観光商業施設「etto」4月オープン 広島・宮島口の旅客ターミナルに隣接

2020年2月10日(月) 配信

「etto」内観イメージ

 広島電鉄と広電宮島ガーデンは4月2日(木)、広島県が推進する「厳島港宮島口地区港湾整備事業」に伴い、宮島口地区に新設される広島県の旅客ターミナルの隣接地で新たな観光商業施設「etto(エット)」を開業する。

 同施設は、「DISCOVER MIYAJIMAGUCHI」をコンセプトに、広島県に本社を置く企業を中心に広島・瀬戸内のローカルグルメやスイーツの飲食、土産や雑貨などのショッピングが楽しめる。総店舗数16店舗のうち、直営店として初となるのが3店舗、新しく立ち上げたブランドが4店舗、広島初出店1店舗となる。

「etto」ロゴ

 「えっと」は広島の方言で「たくさん」を意味する。宮島観光のプロローグとエピローグにふさわしいたくさんの魅力に出会える場所になるようにとの思いを込めた。

施設概要

施設名:etto(エット)

営業時間:1階 午前9:00~午後7:00(予定)

     2階 午前11:00~午後8:00(予定)

所在地:広島県廿日市市宮島口一丁目11番8号

敷地面積:約1,000平方㍍

延床面積:約1,600平方㍍

店舗面積:約840平方㍍

施設内容:総店舗数16店舗

     1階 食物販・土産雑貨 12店舗

     2階 飲食 4店舗

アクセス:

■公共交通機関

・広島電鉄(路面電車)「広電宮島口駅」下車 徒歩約1分

・JR「宮島口駅」下車 徒歩約5分

■車

・関西方面から 広島岩国道路廿日市市ICを出て、国道2号線で岩国方面へ約10分

・九州方面から 広島岩国道路大野ICを出て、国道2号線で広島方面へ約10分

「リピーター」や「新規顧客」の獲得を 西川丈次氏が観光案内所のスタッフにアドバイス

2020年2月10日(月) 配信

西川丈次氏

 日本政府観光局(JNTO、清野智理事長)は2月7日(金)、東京都内で観光案内所に勤める人を対象に「JNTO認定外国人観光案内所全国研修会接遇研修」を行った。インターネットが普及し、情報の取得が容易になるなか、観光案内所が果たす役割を認識してもらう狙い。講師には観光ビジネスコンサルタンツ社長の西川丈次氏が登壇した。

 西川氏は案内所の役割について「リピーターと、クチコミによる新規顧客を獲得すること」と話した。また、「ファンを増やすためには『日本に来てよかった』という感動が必要不可欠」と強調した。

 西川氏は利用客を感動させたさまざまなエピソードを紹介。「(JR九州以外の)JR各社にあるみどりの窓口の係員は始めから最後まで、座って接客する。一方、JR九州にあるみどりの窓口の係員は立って一人ひとり利用客を出迎え、見送っている。この姿勢の奥にある“想い”に、私は感動しました」と話した。

 リピーターとクチコミによる新規顧客の獲得については、「お客様の『食べたい料理』などの要望や、細かな情報を、案内した施設に伝えてほしい。お客様は施設に到着したとき、要望を伝えてくれた気遣いに感激します。この気遣いがリピーターを生む『創客』につながるのです」とアドバイスした。

【特集No.545】 オストメイトが温泉に自信 旅を楽しむきっかけづくりに

2020年2月10日(月) 配信

 近畿日本ツーリスト首都圏(田ヶ原聡社長)とストーマ装具を製作するアルケア(鈴木輝重社長、東京都墨田区)は昨年12月5日(木)、人工肛門を装着する「オストメイト」向けに温泉入浴ツアーを実施した。ツアーに参加することで、旅行に対する不安を取り除き、自信を付けてもらう狙い。目的地は「龍宮城スパホテル三日月」(千葉県木更津市)。

 ツアーに同行取材し、参加者や企画担当者、受入施設などに話を聞いた。温泉に入りたくても、躊躇している状況などが浮かび上がった。

【木下 裕斗】

 さまざまな病気や障害によって、ストーマ(腹壁に作られた便や尿の排泄口のこと)をつくった人をオストメイトという。

 現在、日本のオストメイト人口は約21万人で、その数は増加傾向にある(アルケア調べ)。医療の発達で生存率が上昇した結果、高齢者が増え、ストーマをつくる人も増加している。

