ランニングで新たな人流創出を JALが「RUNNET」とCP

2023年11月10日(金) 配信

旅して走って日本を巡ろう

 日本航空(JAL)はこのほど、ランニングポータルサイト「RUNNET」を運営するアールビーズと共同で、「Run&Fly Wチャンスキャンペーン~旅して走って日本を巡ろう~」を開始した。マラソン・ランニングを活用した新たな人流創出や地域誘客、ランナーのウェルビーイングの実現などが目的。CPは2024年4月30日(火)まで。

 CPは「RUNNET」を通して所定のマラソン大会にエントリーし、応募した人のなかから抽選で海外マラソン大会の出走権や国内マラソン大会開催地の名産品などの賞品が当たる。また、WチャンスとしてJALに搭乗して所定のマラソン大会に参加した人のなかから抽選でマイルや無料航空券、国内ダイナミックパッケージの割引券などが当たる。

 参加方法は対象の大会にエントリーし、「RUNNET」のキャンペーンに参加する。WチャンスはJALの航空券を購入し、同CPへの応募が必要。対象搭乗期間は12月1日(金)~4月30日(火)まで。

小松市でGEMBAモノヅクリエキスポ開催 産業観光として通年販売や訪日ツアーも

2023年11月10日(金) 配信

IRON WORKS KORUの鉄職人・酢馬慶太氏の指導で鉄フライパンづくり

 石川県小松市は伝統的な九谷焼から織物、鉄、石材、酒など多様な産業が集積する。ものづくりの「現場をひらく」プロジェクトとして、2年前から「GEMBAモノヅクリエキスポ」を開き、産業観光として広く一般に工場・工房を開放してきた。3回目となる今年は11月2~5日に「GEMBAモノヅクリエキスポ2023」を開催し、38社が47プログラムを展開した。来年3月の北陸新幹線延伸を控え、今後はプログラムの通年販売や、訪日観光客対応ガイドによるツアー販売などに力を入れる。エキスポの前日から1泊2日で行われた旅行会社やマスコミを対象にしたモニターツアーに参加した。

“ホンモノ”分かる観光客に 産業観光の産業化を

 北陸新幹線が敦賀まで延伸すると、小松は首都圏から新幹線一本でつながることになる。また、市内には市街地から非常に近い小松空港もあり、アクセスは抜群だ。

 一方で、小松市交流推進部の山本ゆかり部長は「小松市は大量の観光客を望んではいない。『ホンモノ』が分かるお客様に来ていただきたい」と量より質の観光施策だと断言する。

 こだわりぬいた本物のものづくりが集まる所以でもあるが、それを堪能できるのが「GEMBAモノヅクリエキスポ」だ。

 プロジェクトを主催するのは、GEMBAこまつものづくり未来塾(事務局=こまつ観光物産ネットワーク)。こまつ観光物産ネットワーク観光振興マネージャーの岡谷昭宏氏は狙いを「産業観光の産業化」と示す。観光客にとって産業観光は魅力的なコンテンツだが、事業者にとってはボランティアに留まっているのも実情だ。「課題への挑戦として、GEMBAでどう解決するか。先駆者の新潟県・燕三条の工場の祭典や福井のRENEW(レニュー)などに追いつけ追い越せで、プラットフォームになっていきたい」と力を込めた。

 そのために「GEMBA」は3つのメリットを意識。まず参加者事業者にとっての利益を創出したうえで、魅力を生かせるプログラムを展開する。また、地域にとってもメリットがなければならない。地域住民にも取り組みを知ってもらい、シビックプライドの醸成につなげていく。さらに来場者にとっては魅力的なプログラムを用意し、モノづくりへの理解を深めてもらう。

 10月からは14社が参画し、通年プログラムの提供を開始した。現在は英語ガイドの育成も進めており、インバウンド向けツアーも11月下旬から販売予定だ。

 モニターツアーでは実際のプログラムから数カ所を巡り、体験や見学を行った。

魅力的な産業観光コンテンツ

 このうち、鉄工所・IRON WORKS KORU(アイアンワークス)では、鉄板から世界に1つだけのフライパンづくりが体験できる。鉄職人・酢馬慶太氏の丁寧な手ほどきで、未経験でも鉄を熱して叩いてを何度か繰り返し、1時間半ほどで完成に漕ぎつけられる。「鉄マニア」を豪語する酢馬氏が熱心に鉄の扱い方や使い方を説明してくれるため、一見ハードルが高い鉄フライパンのメンテナンスも安心だ。アイアンワークスは通年プログラムの参画事業者。

