春秋航空日本 ブランドを「SPRING」に変更 「親しみやすさ」が狙い

2019年4月11日(木) 配信 

左から樫原社長、王会長、荒川武取締役

春秋航空日本(樫原利幸社長、千葉県成田市)は4月10日(水)に、会見を開き、新ブランド「SPRING」を展開すると発表した。利用客に分かりやすく、親しんでもらうのが狙い。既存の経営理念で掲げる3S「Safety・安全」と「Sincerity・誠意」、「Smile・笑顔」に加えて、「Swing・踊る」と「Spring・飛躍」を込めている。親会社の春秋航空は非中国語圏で「SPRING AIRLINES」のブランドを使用中だ。王煒会長は「日本でも浸透すると考えている」と説明した。

 同社は2016年と17年に、オリコン顧客満足度調査のLCC国内線部門で1位を獲得した。王会長は「顧客満足度を高め、企業としてより発展するために次の事業計画を議論してきた」と説明。中期事業計画では経営の3Sに加えて、「心躍る新たな旅の価値づくりのSwing」と「さらなる飛躍Spring」を掲げ、さらなる顧客満足度の向上を目指す。

 同計画終了年度の21年度には黒字化を達成したい考え。樫原社長は「18年度は安全対策のために路線を縮小した。19年度は赤字の削減を目指し、20年度はプラスマイナスゼロ、21年度は黒字化を目指す。新路線開設で実現できる」と自信をのぞかせた。

新しいロゴの使用

新ロゴを使用した空港カウンター(イメージ)

 新しいロゴは空港のカウンターや航空機、機内誌などで順次、使用を開始する。既にHPは変更済みだ。機体は整備計画に合わせて変更し、機内誌は4月25日(木)から搭載する。これまでの「春秋航空日本」のロゴは使用を終了する。

成田―寧波線を新規開設

 同社は同日の会見で同4月25日(木)に就航する、成田―寧波線の発表をした。成田国際空港(夏目誠社長、NAA)が実施中の着陸料が3年間無料または半額になる「朝発ボーナス」を活用したもので、国際線の第1号だ。出発便が少ない時間を有効活用しようと、企画したもの。同路線では3年間で1億5千万円削減する。早朝から夜まで1日を通した航空機の運用で、増便が可能になったという。今後の新路線は国際線と国内線両方で検討するという。NAAの荒川武取締役は「春秋航空日本には便数増加で相乗効果を期待している」と話した。

新規路線就航記念セール

 就航を記念して4月15日(月)まで片道3999円~(諸税・燃油サーチャージ別)のセールを実施する。搭乗期間は4月25日(木)~10月26日(日)までで、ゴールデンウイークも対象にしている。

300日先の予約が可能に!「ANA旅作」に「ANA正規割引運賃(PEX運賃)」加わる

2019年4月11日(木) 配信

ANAセールス(宮川純一郎社長、東京都中央区)は2019年4月16日(火)午後2時(※1)から、海外ダイナミックパッケージ「ANA旅作」に「ANA正規割引運賃(PEX運賃)」を利用した商品(以下「PEX DP」)を売り出す。

 フライトと宿泊を自由に組み合わせられるダイナミックパッケージ「ANA旅作」に「ANA正規割引運賃(PEX運賃)」が加わることで、300日先(※2)の出発分までの予約が可能になる。パッケージ旅行商品が売り出される前に予約ができるため、年末年始の旅行や結婚式などの外せない用事がある人は早めに座席を確保するのがおすすめだ。

 「PEX DP」は、2019年5月24日(金)からエアバスA380型機が就航するホノルル線で適用になる。特別塗装の同機体は、ハワイで神聖な生き物として愛される「ウミガメ」がモチーフで、愛称は「FLYING HONU(空飛ぶウミガメ)」。ファーストクラス8席、ビジネスクラス56席、プレミアムエコノミー73席、エコノミークラス383席の計520席の大型機だ。ハワイはリピーターが多く、座席数が増えるうえ、商品の選択幅も広がり朗報だ。