 このような状況のなか、「オストメイトが自信を持って温泉に入れるようになってほしい」と、医療・福祉・健康分野の材料、機器を開発・製造・販売する「アルケア」は、近畿日本ツーリスト首都圏と連携し、「ストーマ装具工場見学と龍宮城スパホテル三日月温泉入浴体験会」を、昨年12月5日(木)に実施した。

温泉入浴に躊躇 装具を気にする

 オストメイトは排泄のタイミングを自分の意志でコントロールできないので、体の外部にある便や尿を溜める袋(ストーマ装具)を装着しなければならない。このため温泉に入浴する際、「人目を気にして諦めている」ケースが多い。

 課題はそれだけではない。

 旅館やホテルなどの宿泊施設の受け入れも進んでいないのが現状だ。「オストメイトも不安なく旅ができるようにした」と語る、温泉入浴体験ツアーを企画・添乗した近畿日本ツーリスト首都圏の伴流高志氏は、「企画から実施まで約2年かかりました。関東近郊で受け入れをしてくれる温泉施設を探し、さまざまな施設に交渉しましたが、受け入れを最初に表明していただけたのは、龍宮城スパホテル三日月(千葉県木更津市)さんでした」と話す。

 「高齢化が進むと、障害がある人も増える。とくにオストメイトの方たちは、バスや飛行機での移動や温泉入浴に不安を覚え、旅行の参加に迷いが生じる。この課題を解決するのが、我われ旅行会社の役割だと思います」と伴流氏は語る。……

【全文は、本紙1786号または2月17日(月)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

岐阜の魅力を体験、甲冑の着付けやクラフトなど 東京・浅草

2020年2月10日(月)配信

シャインカービング体験に熱心に取り組む参加者ら

 岐阜県は2月8日(土)、9日(日)の2日間、東京・浅草のまるごとにっぽんで観光フェア「体感!まるごと“ぎふ”~冬の陣~」を行った。昨年8月に同会場で開き、約1200人が来場した「夏の陣」に続く第2弾の体験イベントとして、県の観光などの魅力を発信した。

 今年の岐阜県は、ゆかりの武将・明智光秀が主役の大河ドラマ「麒麟がくる」の放映や、関ケ原の合戦から420年の節目の年を迎える。7月17日(金)には、古戦場史跡めぐりの拠点となる「岐阜関ケ原古戦場記念館」(関ケ原町)の開館なども控える。このことから、県は同年を「観光ビッグイヤー」と位置付け、各種PRを展開している。

シャインカービング(彫刻刀を使用したミニステンドグラス)

 会場では、前回好評だった子供向けの甲冑の着付け体験や、家紋の模様付けを行うコースター作り体験を実施。今回は戦国武将にも愛された刃物の生産地、関市から刃物事業者を招き、シャインカービング体験(彫刻刀を使用したミニステンドグラス作り)も行った。

ライブキッチンで作られた郷土料理

 さらに、岐阜県出身の料理家・minokamo(長尾明子)さんを講師に招き、郷土料理のライブキッチンも開いた。岐阜名物の五平餅や鶏ちゃんのほか、漬物ステーキ、県産米でおにぎりを作り、参加者は岐阜ならではの味を堪能した。

 このほか、特産品や武将関連商品の販売、下呂市提供の逸品が当たる抽選会も実施した。

武将・徳川家康の甲冑展示

 会場関係者は「大河ドラマの舞台である岐阜県には、大河ドラマ館が3館(岐阜市、可児市、恵那市)ある。岐阜関ケ原古戦場記念館の開館も控えており、ぜひこの機会に訪れていただければ」と呼び掛けた。

JTBコミュニケーションデザイン、「万華響-MANGEKYO-2020」常設開催へ 訪日客向け和太鼓エンタテインメント

2020年2月10日(月) 配信

2019年度公演(有楽町)のようす

 JTBグループでさまざまなコミュニケーションサービスを提供するJTBコミュニケーションデザイン(細野顕宏社長)はこのほど、訪日外国人向けの主催公演「万華響-MANGEKYO-2020 Revolutionary New Drumming Entertainment in Tokyo」を2020年度も常設で開催することを決めた。

 同公演は17年度にスタートし、19年度から常設で展開している。20年度も和太鼓を使ったエンタテインメント集団「DRUM TAO(ドラムタオ)」と共同で企画、制作するエンタテインメントコンテンツとして、500公演の開催を予定している。

