黒須宏志主任研究員が報告。第2部は、「今なぜ京都だけが一人勝ち!?~集まる秘密を聞く」をテーマに、京都市の観光行政トップとして観光客5千万人構想の実現に寄与した、時有人社の清水宏一代表取締役と、立命館大学大学院経営管理研究科教授、京都ブランド研究会・座長など、公職も多数務めるジャパンライフデザインシステムズの谷口正和代表取締役社長が登壇した。講演内容を紹介する。

 黒須氏は09年の国内マーケットを振り返り、とくに1千円高速に注目。「景気後退や新型インフルエンザの影響は大きいが、一過性のもの。1千円高速の影響は今後も続く」と語った。1千円高速のプラス面を、出かけるモチベーションの喚起や一部に「宿泊したい」という人もいると認めつつ、公共交通機関へのネガティブな影響や日帰りシフトの継続、平日旅行の減少など、マイナス面を指摘した。

 JTB旅行マーケット調査によると観光目的の宿泊旅行の08年と09年を比較した出発日シェア(09年4―9月)は、夏休み、ゴールデンウイークともに前年比で増加。曜日別では土・日・祝日が2%増加している一方で平日が6%減少。さらに、宿泊数減少の3分の2は平日旅行の減少に起因していた。土・日・祝日への効果集中、日帰り傾向がはっきり見られた。

 10年の見通しについては、「節約疲れもあり、消費マインドは08年に比べて上向き。デフレメリットを感じ消費者は旅行に対して積極的で、『割安感』を感じているが、実際は収入源で支出は絞られるのではないか。新たに需要を分散化させる要素がでてこない限り、国内宿泊は前年比で微増止まり」と語った。

 海外旅行は、東日本、首都圏、西日本と地域別に分け、性年代別旅行者の動向(09年1―9月)を見ると西高東低の傾向が見られた。男性はどの地域も低調だが、とくに西日本の女性が顕著な伸びを示した。シルバー層の伸びも顕著だった。

 性年代別出国率動向(08年10月―09年9月)で、唯一20代女性が伸びたことについては、「デフレ以外の何ものでもない。『今行かなければ損だ』という気持ちの表れ」と指摘した。

 09年の海外旅行者数は前年比3・3%減の1645万人の見込み。10年は女性とシニアにリードされ堅調に回復し、同7・4%増の1660万人の予測。インバウンドについては、訪日客数を目的別に09年と10年で比較すると、観光は09年が同23・3%減から10年が同21・3%増に、ビジネスは同19・3%減から19・3%増とプラスに転じる見込み。09年の訪日外国人旅行者総数は同22・3%減の649万人の見込み。10年は同18・7%増の795万人の予測。

八千代座100周年迎える、3年かけ記念事業、山鹿市 “大沢親分”も応援に

 熊本県山鹿市(中嶋憲正市長)の八千代座が今年、建設100周年を迎えるのを記念して、今年度から「八千代座100周年記念事業」が始まった。2009年度から11年度までの3カ年度にわたるもので、09年度はプレ100周年、10年度は建設100周年、11年度は開業100周年と位置づける。

 基本テーマは「これまでの100年、そして、これからの100年」。将来、八千代座を引き次いでいく子供たちの育成などを視野に入れた事業を展開する。現在、子供を対象にした歌舞伎教室や朗読会などがあがっている。09年は10月にスペインの芸術家を招き市民らと地域シンポジウム、11月には記念事業のオープニングとして坂東玉三郎舞踊公演を開いた。また、目玉の一つとして最優秀作品には100万円贈呈という、八千代座キャラクター名およびデザイン公募を実施している=既報。

 100周年オープニングセレモニーは、2月17日に八千代座で行う。

 12月3日には中嶋市長やふるさと山鹿大使の大沢啓二元日本ハムファイターズ監督らが出席して、東京都内で記者発表した。中嶋市長はあいさつで、記念事業の主旨を説明し、「11年は九州新幹線全線開通の年にもあたる。これを千載一遇のビッグチャンスと捉え、山鹿市と八千代座の心を全国に広く発信し、観光客誘致をはかりたい」、井口圭祐山鹿温泉観光協会会長も、「八千代座は廃屋の時代もあったが見事に復興を遂げた。この事業で先人の思いや復興の思いを子供たちに伝えるとともに観光振興にもつなげたい」と述べた。

 一方、〝大沢親分〟は、山鹿市の子供たちは道であっても必ずあいさつをする。教育がしっかりしている証だとし、「山鹿を一言でいうとあっぱれ」と称賛。「市の発展のために私も尽力を惜しまない」とした。

