星野リゾート 界 別府6月開業 石畳など昔の温泉街再現

2021年5月1日(土) 配信

界 別府の湯の広場イメージ

 星野リゾート(星野佳路代表)は4月14日、オンラインプレス発表会を開いた。九州での今後の展開では、2019年6月から大分県・別府温泉に建設中の「界 別府」を、6月4日に開業すると発表した。4月14日から予約を開始した。

 「界」は同社が全国展開する温泉旅館ブランドで、九州では大分県・瀬の本温泉の「界 阿蘇」、今年1月29日に鹿児島県・霧島温泉に開業した「界 霧島」に続き、別府が3施設目となる。

 コンセプトは「ドラマティック温泉街」で、和紙の提灯が照らす石畳の路地や土産店、夜店をイメージさせる空間など、昔の温泉街の輝きを館内に再現させる。

 ご当地部屋「柿渋の間」など全70室の客室からは、別府湾を一望できる。「あつ湯」と「ぬる湯」の2つの湯船を持つ温泉大浴場も備える。

 星野代表は「九州での展開は弱かったが、別府は重要な施設となる」と力を込めた。また、1月に開業した「界 霧島」のエリア別稼働が「九州域内利用が75%」と報告した。九州では、22年夏に「界 由布院」(大分県由布市)の開業を予定する。

霧島市と海津市の交流50周年記念 ソラシドエアが共同プロジェクト機運航

2021年4月30日(金) 配信

鹿児島県霧島市・岐阜県海津市姉妹都市交流50周年アニバーサリー号

     ソラシドエア(髙橋宏輔社長、宮崎県宮崎市)は4月24日(土)から、鹿児島県霧島市と岐阜県海津市の共同プロジェクト機、「鹿児島県霧島市・岐阜県海津市姉妹都市交流50周年アニバーサリー号」(愛称=かいづっち・茶ノミコトくん号)の運航を開始した。同社が取り組む地域振興・機体活用プロジェクト「空恋~空で街と恋をする~」の一環。 空恋プロジェクトの運航機は30番目。

 就航開始を記念して、4月24日(土)に鹿児島空港と中部国際空港で就航セレモニーを行った。運航初便のソラシドエア116便(鹿児島午前8:40発→中部10:00着)の搭乗者にオリジナルエコバッグや搭乗証明書など記念品を配布した。

 鹿児島県霧島市(旧国分市)と岐阜県海津市(旧海津町)は約270年前、江戸幕府の命で水害の常襲地帯だった海津市を含む木曽三川下流地域で、宝歴治水を成し遂げた。1970年に両市は姉妹都市盟約を結び、政治や経済、教育、文化など活発な交流をはかっている。2020年に姉妹都市交流50周年を迎えたことを記念し、プロジェクト機は当初、2020年10月に運航予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により半年延期した。共同のプロジェクト機体には、両市のマスコットキャラクターが機体後方左右にデザインされている。

 今後、1年半にわたり空恋プロジェクト機「鹿児島県霧島市・岐阜県海津市姉妹都市交流50周年アニバーサリー号」がソラシドエア全就航路線を飛び、両市の魅力をPRする。

〈旬刊旅行新聞5月1日号コラム〉台湾ロス 台湾で過ごした情景が思い浮かぶ

2021年4月30日(金) 配信

 
 先日、久しぶりに台湾観光協会東京事務所の鄭憶萍(テイ・イーピン)所長をはじめ、スタッフの方々と対面でお会いする機会に恵まれた。東京都では、3度目の緊急事態宣言が発令される直前のことで、銀座の鼎泰豊(ディンタイフォン)に赴き、小籠包や、台湾パイナップルを使ったフワフワかき氷などを食しながら、有意義な情報交換をすることができた。

 
 台湾の方々と接しているなかで気づくことは、日本人と比べて、対人関係の垣根が低いということ。そして、それは心地よさに通じている。

 
 日本人同士のビジネス会食などは、それがたとえ情報交換を主としたものでさえ、緊張してしまう。「礼儀正しい」といえば聞こえは良いが、どちらかと言えば「堅苦しさで息が詰まりそうになる」の方が近い。その点、台湾人との食事はリラックスでき、心から楽しめる。

 