 期間は4月1日(水)~2021年3月31日(水)までで、東京・有楽町のオルタナティブシアターで行われる。

 チケットは、2月22日(土)から2月28日(金)まで国内のお客向けに割引価格で先行販売を実施する。万華鏡公式サイト内のみでの販売予定で、通常価格8500円(大人1人)が5000円になる。国内外の一般販売は2月29日(土)から。

 圧巻のパフォーマンスを繰り広げる「DRUM TAO」は、世界26カ国、500都市での公演で観客動員数800万人の実績を誇る。18年のNHK紅白歌合戦の出演など、国内での活動のほか、海外ツアーも勢力的に行っている。

「万華響-MANGEKYO-2020 」公演詳細

開催期間:2020年4月1日~2021年3月31日(予定)

会場:オルタナティブシアター(東京都千代田区有楽町2丁目5番1号有楽町マリオン 有楽町センタービル別館 7F)

主催:JTBコミュニケーションデザイン

企画・制作:JTBコミュニケーションデザイン、タオ・エンターテイメント

出演:DRUM TAO(ドラムタオ)

協力:スタジオアルタ

チケット販売期間:2020年2月22日(土)~2月28日(金)まで国内先行販売開始(予定)、2020年2月29日(土)から国内外一般販売開始(予定)

チケット代:
国内先行販売価格:全席1人あたり5,000円(税込)<万華響公式サイト内限定で販売予定>

国内外一般販売価格:1人あたり大人8,500円(税込)、学生5,000円(税込)<万華響公式サイト内、各プレイガイドで販売予定>

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問い合わせ先:万華響公演事務局(AMUSE内)電話:0570-008-884(平日10:00〜17:00)

※万華響公演事務局は、公演期間中は土日祝日も対応。休演日は休業。

※車イス席料金も同額となる。事前に電話で確認。

※学生料金は小学生・中学生・高校生・大学生・専修学校生・専門学校生対象となる。未就学児は入場不可。

〈旬刊旅行新聞2月11日号コラム〉一流の“ものづくり力”を養おう 安易な「観光立市」は地域力を落とす

2020年2月10日(月) 配信

一流のものづくりこそ、地域の実力。「観光推進」を打ち出さなくても人は魅了される(写真はイメージ)

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大に伴い、世界各国が水際での感染の封じ込めに全力を尽くしている。徹底した人的交流の制限により、観光業界だけでなく、世界経済全体への多大な影響も報じられている。

 日本の観光業界をみると、2020年に訪日外客数4000万人達成に向け、官民挙げてインバウンドの拡大に取り組んでいる。この成果もあり、19年の訪日外客数は前年比2・2%増の3188万人と、7年連続で過去最高を更新した。

 しかし、そのインバウンドの飛躍的な伸びも、昨今陰りが見え始めている。昨年7月に韓国向け輸出管理の運用見直し後、日韓関係は悪化。19年の訪日韓国人旅行者数は同25・9%減と、大幅に減少した。

 そして、19年に訪日客全体の約3割を占め、年間959万人が訪日した中国が新型コロナウイルスの影響で、今年は激減することが予想される。一方、出国日本人数も19年に初めて2千万人を達成したが、厳しい状態を迎えている。

 

 政府は成長戦略の柱の1つとして「観光立国」を推進している。「観光」という視点を重視する姿勢は素晴らしいことだと思っている。日本は11年から人口減少時代に突入した。労働人口も減っているなか、多くの外国人旅行者が日本を訪れ、旅館やホテルに宿泊し、買い物もして、たくさん消費してもらうことで、日本経済を支える基盤にしたいという考えである。

 観光客が訪れる利点はそれだけではない。世界中の異なる文化の人々を受け入れることによって、さまざまな摩擦を経験しながら磨かれ、人も、まちも洗練されていく。これ自体はすごく良いことである。

 一方、これまで日本人ですらあまり訪れなかった地域に、「写真映え」や「アニメの聖地」、「ドラマのロケ地」などを理由に、その土地の許容量を超える外国人観光客が訪れるエリアもある。世界中から注目され、誇りに思う面もあれば、生活が乱されるため、迷惑に感じることもあるはずだ。自発的に何もしていないのに、ある日突然、意図していない観光客が押し寄せる風景に当惑してしまうのは、自然な感情だ。

