海と山の景観、歴史、グルメを満喫 館山で初のON・ガスイベント開催

2023年12月20日(水)配信

城山公園の山頂から眺める町並み

 千葉県館山市で11月25日(土)、初のONSEN・ガストロノミーウォーキングが行われた。

 館山は、NHK連続テレビ小説「らんまん」に登場し話題となった曲亭馬琴作の「南総里見八犬伝」ゆかりの地。参加者は、空気が澄んでくる秋から冬にかけて海の向こうに富士山が見える日が多くなる「北条海岸」がスタート・ゴール地点となる約10㌔のコースを歩きながら、海と山の景観、歴史、グルメを満喫した。

  コース上には、四国八十八ヶ所を遷した遍路道があり88体の弘法大師像が安置されている「安房高野山妙音院」や、房総の戦国大名・里見氏の居城跡を整備した「城山公園」、館山湾を一望できる「渚の駅 たてやま」などさまざまな見どころが点在。

館山の魅力を満喫

 参加者からは「ついつい歩くスピードもゆっくりになってしまった」「館山城がコースに組み込まれていて、歴史にも触れられた。南総里見八犬伝を知っていたが、ここがゆかりの場所だということも今回のイベントで知りました」「妙音院は、今回の企画だから行くことができた素敵な場所。時間があれば、遍路道も歩いてみたかった」などの感想が聞かれた。

さまざまなグルメでおもてなし

 各ガストロノミーポイントでは漁師料理たてやま名物の「かじめ汁」や、「里見伏姫牛の串焼き」、イノシシ肉を使用した「ジビエさんが焼き」、今年デビューのご当地グルメ「たてやま海自カレー」などが用意され、地元の人が参加者をもてなした。

さんが揚げとジビエさんが焼き
たてやま海自カレー

 「たてやま海自カレー」は、海上自衛隊館山航空基地のカレーをもとにしたご当地グルメ。市内の飲食店など5店舗が、「ルーはミックス、香辛料もシンプルに」など5つのルールに従って創意工夫し、地元食材を使ったオリジナルのカレーを提供している。

 さまざまな館山グルメは、安房の地ビール「安房麦酒」、安房の地酒「吉野酒造」の日本酒、館山レモン香る「館山ジン」などと共に堪能。吉野酒造の日本酒は、普段呑まれている普通酒と、コシヒカリの純米原酒の飲み比べを楽しんだ。

 「ビールや地酒が美味しくて、珍しいモノも食べられてよかった」「案内の看板を持って誘導して下さるなど、地元の方のおもてなしが良かった」「観光もできて、内容も充実していた」など、好評を博した館山でのイベント。とくに、食の美味しさを挙げる声が多く聞かれた。

 館山市観光協会では、来年のイベント開催も検討していくとの考えを示す。

□イベント担当者の声

 ゆったりとした時間を過ごすことができる館山は、ON・ガスのコンセプトにもある自分のペースでウォーキングしながら、地域の「たべる」「めぐる」「つかる」を楽しむことができる場所と考え、閑散期の11月に観光誘客を目的に開催しました。

 コースは、海、山、そして、南総里見八犬伝の地でもある館山を知ってもらえるよう意識し、各ポイントでは、地域食材を使用したグルメや、新しいグルメをPR。参加者からは「とても満足しました」とのお声もいただけました。今回いただいた声を生かし、次の開催につなげていければと思います。

 

【館山市観光協会内里見のまちづくり実行委員会事務局 伊東 昌恵】

近畿日本ツーリスト、カニ旅行で最大1万円引き 抽選で5人にカニをプレゼント

2023年12月20日(水)配信

詳細は公式サイト内「冬の味覚の王様!かに特集」ページに

 近畿日本ツーリストブループラネット(浅妻勇社長、東京都江東区)は2024年1月18日(木)まで、「旬だ!かにかにWEBキャンペーン」を公式サイトで実施する。期間中に旅行代金3万円以上の対象商品を申し込むと、1回あたりの申し込みにつき最大1万円引きのクーポンを利用できる。さらにWチャンスとして、抽選で5人に産地直送のカニをプレゼントする。

