中央区に女性用のカプセルホテルが開業(MAYU TOKYO WOMAN)

2018年5月2日(水) 配信

MAYU TOKYO WOMANホテル外観

 

宿泊施設の開発や運営を手掛けるチャハル・ホテルズ&リゾーツ(川本栄次社長、東京都新宿区)は4月30日(月)、女性スタッフが運営する女性専用のカプセルホテル「MAYU TOKYO WOMAN」を東京都中央区にオープンした。

 従来のカプセルホテルでの無駄になる行為や音、物を最小限に減らし、快適に過ごせる機能的なホテルを目指す。また、プライベートな空間をできる限り確保し、安全面や寝心地の良さを追求。安心して泊まれる空間を提供できるように、設計段階から熟考した。

アーチをモチーフにした

 

フロアにはアメニティもそろえたほか、ロッカースペースを設置。プライベート空間は2平米。小さな貴重品が保管できる鍵付きの収納を用意した。収納扉は机にもなり、パソコン作業やメイクにも使える。コンセントは2口。

ラウンジスペース

 

 ラウンジスペースはテラスと一体になり、開放感溢れる作り。中央のアートウォールにはヘルシンキ在住のテキスタイルデザイナー浦佐和子さんの作品や定期的に入れ替わるアートが飾らられるという。

 

〝ニューツーリズムの宝庫〟 種子島の着地・滞在型商品

2018年5月2日(水) 配信

種子島宇宙センター

 鹿児島県大隅半島の佐多岬から約40キロ。南東海上に浮かぶ種子島の西之表市で、ホームセンターなど経営するSOMESの旅行部門「SOMES TRAVEL」が、地元の海陸運送業の旅行部門「わかさ旅行センター」と共同で、「種子島の特色ある地域資源を活用した着地型・滞在型ニューツーリズム旅行商品」を開発し、販売を始めた。

 事業は経済産業省の地域資源活用促進法の認定を取得。国の補助を受けて専門ガイドの養成などを行い、商品開発にも取り組む。

 世界自然遺産の屋久島と対照的に、細長く伸びた種子島は、種子島宇宙センターと鉄砲伝来の島で知られるが、豊かな自然や歴史・文化など魅力的な素材があふれ、〝ニューツーリズムの宝庫〟だ。

 島の北部では日本の海水浴場88選「浦田海水浴場」や、最北端の「喜志鹿崎灯台」、「アコウの大樹」、巨大シダの「ヘゴ自生群落」など独特の自然景観が展開する。

 また、島の中心・西之表市は種子島氏の城下町で、かつて鉄砲鍛冶屋が集積。種子島氏の居城・赤尾木城跡や種子島氏の家老屋敷「月窓亭」などが残る。

 南部は鉄砲伝来の門倉岬と種子島宇宙センターに加え、周辺には古代赤米文化の伝承地や、弥生時代から古代の集団墓地「国史跡 広田遺跡」などの歴史が集積する。

 中部では大浦川河口に広がる「種子島マングローブパーク」、東海岸の浜田海水浴場には、島最大級の海蝕洞窟「千座の岩屋」が見られる。

 開発した商品は、産業観光が「宇宙にいちばん近い島満喫プラン」。種子島宇宙センター(施設見学ツアー)や、ロケットを追尾する増田宇宙通信所など宇宙ファンに必見のツアーになっている。

「砂浴」でデトックス効果

 ヘルスツーリズムは「種子島ナチュラルデトックス満喫プラン」。東海岸の熊野海水浴場で「砂浴」を体験。特製ニンジンジュースを飲みながら、約2―4時間、首まで砂に埋まることで、デトックス効果が得られ、快眠、つるつる肌につながるという。体験料、送迎、温泉入浴がセットされる。

 歴史観光は種子島氏の城下町散策。島内には125の神社もあり、パワースポット巡りも設定される。

マングローブ林でシーカヤック

 エコツーリズムではマングローブ北限自生林での環境学習とシーカヤック体験プラン。ウミガメ産卵やふ化見学プランもある。全島で2千頭以上のウミガメ産卵があるという。グリーンツーリズムでは「安納芋」の収穫や、種子島茶の茶摘み体験も設定する。