 だが、これらの観光客はコロナウイルスの感染拡大や、国際情勢の変化、自然災害などの要因によって大きな変動が起こりやすい。22年には北京冬季五輪を控える。中国人のウインタースポーツ熱の高揚に着目し、その受け入れを推進する企業やエリアもあるが、地方創生を目指すのなら、リスクが大きい。

 近年、「観光立国」だけでなく、地方自治体のホームページや、街の中にも「観光立県」や「観光立市」を掲げる看板をしばしば目にするようになった。一見、素晴らしい政策に映る。だが、「地方創生には観光推進、観光客の誘致拡大が不可欠」という考えがいつの間にか刷り込まれていないだろうか。観光客の誘致は、数ある地方創生の手段の1つに過ぎない。

 国や地域の実力は、第1次産業の「農林水産業」であり、第2次産業の「製造業」だと私は思っている。一流の農業力や、ものづくりの力を地道に養う。その卓越した技術力や先進的な思想に世界中が魅了され、訪れたくなるものだと思う。とりあえず「観光立〇」を前面に出して、観光客を呼び込もうとする安易な姿勢は、地域力を落とすだけだ。  

                                                                                                                  (編集長・増田 剛)

スキー・スノボ好きに聞く、ゲレンデの魅力ランキング JRC

2020年2月10日(月) 配信

新潟県の「苗場スキー場」(写真はイメージ)

 じゃらんリサーチセンター(JRC)はこのほど、スキー・スノーボード好きの20~60代の男女1047人を対象に行った、ゲレンデに関するアンケート調査の結果を発表した。同社は19歳を対象に、全国182以上のゲレンデのリフト代が無料になる「雪マジ!19~SNOW MAGIC~」を実施している。今年で9期目。

「雪マジ!19」未経験者に薦めたい!“ゲレンデの魅力”

例年より遅いスキーシーズンの到来!ゲレンデに行きたくなるときは?

ゲレンデに行きたくなるときランキング

 「ゲレンデに行きたくなるとき」の調査結果では、1位は「時期や季節感から冬の到来を感じたとき」で、最多の約7割の人が回答した。2位は「冬に休暇が取れたとき」、3位は「友人に誘われたとき」となった。温度とゲレンデは大きく関係していることが、あらためて分かる結果となった。

スキー・スノボ経験者はゲレンデでの「楽しみ方が多いこと」に魅力!

スキー・スノボをしたことがない人にお薦めしたいゲレンデの魅力ランキング

 「スキー・スノボをしたことがない人にお薦めしたいゲレンデの魅力」の調査結果では、1位は「爽快感が味わえる」という結果になった。ゲレンデを滑走する気持ち良さを魅力にあげる人が多い一方、近年ゲレンデで体験できるアクティビティが充実してきていることを受けてか、4、5位にゲレンデの関連施設やスノーアクティビティといった、スキー・スノボ以外での楽しみ方の広がりに魅力を感じている人も多いようだ。

【アンケート調査概要】

調査名:「雪マジ!19」ゲレンデに関する調査

調査方法:インターネット調査(外部調査会社による)

調査時期:2020年1月10~14日

調査対象:スキー・スノーボードが好きと回答した全国の20~60代男女

有効回答数:1,047人

「雪マジ!19」お薦めのゲレンデを紹介

安比高原スキー場(岩手県)

 一般ゲレンデと完全に仕切られ、大人だけでも入場できる「雪遊びランド」には、スキー・スノボ初挑戦者向けのエリアがあるほか、エアボードやスノーレーサー、スノーモービル、ラフティングも楽しめる。ホテルの料理長が監修するゲレンデのレストランも魅力。すぐそばの温泉だけでなく、「安比高原温泉ホテル」では東北最大級の露天風呂も満喫できる。

苗場スキー場(新潟県)

 隣接するホテルでは、グルメ・ショッピング・エステ・アミューズメントなど、多種多様な楽しみがある。3月にはゲレンデ内でフェス(Snow Light Festival)を開催予定で、夜には打ち上げ花火も。スキーセンターのレンタルコーナーでは、時間内であれば何度でもレンタル品を変えられる仕組みが人気。露天風呂の「火打の湯」は日帰り利用もOK。

ロッテアライリゾート(新潟県)