 対象プランに割引クーポンを利用すると、1予約につき旅行代金が20万円以上で1万円、10万円以上で5000円、5万円以上で3000円、3万円以上で1500円を割り引く。クーポンは、旅行期間が23年12月18日(月)~24年3月10日(日)帰着のものが対象で、予約時に販売上限数に達し次第終了となる。なお、KNTメンバーズクラブ(年会費・入会費無料)への会員登録が必要。

 同社は、旅行を楽しみながらこの時期ならではの旬のカニをさまざまな料理で楽しむプランを提案する。全国の宿から選りすぐりの露天風呂付き客室プラン、部屋食ありのプランなどを用意した。

 詳細や申し込みについては、近畿日本ツーリスト公式サイトから。

サービス連合、改正旅館業法施行に対し談話 「働く者の安全守る点で意義ある内容」 (石川事務局長)

2023年12月20日(水) 配信

 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)の石川聡一郎事務局長は12月13日(月)、改正旅館業法の施行に対し、談話を発表した。今回の改正で特定感染症の国内発生期間に限り、必要な限度で特定感染症の感染防止対策への協力を求められることについて、今後も新たな感染症の拡大が想定されるため、「利用者だけでなく、働く者の安全を守る点において意義のある内容」と評価した。

 一方、宿泊業では公共性の観点などから、「利用者に対する不当な差別につながらないよう、今後の具体的な対策の検討を求める」とした。

 また、宿泊サービスの提供を著しく阻害する恐れのある要求を繰り返すカスタマーハラスメントへの対応についても盛り込まれた一方で、障害者が宿泊する際に施設側に合理的な配慮を求めることは拒否の要件には当たらないため、「宿泊事業者は障害者差別解消法などを正しく理解し、不当な差別や宿泊拒否につながらないよう、研修機会の拡充など十分な取り組みが求められる」とコメントした。

 サービス連合の櫻田会長は「旅館業法の見直しに係る検討会」の構成員として参画し、旅館業法の改正へ労働者の立場などから意見反映を行ってきた。同連合は「今後も働く者の立場から産業の持続的な発展に向けて取り組んでいく」とした。

tripla、台湾のシステム会社 Surehigh社を子会社化へ

2023年12月20日(水) 配信

左からtriplaの高橋和久CEO、Surehigh社の賴佳維CEOと劉淑慧COO、triplaの鳥生格CTO

 宿泊施設のDX化を支援するtripla(トリプラ、高橋和久CEO)は12月15日、取締役会で台湾企業の旭海國際科技(Surehigh International Technology Inc.)の株式を取得し、子会社化を決定した。今後、台湾や韓国、東南アジアへの事業拡大とサービス拡張に注力し、国内外の宿泊産業の発展に貢献してさらなる事業成長を目指す。

 台湾の宿泊施設向けに展開するSurehigh社は、チャネルマネージャー「HOTEL NABE」、予約エンジン「EZ HOTEL」、ホームページ作成サービス「微官網」などを開発、販売している。主力サービスの「HOTEL NABE」は、現在832施設に導入され、海外OTA(オンライン旅行会社)のエクスペディアやブッキング・ドットコムと連携。加えて、LION TRAVEL、Klook、Easy Travel(四方通行)、ezTravel(易遊網)など、現地で主流となるOTAとも連携している。このほかにも、予約エンジンは726施設、ホームページ作成サービスは200施設に導入されている。

 今年11月のインドネシアのBooKandLink社に続く子会社化。台湾市場へのさらなる事業拡大が実現し、トリプラグループ全体の導入施設数は6590施設となる見込み。

 今後、既に台湾でも展開する「tripla Book」をSurehigh社のサービスを利用する顧客向けに展開。このほか、Surehigh社のチャネルマネージャーの技術や連携先を活用し、トリプラの新サービス「tripla Link」として国内外に展開、競争力の強化をはかっていく。

HIS、中期経営計画を発表 営業利益は26年コロナ前超えへ

2023年12月20日(水) 配信

コロナ禍のような外部環境変化に備え旅行と非旅行および旅行関連事業の利益構造を1:1とする

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は12月15日(金)、次期中期経営計画(2024~26年度)を発表した。30年の創業50周年に向けて持続的な成長をはかる。