 今年度はアニメの聖地巡礼ツアーも予定する。

「大学生観光まちづくりコンテスト2018」エントリー開始

2018年5月2日(水) 配信

「茨城」「北陸」「多摩川」「長崎県国境離島」を学生のアイデアで活性化

JTBが事務局、運営を行う「大学生観光まちづくりコンテスト2018」の運営協議会は、このほど参加大学生チームの募集を開始した。

 同コンテストは、大学生チームが実際に地域を訪れ、指定地域のテーマに基づいて「観光まちづくりプラン」を約2カ月かけて作成し、競い合うもの。8年目を迎える今年は「茨城」「北陸」「多摩川」「長崎県国境離島」の4カ所が対象地域となる。

 9月の本選での最終審査の結果、優秀なプランはJTBグループが自治体と共同で実現化を検討する。

 審査基準は、これまでに実用化されていない資源を活用しているか、地域の課題を明確に分析し、論理的に企画を構成しているかなどで、実現可能なプランを作成する必要がある。

 また、優秀作品発表会を9月21日(金)に東京ビックサイトで開かれる「ツーリズムEXPOジャパン」内で実施する。

大学生観光まちづくりコンテスト2018」概要

【主催】 大学生観光まちづくりコンテスト運営協議会
◆実行委員会
長田 進 (慶應義塾大学 経済学部 教授)
歌代 豊  (明治大学 経営学部 教授)
香取 幸一(玉川大学 観光学部 教授)
宮崎 里司 (早稲田大学大学院日本語教育研究科 教授)
 
<茨城ステージ運営委員>
馬渡 剛(茨城大学 人文社会科学部 教授)

<北陸ステージ運営委員>
江川 誠一(福井県立大学 地域経済研究所 講師)
髙山 純一(金沢大学 理工研究域環境デザイン学系長・学類長 教授)
長尾 治明(富山国際大学 現代社会学部 教授)
村上 雅巳(跡見学園女子大学 観光コミュニティ学部 准教授)

<多摩川ステージ運営委員>
堀 繁(前 東京大学 アジア生物資源環境研究センター センター長)
保井 美樹(法政大学 現代福祉学部 教授)

<長崎国境離島ステージ運営委員>
赤石 孝次(長崎大学 副学長、経済学部 教授)
原 哲弘  (長崎国際大学 人間社会学部 准教授)

◆運営協議会事務局
株式会社JTB総合研究所、株式会社三菱総合研究所
※事務局窓口 株式会社JTBコミュニケーションデザイン

【特別協力】
茨城県、北陸経済連合会、北陸イメージアップ推進会議、公益財団法人河川財団、長崎県

【協力】
国土交通省関東地方整備局 京浜河川事務所

 【後援】
関係府省(申請中):観光庁、文部科学省、総務省、経済産業省
関係団体:とやま観光推進機構、石川県観光連盟、福井県観光連盟、北陸広域観光推進協議会、日本観光振興協会、日本旅行業協会

【協賛】
株式会社リビタ、株式会社長崎新聞社、九州商船株式会社

【運営】
株式会社JTB 水戸支店、JTB金沢支店、JTB甲府支店、JTB長崎支店

【開催ステージ(対象地域・テーマ)】
● 茨城ステージ
対象地域:茨城県全域
テーマ :魅力度最下位脱出に向けた「観光まちづくり」

● 北陸ステージ
対象地域:富山、石川、福井 ※2県以上の2市町村以上対象とすること。
テーマ :
①北陸の文化振興を促す「観光まちづくり」
②北陸ならではの資源を活かした「観光まちづくり」※①~②のいずれかを選択

● 多摩川ステージ
対象地域:多摩川沿川自治体
テーマ :多摩川の資源を活かした「観光まちづくり」

● 長崎県国境離島ステージ
対象地域:対馬市・壱岐市・五島市・小値賀町・新上五島町
テーマ :
①「しま」ならではの「観光まちづくり」
② 島がうるおう「観光まちづくり」※①~②のいずれかを選択

【表彰】
● 各ステージで、観光庁長官賞受賞(1チーム)、優秀賞(2チーム)、審査員特別賞を設定。
● 優秀なプランについては、JTBグループや自治体及び地域企業等が、商品化やプロジェクト化を検討。
● 優秀なチームには企業や地域等での特別ワークショップ等検討。
● 各ステージの観光庁長官賞受賞チームへ、優秀作品発表会(ツーリズムEXPOジャパン内)でプレゼンの機会を提供。