 アジア最長の迫力満点のジップラインやチュービングなどのスノーアクティビティのほか、「ボルダリング」「スクウェアトランポリン」「ファンウォール」「ワンダーウォール」など、屋内でできる本格アクティビティも豊富。施設内には屋内プールや温泉もあり、日帰りでの利用もできる。

高鷲スノーパーク(岐阜県)

 標高1550メートルにあるカフェ「TAKASU TERRACE」は、雲海も望める絶景スポットでBBQも楽しめる。キッズパークは専用エリアでチュービング、そり遊びなども充実しており、子供の雪遊びデビューにもお薦め。山頂で隣接する「ダイナランド」ともつながり、両山滑れるリフト券で西日本最大級のスノーリゾートを満喫できる。

「雪マジ!19」概要

 今年度19歳を迎える人を対象に、対象施設のゲレンデリフト券代を無料にする。スマートフォンで「マジ☆部」アプリをダウンロード(無料)し、「雪マジ!19」へ会員登録をするだけで利用可能。

対象者:2000年4月2日~01年4月1日生まれの人

会員登録期間:2019年10月30日(水)~20年5月11日(月)

実施期間:2019年10月30日(水)から順次開始。終了は19年冬季シーズンまで

 ※ゲレンデの営業開始・終了期間は各々異なる

参画ゲレンデ:全国182カ所 ※2019年10月30日(水)時点

「雪マジ!20」概要

 20歳を対象に、対象のゲレンデリフト券代が最大半額になる「雪マジ!20」は、スマートフォンにて「マジ☆部」アプリをダウンロード(無料)し、「雪マジ!20」へ会員登録をするだけで利用可能。

対象者:1999年4月2日~2000年4月1日生まれの人

会員登録期間:2019年10月30日(水) ~20年5月11日(月)

実施期間:2019年10月30日(水)から順次開始。終了は19年冬季シーズンまで

 ※ゲレンデの営業開始・終了期間は各々異なる

参画ゲレンデ:全国86カ所 ※2019年10月30日(水)時点

 ※昨シーズン「雪マジ!19」に会員登録された人も、「雪マジ!20」の会員登録が必要となる

 ※割引率はゲレンデによって異なる

19歳の友達を紹介して無料リフト券をゲット!

 19歳でなくても最大5,000人以上、リフト券が無料になる「19歳紹介キャンペーン」を実施中。19歳を3人紹介で1枚、5人紹介で2枚、6人紹介で3枚の無料リフト券がもらえるキャンペーン。

「街のデッサン(226)」旅には「差異」と「疑似」が共存する ルーマニアの少女たちに写真をせがまれて

2020年2月9日(日) 配信

ペレシュ城でルーマニアの子供たちと

 旅という行為は国内に増して、海外の場合には「差異」の体験が期待される。

 よくいわれるように「観光」とは、国の光を見ることである。それは他国には無い際立った光、すなわちその国独特の例えば自然景観や、卓抜な手技を施した建築、華やかな伝統舞踊などが売り物になるのであるから、やはり「違い」が基底にある。

 20年ほど前に、ノルウェーのオスローからベルゲンまで、何時間も掛けて列車旅をしたことがあった。車窓の風景は、日本では見ることの無い巨大な奇岩がゴロゴロと転がっていて、赤や青に塗られた住宅が合間に建っている。月面の光景を楽しむような列車の旅で、少しも飽きることはなかった。

 風景だけでない。ベトナムをホーチミンからハノイまで7日間掛けてバスで横断したが、朝から晩までの食事のどれもが日本とは違った美味しさがあった。出会うベトナムの人々の心優しさにも感動したが、食材が日本とさして変わってはいないのに、出される食べ物の微妙な差異の見事さにも感銘を受けた。風土の違いを楽しみ、受容する喜びが旅の醍醐味といえるのであろう。

 しかし最近、差異の文化とは真逆の「疑似」ともいえる経験に出会った。

 ルーマニアを旅し、ドラキュラのモデルとされるヴラド・ツェペシュの足跡を追った。シギショアラにある彼の生家はレストランになっていて、そこで昼食を取った折のこと。丁度、私の座った席の脇にヴラド3世の胸像が飾られ、同行したツアーの仲間からその彼に私が似ているという話になった。そういえば、隣のテーブルをドイツ人の観光客が占めていて、彼らも何となくそんな気分でジロジロ見ているようだ。ヴラドに似ているということは、ドラキュラにも似ているということになるから、私としては複雑な気分だ。