 同計画では、コア領域(旅行業)の変革と新規領域への挑戦を方針に掲げた。そのうえで、グローバルネットワークの活用と生涯顧客の創造、旅行関連事業・非旅行事業の成長、業務効率化、投資、人材戦略に取り組んでいく。これにより、26年度の売上高を19年度比117%の4300億円、営業利益は同103%の180億円を目指す。コロナ禍のような外部環境の変化に備え、安定した経営体制を構築するため、30年度以降に、旅行と非旅行および旅行関連事業の利益構造を1対1にしていく方針だ。

 このうち、グローバルネットワークの活用では、利益の60%が日本からの送客となっていた海外拠点において、回復の早いグローバルマーケットを開拓。利益のうち40%を占めていた海外発の商品と新規事業を26年までに60%に拡大する。さらに人以外、物やサービスを流通させる新規事業も始める。

 生涯顧客の創造は、同社発行のクレジットカードスカイウォーカーカードの所有者を現在の10万人から60万人に増やすなど日常生活のさまざまなシーンで消費者との接点を増やしていく。また、店舗やオンラインサイトより平均単価が高いため、対応人員を現在の約400人から26年までに1500人に増員する。

 業務効率化は、DX推進で業務プロセスを改善。これにより人員を削減し、26年の人件費は19年比で1.2%減を目指す。

 旅行関連事業・非旅行事業の成長では、収益性の高いホテル事業を中心に注力。26年までに独自性ある商品プランで客室単価を19年比で12%増の1万5800円に増やしていく。稼働率は19年比で17㌽増の76%を目指す。コロナ禍で新たに始めた飲食事業やBPO事業の拡大も継続する。

 より早く業績を回復させるため、需要の戻りが早いヨーロッパとカナダで旅行事業者へのM&Aを行う。さらに、AIや宇宙、ヘルスケアなどへの投資も実施する。

 人材戦略では、女性役員の比率を20%まで増やす。さらに、全社でDX教育を展開する。

 12月15日(金)に行われた決算会見で、矢田社長は「今までの延長ではなく、事業の収益構造を変え、他社との差別化でHISらしい事業を展開していく」と語った。

玉名市内を周遊 「JR九州×温泉むすめ×玉名市コラボスタンプラリー」開催中 

2023年12月20日(水) 配信

金栗四三翁住家・資料館.

 熊本県玉名市と九州旅客鉄道(JR九州)は2024年2月29日(木)まで、「JR九州×温泉むすめ×玉名市コラボスタンプラリー」を展開している。

 市内の観光施設や農産物直売所など9カ所に設置している「QRコードのチラシ」探しながら玉名市内を周遊する企画の第4弾。見つけたQRコードをJR九州アプリの「カメラ機能」で読み取ることで、スタンプを獲得。

A賞 BINGO8 ライン コンプリート ・玉名満美オリジナルどんぶり(レンゲ付き)
D賞 BINGO4 ライン・玉名特産品5千円相当(イメージ)

 スタンプはビンゴ形式となっていて、完成させたビンゴの数に応じて、プレゼントに応募ができる。

 九州新幹線利用者の増加と市の観光の魅力の認知度向上を目指し始められた企画で、回を重ねるごとに実施期間は短くなっているが、スタンプ獲得者数などは増えてきているという。

静岡県「宿泊業新規雇用支援事業」 吉奈温泉・東府やで実習生第1号が業務を体験

2023年12月20日(水) 配信 

「令和5年度宿泊業新規雇用支援事業」の実習生第1号アンマリ・チョンさん

 静岡県は人材総合サービスを行うスタッフサービス(阪本耕治社長、東京都千代田区)と連携し、「令和5年度宿泊業新規雇用支援事業」を行っている。同県の宿泊業界で働きたい参加者と、実習参加施設の人材確保につなげる。実習参加者は、ホテル・旅館で実習を行い、実習先企業への正社員採用を目指す。12月16日(土)、静岡県伊豆市・吉奈温泉 東府やResort&Spa─Izuで、1人目の就労がスタートした。

