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「津田令子のにっぽん風土記(37)」 飛騨らしい空間で一流のジャズを~岐阜県高山市編 ~

2018年5月19日(土)配信 

飛騨高山ジャズフェスティバルの出演者
合同会社JAM 白石達史さん

 岐阜県高山市で5月26日、初めて「飛騨高山ジャズフェスティバル」が開かれる。会場は合掌造りなどが移築・再現されている「飛騨の里」。フリューゲルホルンとヴォーカルのTOKU、ギターの小沼ようすけなど、出演者は国内外で活躍する豪華16組で、クラブジャズ、レゲエ、ヒップホップなど多彩なジャンルだ。主催する合同会社JAM代表の白石達史さんは「地元の皆さんに、プロの生演奏はすごいと感じてほしい。地域外の人にも、観光+フェスというカタチで来てもらえれば」と話す。
 
 白石さんは両親の仕事の都合で全国を転々とした後、東京の大学に進学。海外や東京で働いた後の2010年、飛騨里山サイクリングのガイドツアーなどを行う「SATOYAMA EXPERIENCE」(株式会社美ら地球)のスタート時に、スタッフとして飛騨市に移住してきた。マネージャーを務めた後、17年4月に独立。イベントの企画や運営、ウェブディレクター、ライターなど、地域の魅力を再編集する「編集者」としてさまざまな仕事をするなかで、友人たちと立ち上げた企画の1つがこのジャズフェスティバルだ。

 「榑」と呼ばれる板で葺いた家屋の中など、屋内に2ステージ、合掌造りなどの見える屋外に2ステージを設置する。会場の指定管理者にイメージを伝えるのに時間もかかったが、昨年10月に別の重要文化財の建物で行ったプレイベントを見に来てもらうと一気に理解が進み、協力体制ができてきた。「原っぱにステージを組むなら、飛騨じゃなくてもいい。懐かしさや、古い文化が残る飛騨の魅力を凝縮したような場所で、ここに来ないと見られない空間ができます。飛騨らしさを感じてもらえれば、この地域でやる意味がある」。フェス翌日には観光もできるよう、土曜日だけの開催としている。

 運営メンバーには地域の電気店、大工などさまざまな人が名を連ねる。「若い人が新しいことをやろうとしているから」と地元から応援の声も届く。

 「ここでやることが他の地域の参考になれば。日本に小さいフェスがたくさんでき、協力して海外の有名アーティストを呼べるといいですね」と白石さん。その地域らしい会場と「本物」の音楽を組み合わせることで、魅力的な、他にない空間ができる。新しい交流、地域活性のカタチが生まれそうだ。飛騨高山ジャズフェスティバルについて詳しくはホームページ(https://hidatakayama-jazz.com/)を参照。

コラムニスト紹介

津田 令子 氏

社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

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