 話題に上る栄誉を得たあとに向かったのは、シギショアラからも近いシナイアの町。ここには、ルーマニア王室のカルロ1世が建てた国内でも最も壮麗で美しいといわれるペレシュ城がある。観光客で込み合った城の中庭でガイドの説明に聞き入っていると、1人の女性が目の前に立った。彼女がやにわに「生徒が写真を一緒に、と願っているのですが」という。その小学校の先生の後ろに何人かの少女が隠れている。彼女たちと写真を撮った。その理由を問いただす間もなく、ツアー仲間は出発している。少女たちは異国のドラキュラに果たして出会ったのかどうか、未だに理由を解せないでいる。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

「味のある街」「二十四節気旬のお昼ごはん」――心花舎(長野県安曇野市)

2020年2月8日(土) 配信
 

心花舎の「二十四節気旬のお昼ごはん」1530円▽長野県安曇野市穂高有明3613-46▽☎0263(87)3775。

 その店は長野県安曇野市の観光ルートにもなっている安曇野山麓線沿いにある。大町市で郷土料理研究家の先生から指導を受けていた倉科穂澄さんが、カフェの開業を目指すことになったのは、北アルプス国際芸術祭で食のパフォーマンスを行ったのがきっかけで、地産地消の重要性を感じ取ったという。

 
 開業に向けて準備を始めると風も吹き始めた。「運と縁とタイミングが一気に押し寄せてきて、今こそ私の出る幕だ」と直感し、「どうしてもここで開業したい」と心に決めたという。
 
 「郷土料理というのは田舎料理ではなくその土地の食材を使い旬のものを提供すること」がモットーだという倉科さんが、オーナーを務める心花舎を昨年12月に訪ねた。
 
 心花舎は、2018年11月1日に開業した新しい店だ。「50代以上の方が、本当に美味しいご飯を食べられる“癒しの場所”にしたかったんです」と思いを振り返る。「大人世代の隠れ家」「和める花空間カフェ」がオープンしたと、近所の方や観光客など県外の方をも虜にすると評判を呼んでいる。地元安曇野や信州産の旬のお野菜や食材をふんだんに使った 「二十四節気 旬のお昼ごはん」をいただいた。「季節を追い掛けながら主婦では考えもつかないような食材を、『こういう食べ方があるのよ』と提案したいという思いをメニューにしてみただけ」とおっしゃる。
 
 サンマに山椒を利かせ、パン粉をまぶしてロールにしたり、生のビーツを使ったボルシチなど届いたばかりの旬の野菜を見ながら2週間ごとに変わるメニューを決める。見た目に美しく食べて美味しく身体にも良いのだからこんなにうれしいことはない。10~90代まで年齢層は幅広く、ほとんどがリピーターだというのだから、人気のほどが伺える。安曇野の風景を眺めながら一汁三菜(メイン、副菜、サラダ、お汁、ご飯)をたっぷりいただき大満足のランチタイムを過ごすことができた。
 
 そうそう、倉科さんはフラワーアレンジメントの教室も開いており、店内の装飾や販売している小物なども味に彩りを添えている。
(トラベルキャスター)
 
 

コラムニスト紹介

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

対応力向上とネットワーク強化を 「2019年度JNTO認定外国人観光案内所全国研修会」開く ムスリムへの対応も紹介

2020年2月7日(金) 配信

全国から大勢の参加者が訪れた

 日本政府観光局(JNTO、清野智理事長)は2月6日(木)、東京都内で「2019年度JNTO認定外国人観光案内所全国研修会」を開いた。国内の外国人観光案内所の関係者約200人が集まり、講演や接遇研修など2日間の日程で行われた。外国人向け観光案内所における対応力向上や案内所関係者間のネットワーク強化をはかるのが目的。

 JNTOは、観光庁が12年1月に定めた「外国人観光案内所の設置・運営のあり方指針」に基づき、外国人観光案内所の認定制度を行っている。訪日旅行者にサービスの充実度が分かりやすいよう、サービス内容や機能、開所日数などサービス基準を設け、カテゴリーを4つに分類している。

JNTOの清野智理事長

 JNTOの清野智理事は、「案内所は現在、1276カ所。20年度までに1500所を目標としている。ただ増やすだけでなく、充実した案内が重要。今後も質の向上を目指して進めていきたい」と力を込めた。

