南武線の新たな魅力を発掘へ じゃナイスな写真を募集

2018年10月15日(月) 配信

「じゃない」を探すと「ナイス」が見えてくる

「じゃない」を探すと「ナイス」が見えてくる――。南武線沿線の5市(川崎市、稲城市、府中市、国立市、立川市)はこのほど、「じゃナイスタグラム・フォトコンテスト」を始めた。共同で推進する「なんぶりんぐ」プロジェクトの一環で、「じゃナイスな南武線沿線」をテーマに写真を募集する。川崎市の「工場夜景」や立川市の「昭和記念公園」などの定番スポットだけではない新たな魅力を発掘し、沿線を訪れてもらう機会を創出する。

 参加者は食べ物や景色、隠れたフォトスポットなど、南武線沿線の魅力が詰まった写真に、南武線沿線のイメージ「じゃない」や、いつもとひと味違う見所を、コメントして投稿する。投稿された写真は、市のオリジナルポスターなど、広報物として活用。優秀作品5作品には、5市にちなんだ賞品セットをプレゼントする。また、沿線5市役所も毎週テーマに沿った「じゃナイスタグラム」を投稿。「いいね」の数を競い合い、イベントを盛り上げる。

「なんぶりんぐ」は、南武線沿線の5市(川崎市、稲城市、府中市、国立市、立川市) で連携し、沿線の食・文化・芸術・観光などさまざまな魅力を発信するプロジェクト。これまで、沿線の梅・桜マップの配布などを行っている。

なんぶりんぐロゴ

じゃナイスタグラム・フォトコンテスト 概要

応募期間:~11月30日(金)

応募テーマ:「じゃナイスな南武線沿線」

応募方法:

 1・南武線沿線自治体シティプロモーション推進協議会インスタグラム公式アカウント(@namburing)をフォロー

2・南武線沿線(川崎市・稲城市・府中市・国立市・立川市)のイメージじゃないナイスな写真を撮影

3・インスタグラムのキャプションに以下のものを入れて投稿

①撮影写真のじゃナイスなコメント(例:●●じゃナイスタグラム・・・)

②#なんぶりんぐ

③#撮影した場所(#生田緑地 #多摩川 など)

プレゼント:

応募について:

応募期間中は何度でも応募可能。投稿対象は、17年10月以降に南武線沿線5市で撮影した写真または他の地域から南武線沿線5市を撮影した写真で、1投稿につき、写真は1枚のみ。動画は不可。非公開アカウント、じゃナイスなコメントやハッシュタグがついていない投稿、上記投稿対象でない投稿、結果通知までの間にアカウントのフォローが解除された場合は応募無効となる。応募にかかる費用は、応募者本人が負担する。投稿は、本人が撮影した写真に限る。

入賞発表:2019年1月上旬に入賞者へInstagramダイレクトメッセージで連絡

問い合わせ:「じゃナイスタグラム」フォトコンテスト事務局

メール:nambu_ring@citiy.kawasaki.jp

https://rarea.events/summary/namburing
https://rarea.events/summary/namburing

宿泊先の決定要因は? 心理的な構造の解明へ 宿研と慶大が共同研究

2018年10月15日(月) 配信

(左から)共同研究担当者の岡田治樹氏(宿研)と川畑秀明慶大教授

宿泊予約経営研究所(宿研、末吉秀典社長)はこのほど、慶應義塾大学文学部の川畑秀明教授と「泊まりたい宿は何によって決まるか?」の要因を共同研究し、日本心理学会第82回大会で発表した。

 宿研は、「宿泊先を決定するときの心理的な構造を解明することで、旅行者と宿のより良いマッチングがはかることができる」と考え、感性科学や心理学を専門とする川畑教授と調査を始めた。

 同研究では、男女各700人ずつ計1400人(平均年齢49歳)にアンケートを実施。宿泊先の意思決定に関与すると想定される「宿泊先に求めるイメージ」や、「宿泊に際して重視する内容」と、「観光動機」、「心理的ストレス反応」について共分散構造分析した。

