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観光は新しい時代へ 暮らしの変化・旅行再開に向けての意識調査結果 JTB・JTB総研共同

2020年6月3日(水) 配信 

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 JTB(髙橋広行社長)とJTB総合研究所(野澤肇社長)はこのほど、「新型コロナウイルス感染拡大による、暮らしや心の変化、旅行再開に向けての意識調査(2020)」の結果を共同でまとめた。全体として旅行意向が高いが、国内は夏、海外は秋以降と慎重さも伺える。外出自粛で「対面での交流が大事」とアナログの価値に気づく一方、デジタル化が進み、今後は新しい生活様式が観光の場面にも求められそうだ。

調査結果

 調査はJTBが4月27~29日の期間、全国の15~79歳の男女のうち、事前調査で「過去1年間に1回以上国内または海外旅行に行った」2060人を対象とした。

 JTB総合研究所は、20歳以上の「今年中に国内・海外旅行のどちらか、または両方を予定・検討している」男女を対象に、2~5月にかけ計4回(いずれも事前調査6500人から1000人前後を抽出)調査を行った。

 外出自粛や渡航制限の解除でやりたいことの上位3つは①「国内旅行」(40・9%)②「外食」(40・5%)③「友人・知人に会う」(39・1%)となった。

 過去1年間に1回以上国内外の旅行をした人、しない人で比較したところ、「国内旅行」経験者は53・3%、未経験者は20・8%と大きな差があった。経験者が旅行や帰省、「パーティーなどに参加する」など、交流が期待できる「コト」への意向が高く、未経験者は「デパートや店舗での買い物」や「特にない」が経験者より高い結果となった。

 新型コロナ感染拡大の前後で、考え方が変化したと感じることは、「対面や直接のコミュニケーションは大切だ」(29・8%)が全体で最も多く、「外出自粛が長引き、国内旅行をしたいという意識が以前より高まった」(23・2%)が続いた。

 女性29歳以下は国内・海外旅行ともに「旅行に行きたい気持ちが高まった」が全体平均より10㌽高くなった。「早く行きたい」と考えているのは29歳以下の男女で、男性の方が高い。

 一方で、女性60歳以上は国内・海外旅行ともに「旅行に対する関心が薄れた」がほかよりも高い結果となった。

新型コロナ影響前と比較した、自分の考え方の変化(複数回答)

 旅行を再開するきっかけは、①「治療薬やワクチンが完成し効果が出る」(45・6%)②「全国の緊急事態宣言が解除になる」(43・8%)③「周囲からとがめられなくなったら」(26・8%)④「自治体が来訪自粛要請をやめたら」(23・0%)――と続く。

 今年中の国内・海外旅行意向は、4月以降に大きく減少し、新型コロナ感染症への不安以外に、「世間体が悪い」、「旅行先の正確な情報が足りない」などが理由として挙げられる。

 国内旅行の出発時期は夏休みやシルバーウィーク辺りとする声が多かった。行き先は、自分の居住地と同じ地方である場合が多く、「まずは近場で旅行する」という意向が高い。

 海外旅行の出発時期は①9~11月(28・7%)②11~12月(25・5%)を考える人が多く、国内旅行以上に出発時期が先となる傾向がみられた。行き先は「ハワイ」「東南アジア」「台湾」が上位だった。

ニューノーマルな時代の観光を目指し

 国内旅行は「身近な域内での観光」や、「友人・知人訪問」、「帰省」などの動きが多くなると予想する。既にいくつかの地域で、県内居住者を対象とした宿泊プランを用意するなど、地域の消費喚起施策が始まっている。

 スペインのように観光客受け入れ再開の見通しを伝える国が出てくる一方で、7月までの海外ツアー催行中止が決定され、調査時よりさらに海外旅行の回復は遅れるとみられる。

 また、60歳以上の女性では海外旅行に「2度と行きたくない」という回答も少なくなく、海外旅行者の世代交代が進む可能性がある。

 テレワーク、キャッシュレス、オンラインサービスなどが大きく浸透しデジタル化が進んだことに加え、3密の回避などの新しい生活様式(ニューノーマル)も広がった。マスクの着用や消毒などといった衛生管理は8割以上が継続すると答えている。

 「観光においても、新しい生活様式に基づいたあり方の確立が求められ、旅行者も地域社会も『衛生管理は旅のマナー』という認識が必要」と調査はまとめられている。

 ニューノーマル時代の観光のヒントとしては、「地域にとって観光の位置づけを再認識すること、適切な情報と、歓迎の気持ちを積極的に発信し、旅行者へきちんと伝えていくことがカギとなってくる」と指摘。「こういった取り組みが旅行者の不安を払拭し、また旅行へ誘うことにつながる」と締めくくっている。

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