【スケジュール】
● 募集期間:4月26日(木)午前10時 ~ 6月14日(木)午後5時まで

● プラン提出締め切り:8月21日(火)午後5時まで

● 本    選

茨城ステージ:9月5日 (水) 茨城県庁講堂
長崎県国境離島ステージ:9月7日(金)  長崎ブリックホール 国際会議場
北陸ステージ:9月11日 (火) 金沢アートホール
多摩川ステージ:9月14日(金) さいたま新都市合庁舎1号館
● 優秀作品発表会:9月21(金)「ツーリズムEXPOジャパン」内にて実施予定

【参加チーム数など】
・茨城、北陸、多摩川、長崎県国境離島ステージ 計250チーム(90大学以上)程度から各10チーム程度を選抜。
・参加は無料(旅費、資料費等は参加者の自己負担)。

渋谷にコワーキングスペース併設の結婚式場オープン(エスクリ)

(左から)森本さん、渋谷社長、大知社長

2018年5月1日(火) 配信

挙式・披露宴の企画・運営を手掛けるエスクリ(渋谷守浩社長、東京都港区)はこのほど、東京・渋谷に新たな直営結婚式場「LAGUNAVEIL ATELIER(ラグナヴェールアトリエ)渋谷」をオープンした。平日など施設の有効活用として、式場の一部施設を女性専用のコワーキングスペース「la billage(ラ・ビレッジ)として運用する。業界初の試み。MJE(大知昌幸社長)と提携して展開する。

 4月23日(月)に開いた会見で、渋谷社長は矢野経済研究所の「ブライダル市場に関する調査2018」から、国内の16年の挙式披露宴・披露パーティー市場規模は事業者売上ベースで前年比0・6%減の1兆4080億円、17年は同0・9%減の1兆3960億円(見込み)、18年の予測も同0・6%減の1兆3880億円と緩やかな下降傾向にあると紹介。

 一方で、婚礼業界はガリバー企業がいないのが特徴で、1位でも全体のシェアは4%ほどという。渋谷社長は「我われは業界4位だが、考え方で攻めようはある」と自信を見せる。少子高齢化やニーズの多様化で市場は縮小傾向だが、「結婚の際に何もしないカップルは15%に過ぎない。トップ10社の努力次第ではまだまだ伸びていく業界だと考えている」と語った。

 同社は創業以来、右肩上がりを続けており、その独創性で群を抜いている。過去にはオフィスビル内に式場を設けたほか、ゲームや有名キャラクターなどとのコラボレーションが得意だ。式場の立地は駅から徒歩約5分という好アクセスにこだわっている。

緑溢れる120人収容のチャペル

 今回はこれまでにない「アトリエ(工房)」をコンセプトに据えたバンケットが特徴。「2人の人生を彩る、創作に溢れた結婚式を」をテーマに、多様なニーズに応えられる自由度の高い式場になっている。むき出しの天井や広いオープンキッチン、3面のスクリーン設置、緑溢れるチャペルなどを備える。これまで渋谷は結婚式を挙げるまちとしては馴染みがないが、「100年に一度の再開発が進むなか、トレンドの発信地である渋谷でブライダルの新たな価値を発信していきたい」(渋谷社長)と意気込んだ。業界初のコワーキングスペースを併設することについては、「シェアリングエコノミーの最先端として女性の働き方改革にも応えていきたい」と語った。

新たなコーポレートアイデンティティ作成

新コーポレートマーク

創業15年を迎えブランディングを一新。ブライダルを中心にしながら、結婚だけではなく人生の彩りを作る企業を目指し、命に寄り添い末長く共に育つという「愛の輪廻」をテーマに、新たなコーポレートアイデンティティを作成した。

 同日は音楽やファッション業界などさまざまな広告や空間演出などを手掛け、同プロモーションにも参画した森本千絵さんが登壇。ロゴに込めた想いなどを語った。

「山梨泊まれる温泉 より道の湯」4月30日開業

2018年5月1日(火) 配信 

全裸で入浴する「より道親善大使」の原田龍二さん

WAYSリゾートホテル(山梨県都留市)は、誰もが一度は“より道”したくなる新しい温泉宿泊施設「山梨泊まれる温泉 より道の湯」を、2018年4月30日(月)に開業した。