 この結果、観光動機で「緊張解消」や「自然体感」が高い場合、「温泉」や「接客」へのニーズが高かった。一方、「文化見聞」や「自己拡大」を観光動機としたケースでは、「利便性」や「品格」へのニーズや、イメージが高くなる結果に。また、心理的ストレス反応である「疲労感」が高い場合には、「現実世界と離れた地を求める」傾向が表れた。

 宿研は今回の調査を踏まえ、「旅行者がどのような旅行や、観光を目的にしているかによって、求める宿のスペックが異なることが分かった」とし、「旅行者の個人特性や、観光動機、心理状態などをもとに、宿のスペックとのマッチングを行うことが重要」と結論づけた。今後は「さらに研究を進め、きめの細かいサービスの提供や、新たなサービスの開発にもつなげていきたい」と話している。

「提言!これからの日本観光」 〝観光のリニューアルを〟

2018年10月15日(月) 配信

日本人は小、中、高校の修学旅行への参加を通じて国内の主な観光地にはほとんどの人が訪れているといっても過言ではない(写真はイメージ)

観光立国」の旗印のもと、国を挙げて観光促進に取り組みはじめて10年余りが経過した。その間、近隣諸国の経済成長などの追い風を受けて外国人観光客の急増をはじめ、国内の主な観光地にもにぎわいが戻ってきた。外国人客は国の目標2千万人を達成、目標をより高めて、2020年4千万人を目指すが、昨年既に2894万人に達し、目標達成は射程距離に入ったとみられる。
 
 観光客が増加することは当然のこととしてリピーターの増加を伴う。国も2020年の観光目標値のなかに外国人客リピーター数を掲げるほどである。また、邦人観光客についても日本では「修学旅行」の慣行が定着しており、小、中、高校いずれも9割台の高い実施率である。いわば日本人は小、中、高校の修学旅行への参加を通じて国内の主な観光地にはほとんどの人が訪れているといっても過言ではない。しかも何度かの観光ブームの時代を体験していることからみても京都、奈良などの代表的観光地での邦人観光客はほとんどがリピーターといっても過言ではないと思われる。
 
 観光地を訪れる人にとって、観光対象の価値は当然その地への訪問を繰り返すことに応じて、低減していくことはいうまでもない。したがって、ともすれば、観光がマンネリ化して魅力を失い観光客の減少につながっていくことは避けられない。年間2千万人の入場客のある東京ディズニーランドは9割がリピーターである。なかには年に数回訪れる人も少なくない。それは同施設が巨費を投じて、大規模な施設のリニューアルを毎年進めており、いつ、訪れても何かそこに新しさがあるからというのがその理由と聞く。これから日本の観光を持続的に発展させるためには、リピーター対策こそ急務と考えられる。それには、新しい観光資源の開発が求められるが、新資源開発は簡単ではなく、限度がある。したがって、リピーター対策としては資源を磨き上げることがまず、必要である。さらに観光資源に接する視点を変えて、また、観光手法を変えることによって、対象資源から新しい魅力を発見することが必要であり、そのような「新しい観光」の提案と情報発信が求められる。テーマ別観光として普及している「産業観光」についても日本観光振興協会などで新手法として開発提案を行うこととなった。
 
 例えば①国際会議等の大規模会議と連携してそのプログラムに「産業観光」を織り込み、即ちMICEの一環としての展開を提案する。産業観光の中心となる②工場工房訪問について申込みから訪問までの手続きのシステム化とワンストップ方式の採用を進め参加しやすくする③長期滞在型の農業体験などの新プログラムの開発促進――などを予定している。このように現時点までの観光の実態、ニーズの反省、分析に立って、各分野にわたる全面的な「観光のリニューアル」をはかることが「観光立国」を持続、発展させるために急務と考えられる。

 

須田 寛

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏

 

青森県弘前市で『弘前城 菊と紅葉まつり』10月19日-11月11日開催

2018年10月15日(月) 配信

日没後はライトアップも

青森県弘前市で2018年10月19日(金)~11月11日(日)に、「弘前城 菊と紅葉(もみじ)まつり」が開かれる。

 「弘前城 菊と紅葉まつり」は四季を彩る祭りの1つで、1962(昭和37)年から秋の祭りとして開かれている。弘前公園内を鮮やかに染め上げる約1千本の楓と、春にはピンクに染まった約2600本の桜が織りなす紅葉は、秋の弘前の風物詩になっている。

水面に揺らめく紅葉の姿も見どころ!