※「PEX DP」の他路線への設定拡大は未定。

(※1)300日先の予約は、毎日午後5時ごろから予約可能となる。
(※2)往路は300日先まで、復路は328日先まで可能。

ウィラー、バスステーション広島駅北口を新設 初年度利用者数13万人を目標に

2019年4月11日(木) 配信 

4月11日から開始

WILLER EXPRESS(平山幸司代表、東京都江東区)は2019年4月11日(木)から、複合施設「GRANODE広島」内にバスステーション広島駅北口※1を新設し、施設運用とウィラーエクスプレスの乗り入れを始めた。他社バス事業者の乗り入れも可能。

 増え続けるインバウンドを含め、初年度利用者数13万人を目標とする。今後は広島駅周辺だけでなく周辺の広域からのアクセス性を高め、来街者数の増加と周辺地域再開発の一助を担う。

 バスステーション広島駅北口では、広島での高速バス利用者の利便性向上と利用客増加を目的とし、有人カウンターと待合室を完備した。広島駅周辺のバス停はこれまで待合室がなく、不便な面があった

 同バスステーションは広島駅新幹線口から徒歩5分と好立地。待合室には、フィッティングルームや充電用コンセント付き待合テーブルなどを配し、天候や気温に左右されることなく快適に過ごせるようにした。フリーWi-Fiも今後設置を見通す。

 有人カウンターを設置することで、各種問い合わせやバスの予約受付、大型手荷物の預かりも対応するなど、客の利便性の向上をはかった。

バスステーション広島駅北口概要

運行開始日:2019年4月11日(木)

営業時間:5:00~24:30

所在地:広島県広島市東区二葉の里3-5-7 GRANODE広島1階

待合室機能:有人カウンター(各種お問い合わせ、バス予約、大型手荷物預かり※)▽バス発着案内表示▽お手洗い(男/女)▽フィッティングルーム(男/女)▽充電用コンセント付待合テーブル(4台)▽待合座席(18席)▽コインロッカー▽飲料自動販売機

※大型手荷物の預かりは、WILLER EXPRESS/STAR EXPRESS利用者限定・WILLERサイトにて事前予約が必要

乗り入れ路線詳細

対象路線:大阪・京都・神戸⇔広島 / 東京⇔広島

運賃:4,200円~8,000円※大阪⇔広島の場合(通常運賃)、7,000円~10,700円 ※東京⇔広島の場合(通常運賃)

対象シート:リラックス《NEW》/コモド/トイレ付リラックス《NEW》

運行会社:WILLER EXPRESS株式会社/日本高速バス株式会社

予約URL:

インスタでホテルの世界観を発信 アコー京都悠洛ホテル Mギャラリー公式アカウント開設

2019年4月11日(木) 配信

ホテル外観(イメージ)

世界最大級のホスピタリティーグループ・アコーは4月26日(金)、京都・三条に京都悠洛ホテル Mギャラリーを開業する。これに先立ち、インスタグラム公式アカウントを開設し、日本初となる“Mギャラリーシリーズ”の世界観を広く発信している。

 同ホテルは、女性旅行客に対する徹底したこだわりを持った「究極の女性向けホテル」。“Inspired  by her“をキーワードに、メインターゲットである30~40代の女性を初めとしたすべての女性旅行客の滞在体験向上を目指す。

 インスタ公式アカウントではオープン告知のほか、26カ国に100軒以上を展開しているアコーグループのプレミアムホテルブランド“Mギャラリーシリーズ”の中でもとくに評価の高いホテルを、画像と共に順次紹介する。オープン後は、館内のインテリアや部屋の雰囲気などを順次発信していく。また、4月30日(火)までに、公式アカウントをフォローした人を対象に「フォロワー限定キャンペーン」も行う。

「フォロワー限定キャンペーン」概要

期間:4月30日(火)まで

当選:2人

賞品:京都悠洛ホテル Mギャラリーの1泊2食付(1組2人)

当選発表:5月10日(金)

有効期限:2019年10月31日まで

※当選で宿泊できる客室は、スーペリアツインまたはスーペリアキング。

インスタ公式アカウント:@kyoto_yura_mgallery

Kotozna×福岡市博物館 無料の多言語解説サービス開始

2019年4月11日(木) 配信

Kotozna (ことつな、東京都港区)と、福岡市博物館(福岡市早良区)はこのほど、インバウンド観光振興のための多言語翻訳サービス「Kotozna Camera」の機能を使ったQRコードを個人のスマートフォンで読み込むことで、無料の多言語音声解説が受けられるサービスを始めた。

