11年度合格者は894人、通訳案内士試験

 日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)はこのほど、2011年度通訳案内士試験の最終合格者を発表。総受験者数5485人のうち合格者は894人、合格率は16・3%となった。また、合格者のうち、外国籍の人は120人(構成比13・4%)。

 言語別の内訳は、英語が467人(合格率14・6%)、中国語が163人(同14・8%)、韓国語が100人(同18・0%)、フランス語が61人(同27・7%)、スペイン語が43人(同30・3%)、イタリア語が20人(同32・8%)、ドイツ語が18人(同25・7%)、ロシア語が15人(同18・3%)、ポルトガル語が5人(同11・9%)、タイ語が2人(同15・4%)。

 年齢別にみると、40代が255人(構成比28・5%)と最も多く、30代が247人(同27・6%)、50代が185人(同20・7%)、20代が114人(同12・8%)、60代が80人(同8・9%)、70代が10人(同1・1%)、10代が3人(同0・3%)と続く。

 なお、通訳案内士試験は通訳案内士法に基づき、JNTOが国の試験事務代行機関として毎年1回実施。試験は外国語(10言語)および日本地理、日本歴史、一般常識に関する筆記試験(1次試験)と、外国語による口述試験(2次試験)により行われる。 

土地問題解決の手段にも、「星のや 竹富島」6月1日開業

左から星野社長、上勢頭公民館長、星のや竹富島の澤田裕一支配人
左から星野社長、上勢頭公民館長、
星のや竹富島の澤田裕一支配人

 星野リゾート(星野佳路社長)は6月1日、沖縄県・八重山諸島の竹富島に「星のや 竹富島」を開業する。1月19日、都内で行われたプレス説明会で星野社長は、開業に至るまでの経緯を語った。星のや竹富島予定地(7ヘクタール)を含む、島全体の6分の1に相当する83ヘクタールの土地は、外国資本などが入り、所有者が変転する問題を抱えている。1970年、沖縄返還の動きに合わせ、本土企業が買収。一旦、島内企業の南西観光が買い戻したが、現在は抵当権が外資系ファンドに移転し、転売の可能性が出てきていた。星のや竹富島の計画は、南西観光から星野リゾートに土地問題について相談があったことから始まる。当初は星野リゾート進出に対する島民の反発もあったが、8回にわたる現地説明会を実施するなどして、理解を得ていった。プレス説明会に出席した島の自治組織「公民館」の上勢頭保館長も、途中から反対派の住民を説得する側に回ったという。星野社長は「この事業で土地を買い戻し、借金を返済し終わると、島に土地のコントロール権を渡していくスキームを提案した。収益をあげ、借金を返していくことが大事。どこまで観光が地域に貢献できるか。大きな視点で頑張りたい」と語った。

建物は島の風景に溶け込むように配慮した
建物は島の風景に溶け込むように配慮した

 星のや竹富島のテーマは「離島の集落」。重要伝統的建造物保存地区に選定されている竹富島の風景に溶け込むように配慮した。庭を有する平屋建ての48棟からなり、客室はグックと呼ばれる石垣に囲まれ、赤瓦の屋根には一つひとつ表情の異なるシーサーが鎮座する。すべての客室は南(南西)向きに建ち、南側のリビング(風の間)は全面開放し、庇で強い日差しを遮りながら、心地よい風や、外の気配を感じられる空間にした。敷地の中央には、大きくくぼんだ楕円のプールを設置。井戸を囲むように暮らしてきた島の生活文化にヒントを得た。

 料理は石垣島の漁港に揚がる新鮮な魚介類や、八重山諸島特有の食材を用いた「琉球ヌーヴェル」を提供する。島の西桟橋からの朝陽、夕陽の眺めは有名で、この案内は毎日行うほか、水牛車での朝の散歩、島民と歩く島巡りなど、さまざまな島の過ごし方を提案する。泊食分離方式で、宿泊料金は2万7千円―5万4千円(2人利用時1人料金)。アクセスは石垣島離島ターミナルから高速フェリーで10分。

復興元年の年に、商都らしい仙台目指す

奥山恵美子市長
奥山恵美子市長

 宮城県仙台市(奥山恵美子市長)と仙台商工会議所(鎌田宏会頭)は2月3日、東京都内のホテルで「2012仙台の夕べ~感謝…そして復興へ~」を開いた。そのなかで奥山市長は「今年は復興元年の年。失われたふるさとをもう一度自分たちの手に取り戻したい」とし、「商都らしい仙台の復興を目指す」と力強く語った。