 期間中の日没後は、弘前城天守や城門など、弘前公園内各所をライトアップする。木々や城跡の景観が映えるのはもちろん、濠の水面に映る姿も深みを増し、弘前公園の美しさをより一層際立たせる。

開催概要

開催日時:2018年10月19日(金)~11月11日(日) 午後9:00-午後5:00
開催場所:弘前公園内 弘前城植物園
植物園(まつり会場)入場料:
 大人(高校生以上):310円(250円)
 子供(小・中学生):100円(80円)
植物園/本丸・北の郭/藤田記念庭園共通入場料:
 大人(高校生以上):510円(460円)
 子供(小・中学生):160円(130円)
※( )は団体料金、団体は10人以上から適用。
※弘前公園内ライトアップは日没~午後9:00まで。

弘前公園について

 弘前公園は、日本さくら名所100選などに選定され、4月下旬から開催される「弘前さくらまつり」には、毎年200万人以上が来園する。園内の弘前城は、現存する天守の中では最北に位置し、天守と3つの櫓、5つの城門は国の重要文化財に指定されている。江戸時代には津軽氏が居城し弘前藩の藩庁が置かれていた。

70周年記念コース充実 はとバス、日帰りバスツアー売り出す

2018年10月15日(月) 配信

はとバス風呂(イメージパース)

はとバスはこのほど、2018年冬(18年12月~19年2月)の日帰りバスツアー127コースを売り出した。箱根小湧園ユネッサンとタイアップした「はとバス風呂」に入浴できるツアーなど、70周年記念コースを充実。このほか温泉やイルミネーション、初詣コースなども取り揃え、2018年12月~2019年1月までの目標を3万5300人に設定した。

 「はとバス風呂」は、70周年を記念してプールエリアに設けられる期間限定の風呂で、はとバスカラーにちなんだレモンイエローのお湯が楽しめる。バスガイドやバスのパネルなどで写真撮影を楽しみながら、70年の歴史も学べる空間になっており、景品がもらえるじゃんけん大会の開催も予定している。

 日帰りバスツアーのもう一つの目玉「温泉めぐりコース」は、3コースで展開。「知る人ぞ知る温泉」、「ツアーではあまり訪れない温泉」、「一度は行きたい名湯」、「種類の違うお湯を数カ所めぐる」などを基準に湯巡りを楽しむツアーで、今年7~8月に実施した第1弾「関越道湯めぐりツアー」は、猛暑であったにも関わらず催行率が8割を超える人気を集めた。冬の日帰りコースでは、同ツアーに加え新たに中央道と東北道周辺の温泉をめぐるコースを造成した。

石和温泉 華やぎの章慶山(イメージ)

箱根小湧園ユネッサン黄色い“はとバス風呂”といちご狩り(「はとバス風呂」にいくコース例)

旅行代金:大人9480円~9980円(子供代金は500円引き)

運行日:12月25日~1月6日の設定日

行程:新宿駅西口(午前8:30発)=東名道=伊豆いちご狩り(食べ放題)=大観山(富士山眺望スポット)=箱根小湧園大文字テラス(バイキングの昼食)…箱根小湧園ユネッサン(入浴)=小田原鈴廣かまぼこの里(ショッピング)=新宿駅(午後7:00着予定)

温泉好き集合!中央道温泉めぐりツアー(温泉めぐりコース 例)

旅行代金:大人1万500 円~1万1千 円(子供代金は800 円引き)

運行日:12 月15 日~1 月30 日の設定日

行程:新宿駅西口(午前8:00 発)=中央道=甲斐駒ケ岳温泉 尾白の湯(入浴)=石和温泉 華やぎの章慶山(昼食・入浴)=やまなしフルーツ温泉 ぷくぷくの湯(入浴)=新宿駅(午後7:00 着予定)

