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「より悲観的な回復シナリオ」を選ぶ日本のCEO 新しい働き方には消極的 世界のCEO意識調査(日本生産性本部)

2020年9月8日
編集部:馬場遥

2020年9月8日(火) 配信

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 日本生産性本部(茂木友三郎会長)は9月3日(木)、コンファレンスボード(スティーブ・オドランド社長)と協働した「世界経営幹部意識調査」で、新型コロナウイルス禍が企業経営に与える長期的な影響や変化に対する経営幹部の意識を分析した。他地域と比べ日本のCEOは、より悲観的な回復シナリオを選ぶ回答が目立った。テレワークやビデオ会議などの新しい働き方には消極的で、欧米に比べ意識の差がみられた。【馬場 遥】

 

「ポストコロナの世界と企業経営」調査レポート

 今回の調査は「新型コロナウイルス後の世界をどう考えるか」をテーマに、各国の経営幹部(44カ国1316人、うち日本は155人)を対象に、5~6月の期間で実施された。同本部は、日本国内での調査をもとに、全世界CEO606人(日本95人含む)を抜粋して、日本と他地域のCEOの特徴を比較・分析したレポートを作成した。

 国内経済回復シナリオ予想について世界のCEOの42%がU字型(2020年第4四半期に回復)、32%がL字型(21年以降もしくはそれ以降に回復)、16%がW字型(20年後半に再度経済の緊縮が予想される)となった。一方で、日本のCEOは自国の経済に関して、49%とほぼ半数がL字型を予想し(U字型26%、W字型23%)、より悲観的な傾向がみられた。

 自社の収益回復時期は「21年以降」と日本CEOの74%が回答し、米国(73%)や欧州(76%)と同じ傾向にあった。

 

テレワークに消極的な日本

 企業経営に与える長期的影響については、世界・日本の約半数が「デジタル主導組織への変革ペースを速める」と回答した。ポストコロナにおいて多くのCEOが「変革の機会と捉えていることが分かる」(同社)。米国や欧州と比べ、多くの日本CEOが「顧客嗜好変化を捉えるためビジネスモデルを再考」(58・7%)と回答したのが特徴的だ。

 コスト管理の強化と予算削減について、日本CEOは、「人間の仕事の機械化」(23・6%)、「一時的で柔軟な労働力の活用」(21・4%)を欧米CEOより多く選択している(欧米14%以下)。一方で、「ビデオ会議による出張削減」(日本27・1%、米国55・9%、欧米47・5%)、「テレワーク増加に伴うオフィススペース削減」(日本10・1%、米国26・3%、欧州20・6%)の回答は、他地域と比較して少なかった。

 同社は、日本でも世界においても、仕事や生活への欲求が変化し、それに伴って柔軟な働き方の実現を模索していると現状を分析した。人的資源管理において、「時差勤務など新しい働き方を採用」した日本のCEOは64・0%で、世界のCEO(35・1%)と比べ多い結果となった。

 一方で、世界のCEOの32・8%が「在宅勤務、テレワーク勤務者の増加」、31・6%が「機動的なプロジェクトチームによる業務遂行」を挙げているが、日本はそれぞれ20・2%、24・7%と相対的に低かった。

 

労務管理には積極的な日本

日本CEO24・7%が選択した「デジタルを活用した従業員管理の強化」は、米国2・0%、欧州6・3%、世界11・4%と、他地域では回答率が低かった。世界と比べ、同社は「労務管理に対する意識の差が浮き彫りになった」とまとめた。

 CEOの多く(世界63・5%、日本70・1%)が、「顧客、従業員、サプライヤー、コミュニティ、株主など、すべてのステークホルダー(利害関係者)の利益のために、企業ミッションを再定義すること」を、ポストコロナの課題として挙げた。

 コロナ危機によってグローバル化が後退するとの見方が広がるなかで、日本では59・8%が「人々の動向が変化し、密集した年からより開放的な郊外や、さらに離れた準郊外へ移動する」を選択した。

 

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