旅行会社の生き残る道とは――「観光業の総合コーディネーター」、日本旅行・矢嶋氏が講演

 地域科学研究会高等教育情報センターは09年12月10日、東京都千代田区の私学会館アルカディア市ヶ谷で「観光・ツーリズム系の教育・人財ニーズ」をテーマとしてセミナーを開いた。セミナーには、旅行会社を代表して、日本旅行広報室マネージャーの矢嶋敏朗氏が「総合旅行会社『広報室』から~日々感じる地殻変動と総合旅行会社が生き残る道」と題して講演した。

 矢嶋氏は、インターネット予約サイトや航空会社の直販化などの動きを受けて、今後総合旅行会社が生き残る道の一つとして、「従来型の旅行会社から脱皮し、『観光業の総合コーディネーター』役を担うべきではないか」と述べた。

 矢嶋氏は価格競争が激化している現状を紹介し、これまで日本旅行が取り組んだツアーの成功例を幾つかあげた。1人100万円の「日本1周バスの旅」では、マスコミを効果的に利用した話題づくりの手法や、旅行会社が地域とお客との「橋渡し役」となりうる可能性などを語った。また、09年10月、同社は新潟県の魚沼市観光協会と連携し、新日本プロレスの興業を行い、「地域との間で独自の地域振興モデルを築くきかっけとなった」などの成果を報告した。

 そのほか、同社の社員で、年間取扱高が8億円、ファンクラブ会員が2万人にのぼる〝カリスマ添乗員〟平田進也氏の知名度を生かし、広告代理店やPR会社の役割を果たす部署「おもしろ旅企画ヒラタ屋」を新設し、ビール会社や化粧品会社などを巻き込んだツアーやイベントを企画しながら、新たな事業分野を開拓していく姿勢などを説明した。

 矢嶋氏は産と学のさらなる連携の必要性を訴え、「観光学部にはマネジメント系、ホスピタリティ系、地域系などあるが各分野が横断的に産業と連携していただきたい」と産業側からの視点で要望。旅行関連産業を目指す学生には、「さまざまな人たちとの調整が必要な職種であるため、コミュニケーション能力と粘り強さが必要」と語った。

観光庁長官表彰を創設、13人が受賞、特別功労に須田氏ら(観光庁)

 観光庁は、国際競争力のある観光地づくりや、外国人に対する日本の魅力発信など観光振興や発展に貢献した個人や団体に対し、「観光庁長官表彰」を新設し、第1回の表彰者として13人を選出した。今回は1回目として、「特別功労」を設け、女優で観光大使の木村佳乃さんと東海旅客鉄道相談役の須田寬氏の2人を特別表彰した。

 昨年12月14日に同庁内で表彰式を開き、本保芳明長官から出席者に表彰状の授与が行われた。本保長官は「審査委員会で激論を交わし、選んでいただいた。各分野で賞を設けた」とし、「これまでの功績を称えるとともに、観光の世界を引き続き引張っていただきたい」と今後の期待を込めて受賞者を称えた。また、「おもてなし・人材育成」部門で受賞した和倉温泉・加賀屋客室係教育リーダーの岩間慶子氏は「日本一の加賀屋で働かせていただき、お客様に支えられ、社員に支えられて受賞できた。これからもこの賞に恥じることのないように、努めていきたい」と喜びを語った。

 審査委員会委員長の青山学院大学特任教授・青木保氏が発表した選考の観点は、(1)新たな分野を開拓した(2)今までと異なる視点から日本の新たな価値を示した(3)海外において、日本の魅力を観光地に限定せず、文化・芸術などについて広く発信した――の3点。当初推薦があった117件のうち、17件を審議の対象にしたという。

 受賞者は次の各氏。

【国内観光振興】
川島聖史(岡山県美咲町産業観光課課長補佐)▽小菅正夫(旭川市旭山動物園名誉園長)▽中谷健太郎(亀の井別荘社長)▽福澤武(三菱地所相談役、大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会会長)

【国際観光振興】
李硯鎬(ビコ社長)・李美順(ビコTS社長)▽カトリーヌ・オーデン(フランス観光開発機構在日代表)▽Supernet Tour and Travel(台湾系米国旅行会社)▽ハローキティ(中国・香港観光親善大使)

【文化・芸能・伝統工芸による観光振興】
馮小剛(映画監督)

【観光関係事業の経営者】
大西雅之(阿寒グランドホテル社長)

【おもてなし・人材育成】
岩間慶子(加賀屋客室係教育リーダー)

【特別功労】
木村佳乃(女優、観光広報大使)▽須田寬(東海旅客鉄道相談役)

