国内、海外ともに4%増、海外過去最高の2000年に次ぐ

ゴールデンウイークの旅行動向

 JTB(田川博己社長)がこのほど発表した、ゴールデンウイーク(2012年4月25日―5月5日)の旅行動向によると、1泊以上の旅行に出かける人数は前年比4・2%増の2120万8千人。国内旅行は同4・2%増の2064万5千人、海外旅行は同4・8%増の56万3千人と、国内・海外ともに昨年より増加した。旅行動向はJTB予約状況、航空会社予約状況、業界動向、1200人へのアンケート調査などから推計した。

 今年のGWは4月28―30日の3連休と、5月3日―6日の4連休に別れ、5月1、2日を休めば9日間連続の休みとなる。

 旅行の同行者は、家族や親族とのつながりを大事にする傾向が強く、子供連れが43・5%、夫婦のみが18・8%、その他の家族が16・9%と、家族旅行が79・2%を占める。

 国内旅行をみると、5月22日に開業する東京スカイツリーへの関心が高く東京方面への旅行が増加。開業から1年の九州新幹線効果が続く九州も好調だ。

 また、今年は例年より桜の開花が遅く、東北地方を中心にGWに開花のピークを迎えると予想され、東北応援の傾向も強く、東北方面への人出がさらに増えると予測。3月18日に開幕した東北観光博でもGW期間中に各ゾーンでイベントが多数予定され多くの人出が見込まれる。国内旅行の宿泊は5月3、4日が中心となりそうだ。

 海外旅行をみると、円高基調を背景に過去最高の2000年に次ぐ旅行者数の見込み。方面別では長期の休みが取れるGWを利用した欧州方面の人気が高く、ハワイ、韓国、台湾なども人気を集める。ルックJTBの売れ筋コースをみると、欧州ではイタリア、スペイン、フランスの順となり、中欧東欧、チューリップの季節で人気の高いオランダ、ベルギーも例年以上に急増している。また、ルックJTBの予約状況からみると、遠距離の欧州、米国、ハワイは4月28日、近隣のアジアやグアム・サイパン方面は5月3日が出発日のピーク。

若年層を旅行に誘う、初のオープン懸賞も実施

 日本旅行業協会(JATA)はこのほど、国内旅行宿泊キャンペーン「もう一泊、もう一度」の2012年度の詳細を発表した。昨年度で当初の3カ年計画は終了したが、キャンペーンの浸透度や宿泊旅行の重要性から4年目も継続する。今年度は、宿泊しなくても応募できるオープン懸賞も初めて設け、フェイスブックなども使い、若年層を旅行に誘う取り組みを強化する。

 同キャンペーンの11年度の結果は東日本大震災の影響を受けながらも、前年度比35・7%増の10万9983通と大幅に増加。これに対し、国内・訪日旅行推進部の興津泰則部長は「大変多くの参加があった。震災もあったが、旅が経済の活性化につながることが証明された」と振り返った。今年度については「宿泊は国内旅行にとって大変重要なアイテム。今後も拡大していくという課題は追求していかなければならない。各社からも多くの期待の声がある」と意気込んだ。

 キャンペーン期間は4月1日―13年2月28日宿泊分まで。「もう一泊コース」は年間1泊から応募可能なコース。賞品は旅館・ホテルペア2連泊宿泊券(30組60人)。「もう一度コース」は年間4泊が応募条件で、20人にJATA会員旅行会社10万円分旅行券が当たる。「家族旅行コース」は中学生以下の子供との家族旅行で1泊から応募できる。賞品は家族農業収穫体験ツアー(東京・大阪・福岡発で合計30組120人)。「友人旅行コース」は年間1泊からで、賞品は友人5人で行ける日帰りバス旅行(東京・名古屋・大阪発で合計30組150人)。応募は会員会社でのスタンプが必要。

 また、初のオープンキャンペーンは「日本を『撮って→見て!』」。日本全国から、おすすめの旅のスポット写真・動画の投稿を募集する。実施は7月の予定。 

交換申請は計343件、住宅エコPを旅行引換証に

 日本旅行業協会(JATA)は4月4日、1月25日から始まった「復興支援・住宅エコポイント」の商品交換について、3月末までの「JATA旅行引換証」との交換申請は合計343件と発表した。今後も会員各社への周知や、全国紙への広告出稿などでポイント取得者への訴求をはかる取り組みに力を入れる。