小倉織物ではベテランの職人が丁寧に解説

 創業100年を超える小倉織物は、後染洋装専門のシルクジャガード職人工房としては日本で唯一。最終商品を生産していないため、小倉織物の名前は世には出ないが、世界有数のハイブランドから指名が入り、さまざまなブランドとコラボレーションしてきた。同工房では熟練の職人の技や工場内見学、手掛けた商品の秘話などが聞ける。こちらも通年でリクエストを受け付けている。

お正月の縁起菓子「辻占」包みを体験

 県内の南加賀エリアで新年に縁起菓子として食べられているという「辻占(つじうら)」。菓子のなかに、占いが入っている地域独自の“フォーチュンクッキー”だ。材料は餅粉と砂糖とシンプルだが、見た目は正月菓子らしく華やかで可愛らしい。製造を行っている長池彩華堂では、占いの紙を餅粉で包むマイ「辻占」作りが楽しめる。こちらは11、12月の季節限定プログラムだ。

 このほか、モニターツアーでは九谷焼の原料となる粘土を100年以上作り続けている二股製土所や、祖父の酒蔵を引き継ぐ若い蔵元杜氏がこだわりの木桶で酒造りを行う西出酒造などを訪れ、小松の幅広い産業観光の魅力に触れた。

日本酒の仕込み水で淹れる西出酒造のコーヒー

 なお、西出酒造では土曜日に「蔵CAFEぐるり」をオープンしており、日本酒の仕込み水で淹れるコーヒーを求めるファンも多いという。

12月、京都府版全国旅行支援が再開 11月13日(月)から予約開始(きょうと魅力再発見旅PJ)

2023年11月10日(金) 配信

京都府版の全国旅行支援が12月に再開する。予約開始は11月13日(月)から。

 京都府版の全国旅行支援「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」は12月1(金)~27日(水)まで、宿泊補助と団体旅行補助に限定して再開する。予約開始日の11月13日(月)以降の新規予約が対象となる。予算の上限に達し次第、終了する場合がある。

 日本在住者が対象。利用には、本人確認書類の提示が必要となる。

 宿泊補助は、京都府内の対象宿泊施設へ直接予約することで対応する。割引率は20%上限。割引上限額は、1人泊当たり3000円。

 11月10日(金)時点の参画宿泊施設は、約950軒。

 団体旅行商品は、京都府内の旅行会社が売り出している貸切バス利用の旅行商品が対象となる。割引率は20%上限。宿泊・交通付の旅行は1人泊当たり5000円まで、宿泊付きは1人泊当たり3000円まで。日帰り旅行は1人当たり3000円までの割引。

 11月10日(金)時点で予約を受け付けている旅行会社は、約63件。

 京都府内の土産物店や飲食店などで使える「京都応援クーポン」(原則電子クーポン)は、平日が2000円分、休日が1000円分付与される。

東京観光財団とJTB総研が共同研究 旅行・観光業の「脱炭素ロードマップ」

2023年11月10日(金) 配信

翻訳版「A NET ZERO ROADMAP FOR TRAVEL & TOURISM」

 東京観光財団(金子眞吾理事長、東京都新宿区)とJTB総合研究所(風間欣人代表、東京都品川区)はこのほど、旅行・観光業における「脱炭素ロードマップ」をテーマに共同研究を行った。

 World Travel & Tourism Council(WTTC)が2021年11月に発表した調査レポート「A NET ZERO ROADMAP FOR TRAVEL&TOURISM」は、エネルギーや製造・輸送産業などを中心に、気候変動対策が加速しているなか、旅行・観光業においての取り組みについて考察している。

 同レポートでは、世界の旅行・観光業によりCO2排出量の現状とその割合や、航空、宿泊、ツアーオペレーターなどの業種のための脱炭素ロードマップや、必要な具体的アクションを示した。

 2者はこのほど、この調査レポートを国内で初めて翻訳した。

 共同研究報告書「A NET ZERO ROADMAP FOR TRAVEL & TOURISMから読み解く脱炭素に向けた具体的アクションの考察」では、とくにCO2排出量算定が難しいといわれている「旅行会社」にフォーカスし、脱炭素への取り組みへの課題やステップを考え、国内外の最新事例などを踏まえて必要な取り組みをまとめた。

「なんば広場」11月23日オープン 大阪の新たなシンボル空間に

2023年11月10日(金) 配信

広場のイメージ図

 大阪市(横山英幸市長)は11月23日(木・祝)、同市中央区の南海電鉄・南海なんば駅周辺で進めている空間再編事業で、駅前約6000平方㍍のエリアの工事を終え、「なんば広場」(仮称)として先行オープンする。