19年、豊洲にホテルJALシティ東京が開業予定

2018年10月15日(月) 配信

ホテルJALシティ東京豊洲(完成予想図)

ホテルオークラ(荻田敏宏社長、東京都港区)の子会社で、ホテル運営会社のオークラニッコーホテルマネジメント(マルセル・ファン・アルスト社長、東京都品川区)は2019年に、「ホテルJALシティ東京 豊洲」を開業する。場所は東京・豊洲に建設される低酸素環境下トレーニング施設「ASICS Sports Complex TOKYO Bay(仮称)」併設の複合施設「Dタワー豊洲(仮称)」内。

 大和ハウス工業(芳井敬一社長、大阪府大阪市)が豊洲埠頭「4-1B地区」に開発する複合施設「Dタワー豊洲」は、「東京ガス豊洲スマートエネルギーセンター」に隣接。地上17階、地下1階、高さ70㍍、延床面積2万7500平方㍍で、6~16階に「ホテルJALシティ東京 豊洲」が、2~3階にはアスリート向けのスポーツ施設の設置が予定されているほか、飲食店や物販店舗などの健康に配慮した施設が設けられる。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の選手村(晴海地区)と各競技施設の中間に位置するため、スポーツに関連した施設の需要もあり、開発計画が進められている。オークラニッコーホテルマネジメントは、大和ハウス工業と、「ホテルJALシティ東京 豊洲」に関する運営管理契約を2017年9月7日に締結。このほど、施設の概要が決まった。

 豊洲地区は、これまで再開発が計画的に進められてきた豊洲駅前エリアを中心に、高層マンション、最先端のオフィス群、商業・レジャー空間、医療・教育施設などをはじめ、歩行者用通路や公園の整備も進み、まちづくりの基盤となる機能が高まっている。2018年から2022年までの大規模オフィス供給量は、東京23区内上位10位に入る約28万平方㍍に達すると予測されており、オフィスの集積が進んでいることに加え、10月11日には豊洲市場が開場し、ビジネス・レジャーの拠点として将来有望なエリアとなることが見込まれている。

ホテルJALシティ東京 豊洲

 ホテルJALシティ東京 豊洲は、標準客室面積20~30平方㍍、総客室数330室、オールデイダイニングを有する宿泊主体型ホテルとする予定。20代後半から40代前半の国内外の顧客をメインターゲットとし、限られた時間を有効に、有意義に過ごしたいという、ニーズに応えていく。

 スマートデバイスを活用し、予約からホテル滞在、チェックアウトまでの利便性を高めていく。また、全室洗い場付きの浴室で、レジャー利用を意識したバス・トイレが別タイプの部屋を用意。客室空間は、オーガニックモチーフをあしらいながら「重ねあわせ」のデザインを設えることで日本らしさを感じることができる、温かく居心地のよい空間を意識する。

 なお、ホテルJALシティブランドのホテルは「ホテルJALシティ名古屋 錦」、「ホテルJALシティ札幌 中島公園」に続き、3軒目。

建設予定地 東京都江東区豊洲6丁目4-1B街区
延床面積 11,969平方㍍(ホテル部分のみ)
フロア構成 ホテルロビー:1階、客室:6~16階
客室数 330室
レストラン・バー オールデイダイニング(テナント)
アクセス

東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ) 市場前駅より徒歩2分

新潟県月岡温泉に新施設 観光庭園「月あかりの庭」が誕生

2018年10月15日(月)配信 

「月あかりの庭」完成イメージ

新潟県新発田市の月岡温泉に2018年10月18日(木)、新施設の観光庭園「月あかりの庭」がオープンする。旧旅館の跡地を利用した回遊式庭園で、昼夜に利用できる温泉街の新たな回遊スポットとして活用される。

庭園全体の鳥観パース

 芝生と石砂利などで構成された庭園入口と、石畳通路とテラスを設置した庭園奥の広場の2つのゾーンに分けられる。庭園入口から奥の広場までの回廊に沿って、和柄がデザインされた円柱の燈籠を配置。広場も石畳通路の左右に円柱灯籠を配置し、さらにその周りにアッパーライトを設置する。昼は色鮮やかで華やかな円柱オブジェが楽しめ、夕刻からは幻想的な明かりに照らされた世界が広がる。