 同会は同市が政令指定都市になって以来開催しているもので、今年で22年目。今回は昨年の東日本大震災への支援の感謝として、首都圏の外国機関や企業、官公庁など幅広い関係者約1千人を招待した。

 奥山市長は「今年4月から始まるプレデスティネーションキャンペーンや盛岡で開催する東北6魂祭などを通じ、東北の力を結集して乗り越えたい」とあいさつ。震災後の状況や復興への取り組みについても、「震災復興への挑戦」と題して自らプレゼンテーションを行った。また、鎌田会頭は東北博や盛岡DCの開催などをあげ「夏場にかけてさまざまな取り組みがある。昨年は多くの方に支援で来ていただいたが、今年も東北各地にでかけていただけると、我われの復興の励みになる」と呼び掛けた。

女将らが出迎え
女将らが出迎え

 会場入り口では女将らが出迎えたほか、ステージにはおもてなし集団の「伊達武将隊」が登場して場を盛り上げた。終了後は会場を移して仙台フィルハーモニーによる「絆」コンサートを開き、参加者に支援への感謝を示した。

タイへ120万人目標、共同で復興支援策展開

金井会長(左)と、アカポール総裁
金井会長(左)と、
アカポール総裁

 日本旅行業協会(JATA)とタイ国コンベンション&エキジビション・ビューロー(TCEB)は2月7日、タイ洪水の影響から延期や中止になった団体旅行の復活やさらなる拡大をはかるため、共同で復興支援策を展開すると発表した。今年の日本人訪問者数の目標は前年比6・5%増の120万人を目指す。

 同日、東京都内のホテルで記者懇談会を開き、JATAの金井耿会長やTCEBのアカポールソラスチャート総裁が展開内容を説明した。金井会長は「全体として海外への旅行者数が戻りつつあるなか、洪水により減少したタイへの旅行者数も今回の取り組みで戻していき、トータルのアウトバンドの数を増やすことにつなげていきたい」と意気込みを語った。

 アカポール総裁は「タイにとって日本の観光客は重要」とし、観光地や施設などの回復を強調した。また、「MICEシティとしてアピールしており、MICEは空港での入国手続きが簡単になる工夫もある」とMICEに特化した取り組みを紹介。TCEBへの連絡で対応できるという。

 復興支援策は、業界用団体旅行促進プランとして、洪水被害で取消や敬遠された団体の復活と新規の団体旅行の需要促進を目的に、とくにMICEのインセンティブに特化した支援策を展開。タイの関係者が来日し、すでに東京と大阪でワークショップ&セミナーを開いたほか、ここで得た知識を生かせるように、3月は実体験を盛り込んだ現地研修旅行を実施する。一般消費者へのキャンペーンとしては、羽田空港と成田空港のキャンペーンのなかでアピールしていく。

共同サイト開設へ、東京の総合案内所27社

 東京総合案内所共同サイトが、案内所相互の情報交換や、名簿の発行などを目的に、3月に開設する運びになった。

 同サイトは、「東京総合案内所連合会」(会長代行=山内一広新橋会所長)が運営するもので、ジャパントータルソリューションズ「遊~楽ネット」(旅行社専用団体見積もりサイト)に委託。1月末現在27社が参加。

 同サイトは、各県・温泉地別の施設一覧に案内所名を表記、リンクして移動する。案内所頁には住所、電話、FAX番号等のデータを表記され、ブログを利用してPRができる。

 有料会員は、旅館一覧から自社の案内所頁に移動。自社の頁から、施設ホームページに誘導や、メールを受け取ることが可能。3月に設立総会を開き、正式に発足する。

 詳細は、事務局を務める新橋会へ。電話:03(3580)7681 、URL http://www.tokyo-soan.jp/ 

中部9県観光ルート「昇龍道」、認知度向上で中国人誘客へ

 中部運輸局は1月23日、中部9県(愛知、三重、岐阜、静岡、富山、石川、福井、長野、滋賀)の観光名所を南北に結ぶ観光ルートを「昇龍道」と名づけ中国、台湾、香港など中華圏に売り込むプロジェクトを始めた。中国人観光客の旅先として圧倒的人気があるのは東京―大阪間のゴールデンルート。「昇龍道」というキャッチコピーで中部地域の認知度向上をはかり、インバウンド増加につなげる。

 「昇龍道」は、能登半島から、金沢、白川郷、高山、下呂温泉、名古屋城、伊勢神宮などを通り、セントレア空港にわたる南北の軸を龍の姿に見立てた。エリア近辺には能登空港や、小松空港、富山空港、富士山静岡空港など、国際便が乗り入れる空港が点在。イン・アウトさまざまな組み合わせの新たな旅行商品造成が活発になりそうだ。