 大部分をタクシープールが占め、一般車両も行き交っていた駅前を、歩行者天国の空間とし、ベンチの設置やサクラ・ケヤキの植樹などで憩いの空間づくりを行う。舗装は御堂筋と連続性を持った擬石平板とするほか、夜間は照明で広場を彩るなど、ミナミの玄関口としてブランド価値向上をはかる。

 同日からは戎橋筋商店街振興組合となんさん通り商店会、南海電鉄、髙島屋、丸井で構成する「なんば広場マネジメント法人設立準備委員会」が、市と連携しながらイベント開催などの社会実験を始める。

 11月25日(土)、26日(日)に開く「道頓堀リバーフェスティバル」(大阪活性化事業実行委員会主催)を皮切りに、12月には光のイベントを開催。広場の利活用法や、清掃・警備の管理面の課題などを抽出・検討する。

 広場とつながる駅東側の「なんさん通り」の工事は続き、大阪・関西万博開幕前の2025年3月に整備完了予定だ。無電柱化と歩道拡幅により歩行環境の改善をはかる一方、時間帯や区間に応じて貨物車両の通行は可能とする。

〈観光最前線〉小さくて大きい藍の美術館

2023年11月10日(金) 配信

本来茶色の染液だが、空気に触れた上部は深い藍色に

 京都府南丹市美山町の「ちいさな藍美術館」は、染色作家・新道弘之さんの自宅兼工房を開放した施設。名前とは裏腹に、かやぶきの里として知られる北集落でも、1番大きな家だ。それもそのはず、江戸期の庄屋をリノベーションしたそうだ。

 藍染めでは染液づくりを「建てる」という。土間に埋まった甕が並ぶ工房で、天然藍が発酵する、藍建てのようすが垣間見られた。光の加減で瑠璃色に輝く染液が、美しい。

 新道さんの藍染めコレクションも鑑賞した。その1つ、「青空」と題した母・雪子さんの作品が心に残った。藍染めの「はぎれ」で、多くのパッチワークを手掛けた雪子さん。最後の作品として、自身の棺を覆う布を縫ったという。

 小さな美術館で受けた感銘は、その建物以上に大きかった。

【鈴木 克範】

わかやま12湯サミット 南紀白浜温泉で開催 温泉の魅力発信へ 

2023年11月10日(金) 配信

南紀白浜温泉宣言をする沼田弘美さん

 和歌山県の温泉の魅力を発信する「わかやま12湯サミットin南紀白浜温泉」が10月4日、南紀白浜温泉の「SHIRAHAMA KEY TERRACE ホテルシーモア」で開かれた。

 同サミットは、和歌山県旅館ホテル生活衛生同業組合の「WOK委員会」と、協同組合和歌山県旅行業協会の「わかやま12湯運営委員会」が連携して組織する「わかやま12湯推進協議会」(会長=青木査稚子協同組合和歌山県旅行業協会理事長)が、和歌山県内に点在する温泉の魅力を国内外に発信することを目的に実施する。2021年の龍神温泉、22年の南紀勝浦温泉に続き、今年が3回目。

 今回のサミットテーマは「和歌山の温泉の魅力を大いに語る」。県内の自治体や観光団体、宿泊施設関係者など約70人が集まるなか、講演会やパネルディスカッションなどが行われた。

 青木会長は「今回、皆様のおかげで、無事3回目を迎えることができた。今後も、幅広い方々の協力を得ながら、地元ならではの観光素材や体験、食の創作などにも取り組み、1人でも多くの方に、和歌山県の温泉に足を運んでいただけるよう努めていきたい」とあいさつした。

 白浜町の井澗誠町長は「皆さんの力添えにより今回、白浜でサミットが開催されること、心から感謝と敬意を表します。サミットを通じて、多くのことを学び、和歌山県の温泉の魅力を国内外にアピールしていただきたい」と歓迎のあいさつを述べた。

 また、「残酷な天使のテーゼ」や「寂しい熱帯魚」など、数々のヒット作を手掛ける和歌山県出身の作詞家で、同サミットの特別顧問に就任した及川眠子さんも特別ゲストとして登場。及川さんは「約40年、音楽業界に身を置き、どうPRしていくかを常に考えてきた。それらの経験を、和歌山の温泉アピールに役立てたい」と抱負を語った。