 「月あかりの庭」は、月岡温泉街のメーンストリート近くに位置する。温泉街の各旅館から歩いて来園できる立地で、温泉街の回遊施策で設けた「源泉の杜」や「新潟地酒 Premium SAKE 蔵」など、新潟名物を堪能できる温泉街の各店舗とも近い。営業時間は午前8:00~午後10:00、定休日なし。入園無料。10台の無料駐車場を備える。

月岡温泉観光協会HP内「歩きたくなる温泉街」

「津田令子のにっぽん風土記(42)」村民らが盛り上げる「愛妻家の聖地」~群馬県・嬬恋村編~

2018年10月14日(日)配信 

浅間高原シャクナゲ園から見える紅葉
嬬恋村観光商工課 黒岩秀明さん

「嬬恋村のことを、職員の私よりも考えている人がたくさんいるんです」。群馬県・嬬恋村観光商工課の黒岩秀明さんはそう話す。嬬恋村で生まれ、入庁して20年目だが、今年4月に同課に異動して多くの人に会い、驚いたという。

 例えば村では2006年から「キャベツ畑の中心で妻に愛を叫ぶ(キャベチュー)」というイベントが開かれているが、これを始めたのは首都圏在住者が中心の日本愛妻家協会だ。ヤマトタケルノミコトがこの地で亡き妻をしのび「ああ、わが妻よ」と嘆いた伝説から考案され、現在は村などとの共催。13回目となる今年9月にも「愛妻の丘」で35人が感謝、永遠の愛、プロポーズなどを叫んだ。また同時開催された「嬬恋ハートきゃべつ畑プロジェクト」は、村内の若手農業青年有志グループ「BRASSICA」を中心とする実行委員会の主催だ。ハート形に植えられた約600株のキャベツを参加者と収穫した。

 盛り上がりをこの日だけにとどめないよう、15年からは「妻との時間をつくる旅」をコンセプトに観光プロモーションを始め、スタンプウォークやツアーなどを実施してきた。かわいいマップやホームページは「デザイナーの方が村民の方と話しながら、熱意を込めて作ってくださっています」と黒岩さん。

 村の新しいお土産も生まれている。キャベツ農家の松本もとみさんは、16年に土産物ブランド「妻の手しごと」を立ち上げ「嬬恋キャベツ酢」を開発。昨年はこの酢を使った炭酸飲料「愛妻ダー」も誕生。嬬恋高原ブルワリーでは「キャベチュー」の会場に大麦を置いて愛の叫びを「聞かせ」、それを使用した「叫ばれビール」を今年発売した。これまでもそれぞれ活動していたが「愛妻家の聖地をテーマに、統一したブランディングができるようになってきた」と黒岩さんは話す。今後、こうした村民の活躍をホームページで詳しく紹介する予定だ。

 今年4月に観光商工課は村観光協会の2階に移転し、協会と一体になった取り組みがしやすくなった。11月22日「いい夫婦の日」には愛妻の丘で星を見るイベントを開催する。さらに来年1月31日「愛妻の日」には、スノーシューを履いて雪原を歩き、星空を眺め、万座温泉に泊まるツアーを行う。

 
 「浅間高原シャクナゲ園は、周辺の紅葉がよく見える場所です。また、ぐんま県境稜線トレイルが今年8月に開通しました。ぜひ多くの方にお越しいただきたいです」と話す。

 

コラムニスト紹介

津田 令子 氏

 

社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

 

「井川今日子のおもてなし接客術(33)」おもてなしも程々に

2018年10月13日(土) 配信

個人の”程々”をわきまえたおもてなしを

支援先のゴルフ場で7、8月は前年対比マイナスという残念な結果となってしまいました。6月までは同比プラスと好調に推移してため、悔しさもひとしおです。マイナス要因は、昨年が冷夏でプレーヤーが例年よりも多く、今年は異常な酷暑でプレーヤーが少なかったことに尽きます。

