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No.445 クア・アンド・ホテル、小さなことを少しずつ改善する

2016年11月1日
編集部

クア・アンド・ホテル
小さなことを少しずつ改善する

 高品質のおもてなしサービスを提供することで、お客様の強い支持を得て集客している宿の経営者と、工学博士で、サービス産業革新推進機構代表理事の内藤耕氏が、その理由を探っていく人気シリーズ「いい旅館にしよう!Ⅱ」の第7回は、山梨県笛吹市、静岡県静岡市、長野県塩尻市で健康ランドを経営するクア・アンド・ホテルの三森中社長が登場。小さなことを少しずつ改善していく「小変」に取り組むなかで、現場からさまざま提案や、工夫が生まれてきた過程を語り合う。

【増田 剛】

 
 

〈「いい旅館にしよう!」プロジェクトⅡシリーズ(7)〉
クア・アンド・ホテル

■内藤:どのような経緯で健康ランドを始められたのですか。

■三森:県庁に勤めていた父(現・会長)がのちに、不動産やレストランを経営していましたが、1979年に甲府にビジネスホテルを開業し、会社組織にしました。

 89年に、当社のビジネスモデルとなる石和健康ランドを建てました。現在、健康ランドは石和(山梨県笛吹市)、駿河(静岡県静岡市)、信州(長野県塩尻市)と3施設ありますが、この年を「第2の創業」と位置づけています。

 私は東京の不動産会社に就職していましたが、健康ランドオープンの準備段階から、いきなり社長としてスタートしました。温浴施設のノウハウがまったくなかったのですが、それが良かったと今になれば思います。

 当時、健康ランドが名古屋で生まれ、私は父と視察に行きました。家族連れなどでにぎわい、楽しそうに過ごしているのが印象的でした。「この健康ランドのスタイルに、当社がやっているビジネスホテルをくっつける」という発想になりました。

■内藤:一緒にやってどのようなメリットがありましたか。

■三森:ビジネスホテルの主な稼働は、平日の夜です。一方、お風呂はどちらかといえば昼間と土・日曜日が忙しい。このため、建物全体も、駐車場も稼働が高められると考えました。フロントも一つにして、あらゆるサービスを一緒に使ってもらえば、利益につながると思い、設計を進めていきました。

 もう一つ大きかったことは、「下に大浴場があるのだから、部屋のお風呂は使わない」と、客室からお風呂を取ったことです。ムダをなくして、大浴場の魅力を高め、お客様が喜ぶサービスを提供しようと考えていました。効率化と、お客様の満足度を高めるという両方の発想があったと思います。

 以来約30年間、これが当社のビジネスモデルとなりました。ホテルとお風呂を稼働の中心にして、この2つに合うサービスとして、食事処やマッサージ、フィットネスなどをどんどん付け足し、磨くことに力を注ぎました。食事であれば美味しいもの、マッサージも垢すりやエステなども入れて、膨らませていきました。信州も駿河の施設も、規模や部屋タイプは異なりますが、発想はまったく同じです。…

 

※ 詳細は本紙1648号または11月7日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

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