 復興支援・住宅エコポイントは、省エネ法基準を満たす住宅を新築で建てる場合や、断熱改修などのリフォームをした場合に発行されるもので、そのポイントを東日本大震災の被災地の商品やエコ商品などと交換できる制度。JATAは第1次交換事業者に認定されており、会員会社で利用できる「JATA旅行引換証」をポイントと交換している。同引換証は、特定被災区域内に住む人は、会員会社で扱う全国の宿泊をともなう旅行に利用でき、区域外の人は、区域内に宿泊する旅行に利用できる。

 ただ、JATAで初めて扱う共益事業のため、会員への周知徹底が必要不可欠。このため、JATAは2月中に沖縄、中部、中四国、関西、九州支部で説明会を実施。そのほか、支部独自で行った北海道や東北などを含めて各社への告知に力を入れている。

 国内・訪日旅行推進部の興津泰則部長は、会員会社の反応について「制度から尋ねられる場合もあるが、説明するととてもプラスになるものだと理解してもらえる」と会員の期待は高いという。一方、「各社単体ではポイント取得者の一般消費者に告知できない。これこそ、JATAが主体となって行わなければならない」とし、「この制度が最大限利用されるよう全力を尽くす」と意気込みを語った。 

職業能力評価普及へ、ホテル業のマニュアル作成

導入・活用マニュアル
導入・活用マニュアル

 厚生労働省はこのほど、企業が人材育成に活用する「キャリアマップ」と「職業能力評価シート」の普及を進めるため、「導入・活用マニュアル」を、ホテル業など4業種で作成した。3月30日から、同省ウェブサイトの「職業能力評価基準」ページ(http://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/syokunou/index.html )で実際に活用した企業の取り組み事例と合わせて公開している。

 同省は、企業が人材育成に取り組む際に職業能力を客観的に評価するため、業種ごとに「職業能力評価基準」を策定しているが、「キャリアマップ」と「職業能力評価シート」は、この基準をより簡単に利用できるように作成したツール。さらに今回は、そのツールのマップと評価シートを活用しやすいようにマニュアルを作成した。マップと評価シートの解説から、実際に導入して人材育成制度を整備する際のポイントと注意点など、人材育成の目的別に、事例も盛り込みながらまとめている。人材育成の目的は大きく(1)企業・職場の人材レベルの把握(2)階層別の人材育成(3)能力チェックの高度化(4)中途採用時の知識・技能レベルの把握――の4つに分けている。

 なお、今回マニュアルを作成したのは、ホテル業のほかスーパーマーケット業と電気通信工事業、在宅介護業。

観光動向調査を開始、4半期ごとに公表へ

  日本観光振興協会はこのほど、4半期ごとに公表する短期観光動向調査を始めた。地域ごとに一般消費者の旅行実績や旅行意向などを調査し、結果を各地域にフィードバックする。本格的な公表は4半期調査が一巡する12年10月以降。

 観光客の入込み状況など、各自治体が独自に実施する観光動向調査はこれまでもあったが、基準が統一されておらず、他地域と比較するのには適していなかった。

 全国一律の基準で観光動向調査を行うのは今回が初の試みとなる。各地方自治体や観光関連業界・企業などは観光戦略の基礎資料として活用できる。

 調査分析を行うのは、「旅行意向の比較」、「旅行実績の比較」、「居住地から目的地への流動」、「旅行者属性別の意向」の4つ。

 「旅行意向の比較」は、性別、年代別の宿泊旅行意向や、宿泊旅行予定回数、地域ブロック別の旅行目的地を調査。地域ブロックは、北海道、東北、関東、甲信越、中部、関西、中国、四国、九州・沖縄、沖縄の10ブロックに分ける。

 「旅行実績の比較」は、実際の旅行回数、旅行目的地を調査する。「居住地からの目的地への流動」は、旅行意向者に居住地(発地)を聞き、目的地(着地)別に旅行者意向の内訳、変化を示す。例えば、「北海道ブロックでは、同じ道内が4割と多く、関東がこれに続き、前期との比較でみると、関西、中部地方からの旅行意向が強くなっている」といった分析が可能になる。