 
 最後に台湾を訪れたのは、2019年8月のこと。夏休みを利用して、実家のある北九州空港からスターフライヤーで桃園空港まで飛んだ。日本の旅館業界とも交流の深い、徐銀樹氏が経営する台北市内の「京都商務旅館」に4泊し、北投温泉のホテルにも1泊した。

 
 徐さんから台湾交通部観光局の方や、さまざまな人を紹介していただいた。突然新幹線の切符を渡されて新竹のホテルに向かい、そのまま宿泊したことも。徐さんの車で北投温泉まで連れて行ってもらい、美味しいと評判の屋台の店で食べた牛肉麺も印象的だった。折しも台風が台湾に向かっており、間一髪で桃園空港を飛び立った。

 
 「京都商務旅館」滞在中はロビーで夜遅くまでお酒と食事を楽しんだ。ロビーには毎晩、徐さんの友人や知人が訪ねてきて、いつだってにぎわっていた。言い尽くせぬほどお世話になったお礼をまだ果たせていないなか、コロナ禍で台湾に行くことができないでいる。

 
 19年は5月中旬に、台北国際観光博覧会が開催され、私は取材で台湾を訪れている。その時も「京都商務旅館」に宿泊し、徐さんやその仲間たちとロビーでお酒を飲み、徐さん自らが包丁で切ってくれたマンゴーなどを満喫した。

 

 
 前年の18年3月には、台湾中部の嘉義県でランタンフェスティバルが開催され、取材で訪れた。鄭所長とも台湾のどこだったか忘れてしまったが、人混みの中でお会いした。

 
 翌4月には、弊社主催の第5回「旅館100選」商談会のために、台北市を訪れた。台湾の旅行社と、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に入選した宿泊施設との商談会は盛況だった。その流れで、旅館関係者らと深夜まで食事やお酒を飲み交わし、情報交換を行った。台湾を訪れると、食事が美味しいし、お酒好きな人も多く、「美食」な記憶が色濃くなる。

 
 その前年の17年12月にはプライベートで台北を訪れた。旅行新聞と提携紙の「旅奇」(TRAVEL RICH)の劉厚志部長との会合で、弊社の石井貞德社長も訪台しており、夜は一緒に食事をさせていただいた。

 

 
 こうして思い出してみると、新型コロナウイルスが発生する前までは、台湾に立て続けに訪れていた。台湾で過ごした時間や、現地でお会いした人たちの情景がしばしば思い浮かぶ。私は今、多くの人たちと同じように、いわゆる「台湾ロス」状態にある。

 

(編集長・増田 剛)

【特集No.580】国際観光施設協会の研究進む、疲弊する観光・地域を救え

2021年4月29日(木) 配信

 新型コロナウイルス感染症の収束が見えないなか、町じゅう旅館・ホテル、ウィズコロナ時代の設備、ワーケーション、フェーズフリーなど6つのテーマの研究を進める国際観光施設協会(鈴木裕会長)。すべての研究に共通するのは、苦境に立たされる観光業界と地域を救いたいという思い。4つのテーマを研究する各分科会のトップに研究成果や今後の展開などを聞き、ウィズコロナ時代の観光産業の変容を探った。

【後藤 文昭、長谷川 貴人】

町じゅう旅館・ホテル

旅館観光地分科会 会長 川村 晃一郎氏

宿起点に地域内を結合

 旅館観光地分科会(川村晃一郎会長)が進める「町じゅう旅館・ホテル」は、ホテルや旅館を起点として、まちの施設やイベント、人をテクノロジーでつなぎ、周辺の活性化や地方創生を目指す構想だ。さらに「タビマエ」、「タビナカ」、「タビアト」で分断されている各種サービスを結合することで、「移動」面の課題解決も目指す。

 サービスの結合や移動の快適性向上には、乗換案内アプリでMaaS事業を展開しているジョルダンの「J―MaaS」を利用する。川村氏は同MaaSの利点を「各交通事業者が提供するMaaSと違い、さまざまな交通機関と地域を網羅しているので、利用者が本当に必要な情報を得ることができる」と説明。「このMaaSにローカルな交通事業社なども参画してもらえれば、1つのQR決済で地域内を快適に移動できる」との考えを示す。

 同分科会は今年1月、東京都台東区にある行燈旅館で実証実験を行った。ジョルダンの乗換案内アプリ内に広告を掲載し、そこから宿のホームページに誘導し、予約できるようにした。

