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竹富島の「入島料」周知と協力を 竹富島地域自然資産財団がTEJ沖縄で

2020年11月12日
編集部:入江千恵子

2020年11月12日(木) 配信

竹富島(イメージ)

 沖縄で開催された「ツーリズムEXPOジャパン 旅の祭典in沖縄」(TEJ沖縄、10月29日~11月1日開催)では、国内外から285の企業・団体が出展した。参加団体の1つ、沖縄県・竹富町の「竹富島地域自然資産財団」は、同島の保全活動やトラスト活動を目的に徴収している〝入島料〟について、さらなる周知と協力を呼び掛けた。

 同財団は竹富町から事業委託を受け、昨年9月から、竹富島を訪れる観光客らを対象に、地域自然資産法に基づいた任意の入島料(入域料)1人300円を徴収し、管理、運用している。

 だが、この1年間の収受率は12~13%で、当初の計画の50%を大きく下回っている。昨年の竹富島の入域観光客数は50万人(竹富町発表)を超えたが、仮にすべての人が支払った場合は1億5000万円以上が、半分でも7500万円前後の収受が見込める。しかし、実際に集まったお金は2000万円に届いていない。

 同財団の水野景敬(かげゆき)常務理事は「運営だけで精一杯」と危機感を募らせた。収受率の低さの要因として、「周知ができていない、活動自体を見せていない」と話す。

 現在の徴収方法は、竹富港または石垣島の石垣港離島ターミナルに券売機を設置し、観光客が入島券(通称・うつぐみチケット)を購入する。そのほか、桟橋や民宿で直接販売することもある。

 入島料300円の使途は、200円は保全活動に、100円はトラスト活動に充てられる。保全活動は、海浜清掃やサンゴの保全などのほか、島内の暮らし、集落、文化の保全活動に使用する。トラスト活動は、島外のリゾート開発業者に売られた土地を買い戻すための基金として貯蓄し、島の自然環境再生に取り組んでいく。

 水野常務理事は、文化保全について「昔は島内に多かった茅葺き屋根の家を維持できなくなっている」と危惧。理由の一つに、茅が自生する畑の管理ができていないことを挙げる。「茅は畑を耕し、手間暇かけないと作れない。このままでは伝統的技術も景観も途絶えてしまう」と述べ、入島料を活用した保全活動の重要性を訴えた。

 収受率を上げる施策として、今後は旅行会社を通じて竹富島を訪れるツアー客に協力を呼び掛けるほか、環境教育ツアー「まいふなーツーリズム」を実施する。

 まいふなーとは、島の言葉で「おりこうさん」を意味する。同ツアーは、ビーチクリーンをしながら海洋ゴミ問題を学んだり、薬草ツアーでは島に自生する薬草の効能を学ぶ。また、昔ながらの耕作方法を学ぶ「伝統耕作ツアー」など、6種類のツアーを検討している。

 「入島券を購入した人には、みーはいゆー(ありがとうの意味)ステッカーや、島に自生している植物の種など記念品をプレゼントしている。島の人はお礼をしたくなってしまう」と話し、さらなる協力を呼び掛けた。

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