 「旅行者属性別の意向」は、旅行予定の同伴者(子供連れ、カップル・夫婦、友人、1人、その他)を調査する。

 調査の手法は一般消費者を対象としたインターネットによるアンケート。有効サンプル数は全国4千人以上(男女各15―69歳)。調査対象サンプルの配分は、10年度国勢調査の人口構成を基本とし、都道府県ごとに比例配分する。

東電に強く抗議、旅館3団体が値上げ反対

旅館側からは厳しい意見が飛んだ
旅館側からは厳しい意見が飛んだ

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(佐藤信幸会長)と国際観光旅館連盟(佐藤義正会長)、日本観光旅館連盟(近兼孝休会長)の旅館3団体からなる協議会は4月13日、東京電力が4月1日から企業向け電気料金を平均17%値上げしたことに対し、東京電力の担当者を呼び、電気料金値上げに反対する要望書を渡した。

 旅館団体側からは、全旅連の佐藤会長、山梨県旅館生活衛生同業組合の笹本森雄理事長、東京都ホテル旅館生活衛生同業組合の今井明男理事長、茨城県ホテル旅館生活衛生同業組合の村田實理事長、栃木県旅館ホテル生活衛生同業組合の堀口眞利理事長、群馬県旅館ホテル生活衛生同業組合の市川捷次理事長、埼玉県ホテル旅館生活衛生同業組合の山口賢一理事長、千葉県旅館ホテル生活衛生同業組合の平野勝之理事長、神奈川県旅館生活衛生同業組合の榎本孝弘理事長、静岡県ホテル旅館生活衛生同業組合の萩原勲理事長が出席。(1)人件費を含む経費削減と経営の抜本的見直しによる値上げ中止(2)電気料金設定に関する情報開示と事業者へのきめ細かい説明(3)電気料金値上げに同意しない事業所への電気供給停止に対する抗議と、誠心誠意の話し合い――の3点を要望した。

 佐藤会長は「民間なら、経営が大変なら身を切るのが当たり前。値上げをする前に、人件費の大幅削減や役員報酬の大幅カットなど、皆にわかるような努力を見せてほしい」と強く抗議した。

No.308 会津東山温泉 向瀧 - 宿を守る“磨き”の文化

会津東山温泉 向瀧
宿を守る“磨き”の文化

 高品質のおもてなしサービスを提供することで、お客様の強い支持を得て集客している旅館がある。従業員の職場環境を整え、お客様と真摯に向かい合える仕組みができているのが特徴だ。「いい旅館にしよう!」プロジェクトのシリーズ第2弾は、福島県会津東山温泉で、木造建築が国の文化財にも登録されている「向瀧」の平田裕一社長と、産業技術総合研究所の工学博士・内藤耕氏が「労働時間の有効活用」や、向瀧が実践する「建物を磨くことによって、技を磨く、己を磨く」文化の大切さについて語り合った。

【増田 剛】

 

 

≪「いい旅館にしよう!」プロジェクト≫
シリーズ(2) 会津東山温泉 向瀧

【対談者】

平田 裕一(ひらた・ゆういち)氏
会津東山温泉 向瀧代表取締役
×
内藤 耕(ないとう・こう)氏
産業技総合研究所サービス工学研究センター副研究センター長(工学博士)

■平田:当館は江戸時代中期から、会津藩指定の保養所でした。会津藩から明治6年に平田家に委ねられて営業を始めて以来139年で、私は6代目になります。建物は江戸の終わりから明治の初めに建てたものを加えていき、今の姿になったのは昭和の初期。この80年間はほとんど変わっていません。現在、部屋数は24室です。

 1991年に東京の旅行会社から会津に戻った私は、まず番頭からスタートしました。当時は「新しい」ことが魅力であり、鉄筋コンクリートで大型化した旅館を見て羨ましく思ったこともありました。今でも夕食、朝食ともにお部屋出しをしているのが特徴ですが、当時はいくつかの部屋を潰して食事処を作ろうと考えたこともありました。もし、そうしていたら、向瀧の独自性が減っていたと思います。…

 

※ 詳細は本紙1459号または4月26日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

顔の見える店に ― お客との信頼関係築く(4/21付)

