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「提言!これからの日本観光」 「観光」は〝ただの遊び〟ではない

2024年2月25日(日) 配信

 「観光」の仕事に関わるようになった当初に、戸惑ったことは、世上における多くの人々が「観光はただの遊び」と思っているらしいことであった。〝仕事〟の対象としては、なかなか認めてもらえなかったことを思い出す。

 「観光」は年間生産額(直接)約25兆円、間接効果を入れると50兆円近い額にのぼるため、日本の基幹産業ともてはやされている。その反面、「観光」の真の意味が今もって多くの人々に、正しく理解されていないことが残念だ。

 「観光」は、地域の「光」を「(心を込めて)見(観)る」、また「観す」ことによって、人的交流をはかる文化的経済行動だという正しい意味が理解することができるまでには、私もかなりの経験と時間が必要だった。

 多くの人々との交流関係を持つことで、ささやかな「文化」が創生し、発展すると考えるとき「観光は重要な文化活動」にほかならないと思っている。

 また「観光」によって関係する地域には、活発な経済(資金の循環など)の動きが発生している。

 このように「観光」は、文化的経済活動であることが世上、充分理解されているとは言い難い。それのみか「観光」は、〝ただの遊び〟にすぎないと看過されていることも多いため、観光業に携わる人々の社会的評価も実態を正しく反映していない点が多く見受けられる。

 これは、「観光」が人間の本能に根差す「文化的経済行動」であることを正しく理解するには、かなりの経験も必要となるからだ。

 確かに年間生産額約50兆円、雇用者数約百万人という数値を見る限りでは、「観光」は日本の基幹産業の1つにほかならない。実際に「観光」によって多くの街が勃興し、発展してきたのも、そのためではないかと思う。

 「観光」は人的交流を促進し、文化の創生発展をもたらす重要な行動だと確信している。また、それが「観光」に参加する人々が「観光」を味わい、かつ楽しみつつ成就されるところに、「観光」によるまちづくりが、各地で急速に進展する動機であったと考えられる。

 このような「観光」の推進に不可欠なものは、適時適切な「情報」を広く知らせることだと思う。絶えずに更新した観光地などからの充実した「観光情報」を送受信していくとき、日本においては国土のほとんどの地域が、魅力ある観光地としてなり得るといっても言いすぎではないと思っている。自分自身の出身地を観光地として考えて、適切な情報発信を行えば、全国どこもが多くの人が訪れたくなる観光地となるといっても決して大げさな表現ではない。

 特定の地域への観光のみでなく、国土全体を観光地とするために、万偏なく幅広い観光情報を発信することによって、この恵まれた国土を活かさない手はないと思われる。

 

 

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

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