 開業を記念して報道関係者向けに、開業記念イベント・内覧会を4月26日(木)に実施した。イベントでは、温泉兄貴として有名な俳優の原田龍二さんが登壇し、初となる「より道親善大使」として任命し、さらに報道陣の前で全裸で入浴し、フォトセッションを行った。

 トークセッションでは、原田さんが施設について「木のぬくもりや香りが良く、和モダンな印象がとても良かった」「ジェットバスの強さが他とは違ってちょうど良かった」と施設の細かなこだわりまで見抜いたコメントをして、施設の担当者を驚かせた。

施設情報

住所:山梨県都留市つる1-13-31

電話:0554-56-8600

FAX:0554-56-8608

電車の場合:富士急行線「都留市」駅より徒歩1分

車の場合:中央自動車道「都留IC」より約2分(駐車場110台完備)

営業時間:午前10:00~午後11:00(最終受付午後10:00)

軽井沢おもちゃ王国 エリアを拡大してリニューアルオープン

2018年5月1日(火) 配信 

新登場「ヘンテコなお城」

見て、触れて、体験できる「おもちゃ」のテーマパーク・軽井沢おもちゃ王国(遠藤保明支配人、群馬県嬬恋村)は2018年4月20日(金)、自然体験施設「わくわく大冒険の森」を拡張し、リニューアルオープンした。

 ツリーハウスやジップロープ、クライミングウォールなど約20種類のアスレチックに加え、2018年4月にエリアを拡大し、ヘンテコなお城や新たなツリーハウスが登場。さらに、わくわくドキドキが増した大冒険の森が楽しめる。

自然体験施設「わくわく大冒険の森」リニューアル背景

新登場「ニレの木ツリーハウス」

 昨今、子供の遊び場を取り巻く環境が大きく変化し、かつて子供の遊び場であった自然や空き地が減少。加えて公園は禁止事項が多く、子供の楽しく遊んでいる声に対しての苦情も少なくない。その結果、塾通いや外遊びに代わる遊びなどが誕生し、子供が外で遊ぶ機会自体が減少してきたと同園は考えているという。

 そこで、子供にもっと外遊びの楽しさを知ってほしいと考え、自然体験施設「わくわく大冒険の森」のリニューアルに至った。

 軽井沢おもちゃ王国は、浅間山の麓に広がる浅間高原の豊かな自然を残し、木工クラフト教室や自然体験イベント、自然の水流を生かしたニジマスつかみどり体験などを開催。子供に外遊びの体験を通じて、豊かで創造力のある心を育む手伝いをしたいと考えている。

キノコのカタチをした可愛いアスレチックが満載

軽井沢おもちゃ王国

 最新のものから昔懐かしいものまで、おもちゃ遊びが多彩にそろう11館のおもちゃのお部屋と14種類のアトラクション、自然・アスレチックエリアからなる「おもちゃ」のテーマパーク。毎日開催のイベントや体験イベント、キャラクターショーなども楽しめる。

 浅間山の麓、標高1,100㍍の自然豊かな浅間高原に位置し、ホテルグリーンプラザ軽井沢(450室、1,880人収容)、プリンスランドゴルフクラブ(18H)と隣接した、総合リゾート施設。

施設概要

名称:軽井沢おもちゃ王国

所在地:群馬県吾妻郡嬬恋村

営業期間:2018年4月20日(金)~11月25日(日)※冬季営業あり

営業時間:

 平日 午前10:00~午後5:00(11月は午後4:30)

 土日祝 午前9:30~午後5:00(11月は午後4:30)

 GW(4/28~5/6)、夏期(7/14~9/2)、9・10月の3連休

  午前9:00~午後5:00

料金:

 入園 大人1,200円(税込)/子供900円(税込)

 フリーパス(入園+アトラクションフリー)

  大人3,100円(税込) 子供2,900円(税込)

  ※おもちゃのお部屋は入園券で利用できる。

  ※フリーパスは、渓流釣り・体験イベントには利用できない。

  ※大人:中学生以上/小人:2歳~小学生まで(0、1歳は無料)

交通:

 車 上信越自動車道 碓氷軽井沢ICより30㌔㍍ 約60分

 電車 北陸新幹線軽井沢駅より送迎バス(有料・予約制)

TEL0279-86-3515

URL

新旅客機はウミガメモチーフ!初ファーストクラスも(ANA HAWAii)

2018年5月1日(火) 配信

A380型機「FLYING HONU」3機のデザイン Photos by ALL NIPPON AIRWAYS CO.,LTD.