 このサービスは、同館の外国人来館者数が、2018年度に1万人を超えるなど、近年外国人来館者数が急増するなか、2018年に特別展での導入を経て常設展で本格導入される。

 同館では、これまで日英中韓の4カ国語対応の音声ガイド機を35台設置し、博物館の展示の魅力を最大化するために不可欠な音声ガイドのサービスを有料にて提供していたが、台数に限りがあり団体客が利用できなかった。他人が使ったイヤホンは外国人に好まれないなどの課題もあった。

  一方、多言語翻訳サービス「Kotozna Camera」を開発するKotoznaは、あらゆる場面で“言葉の壁”を解決するため、多言語翻訳サービス機能を流用し課題に合わせた開発を行なっている。今回、福岡市博物館の課題の1つである、音声ガイドサービスについてKotozna機能を流用し、来館者のニーズに応える専用機不要の個人のスマホを使った多言語音声ガイドサービスが実現した。聴覚障害者向けにテキスト原稿による多言語解説にも対応しており、国内外問わず多くの来館者が利用できる。

サービス概要

利用の方法
 1)同館にて掲示されるQRコードを個人のスマホで読み取る
 2)スマホに表示されたURLをクリックすると、スマホの設定言語による音声ガイド、またはテキスト解説が利用できる
 ※対応8言語・・・日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語、タイ語、ベトナム語

Kotozna Camera」について

 Kotoznaが2017年2月にサービスを開始した、無料の多言語翻訳対応アプリ。翻訳が必要な日本語情報の写真を送信するだけで多言語翻訳されるQRコードが発行される。2019年2月時点で、全国で約3250施設に導入されている。

 訪日観光客は、アプリをダウンロードする必要はなく、そのQRコードを自身のスマートフォンで読み込むと翻訳された情報を読むことができる。対応言語は、英語、中国語、(繁体字、簡体字)、韓国語、フランス語、スペイン語、タイ語、ベトナム語。

日本最大級のベルギービールの祭典 40人に招待券が当たる!

2019年4月11日(木) 配信 

本場ブリュッセルのベルギービールウィークエンド(写真はイメージ)

ベルギー・フランダース政府観光局は2019年7月2日(火)まで、クラフトビールの故郷・ベルギーのビールカルチャーを通じてベルギーに触れるキャンペーン「大好きベルギー!おいしいベルギーを体験」を実施している。

 2019年に10周年を迎え、全国4都市5会場で45日間開催する日本最大級のベルギービールの祭典「ベルギー・ビール・ウィークエンド2019」に、20組40人を招待するほか、素敵なベルギーグッズを抽選でプレゼントする。

美味しいグルメとビールが味わえる国・ベルギー

 中世ごろからビールの名産地として知られ、四国ほどの面積に1,500種類以上のビールが作られているベルギー。食文化としてのベルギービールは、ユネスコの無形遺産にも登録されている。現在のベルギービールと言えば、美味しくて、多彩な味や香りが楽しめる、おしゃれなビールの代名詞となってきた。

 甘酸っぱいサクランボやラズベリー、爽やかなコリアンダー、香ばしいチョコレートなどフレーバーを楽しむものから、16世紀の画家・ブリューゲルの絵にも描かれた野生酵母を使ったランビック、熟成したレッドやブラウン、修道院で作られる希少なトラピストなど、ベルギービールは色・味・香りどれをとっても多様性にあふれている。

 ベルギーは、美味しいものが食べられるグルメの国としても知られている。ベルギービールは、ムール貝やフリッツ(フライドポテト)、小エビのコロッケといった郷土料理にも合い、レストランではまるでワインのように料理とのペアリングを堪能できる。ベルギーチョコレートが世界的に有名になったのも、ベルギー人の食へのこだわりと妥協しない手仕事、繊細な味の表現があるからといわれている。

 そんなベルギーの食文化を体験できる「ベルギー・ビール・ウィークエンド2019」が、今年も日本で開催される。会期中、ベルギーのローカルフードと一緒に、選りすぐりの醸造所のビールを味わうことができる。

ブルージュのカフェでくつろぐようす(写真はイメージ)

キャンペーン概要

名称:大好きベルギー!おいしいベルギーを体験

期間:2019年4月10日(水)~7月2日(火)

 ※参加希望の会場により応募期間が異なる

参加条件:

 期間中、キャンペーンページから観光局のメルマガ「マルクト」への登録、またはインスタグラムかツイッターで、ベルギーにちなんだ画像やメッセージにハッシュタグをつけて投稿。

賞品:

(1)ベルギー・ビール・ウィークエンド2019 名古屋/横浜/日比谷/大阪の4会場で5組10人、合計40人にイベント期間中、会場で飲食が楽しめるスターターセット(オリジナルグラス+飲食用コイン11枚)をプレゼント

※各会場のイベント期間に合わせて募集期間を設定

※ベルギー・ビール・ウィークエンド2019の詳細は、イベント公式ウェブを参照。

(2)全応募者の中から抽選20人にトートバッグや文具などのベルギーグッズをプレゼント

キャンペーンウェブページ

「大好きベルギー!おいしいベルギーを体験」

世界水準のDMOへ取組の選択と集中 持続可能な観光地づくりを

2019年4月11日(木) 配信 

世界水準のDMOとりまとめ

 

観光庁はこのほど、「世界水準のDMO」の中間とりまとめを公表した。DMOの目的は、稼げる地域づくりや観光公害対策のほか、「持続可能な観光地域づくり」にも留意すべきとした。取り組みは国やJNTO(日本政府観光局)、各層DMOらと役割が重複しないよう選択と集中を進める。

 2015年に日本版DMO登録制度が始まり、19年3月29日時点で237法人(候補法人含む)にまで増えた。ただ、地域では役割や組織のあり方に対し、「戸惑う声も少なからず聞かれる」(同庁)という。広域DMOの総支出のうち、情報発信関係費が5割以上で、本来進めるべき観光資源整備関係費は11%に留まっている。

 組織運営そのものも厳しい状況だ。出向者や自治体から派遣された人材が多いため、人件費は掛からないが中核的な人材が育ちにくい。一方、人件費をかけて人を雇えば、組織の運営が厳しくなるといったジレンマに陥っている。自主財源の確保が大きな課題だ。

 今回は2本柱でとりまとめた。1つ目は「DMO全般の底上げに向けた改善の方向性」となる。

 地域ではまず、自治体を含む観光振興に関わる地域全体の体制を議論をし、DMOの目的と役割を整理して明確化する。各層DMOは地域の役割分担に基づき動く。

 とくに地域の観光資源の磨き上げや、二次交通などの交通整備、多言語表記などの受入環境整備を最優先に取り組む。

 各層DMOの情報発信は、JNTOの海外ネットワークやマーケティングツールを使い効果的・効率的にすべきとした。海外への現地訪問などはJNTOに事前に相談するなど、密に連携をはかる。いずれもJNTOのツールや知見を「最大限活用」することとした。

 組織と財源、人材についても方向性を示した。

 組織は、地域の多様な関係者の主体的な参画をはかる。財源には、条例による特定財源(宿泊税、入湯税など)の確保を目指すことが「望ましい」とした。人材は、国が人材育成プログラム創設や人材採用バンク活用を検討する考え。

 2つ目の柱は「世界水準のDMOにおける次年度の具体的検討の方向性」となる。

 世界水準のDMOの基準は、全国一律の定量的な基準ではなく、地域に応じた柔軟な選定が可能なものとする。選定は第三者である有識者が行う見通し。その後、国と有識者で継続的にフォローアップし、国と地域でPDCAを回していく。

 なお、19年度以降にガイドラインを策定し、登録の基準や手法などの詳細な制度設計を見通す。

〈旬刊旅行新聞4月11日号コラム〉GW10連休近づく  休み方も多様化する「令和」時代に

2019年4月11日(木) 配信

休み方も多様化する「令和」時代に

 
4月1日に新元号「令和」が発表された。日本最古の歌集「万葉集」から引用された序文の美しさと、「れいわ」という響きの気品の高さも相まって、歓迎ムードと、新しい時代への期待も大きくなっている。

 

 
 昭和から平成に改元した際の自粛ムードとは異なり、今回は日本全体が祝賀的な雰囲気に包まれているように感じる。また、新年号発表の直後に、「令和」をあしらった商品が全国各地に秒を争って誕生し、瞬く間に消費されていくニュースを見ながら、あやかり商法のスタートダッシュの速さと、「ここまでやるか」という驚嘆で思わず微笑んだ。

