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加賀の温泉文化の魅力

2012年4月21日
編集部
「加賀片山津温泉 街湯」の外観
「加賀片山津温泉 街湯」の外観

≪新たな総湯でにぎわい創出 加賀片山津温泉 街湯≫ 4月21日オープン

 石川県と石川県観光連盟は3月22―23日の2日間、能登コースと加賀コースに分かれて視察事業を行った。本紙は今回、加賀コースに参加し、4月21日にオープンする片山津温泉の新たな総湯「加賀片山津温泉 街湯」や、小松市のご当地グルメの「小松うどん」づくり体験、能美市の「九谷焼資料館・陶芸館」の見学と絵付けなどを体験した。22日の夜は、山代温泉の名旅館「たちばな四季亭」に宿泊し、加賀温泉郷の歴史ある温泉とおもてなしを体験した。

【増田 剛】

 「小松うどん」

シンプルだがつるつるした食感が美味しい
シンプルだがつるつるした食感が
美味しい

 今回の視察では、まず小松市のご当地グルメである「小松うどん」を実際に作った。小松うどんは「1689(元禄2)年、松尾芭蕉が奥の細道の道中、小松に立ち寄ったお礼に小松の俳人塵生が乾うどん2箱を山中にいた芭蕉に届け、賞賛された」という300年を超える歴史を持つ。

 2010年には小松市が市制70周年を機に、小松うどんで地域ブランド化の取り組みをスタート。加盟店は61店舗を数える。特徴は、細くてほど良いコシのある麺と、ウルメやムロアジ、サバなどの雑節と昆布の合わせだし、地元の醤油で色薄く作る透明感のあるだしは、ツルツルとした麺によく合い、とても美味しかった。

 加賀四湯

 粟津温泉、片山津温泉、山代温泉、山中温泉は加賀四湯とも呼ばれ、半径8キロ圏内にあり、それぞれに豊かな個性を持つ。関西圏や中部圏には馴染みの深い1300年の歴史を有する温泉地であるが、首都圏からは、心理的に「遠い」というイメージも持たれがち。しかし、人情に厚い、独特の文化を持つ加賀温泉郷には数多くの名旅館が存在しており、ぜひとも一度は訪れたいところ。それぞれの温泉地には、「総湯」と呼ばれる共同浴場がある。

 山代温泉のシンボルは、明治19年当時の総湯を復元した山代温泉古総湯。外壁は白木仕上げ、浴室は漆塗りの壁に、九谷焼のタイルとステンドグラスが独特の雰囲気を醸し出している。古総湯と向かい合うかたちで、山代温泉総湯がある。こちらは、地域の住民がよく利用している。売店の「温泉たまご」は源泉に8時間つけて温泉の成分がしみ込んだ一品で、とても人気が高い。

山代温泉の古総湯(手前)と向かい合う総湯(奥)
山代温泉の古総湯(手前)と向かい合う総湯(奥)

 総湯は単なる共同浴場ではなく、温泉が本来持っている医療や福祉、観光、歴史、文化、教育などさまざまな要素を満たしている。住民同士が交流を持てる「温泉コミュニティ施設」としての文化的な意味も持っている。総湯を取り囲むように旅館や町並みが形成されていった、歴史的なまちなみ「湯の曲輪(ゆのがわ)」が再生された山代温泉では、にぎわいの温泉文化を堪能することができる。

 片山津温泉には4月21日、新たな総湯「加賀片山津温泉 街湯」がオープンする。日本を代表する世界的な建築家・谷口吉生氏の設計。外観のほとんどがガラス張りで透明感のある建物は、柴山潟、空、海など周辺の自然に溶け込み、建物からは雄大な白山連峰を背景とした美しい柴山潟の眺望が楽しめる。花火祭りなど多種多様なイベントの開催も、予定され、温泉街のにぎわいの創出に大きな期待が寄せられている。今回、訪れることはできなかったが、粟津温泉、山中温泉も1300年の歴史を誇り、総湯を中心に個性的な温泉文化を築き上げており、ぜひ訪れたい。

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