第35回「100選」決まる、1月11日号で紙上発表

「新たに11施設が入選、表彰式は来年1月22日」

 旅行新聞新社・100選選考審査委員会は12月1日、東京都港区の浜松町東京會舘で「第35回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の選考委員会を開き、総合100選と審査委員特別賞・小規模和風の宿10施設を決定した。「第30回プロが選ぶ観光・食事、土産物施設100選」「第19回プロが選ぶ優良観光バス30選」などを加えた主なランキングは本紙2010年1月11日号の紙面で発表する。

 今回の総合100選では、新たに11施設が入選。また、初めてベスト10入りした施設もある。表彰・発表式は1月22日、東京都新宿区の京王プラザホテルで開かれる。

 「第35回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」は、全国1万2882の旅行会社(支店や営業所含む)を対象に専用ハガキによる投票を募り、集計した投票結果を後援団体の日本旅行業協会(JATA)、全国旅行会社(ANTA)の関係者、旅行作家、旅行雑誌編集者で構成される選考審査委員会で審査し、決定する。旅行新聞新社が主催し、毎年実施している。今年も10月1―31日まで投票を受付けた。

 ※なお、今回は投票ハガキの中から、自転車やデジタルカメラ、洋酒など豪華賞品が当たる抽選会も実施。当選者の発表につきましては、賞品の発送(12月中)を持ってかえさせていただきます。  たくさんのご投票ありがとうございました。

国内旅行は36%冬のボーナスの使い道(カカクコム)

 ボーナスの使い道で国内旅行は36%――。カカクコムが運営する「価格.com」が実施した「冬のボーナス2009」調査によると、冬のボーナス推定支給額は前年比1割減の52万2千円と大幅に減少。08年は58万円で、年代別では全世代で減額となる見通し。また、支給予定ボーナスのうち、税金やローン返済など必要経費を除いた、実際に自由に使える金額の平均は15万1677円となった。同サイトでのウェブアンケートで回答数は7897人。

 冬のボーナスの使い道では、「商品購入」が最も多く、78・0%を占めた。その平均金額は7万3812円。「貯金」も73・7%と多数を占めた。また、「国内旅行・外出」は36・4%で平均消費額は5万543円、「海外旅行・外出」は7・0%で平均消費額は11万7722円。旅行での消費は、国内・海外を合わせて4割強という結果となった。

 日本旅行業協会(JATA)がまとめた8、9月の苦情件数報告によると、8月の消費者からの受付件数は前年同月比57・5%増の274件(相談215件、あっ旋59件)、9月は同22・8%減の277件(相談210件、あっ旋67件)。

 8月は前年に比べると100件増と大幅に増加したが、一昨年は275件だったことから、昨年は燃油サーチャージの高騰などで買い控えがあり、相談の絶対数も減少したと推測する。相談内容の区分で最も多かったのは「取消料」の51件、次いで「一般的な相談」の25件、「申し込み・契約」の23件だった。

 一方、9月は、前年度に会員会社の倒産があったた反動で減少した。昨年の「倒産と弁済業務」件数を除くと30・8%増と増加傾向。多かった相談は「取消料」の35件、「申し込み・契約」の33件、「手配内容」の29件の順。

 最近の傾向として、消費者以外の照会で消費者センターからの相談が増えており、消費者相談室の小林二郎副室長は「今後も国民の窓口として増えてくるだろう。内容は、旅行業法の説明を行うことが多い」と報告した。また、新型インフルエンザに関する相談は減少し、10月に入るとほぼなくなったという。

「訪日3000万人」予算半減、事業仕分けで大幅削減

 11月27日に行われた行政刷新会議の事業仕分けで、観光庁が2010年度予算の概算要求として約189億円を要求していた「訪日外客3000万人プログラム第1期」事業が、「予算半減」と判断されたほか、約32億円を要求していた「観光を核とした地域の再生・活性化」事業は「8割減」を求められた。

 10年度の観光庁予算の概算要求では、09年度予算62億5700万円の約4倍に当たる251億円を要求したが、事業仕分けの判断を受けて、約130億円(前年度予算の2倍)程度となる見通しだ。

近場で短い旅行が主体、JTB年末年始の旅行動向

 JTBが発表した年末年始の旅行動向(09年12月23日―10年1月3日)によると、今年はカレンダーの曜日配列が良くないため、近場で短い旅行が主体となる傾向が強いという。海外旅行人数は前年同期比4.1%減の56万5000人、国内旅行人数も同2.5%減の2850万人とともに減少する見通し。

 海外旅行の出発のピークは12月29、30日。円高ウォン安が続く韓国の人気が高まっている。また、旅行代金が高い時期を避け、年始の3連休(1月9―11日)を利用するケースも目立つ。

 国内旅行はETC割引の定着で乗用車の利用が増加。高速道路からアクセスの良い観光地が客足を伸ばす傾向が強まっている。