 
 日本も成熟した国家を目指しながら、一方で、商機とあらばすべてを利用する〝商魂たくましさ”を垣間見せた。「まだ世界を驚かす瞬発力(バネ)と貪欲なパワーがある」と感じた。このエネルギーが無くなったとき、国は衰弱に向かっていくのだろうと思った。

 
 4月になり、観光業界の総会などの招待状も届き始めた。開くと、早速「令和元年5月○日」と開催日時が記されている。さりげなく、新時代の空気を運んで来てくれる。

 

 
 さて、これからの関心事は、5月1日の改元を挟んだゴールデンウイーク10連休だ。世間話の流れで「10連休はどうするのか」と聞くと、女性は「旅行をする」という人がほとんどで、男性は「まだ決めていない」というのが大体の傾向だ。私も今ごろになって旅行会社やOTAの予約サイトを開いているのだが、「遅きに失した」感が半端ではなく、途方に暮れている。

 
 JTBが発表した今年のGW旅行動向によると、国内旅行人数は前年同期比1・1%増の2401万人、海外旅行は同6・9%増の66万2千人といずれも過去最高を記録する見通しだ。「自分自身は10連休以上」という人は31・5%を占め、「自分も家族も10連休以上」が21・7%なのだという。

 
 このような状況のなか、旅行予約サイトのわずかに残っているツアーの料金を見て、眩暈を覚える。5月7日(火)や8日(水)出発だと半額以下で、しかも空いているとなると、「あえてGWに旅行する必要はないか」と諦めてしまう。

 

 
 観光業界にとって旅行需要の平準化は、最大の課題と言ってもいい。旅行時期や目的地の集中化は、誰にとっても幸せな結果を残さない。

 
 今年4月から働き方改革関連法の1つとして、年に5日以上の有給休暇取得が義務化された。ギリギリのスタッフで回す中小零細企業の現場では、「有休」制度の利用が難しい。国の法律によって有休取得が義務化されることに批判的な意見もあると思うが、冷静に見て、法律で義務化しないと現場から有休を取ろうという動きにはなかなかなりづらいというのが実感である。

 
 弊社も有休をしっかり取れるように、社員各自が有休の取得予定日を年間スケジュールに書き込んでいる。祝日法で定められていない時期に3連休を取得するパターンも増えており、観光地や、旅館・ホテル、レジャー施設、交通機関にとっても歓迎される動きだと思う。好きな時期に有休をとって観光業界にも貢献したいとの思いもある。働き方も、休み方も多様化していく「令和」時代に期待したい。

(編集長・増田 剛)

 

雪の大谷とチューリップ、富山の観光宣伝隊がPR

2019年4月11日(木) 配信 

富山の2大イベントをPR

富山県の春の風物詩「立山黒部・雪の大谷フェスティバル」と「となみチューリップフェア」の宣伝隊が2019年3月25日(月)、本紙を訪れた。

 来社したのは、立山黒部貫光・営業推進部の嘉藤利晃東日本営業所長、郷田学係長、武田史織副主任、砺波市商工観光課の川田省吾主任、プリンセスチューリップの野村芽衣さんの5人。

「立山黒部・雪の大谷フェスティバル」は4月15日から

 「立山黒部・雪の大谷フェスティバル」は、高さ20㍍級の雪壁に覆われた「雪の大谷」を間近で体験できる人気企画。開催地である立山黒部アルペンルートの全線開通とあわせて、4月15日(月)~6月22日(土)まで実施する。

 5月9日(木)まで、春の雪景色を満喫できるイベントを多数用意。立山連峰を一望できる雪上の遊歩道を歩く「パノラマロード」や、大量の雪で設営された「スノーシェルター」などが登場する。

 5月10日(金)からは、標高3千㍍に天空のスノーパークが開園。雪の迷路や滑り台など、例年よりも規模を拡大したアトラクションを体験できる。

 さらに今年は、大観峰エリアに巨大かまくらや雪のトンネルを新設。立山黒部アルペンルート職員は制服を統一されたデザインに一新し、より一層の安全運行はもちろん魅力向上に努めていく。

「となみチューリップフェア」は4月22日~5月5日まで

 国内最大級の300万本が咲き誇る「となみチューリップフェア」は、砺波チューリップ公園(砺波市花園町)をメイン会場に4月22日(月)~5月5日(日・祝)まで開かれる。今年は“魔法”をキーワードにした演出でチューリップが展示される。