 中部運輸局は昇龍道プロジェクトの一環として、2月11―15日、台湾から旅行会社・メディアを招請した。台湾については日台オープンスカイにより3月25日から、中華航空が富士山静岡空港、富山空港に新規就航し、中部国際空港に増便することが決まっている。昇龍道にかかわる招請は2月に香港、3月に中国からも予定している。

 名鉄グループは中国版のパンフレットを作成するなど、売り込みに積極的だ。名鉄百貨店(名古屋市)は、4階に直結する乗合バス専用の名鉄バスセンターを、インバウンド団体のバスに限り開放する。百貨店内で銀聯カードが利用できるのはもちろん、中国人スタッフ3人を配置した6階のカスタマーサロンで免税手続を行うなど、買い物がしやすい環境を整える。屋上のガーデンカフェでは、温かい食べ物が好みという中国人観光客のニーズにあわせ、メニューを開発した。

 中国人団体客の事前予約は百貨店で受け付け、旅行会社またはガイドへのコミッションの支払いも行う。 

温泉への影響前提に議論を―地熱発電

佐藤好億副会長・地熱対策特別委員長があいさつ
佐藤好億副会長・地熱対策特別委員長があいさつ

<日本温泉協会が全国の意見集約へ>

 日本温泉協会(廣川允彦会長)は2月13日、東京都内で県温泉協会連絡会議を開いた。環境省が2月3―22日まで「温泉資源保護に関するガイドライン(地熱発電関係)」(案)に関するパブリックコメントの募集を行っており、日本温泉協会としての意見の集約と、今後の対応について議論した。

 2010年6月18日、「再生可能エネルギーの導入促進に向けた規制の見直し(自然公園・温泉地域等における風力・地熱発電の設置許可の早期化・柔軟化等)」が閣議決定された。これを受けて、環境省は地熱発電を推進するための掘削許可の判断基準の考え方を策定するガイドラインをつくる検討会を2つ作った。1つは「地熱資源開発に係る温泉・地下水への影響検討会」と、もう1つは「地熱発電事業に係わる自然環境影響検討会」。このほど、地熱資源開発に係る温泉・地下水への影響検討会の「温泉資源保護に関するガイドライン(地熱発電関係)」(案)がまとまり、中央環境審議会を経て2月3―22日までパブリックコメントの募集が行われている。

 連絡会議では、各県の温泉協会の代表や学術部委員から、「ガイドラインを各県の許可をする担当者が見ても、数値などがまったく示されていないので、どう対応していいのか判断に困るだろう」という意見や、「地下にあるのが熱水で、地上に出たのが温泉。同じものであるのに、ガイドラインでは熱水と温泉が別なものであるかのように扱われている」というような見解も示された。また、「県境の場合、隣県の調査が行われないのではないか」というような問題も議題に上がった。

 さらに、「開発側からは『温泉に影響を与えるデータがない』と言われるが、日本温泉協会としては『温泉への影響のおそれがあるという前提で考えていただかなくては困る』」という立場で意見を集約する考えだ。

 佐藤好億副会長・地熱対策特別委員長は「環境省のパブリックコメントに対して、各県温泉協会の個別の意見と、日本温泉協会としてまとめたものを提出したい」と語った。

No.302 日系3社就航で「LCC元年」 - LCCが観光産業に与える影響

日系3社就航で「LCC元年」
LCCが観光産業に与える影響

 数年前から海外企業は進出していたが、日系のローコスト・キャリア(LCC)3社が年内の就航を発表している今年、日本は「LCC元年」といわれる。ヨーロッパの航空や交通事情などに明るい跡見学園女子大学の学長で教授・商学博士の山田徹雄氏によると、LCCはアメリカで生まれてイギリスで育ち、ヨーロッパ各国で発展してアジアに到来したという。ようやくその流れが到達した日本。遅れてきたLCCは日本の観光産業にどのような影響を与えるのだろうか。

【飯塚 小牧】

<地域のサポートが不可欠>

◆LCCの歴史的背景

 LCCが最初に登場したのはアメリカだ。伝統的航空会社などによるカルテル料金の維持や1970年代の航空自由化に端を発し、サウスウェスト航空がLCCの原型となるビジネスモデルを構築した。サウスウェスト航空は最初のLCCではないが、短距離の直行便や同一機材の利用でコストを下げること、折り返し時間の短縮、機内サービスのカット(ノン・フリル)、副次的空港の利用、客室乗務員のマルチジョブ制などのモデルを完成させた。

跡見学園女子大学 学長
山田 徹雄(やまだ・てつお)氏

 

 

