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民泊観光協会が持続可能セミナー開く 意識高まり受け、役割探る

2021年9月28日(火) 配信

小林晴夫代表。アフターコロナに向けて、持続可能なまちづくりのアイデアを募った

 民泊観光協会(小林晴夫代表、東京都渋谷区)は9月15日(水)、民泊事業者などを対象にオンラインセミナー「持続可能なまちづくり―民泊にできること」の第1回を開いた。小林晴夫代表は冒頭、「自然環境や地域の文化などを守りながら持続的に発展することへの意識が高まるなか、需要が必ず戻るアフターコロナに向けて、民泊業界の役割を考えてほしい」と趣旨を語った。

 SDGsの自分ごと化をテーマにした基調講演には、同志社大学政策学部総合政策科学研究科教授の大和田順子氏が登壇した。

 大和田氏は「SDGsを推進する自治体が2019年5月の19・5%から20年同月に54・5%に増えた」と話した。さらに15~29歳のSDGs認知度については21年5月時点で、52・1%と最も高かったことを説明した。

 民泊事業者が実施できる持続可能な観光方法としては、農家体験を宿泊プランに盛り込むことによる農業人口の維持や、空き家を宿泊施設に改修することなどで地域の活性化をはかる農泊を勧めた。

 大和田氏は「民泊業界は食料自給率の安定化にも貢献することができる」と語った。

 SDGsに取り組む宿泊施設の事例では、「カミツレの里・八寿恵荘」(長野県・池田町)を紹介した。同施設は有機野菜やハーブなどの栽培が体験できる。さらに、地元の木材を内装に使用している。

 このほか、「農業体験をはじめ、ヨガや森林散策を組み込みストレス解消につなげることで、新たに首都圏で働く利用客を獲得した」と述べた。

 同協会に所属する民泊事業者による活動報告では、京都府京都市で持ち家と友人が保有する家屋を1件ずつ運営する森田さなえ氏が出席した。

 施設から徒歩約1分の場所にある宇賀神社の氏子でもある森田氏は旅行需要の回復後、同神社の掃き掃除と草むしり体験を計画する。宿泊客は、ほかの氏子から「伏見稲荷よりも古い歴史を持つ」(森田氏)という同神社の歴史を学ぶことができるという。さらに、「近隣の米屋と運営するカフェで米粉シォンケーキとコーヒーを用意する手配をした」と報告した。

 最後に実施したセッションでは、参加者が「セミナーを聞いて考えたこと」として、「SDGsを体験できる事例集がほしい」や「観光業に従事しない人に体験プログラムを受け入れてもらうための交渉が課題」などの声が挙がった。

 同協会は今後、5回セミナーを開き、持続可能なまちづくりを考えていく。

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