ANAはこのほど、2019年春に東京―ホノルル線に導入する旅客機エアバスA380型機の3機の機体デザイン、機内仕様を決定した。デザインと愛称は、ハワイで神聖な生き物として愛されているウミガメに由来。「空飛ぶウミガメ」を意味する「FLYING HONU」とする。

 「FLYING HONU」はファーストクラス8席、ビジネスクラス56席、プレミアムエコノミー73席、エコノミークラス383席の520席。ANAのホノルル路線初のファーストクラスを導入するほか、ビジネスクラスにはフルフラットシートになるペアシートを、エコノミークラスにはカウチシートを導入する。3席、または4席分をベッドのように利用できる。

シートマップ Photos by ALL NIPPON AIRWAYS CO.,LTD.

 機内の照明は「朝日」「星空」「虹」などハワイらしい景観をイメージ。おむつ交換台などを備えた多目的室や、軽食が取れるバーカウンターも設置した。

多目的ルーム
Photos by ALL NIPPON AIRWAYS CO.,LTD.
虹をイメージした照明 Photos by ALL NIPPON AIRWAYS CO.,LTD.

 なお、同機の就航に合わせてホノルルにANA空港ラウンジを設置を予定している。

 詳細は下記サイト「#hawaii24」を参照。キュートなウミガメのAIを活用し、会話を楽しみながらハワイの情報を入手できるサイトとなっている。

「観光革命」地球規模の構造的変化(198)ホテルプロフェッショナルの育成

2018年5月1日(火) 配信

優秀なホテルプロフェッショナルの育成を

 スポーツや将棋での若手の活躍に刺激を受けた少年少女があとに続けとばかりに関心を高めている。翻って観光分野に目を向けると若者が強い関心を抱く分野にはなっていないが、評価すべき動きもみられる。

 日本ではインバウンドの激増に伴って、観光立国が本格化している。昨年のインバウンドは2869万人を記録し、今年のインバウンドは3千万人を超えることが確実になっている。その一方で、日本の宿泊業では人手不足が深刻化している。また宿泊業では従業員の離職率が高く、優秀なホテルプロフェッショナルの育成が最重要課題になっている。

 北海道観光の牽引役を担う道内最大手のリゾートホテルチェーン野口観光は今年4月に「野口観光ホテルプロフェッショナル学院」を開校した。学院は2年制職業訓練校で、今年4月1日にリニューアルオープンした新苫小牧プリンスホテル「和~なごみ~」に併設されている。

 野口観光ホテルプロフェッショナル学院には、第1期生として今春高校を卒業した32人が総合ホテル学科に入学した。ホテルの基礎知識とおもてなしだけでなく、ホテル経営についても教育を行い、おもてなしのトータルクリエイターを養成する。職訓校生は野口観光グループの正社員として雇用され、毎月給料をもらい、全寮制で学んでいる。

 職訓校生は学院で学びながら、サービス業に関わる各種資格取得が奨励されている。1年生必修では日本の宿おもてなし検定初級、全商簿記検定3級、北海道観光マスター検定、危険物取扱者、普通救命講習、観光英語検定3級、サービス接遇検定3級。2年生必修では日本の宿おもてなし検定中級、食品衛生責任者、防火管理者、上級救命講習。さらに任意で、実用英語技能検定、日本中国語検定、ホテルビジネス実務検定、レストランサービス技能検定など。

 学院長の野口秀夫社長はホテル業の国際化への対応がはかれるホテリエ(ホテル経営者・責任者)の養成を目指している。宿泊業の人手不足が深刻化するなかで、野口社長は若者たちが誇りを持ってホテルプロフェッショナルとして活躍できる基盤づくりに挑戦しており、その試みは高く評価できる。観光分野における「後生畏る可し」の具現化に期待したい。

(北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授 石森 秀三)

コラムニスト紹介

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

〈旬刊旅行新聞5月1日号コラム〉「旅に飽きる」怖さ 面倒くさくても、小さな賭けを 

2018年5月1日(火)配信 

ラクな旅はつまらない?