 同事業では、2~10日間の実習で、ホテル・旅館で働く魅力を体感し、宿泊業の人手不足の解消や観光人材の育成に取り組むもの。

 実習生は、スタッフサービスが提供するe─ラーニングを使って、ホテル・旅館で働くうえで必要なビジネスマナーや知識を事前や実習中に学ぶことができる。実習中は、受入企業と直接雇用契約を結び、フロント業務や接客、清掃などの業務を行う。なお、期間中の給与は、受入企業から参加者へ直接支払われる。なお、実習生の賃金や交通費は支援対象。

実習中のアンマリ・チョンさん(右)

 福岡県から実習に参加したアンマリ・チョンさんは、「美しい自然風景や富士山を臨める静岡県で働けることは嬉しい。ホテル業に従事することで、知識を強化し、コミュニケーションスキルを磨いていきたい」と意気込みを語った。

 チョンさんは、事前にe─ラーニングで安全衛生や情報セキュリティーについて学び、5日間の実習で、レストランサービスやフロント業務、客室清掃などを体験した。

 実習内容については、「接客業やホテルの清掃のアルバイト経験があるので、大きなギャップはなくスムーズに仕事ができた。お客様も優しく話し掛けてくださり、会話をするのが楽しい」と笑顔で話した。

 チョンさんは中学2年生のとき、フィリピンから日本へ引っ越し、現在は福岡県の大学に通ってフードマネジメントを学んでいる。将来はヨーロッパで自分のカフェを開くのが夢だという。

東府やResort&Spa─Izuの岡邦好支配人

 今回の受入企業である東府やResort&Spa─Izuの岡邦好支配人は、「チョンさんは明るく素直で、礼儀正しいという印象。7か国語を話すマルチリンガルでもあるので、インバウンドのお客様の対応で、戦力になってくれることを期待している」と話した。

 同施設では、従来までの長時間業務や中抜けをなくすため、2023年春からマルチタスク制を取り入れている。

 岡支配人は、「業界の人材定着のためには、仕組みを変えていくことも必要。企業と働き手のミスマッチをなくすためにも、実習で業務を体験してもらってイメージの醸成につなげ、意欲のある人に入社していただきたい」とした。

 静岡県観光政策課の飯田真理主査は、「新型コロナ禍で宿泊業の人手不足が顕著になった。インバウンドが回復してきているなか、県内への旅行客を確実に受け入れ、観光産業の回復を実現したい。このことから、事業者にヒアリングを行い、繁忙期の人手不足対策と人材定着のための新規雇用の2つの面で支援する」考えだ。

 同事業を受託したスタッフサービスによると、県内の旅館・ホテル45社が受け入れ先として参加している。実習先が決定しているのは12月18日(月)現在でチョンさんを含め3人。「春休み期間中に実習をしたいと考える学生からの申し込みが増すことを期待している。国内人材・外国人材に限定せず、広く募集している」(スタッフサービス)。

 対象地域は、熱海市、伊東市、下田市、賀茂郡東伊豆町、賀茂郡河津町、賀茂郡南伊豆町、賀茂郡、松崎町、賀茂郡西伊豆町、伊豆市、伊豆の国市、沼津市、浜松市西区。

 県内外から実習参加者40人を募集する。

 契約期間は2024年3月15日(金)まで。実習期間は2月上旬までを予定する。

 申し込みは24年1月31日(水)まで。

ぐんまの温泉を巡るキャンペーン 宿泊者に「御湯印」プレゼント

2023年12月20日(水) 配信

各温泉地の御湯印

 群馬県観光物産国際協会は2024年3月24日(日)まで、キャンペーン「ぐんまの温泉 御湯印めぐり」を実施している。県の7つの主要温泉地に宿泊すると、各温泉地先着1万人に「御湯印」をプレゼントする。

 同CPは温泉地が連携し、県内誘客をはかるための「ぐんま湯けむり満喫プロジェクト」の一環。プロジェクトは昨年度からスタートし、今年度は昨年度の5温泉地から7温泉地に拡大している。