 講演会では、白浜温泉観光協会の藤田正夫会長が「南紀白浜温泉の歴史と現状」と題し、日本書紀にも湯治場として記載がある白浜が、一大観光地へと発展してきた歴史を紹介した。

 徳島県の「大歩危・祖谷いってみる会」の植田佳宏会長(ホテル祖谷温泉・取締役会長)は「世界に通用する観光地域づくり―徳島県大歩危・祖谷温泉郷の挑戦」と題し、インバウンドや修学旅行を大幅に増やすことにもつながった大歩危・祖谷での地域連携の取り組みを報告した。

 パネルディスカッションには、熊野幸代さん(椿温泉しらさぎ)、川田純子さん(南紀白浜温泉ホテルシーモア)、小川さださん(龍神温泉季楽里龍神)の3人の“和歌女将”が登壇。和歌山県の温泉について「海、川、山といったロケーションも魅力だが、何より地元の人の温かみを感じるもてなしが1番の魅力」など、会場の参加者を交えながら、それぞれが思う魅力を語り合った。

 最後には、参加者を代表して紀州・白浜温泉むさしの女将沼田弘美さんが「和歌山県の温泉のゲートウェイとしての重責を担い、周辺観光地へ誘う温泉地となることを宣言します」と南紀白浜温泉宣言を行った。

 次回サミットは、来年に熊野本宮温泉郷での開催を予定する。

雲仙宮崎旅館 グッドデザイン受賞 人が自然となれる工夫で

2023年11月10日(金) 配信

昨年12月に全館建て替えしてリニューアル

 長崎県・雲仙温泉の雲仙宮崎旅館(宮崎高一社長)はこのほど、日本デザイン振興会が主催する「2023年度グッドデザイン賞」を受賞した。

 雲仙温泉を代表する観光名所「雲仙地獄」に建つ同館は昨年12月、全館建て替えしてリニューアルオープンしており、雲仙の自然や温泉街との共存をはかりつつ、地域性と老舗旅館としての歴史を継承し、雲仙固有の自然を取り入れた建築デザインがポイントとなっている。

 今回の受賞は「雲仙でなければならない旅館を追求し、ずっと前からここにあるように、雄大な景観のなかに馴染ませるようにと作りこまれた空間は、ここを訪れる人までもが自然の一部となる工夫が随所に仕掛けられている」といった点が、高く評価されたもの。

訪日客向け国際手荷物配送サービスの実証実験 ホテルから海外の自宅までワンストップ(東武鉄道など)

2023年11月9日(木) 配信

サービス利用の流れ(イメージ)

 東武鉄道(都筑豊社長、東京都墨田区)と東武ホテルマネジメント(三輪裕章、東京都墨田区)はこのほど、総合物流管理業務を行うオー・エス・エス(荒本修一社長、大阪府大阪市)と協働し、浅草東武ホテルにおいて、訪日外国人観光客向けの国際手荷物配送サービスの実証実験を12月1日(金)から始める。

 オー・エス・エスは、訪日旅行客の手荷物などを海外の自宅までワンストップで配送する事業を行っている。

 浅草東武ホテルに宿泊した訪日客の手荷物を、ホテルから海外の自宅まで直接届ける検証を行う。このサービスにより、お土産や不要になった手荷物を持って移動する手間がなくなり、身軽で快適な旅行を楽しむことができる。

 同実証実験は、東武鉄道の事業共創プログラム「TOBU Open Innovation Program」で採択された施策。国際手荷物配送に関するオペレーションの確認と、サービスの市場性・収益性を検証する。

山形県・東根温泉「花の湯ホテル」経営会社、事業停止(帝国データバンク調べ)

2023年11月9日(木) 配信

 花の湯(元木章社長、山形県東根市)は11月1日(水)までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任した。帝国データバンクによると、「今後、任意整理を進める方針」で、負債は「2023年5月期末時点で約4億円」としている。

 同社は1913(大正2)年創業、73(昭和48)年11月に法人改組され、東根温泉で温泉旅館「花の湯ホテル」を経営していた。92年に開催された「べにばな国体」に向けて90年に旅館を改装し、93年5月期には年間収入高約5億9400万円を計上していた。

 しかし、その後は長期不況や東日本大震災の影響などにより、2017年5月期の年間収入高は約1億2600万円に落ち込み、赤字経営を余儀なくされていた。

さらに、新型コロナの影響で22年5月期の年間収入高は約2700万円まで落ち込んだ。コロナ禍の影響が緩和された23年5月期も年間収入高は約3900万円と、コロナ禍前までの業績には回復せず、先行きの見通しが立たなくなった。