 旅を仕事にしていて、一番怖いことは、旅に慣れてしまうことである。「旅慣れた人」というのとは、意味合いが違う。「旅に飽きる」といった方が近いかもしれない。

 何度も訪れたことのある街に仕事で出張し、ホテルで宿泊する。夜7時を過ぎ、お腹が減っているが、体はくたくたという状態はよくある。ホテルの隣にはコンビニエンスストアがある。缶ビールとつまみを買って簡単に済ませる方がラクだ。だが、仕事とはいえ、せっかく遠くまで出張しているのだから、「街を歩いて、苦労して、安くて美味しい店を探して食事をしたい」という想いも捨て切れない。この場合、ベッドに座ってしばらく考える。思い描く店に出会う保証はない。一種の賭けである。未知との出会いが続く旅は、賭けの連続である。

 勤務時間ではないので、あえて厳しい道を選択する必要はない。しかし、旅においてラクな方を選んでしまう自分を許せない気持ちがある。

 温泉宿の宴席で強かに酒を飲み、着替えもままならないほど疲れ果て、すぐに布団で眠りたいのに、浴衣に着替え、1階の露天風呂に向かう。

 傍から見れば、まったくの「ムダな努力」である。

 先日、同僚たちと「何度でも行きたい場所と、何度も行くと飽きてしまう場所があるね」というようなことを、酒を飲みながら話した。

 何度行っても懐かしさを感じたり、新鮮な気持ちにさせたりする場所は、「その土地が風光明媚だから」というだけではない。その街の人たちが旅人とは比較にならないほど、街に愛着と、誇りを持っているからではないか。そして、仮に飽きを感じたなら、訪れる側が「新しい魅力を探しだそう」とする努力を怠っている可能性も考えなければならない。

 旅行作家といわれる先輩方と旅する機会も多々あった。そして、大先輩たちの旅への貪欲さに驚かされた。一度旅に出ると、手ぶらでは戻って来ない。自分の五感を駆使して、目に見えない旅のボストンバッグに入りきれないほどの貴重な経験や、知識を大切に詰め込んで旅を終える。それがたとえ、何度も訪れたことのある街や、観光地であったとしてもだ。

 世にあまり知られていない秘湯が山の奥にあると聞けば、夜明け前に起きて何とか探し出し、我が身を湯に浸からせる。

 美味しいスイーツの店が30㌔先にあると知れば、帰りの時間を大幅に変更してでも、自らの舌で吟味する。「もう一歩先へ」と、足を運ばせるエネルギーに満ちている。

 旅に慣れ、旅に飽きてしまうと、そのような泥くさい努力は煩わしくなってくる。旅行会社がコーディネートしてくれたツアーの方が心地よく感じてくる。一般の方なら、何の問題もない。旅のプロである旅行会社はそのために存在しているからだ。

 けれど、私のような旅を生業とする者は、旅があまりにも心地よく感じてしまったら、それは大きな問題なのである。一から十まで快適な旅は、「誰かに話しても、書いても、つまらない」。旅を生業にする者にとっては、快適なだけの旅は、実りの少ない旅でしかない。

 旅への姿勢は、日々の生活にも通じている。面倒くさくても、小さな賭けを続けていたいと思う。

(編集長・増田 剛)

旅キャラ「ツアーモンスター」と「フィール」誕生、東武トップツアーズ

2018年5月1日(火) 配信

ツアーモンスター(左)とフィール©2018 TOBU TOP TOURS/GLOBE.

東武トップツアーズはこのほど、オリジナルキャラクター「ツアーモンスター(ツアモン)」と「フィール」を発表した。旅する仲間としてキャラクターを設定することで、より親しみやすく愛される企業を目指す。

 ツアモンは「大きなポケットの中に、皆を入れて行きたいところへ運んであげる」ことができる、性別・年齢不詳、神出鬼没なモンスター。ポケットの中には色々な世界が広がっており、どこかへ行きたいと思ったときに皆のそばに現れる。

 一方、フィールは世界中の花を探して、ツルで編んだカゴの中に集めるのが趣味のウサギの女の子。ツアモンのポケットの中や傍にいることが多い。花を見た感動を皆に届けるために旅をしている。

 なお、ツアモンは4月28~29日に開催された「ニコニコ超会議2018」でボカニコへ特別協賛している同社ブースで初披露された。これを皮切りに、今後はさまざまな場所で露出をはかっていく。