JATA×韓国観光公社、「韓国絶景30選」選び地方の魅力発信 日韓国交正常化60周年で「咸安落下ノリ」イベント拡大も
2025年7月10日(木) 配信

日本旅行業協会(JATA)は7月10日(木)に定例会見を開き、韓国観光公社と共同で実施する訪韓日本人観光客拡大に向けた各種施策を発表した。今年度は新たに「韓国絶景30選」を選び、地方の新たな魅力を伝える。また、今年は日韓国交正常化60周年を記念して、韓国伝統の花火祭り「咸安(ハマン)落下ノリ」のジャパンデーを昨年より拡大して実施する。
各種取り組みはアウトバウンド促進協議会(JOTC)・東アジア部会韓国ワーキンググループ(座長=日本旅行ツーリズム事業本部海外旅行推進部・本多寿彦部長)の部会活動の一環として、行うもの。企画商品の施策は3年目を迎える「韓国絶品グルメ30選」と、今年からの「韓国絶景30選」を組み合わせた商品の造成を促進。造成した商品を対象にした旅行企画コンテストも実施し、JATA会員14社がエントリーしている。
団体旅行は優秀な営業社員を表彰する「営業王」コンテストを実施する。受注型企画旅行、手配旅行で1人の営業担当者が10人以上の団体を2件以上新規契約すると応募できる。100人以上の大型団体は1件でも可。優秀者は韓国での表彰式に招く。
また、10月16日に慶尚南道咸安郡無尽亭で行う「咸安落下ノリ」は日本人観光客限定のイベント。昨年は600人が参加したが、今年は会場規模を拡大して、1000人を集客目標に実施する。JATA会員35社が参画し、イベントを組み込んだ商品を企画する。
発表を行った本多座長は韓国への日本人客数はほぼコロナ前の水準に回復したが、ソウルへの一極集中や旅行会社を通さない旅行者の増加などが課題とした。課題解決に向け、重要なのは送客数ではなく、「何を見て、食べて、体験してもらうか。お客様に、旅行会社を通して感じることをいかに提供できるか。その結果、ソウルだけではない地方へのリピーターも増えていくと思う」と述べた。
韓国観光公社の金観美(キムガンミ)日本地域センター長兼東京支社長によると、今年の日本市場へのマーケティングは地方への観光拡大とターゲットの拡大をはかる。「20~30代の女性がコアな層だが、近年男性の中高年層をターゲットに追加した。今年は新たにファミリー層と団体をターゲットに加え、強化していく」と意気込んだ。近年は中高年の男性も韓国の美容に興味を示していることや、これまであまり知られていなかった家族向けの素材も積極的に発信していくことを紹介。「色々な楽しみ方があることを各世代にアピールしたい」と語った。