 各温泉地の観光協会や旅館組合、道の駅など指定の窓口で宿泊証明を提示すると受け取れる。温泉地は草津と伊香保、みなかみ18湯、四万、万座、磯部、老神。

 また、ユニクロとコラボレーション企画も実施している。ユニクロのTシャツなどにオリジナルのデザインができる「UTme!」というサービスとコラボするもので、ユニクロ前橋南インター店で、対象温泉地の御湯印やロゴ―マークなど17種類のスタンプを用意。オリジナルグッズを作ることができる。9月まで展開する予定という。

 このほか、農林中央金庫前橋支店寄贈の温泉地入り木札を1月中旬から配布する。御湯印めぐり対象温泉地で各500個用意しており、なくなり次第終了する。

年末年始の旅行は「スポーツ観戦やコンサート」 行き先は東京都が1位(じゃらんリサーチセンター調べ)

2023年12月19日(火) 配信

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 じゃらんリサーチセンター(沢登次彦センター長)はこのほど、「国内宿泊旅行ニーズ調査2023~2024冬」の結果を発表した。調査によると、年末年始の旅行先1位は、「スポーツ観戦や芸能鑑賞(コンサートなど)」を目的とした東京都であることが分かった。

 旅行の行き先は年末年始・年末年始を除く冬ともに東京都が1位だった。次いで2位が北海道、3位が大阪府と続いた。

 年末年始の旅行目的では「スポーツ観戦や芸能鑑賞(コンサートなど)」が最多。年末年始を除く冬では、「テーマパーク・動物園・博物館など」や「スポーツ観戦や芸能鑑賞(コンサートなど)」が同数で1位となった。

 1人当たりの宿泊予定金額の中央値は、年末年始で北海道・神奈川県・千葉県で2万円、東京都で1万5000円、大阪府で1万円だった。年末年始を除く冬では、北海道・千葉県・神奈川県が2万円、大阪府が1万2000円、東京都が1万1500円だった。

 1人当たりの現地消費予定金額の中央値は、年末年始で東京都・北海道・大阪府で2万円、神奈川県で1万2500円、千葉県で1万2000円。年末年始を除く冬では、東京都・北海道・千葉県で2万円、大阪府で1万7500円、神奈川県で1万円だった。

HIS、4期ぶり黒字化 水際終了などで主力の海外旅行回復

2023年12月19日(火) 配信

矢田素史社長

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)が12月15日(金)に発表した2023年10月期(22年11月1日~23年10月31日)連結決算によると、営業利益は13億9700万円(前年同期は479億3400万円の損失)と4期ぶりに黒字化を達成した。

 水際対策終了と新型コロナウイルスの5類への移行で訪日と海外旅行の需要が増加。さらに、国内旅行は全国旅行支援などの観光施策で堅調に回復した。売上高は前年度比76.4%増の2518億6600万円、経常利益は14億4600万円(同490億100万円の損失)となった。

 5月の台風被害を受けたGuam Reef Hotel(アメリカ・グアム)の建物などの固定資産を減損損失として計上し、当期純損失は26億1800円(同95億4700万円の損失)となった。

 事業別では旅行事業の売上高が、同298.4%増の2020億800万円、営業利益は8億300万円(同286億2900万円の損失)。このうち、主力の海外旅行の収益はコロナ禍前の2019年の5割程度まで回復。第4四半期(23年8月1日~23年10月31日)では7割ほどに戻った。主要旅行事業者の平均を13㌽ほど上回ったという。パスポート申請代金の全額負担や取消料を無料にするなどの施策で、夏休み期間が好調に推移したことが主な要因。

 九州産交グループの売上高は同20.7%増の216億7600万円。営業利益は5800万円(同15億5400万円の損失)だった。いずれも国内の人流と海外からの入国者数が復調した。

 24通期の業績予想は、売上高が同55.5%増の3500億円、営業利益は同544.2%増の90億円、経常利益が397.9%増の72億円、当期純利益は52億円を見込む。 

 同日に開かれた決算会見で、矢田社長は「海外旅行は急回復しないだろう」との認識を示し、「他社との差別化によるシェア拡大へ資源を使っていく」と語った。