 東日本大震災が発生したときに、カフェかレストランだったか、うろ覚えだが、その店の店員が食事代などを一切もらわずに、お客をすべて避難させたというような話を耳にした。

 もちろん、食事中のお客からは、食事が終わっていないのだから、お代をいただくわけにはいかない。しかし、食事が終わって、そろそろ出ようと思っていた客もいたはずだし、コーヒー1杯で退屈をしのいでいた客もあっただろう。しかし、店員たちは、とにかくお代もいただかずに、お客を避難させた。このようなケースにあった飲食店は、被災地周辺を中心に相当の数があったのではないだろうか。自分の店を利用してくれているお客の身に、もし突然の危険が迫ったとき、お店はどのような対応を取るのだろうか。

 後日、わざわざお金を持ってきてくれたお客もいたと聞く。もしかしたら、300円のコーヒー代を届けるために、往復400円の地下鉄に乗って来たお客もいたかもしれない。私はこの手の話が好きである。

 もしも、私が店長で、後日、自分のお店にその時のお客が姿を現して「あの時はありがとうございました。あの時のコーヒー代です」と言われたならば、私はその場で感涙にむせぶかもしれない。そして、「これ、ドーナツですが、よろしかったらお持ちください」と差し出すだろう。これによって、店と客に特別な関係が生まれる。「どこでもいい店」「だれでもいい客」ではなく、特別な関係が生まれる。店側にしてみれは、後日、お客からその時の飲食代をいただだこうとは考えていない。お客の方も、そのままお店に支払わなくても別に構わないわけだ。けれど、それでは何だかさみしい気がする。お店とお客の関係は、信頼関係で築かれている。店長や店員の顔が見え、お客の顔がわかることが、やがて帳簿上の利益にも少なからず影響してくるのだと思う。

 飲食店や、旅館・ホテルは熾烈な競争を繰り広げている。繁華街を歩けば、栄枯盛衰が激しく、開業間もない飲食店であっても、次々と新しい看板に書き換えられる。一方で、昔ながらの一杯呑み屋や定食屋は、壊れそうな母屋であっても、何十年も続いている。外装ばかりに気を使って顔の見えないお店は、客との信頼関係を築くことができずに、定着しないのかもしれない。

(編集長・増田 剛) 

東京スカイツリー 天望回廊 その名にふさわしく

 完成すると高さ634メートルになる東京スカイツリーの「天望回廊」が4月17日、報道陣向けに初公開された。

 350メートルの高さにある「天望デッキ」よりも100メートル高い。超高速エレベーターを乗り継いで展望回廊へと到着。チューブ状の通路を緩やかな傾斜にして、最高到達点の451.2メートルの高さまでゆっくり周遊する仕組みになっている。あいにくの曇天で富士山、東京湾ほか彼方に広がる景色の眺望はかなわなかったが、東京ドーム、上野公園不忍池、新宿の高層ビル群、東京タワーなどがジオラマのように見える。曇りの日や雨の日でもスクリーンで晴れた日の景色を映し出す。

 7月10日までは完全予約制、7月11日からは当日券も販売する。


天望回廊 ガラスに投射される最高到達点の高さ

 


天望デッキ 見える床ガラス

【4月21・22日】千葉金谷で 春の大漁祭Vol.2

千葉県・浜金谷のザ・フィッシュで4月21、22の両日「港町金谷 春の大漁祭」Vol.2が開かれます。

4月7、8日に開催し、人気を集めた催しの第2弾。海産物や落花生、手作りお菓子や房総の朝どれ野菜、お花や果物を一堂にそろえた港町の春の大漁祭を開催します。

マグロの解体ショーは必見!解体したてのマグロを即売するほか、づけ丼で提供します。その他、木更津やきそば、南総チャーシュー丼などのご当地グルメも日替わりで登場します。
フラダンスショーや音楽ライブのステージイベントは観覧無料。

ぽっかぽかの南房総へぜひお出かけ下さい。

■開催のご案内
開催日時 4月21日(土) 22日(日)の午前11時~午後3時
開催場所 ザ・フィッシュ駐車場にて開催(雨天決行)
内容   ご当地グルメ、とれたて物産マーケット、体験物産コーナー、ステージイベントなどでお迎えします

公式ホームページ http://www.thefish.co.jp/
お問い合わせ=☎0439-69-2161