 昨年8月の東京エリアの天気は、最高気温が31度以下の日は16日でしたが、今年はわずか6日しかなかったようです。ゴルフ場のように冷夏の方が繁盛する業種もある一方で、猛暑で繁盛する業種もあります。

 ただ、あまりに極端だと、色々と不都合が出てきます。やはり何事も“程々が好ましい”という言葉が当てはまると思います。このことは言わずもがな「接客・おもてなし」についても当てはまります。

 顧客満足について考えると、「少しやりすぎかな」というくらいのことをしないと、お客様の印象に残らないという考え方があります。控え目にすると、お客様の印象に残らないうえに、控え目“過ぎる”と「こんなこともしないのか」とサービス不足とみなされ、クレームになってしまうのです。

 お客様が快適に思う「接客・おもてなし」の“程度”は、人によっても異なります。実にコントロールが難しいものの、お客様が深層心理で求めているのは、「(お客様個々人の)程度をわきまえた接客・おもてなし」にほかなりません。

 現在マニュアル作成の支援をしている旅館で、①お子様のお名前を聞き、滞在中はお名前を呼んで差し上げてはどうか②お子様にはウェルカムドリンクに大人と同じお茶ではなく、ジュースを提供して差し上げたらどうか――と、子供連れのお客様向けの対応を提案しました。

 旅館からの共感は得ることができましたが、①については、あまりにたくさんのお子さんの名前を呼んでしまって「耳障りだ」と逆効果になることがあるので、目安の上限回数を決めたい、ということになりました。

 ②については「子供扱いせずに、大人と同じにしてほしい」という意見(主にインバウンド客より)もありました。

 また、旅行中は“いい子”でいてもらうためにジュースをあげることが多く、親としては必要以上にあげたくないといった意見もあり、これまで通りで行くことになりました。

 あくまで一例ですが、こちらが喜んでもらいたいと思ってしたことが、お客様にとっては程度を超えて映ってしまう可能性があることは、心得ておかなければなりません。

 スタッフの配慮の食い違いを少しでも無くすために、お客様に質問をするなどのコミュニケーションをとることは大事なのですが、やはりこれも程々が求められます。

 つくづく旅館接客の複雑さや求められるレベルの高さを思い知らされます。

(おもてなしコンサルタント 井川 今日子 )

コラムニスト紹介

井川 今日子 氏

おもてなしコンサルタント 井川 今日子 氏

大学で観光学を学んだ後、船井総合研究所を経て、10年に観光文化研究所入社。全国の旅館や観光協会を中心に、女性の感性を活かした集客・固定客化支援で活躍中。商品戦略や販売促進、現場接客サービスなど多岐にわたり提案。

食のテキスト化で「地域の食をブランドにする!」金丸弘美〈著〉

2018年10月12日(金)配信 

「地域の食をブランドにする!」

食環境ジャーナリスト・食総合プロデュ―サーの金丸弘美氏はこのほど、「地域の食をブランドにする! 食のテキストを作ろう」を岩波ブックレットから発行した。

 「農産物を売り出したい」、「ブランドにしたい」といった相談を受ける機会が多い金丸氏は「食のテキスト化」を勧めている。

 テキストとは、農産物や海産物などの履歴を作ること。環境や、品種、歴史、文化、栽培法、栽培の履歴、量、栄養価、出荷法、食べ方までしっかりと調べ、特徴を明確にする。これによって、相手に具体的に伝えることが可能になる。

 テキストを作成した後は、「参加型ワークショップを開くことが大切」と金丸氏は話す。地域のくだものや畜産物、野菜などを組み合わせて、農家や栄養士、商工会など地域の食に携わる人が参加して、料理家を中心に20―30品目を作る。関係者で試食し、味を理解したうえでレシピ化する。

 このワークショップとテキストを組み合わせることによって、地域で地元の食が利用される幅が大きく広がる。さらに、購入する人にもさまざまなレシピの提案ができ、売りやすくなるなどのメリットがある。

 金丸氏は「地域の人がお互いにノウハウを共有し、連携すれば、四季折々にさまざまな食の提供が可能になる。ひいては観光振興にもつながる」と語る。定価(本体620円+税)。