 宿のロビーには、デジタルサイネージを設置し、女将おすすめの周辺スポットを動画で紹介。気に入ったスポットをタッチすると、より詳細な動画やアクセスを見ることができる仕掛けだ。

 さらに講師を招き、スマートフォンカメラを使った写真教室も実施。参加者が撮影した写真に行燈旅館とハッシュタグを加えインスタグラムに投稿すると、宿のホームページにも表示される。これによって宿は、常に最新の情報をHP上に掲載できる。

 こうした仕組みを構築しながら川村氏は、「肝になるのは、自治体や宿泊施設、観光団体などに元気になってほしいという各社の思い。『町じゅう旅館・ホテル』の仕組みは、このコロナ渦で疲弊した地域の立て直しにも寄与できる」と話す。タビアトまでケアでき、リピーターも生み出せるほか、画一的なサービスをつくることが目的ではないため、「色々な人に加わってもらい、それぞれにあった仕組みを一緒に構築したい」と語る。……

【全文は、本紙1830号または5月11日(火)以降、日経テレコン21でお読みいただけます。】

JATA、福田叙久氏ら3理事が「観光関係功労者 国土交通大臣表彰」受賞

2021年4月28日(水) 配信

福田叙久理事

 日本旅行業協会(JATA)は4月28日(水)、同協会理事の福田叙久氏と松田誠司氏、東良和氏が、2021年度「観光関係功労者国土交通大臣表彰」を4月26日(月)付けで受賞したと発表した。同賞は、国土交通省が観光関係事業に長年精励し、顕著な功績をあげた経営者や従業員を表彰するもので、今年は旅行業関係11人(うち添乗員6人)、ホテル業関係13人、旅館業関係14人の合計38人が受賞した。

 受賞理由として、福田叙久理事(アサヒトラベルインターナショナル)は、私立中学・高校のハワイ夏期セミナーを発展させた取り組みは日本の海外教育旅行の草分けとなったほか、海外ホームステイプログラムを確立するなど、旅行業の発展に貢献した。なお、福田理事は20年度表彰の申請だが、授与が延期となったため、今年度の申請者と合同での受賞となった。

松田誠司理事

 松田誠司理事(阪急交通社)は、阪急交通社のパッケージツアー商品「トラピックス」を主力商品にするとともに、シニア層に対して認知と信頼を得たほか、業界における広告モデルの変換など先駆的な役割を担った。

東良和理事

 東良和理事(沖縄ツーリスト)は、沖縄ツーリスト新宿支店長時代、パプアニューギニアのチャーター便特別企画をきっかけに、のちの定期便化に貢献したほか、沖縄の未来の観光を担う子供たちのために小学校副教材のの発刊に取り組むなど、沖縄観光振興などに寄与した。

国内16路線を減便GW明けは約25%減で運航(ジェットスター・ジャパン)

2021年4月28日(水) 配信

ジェットスター・ジャパンはこのほど、5月7(金)~31日(月)までの減便を発表した

 ジェットスター・ジャパン(片岡優社長、千葉県成田市)は4月28日(水)、5月7(金)~31日(月)までの国内線を減便すると発表した。対象となるのは国内16路線。当初の計画から24・5%減の片道226便(28日現在の発表)を減便する。5月の累計では、片道512便の減便。

 新型コロナウイルス感染症の影響による航空需要を踏まえ、今回の判断となった。

 


対象路線

成田―新千歳・関西・高松・松山・高知・福岡・大分・長崎・熊本・宮崎・鹿児島・那覇・下地島線

関西―新千歳・那覇線

中部―福岡線


 

 対象となる便を予約していた利用者に対しては、全額払い戻しか、購入金額相当のバウチャーを発行する。予約の購入金額相当を、同社の他路線運航便の航空券購入に充てられる。空席状況に応じて、同社が運航する同区間の別日の便に変更できる。

ハウステンボス、次世代電動車イスを導入 歩行不安な人の来園増狙う

2021年4月28日(水) 配信

WHILL Model C2の使用イメージ。

 ハウステンボス(坂口克彦社長、長崎県佐世保市)は4月24日、WHILL(杉江理代表取締役兼CEO)が開発・販売する次世代型電動車イス「WHILL Model C2」のレンタルを始めた。日本一広いというテーマパークである同園の場内を散策する高齢者や長距離歩行に不安な人に利用してもらうことで、来園者増加を狙う。