 野村さんは「『雪の大谷』をイメージしたチューリップ回廊や、砺波市の独自技術を生かす水上花壇など見どころ満載。会場外もチューリップが広がる」とPRした。

【特集No.520】べっぷの宿 ホテル白菊 不要な風俗営業の免許を返納

2019年4月11日(木) 配信

 高品質のおもてなしサービスを提供することで、お客の強い支持を得て集客している宿の経営者と、工学博士で、サービス産業革新推進機構代表理事の内藤耕氏が、その人気の秘訣を探っていく対談シリーズ「いい旅館にしよう! Ⅲ」が今号からスタートする。第1回は、大分県・別府温泉の「べっぷの宿 ホテル白菊」の西田陽一社長と、各部署の責任者が出席して座談会となった。風俗営業の免許が必要ない宿泊施設は免許を返納する動きや、人手不足が叫ばれるなか、「若いスタッフをいかに確保するか」などを探った。

【増田 剛】

 ――別府市旅館ホテル組合連合会(旅館組合)は風俗営業の免許が不要な宿泊施設については免許返上に向けて動かれています。

西田:昨秋から別府警察署とも相談しながら、「接待」をする宿泊施設は風俗営業の許可をしっかりと取って商売する。一方、「接客」に徹している施設は風俗営業の許可が必要ないので免許を返納する。曖昧だった部分を明確にしようと進めています。

内藤:接待と接客の違いはなんですか。

西田:2010年に定めた警察庁の解釈基準では、「接待は、特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手になったり、酒等の飲食物を提供したりする行為」とあり、風俗営業許可が必要になります。「はべる」とは、お客様の横でしなだれかかるようなイメージです。

 これに対して、「お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為」や、「客の後方で待機、またはカウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為および、これらに付随して社交儀礼上のあいさつを交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為」は接待に当たらないとの解釈で、「接客」になります。これらは客室係が食事の際に普通に提供しているサービスです。

内藤: 「旅館は接待をするから風俗営業の許可が必要だ」と当たり前のように思い込んでいましたが、多くの旅館がおもてなしでサービスしている行為は、「接待」ではなく「接客」ということですね。

西田:そうです。風営法をしっかりと勉強することによって、私たち旅館業界の多くの施設は、必要のない風俗営業の免許を保持していたことに気づきました。

 ――風俗営業の免許を取っていることで具体的に不利益を被ったことはありますか。

西田:16年に発生した熊本地震によって大きな被害を受けましたが、風俗営業の免許を持っていることで、雇用調整助成金の対象から外されました。国への陳情などを行い、ようやく対象業種となりました。

 グループ補助金や消費税増税のポイント還元制度も当初、対象外でした。観光は「基幹産業」と言われつつも、「補助制度が必要なときには対象外」という現実もこれまでありました。

 ――旅館組合は具体的にはどのようなことをしているのですか。

西田:別府料飲協同組合とは「従業員派遣業務協定書」を交わしました。地元の飲料店が宿泊施設にコンパニオンを派遣する際には、「接客」の行為のみの条件で飲食店と契約しました。警察署にも説明し、理解を得ています。

内藤:旅館業には若いスタッフが必要で、その多くが女性に支えられています。いい人材を採用するうえでも、イメージが悪い風俗営業の免許は返納した方がいいと感じていました。

西田:「従業員も誇りを持って働ける産業に育てていきたい」という思いと、「観光業、宿泊業が国の根幹を担う産業としてふさわしい地位や位置づけとして認めていただきたい」という思いから活動を始めました。

 ――別府には外国人の旅行者も多いですね。

西田:落し物などで外国人旅行者が訪ねていくケースも増え、警察署も多言語での対応に苦慮していました。そこで、旅館組合の会員施設のフロントに落し物を記載する英訳した用紙を置きました。外国人旅行者はあらかじめ記入して警察署に届けることで、作業の軽減にも貢献しています。

 さらに、観光案内を求めて警察署を訪れる外国人旅行者には、外国人専用の観光案内所を紹介しています。英語などで書かれた地図も、市内の警察署や派出所にも置くようにしました。

内藤:これまでは個別に動いていた警察と旅館組合が連携することで、外国人旅行者にも安心感を与え、素晴らしい取り組みだと思います。……

【全文は、本紙1751号または4月17日(水)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】