※ 詳細は本紙1452号または日経テレコン21でお読みいただけます。

温泉保護と地熱発電 ― 未知なるゆえに知識を(2/21付)

 福島第一原発事故以来、再生可能エネルギーへの転換が急務となり、「地熱発電」への関心が一気に高まってきた。

 環境省は2月3日から22日まで、「温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱発電関係)」(案)のパブリックコメントを募集している。環境省にとっても悩ましいだろう。温泉資源の保護を一方で謳いながら、「地熱発電を推進するため」の掘削許可の判断基準を策定するという、二律背反の課題に挑まなければならないのだ。

 日本温泉協会は、昨年12月26日の中央環境審議会の自然環境部会温泉小委員会で、同ガイドラインの曖昧な箇所や定義を問い質した。また、「地熱エネルギーは、本当にクリーンなエネルギーか?」と問題提起した。「地熱発電は原子力や、太陽光発電に比べ、CO2が高い」という公表値もあるという。さらに、地下深度2―3㌔以上もの深部の高温の熱水、蒸気を利用するため、「熱水」「蒸気」「使用廃湯」には「高濃度の硫化水素やメタン、アンモニアなどのガス成分や、高濃度のヒ素やホウ素、フッ素なども含まれ、そのまま放置放出されれば、大気や土壌、地下水汚染への負荷が懸念される」などさまざまな心配が考えられる。

 何しろ、地下のことは実際掘削してみなければわからないことが多く、地上に暮らす我われ多くの人間にとっては、余りに未知なることばかりなのだ。

 問題なのは、旧財閥などに代表される開発側の大企業の鼻息がとても荒く、一方で温泉によって多くの観光客に愛されてきた個々の温泉事業者は地熱開発について乏しい知識しか持たないということだ。さらに、もっと問題視すべき点は、地熱発電の開発許可を与える都道府県の担当者が、地熱開発による温泉への影響について十分な知識を持つ職員が少なく、関心も高くないという現実である。

 日本温泉協会は、地熱開発の掘削によって温泉が枯渇してしまうなどの悪影響があった際、「賠償責任規定」の設定などを求める必要があると考えている。各自治体は今後、温泉による観光客の増大と、地熱開発との選択を早晩迫られるだろう。国と大規模な開発業者が自治体を説き伏せる構図は、原発と似ている。無知は危険だ。地熱発電にも思いがけぬ危険が潜んでいることを、知っておく必要がある。

(編集長・増田 剛) 

会津の旅行商品造成へ、“女子大生目線で考える”

跡見学園女子大学観光マネジメント学科

 跡見学園女子大学観光マネジメント学科の生徒は1月6―7日、原発事故の風評被害に悩む福島県会津若松市で実地研修を実施。観光復興のため女子大生目線で考える旅行商品の企画を室井照平市長に提案した。

 同大学の生徒たちは昨夏、アカデミックインターンシップの一環で同地を視察。その際、室井市長へ(1)首都圏での会津PRキャンペーンの支援(2)同大学園祭での観光PR・会津産品の販売(3)会津への旅行需要喚起へ女子大生が考える旅行商品の造成を提言。昨年10月の文化祭では、子供の病気を治す厄除けのお守りとして伝わる「赤ベこ」などの会津産品の販売や、のぼりを立て会津の観光パンフを配布するなど会津のPRを行った。また、来場者約400人からアンケートを取り、女性が旅行に求める内容を分析した。

 今回、本格的な旅行商品造成へ向けて、さらなる会津視察を実施。同学科の33人が班ごとに別れ、観光名所の鶴ヶ城や七日町通りを視察した。夜には商品造成会議を開き視察結果を報告。各班それぞれが商品素材を紹介しプランを企画した。翌日は、御宿東鳳で室井市長を表敬訪問。これまでの学習と前日の視察をもとに「造り酒屋でお酒のボトルやラベルを自由に選択できる仕組みや、果樹酒を炭酸で割った商品の開発」「交流を深めるため、地元の人と一緒に日本酒を飲むツアー」「レトロな七日町通りに懐かしの歌謡曲を流す」「現地の商人がガイドをし、リピーター獲得をはかる」など商品アイデアアやプランを提案した。また、文化祭で会津産品を販売した収益約2万円も同市に寄付した。

 同学科では今後、今回の提案をもとに近畿日本ツーリストと商品化へ取り組む。ゴールデンウイーク頃のツアー実施を目指し、ツアー造成後は集客にも携わるという。同大の篠原靖准教授は「旅行会社では、ツアーの企画だけでなく集客も重要な要素。集客までしっかりと責任を持って行いたい」と力を込める。