 新型コロナウイルスによる感染症が拡大していることについては、「一喜一憂することなく適切な対策をし、お越しいただいた外国人旅行者に『日本に来て良かった』と思っていただくことが大事」と冷静な対応を呼び掛けた。

 そのうえで、「いずれは終息する。その段階で外国人旅行者を迎える準備をするのではなく、いま与えられた時間に準備しておくことが重要になる」と述べた。

 6日(木)は2部構成で、計7人の講演が行われた。第1部では、JNTOジャカルタ事務所長の天野泉氏が「インドネシアの訪日者の特徴とムスリム旅行者について」をテーマ登壇した。

 インドネシア在住の天野氏は同国を「笑顔の多い国」と紹介。「皆さんの観光案内所にインドネシア人が来たら『スラマダタン(ようこその意味)』とあいさつしてみてください。きっと笑顔になってくれます」と呼び掛けた。

 インドネシア人の観光の目的は「写真を撮ること」だとし、「SNS(交流サイト)映えするスポットなど、写真を見せながら行きたいところを選んでもらうといい」と提案。注意点は「車社会のため歩くのが苦手。15分以上歩く場所は事前に案内が必要」と付け加えた。

 インドネシアに住むムスリムは、多様な民族や文化が融合する国事情もあり、「クリスチャンと旅行することもある」という。「民族や宗教が違っていても、インドネシアでは学校や職場も一緒」と宗教にこだわるのではなく、柔軟な対応をすることの必要性を語った。

 ムスリムの食事については、「ハラル認証をとっている飲食店」のほか、「ハラルに沿った食事を提供する店」、「肉とアルコールを抜くなど、希望に対応をしてくれる店」の3パターンの情報収集が必要だとした。

 日本でラーメンを食べたい人が多く、「豚とアルコールが入っていないラーメン屋を調べておくとよい」とアドバイスした。なお、インドネシア人の味の好みは、「濃い目の味と辛いものが好き。すっぱいのは苦手」な人が多いという。

 礼拝については、基本は1日5回。だが「人によって朝と夜だけの人もいる」といい、金曜の昼は多くの人が礼拝をする。礼拝室には、「カーペット敷きや畳など、靴を脱いで利用できる空きスペースが適している。可能なら手足を洗える場所、男女別、マットやベールがあるとさらにいい」と話した。

 別の講演では、観光庁参事官(外客受入担当)の片山敏宏氏は、「観光の現状と受入環境整備」について語った。片山氏は、外国人旅行者のFIT(個人旅行)化が進んでいることを背景に、災害時に旅行者が希望する対応について提案した。

 昨年、台風19号の際に外国人旅行者を対象にしたアンケート調査では「最も多いのは、案内所での情報提供を充実してほしいという意見」と紹介。そのうえで、「スマホ時代でも災害時は対面での対応が根強い。分かりやすい表現で伝えてほしい」と要望した。

 JNTOロンドン事務局長の市川智秀氏は「英国市場の最新動向」をテーマに講演。年々増加する訪日英国人は、桜と紅葉の時期に訪日者数のピークを迎える。ゴールデンルートが大半を占めるが、「地方滞在も増加している」と最近の傾向を語った。観光の目的は、自然環境や文化体験、リラクゼーションへの関心が高いとの調査結果も紹介した。

 東京オリンピック・パラリンピックへの旅行については、「英国内で単体チケットはすでに完売」と報告。現在、チケット付き旅行商品(日本円で約70~240万円)が販売されているという。

 南房総市観光協会の多田福太朗氏は「災害時における外国人観光案内所の機能・役割―台風15号・19号の経験を通じて」と題し、被災状況を報告した。台風災害を経験し、「被災したら何もできない。非常時に“いつもの業務”ができる体制づくりが観光案内所の機能であり役割」と総括した。

 第2部では、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会広報局事業部観客の経験課の菊池創造氏が「数字で見る大会の観客像と街中の参加機会 観客の方々への状況提供」について語り、Accessible Japanのグリズデイル・バリージョシュア氏は「最強のおもてなし―日本のユニバーサルツーリズム―」を、JNTO地域連携部長の渡辺厚氏は「2019年度JNTO認定案内所実態調査事業中間報告―アンケート調査及び訪問調査―」について講演した。

 研修会は2月7日(金)も行われ、接遇研修やグループディスカッションが行われた。