 同車イスは利用者が操作可能で、自由に移動できる。さらに、安定した走行性で同伴者ともゆっくり場内を動けるという。小回りもきくため、店舗など屋内でもスムーズに走行できる。

 車イスの走行をより快適にしようと、同社は一部の石畳をレンガ敷きに改修し、場内をよりスムーズに回れるようになった。

VR・ARで見る根本中堂 修復現場や改修後を観賞できるサービス開始(比叡山延暦寺)

2021年4月28日(水) 配信

事業告知ポスター

 2021年6月4日(金)に伝教大使1200年大遠忌御祥当を迎える比叡山延暦寺(滋賀県大津市)は、文化庁の「先端技術を活用した日本文化の魅力発信事業」の一環として、VR(仮想現実)とAR(拡張現実)で大改修中の国宝・根本中堂にアクセスできる「VRウォークスルー」と「AR体験」を4月29日(木・祝)に公開する。

 「比叡山延暦寺VRウォークスルー」では、一般公開されていない文化財の修復現場や「不滅の法灯」が安置されている内陣などを、バーチャル空間で隅々まで歩くことができる。

 また、アプリ「比叡山延暦寺AR体験」では、根本中堂の周辺に設置された7カ所のポイントでスマートフォンなどのカメラをかざすと、大改修完了後の根本中堂が現れる。

 サービス実施期間は、どちらも26年3月末までを予定。

 同事業では、3D測量や4K画像によるウォークスルー作成、AI技術を用いた立体的な映像など先端技術を活用し、日本の文化財修理現場や伝統的保存技術を国内外に紹介する。

上・「VRウォークスルー」、下・「AR体験(アプリ)」

かんぽの宿が除菌作業マニュアルを公開 コロナ対策の一助に

2021年4月28日(水) 配信

家庭や職場での対策に活用を

 日本郵政が運営する「かんぽの宿」はこのほど、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために使用している、除菌作業の基本動作や手順などをまとめた「かんぽの宿除菌作業マニュアル」をホームページで公開した。正しい除菌対策の情報は、家庭や職場でもコロナから身を守るための一助になると考え、広く発信している。 

 同社は2020年7月から、全施設で統一した感染防止のための対策を資料やDVDを使って全社員に研修している。今回のマニュアルは、除菌作業の品質を上げるため、2021年3月に専門家の意見も参考にして作成した。

 同社は、「清掃とは表面の病原菌や汚れを除去することで、洗浄剤に浸したスポンジや雑巾でカウンターやテーブルなどを往復で拭くこと。これに対し、除菌とは病原菌となる細菌の数を減らすことを意味し、接触頻度の高い箇所を除菌剤を吹き付けた布で一方向に拭うこと」と解説。「正しい除菌方法を知ることは、新型コロナウイルス感染対策を実施するうえで大変重要です」とコメントしている。

浅草・時代屋が菌滅人力車を導入 地元企業と異業種コラボ

2021年4月28日(水) 配信

菌滅コーティング施工のようす

 東京・浅草で観光人力車を運営する時代屋(藤原英則社長、東京都台東区)は4月27日(火)から、1Line(眞鍋豊洋社長、東京都台東区)と協力し、車体を菌滅処理した人力車を使ったサービスを開始した。

 時代屋は24年にわたり浅草で人力車事業を展開。数年来、観光客の増加とインバウンド需要で多くの利用があったが、昨年からの新型コロナウイルス感染拡大の直撃で利用客が激減。今年に入ってからも緊急事態宣言が重なり、厳しい状態が続いている。

 こうしたなか、安心して人力車に乗車してもらうため、 地元企業と異業種コラボレーションして菌滅人力車を導入した。1Lineによると、科学的根拠に基づいた菌滅コーティング効果は150日間という。

 同社によると、人力車は構造的にオープンエアーのオープンカーで密にならず安全に乗車できるほか、車夫も検温やアルコール消毒などを徹底し、コロナの感染防止に努めているという。今回、全車両の人が接触する部分に菌滅コーティングすることにより、「さらに安心して浅草観光をお楽しみにいただけます」とアピールしている。