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〈旬刊旅行新聞10月1日号コラム〉――持続的なまちづくりへ 地域に「働く場」と「教育の場」が必要

2023年10月2日
編集部:増田 剛

2023年10月2日(月) 配信

 10月5~6日に、岡山県岡山市で「第33回北前船寄港地フォーラム」が開催される。「北前船」の歴史を紐解き、新しい時代の地域間交流・連携を探る場となるが、今回は初の試みとして、岡山市に加え、瀬戸内海に面する近隣の倉敷市、玉野市、備前市、瀬戸内市で「分散型」の分科会も実施される。

 

 さらに、EU(欧州連合)諸国の大使ら、約20人の外交官が出席して交流するなど、国内外から700人規模が参加する一大イベントとなる。

 

 1面特集では、同フォーラムに向けて開催市を代表して、大森雅夫岡山市長、実行委員会会長の松田久岡山商工会議所会頭、2年前に発足した地域連携研究所で、大森市長と共に自治体会員制度の共同会長を務める福原淳嗣大館市長(秋田県)の3氏による鼎談を掲載している。

 

 

 江戸から明治20~30年代にかけて日本の交易を担った北前船。北海道から東北、北陸、山陰、瀬戸内、関西、九州を結ぶ物流の主役であったが、明治期になると、汽船の普及や鉄道の開業、日露戦争開戦などにより、次第に北前船は衰退していった。その後も、モータリゼーション化や航空輸送など、時代に合わせて物流の手段は日々変化し、多様化している。

 

 遠く離れた地域なのに、文化や技術、舞踊や方言までも共有し、影響し合うなど、運んでいたのは荷物だけではなく、人や文化の交流にも北前船が大きな貢献をしていたことが分かる。

 

 現代においても、観光やさまざまな分野で地域間連携が求められている。東京一極集中が進み、東京を拠点にハブ化が拡大しているが、かつて北前船を通じて交流していた地域同士が再び結びつきを強めていく、古くて新しい地域間連携が「北前船寄港地フォーラム」を通じて広がっていくことを期待したい。

 

 

 第33回北前船寄港地フォーラムに先立って、9月7日にプレイベントが開かれた。これに合わせて、岡山県・矢掛町の視察ツアーも実施され、同行取材した。矢掛町の「まちごとホテル」の取り組みは耳にしており、訪れてみたいと考えていたので、とても楽しみだった。

 

 古民家を改修し、「まちごとホテル」による再生に取り組むシャンテの安達精治社長に町を案内していただいた。説明を受けながら、安達社長から溢れ出る情熱がひしひしと伝わってきた。その夜、蔵を改修したまちごとホテルの1軒に宿泊。翌日早朝から安達社長にインタビューをお願いした。岡山商工会議所の松田久会頭、観光庁観光資源課の鈴木一寛課長補佐にもご出席いただき、それぞれの立場から「持続可能なまちづくり」についてお話をいただいた。3面で詳しく紹介している。

 

 

 少子高齢化が進む地方において、安達社長は「矢掛町を50年後にも残すにはどうすればいいか」というところからスタートし、その結果として「まちごとホテル」という運営スタイルしか方法はなかったと語る。さまざまな興味深いお話の中で、とりわけ印象に残ったのは、「まちに高校があるかどうか」という部分だ。地域に雇用の場を創出することはとても重要である。だが、それ以上に、地元の高校をまちぐるみでしっかりと残していく。さらに可能であれば、大学や専門学校など高度な教育機関を誘致していくことが、これからの時代のまちづくりには最も大事なのだと考えさせられた。

(編集長・増田 剛)

 

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