日旅と旅工房が新会社「ミタイトラベル」設立へ Z世代の旅行を喚起

2021年8月30日(月) 配信

旅工房・高山社長(左)と日本旅行・小谷野社長(右)

 日本旅行(小谷野悦光社長、東京都中央区)と旅工房(高山泰仁社長兼会長、東京都豊島区)はこのほど、Z世代以降の若者の旅行需要の喚起と販売シェアの拡大を目的とした合弁会社「株式会社ミタイトラベル」を2021年9月に設立する予定だと発表した。

 旅工房の強みである若者層への海外旅行のインターネット販売のノウハウと、日本旅行のJRセットプランなどの国内旅行販売や全国各地のネットワークを融合させ、相乗効果を創出。コロナ後の多様な旅行形態の顕在化と、持続可能な成長をはかっていく。

 ミタイトラベルの代表者は舩渡川崇氏で、所在地は旅工房と同。資本金は9000万円、持株比率は旅工房が65%、日本旅行が35%。

山代温泉 安心安全な温泉地へ 21年度通常総会開く

2021年8月24日(火) 配信

2年ぶりの開催となった総会のようす

 石川県加賀市の山代温泉観光協会(萬谷正幸会長)は7月27日、ゆのくに天祥で2021年度通常総会を開いた。

 萬谷会長は「新型コロナウイルス感染拡大が1年半以上続き、観光業界は今まで経験したことのない大逆風にさらされている。山代温泉でも、休業やイベント中止などで、この1年は対前年比で半分以下にまで落ち込んだ」と話した。

 一方で「中心商店街の活性化に向けた街並み整備や、廃業旅館の解体整備、萬松園の整備計画などは着々と進めており、旧松籟荘跡地は、来年春にまったく新しい姿に生まれ変わる」とし、「3年後には、北陸新幹線敦賀延伸も控える。悲観ばかりしていても何も生まれない。皆の力を合わせ、アフターコロナに向けて反転攻勢をかけていきたい」と意気込んだ。

 議事ではすべての議案が承認可決された。山代温泉が近年、取り組む「あいうえおの郷」構想の一環で、5月10日が「五十音図・あいうえおの日」として、日本記念日協会により新たな記念日として認められたことが、改めて報告された。

 また、事業計画では、24年春開業予定の北陸新幹線敦賀延伸に向け、地域一体となって「安心安全な温泉観光地」の実現を目指すとともに、おもてなしサービスの向上に努め、ゆっくりと過ごしてもらえる観光地づくりに全力で取り組むことが確認された。

 総会後には、加賀市の宮元陸市長による記念講和が行われた。宮元市長は今年3月に、「城下町大聖寺」が石川県では金沢に次いで2例目となる歴史都市に認定されたことや、6月にタレント・実業家として知られるパンツェッタ・ジローラモ氏を加賀市PRアンバサダーに任命したことなど、加賀市の観光の取り組みを紹介。

 そのうえで、「市内の新型コロナウイルスのワクチンは8月末に、希望者全員の接種が終わる予定。今後も、より安心・安全な観光地を目指す」と抱負を述べた。

「提言!これからの日本観光」 感染防止“モデルツアー”を

2021年8月29日(日) 配信

 新型コロナウイルスの拡大から1年半が経過した。感染拡大防止のため主要都市を中心に「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点地域」が指定されるなど、さまざまな規制措置が断続的に実施されてきた。

 不要不急の移動などが自粛の対象となり、観光客は国内外客共に激減し、観光産業の経営は深刻な危機に直面している。しかも、新型コロナウイルスは変異株に入れ替わりつつあり、終息の見通しがつかない。

 専門家は「当分、再拡大を防ぐため、強力な防止策を続けざるを得ない」という。

 コロナ禍対策は長期戦に入り、今後日常化さえ、懸念される状況である。

 これに伴う交通需要の減少は大変痛手で、とくに観光客の利用減は目を覆うものがある。7月上旬の各新幹線の乗客数は依然として、対前々年比の半減以下で推移している。しかし皮肉なことに現在、新幹線がコロナ禍で1番安全な交通機関とさえ言われている。

 これは、乗客減のためグループの間隔を空けて指定席券を発売などしているからである。

 具体的には、一部のJRでは座席が3列の新幹線で窓側席から発券し、次に通路側席を売り出すことで、隣席を空けている。なお、自由席は最も混雑している際でも、窓側席が埋まる程度である。

 「観光」が自粛を求められることは、人の移動による多人数の接触がウイルスを媒介するためで、人流抑制のためには、やむを得ないことと言えよう。

 しかし、「観光」は日常生活の場を離れて他地域の「光」を観て心の安らぎを得るもので、人間の移動本能に根差す行動である。従って、抑制期間が長期化かつ過度に進むと、移動本能のはけ口を求め、夜間に酒会をともにする人が増え、感染者数が増加する心配がある。

 そこでコロナ禍の下でも安全な「観光」の手法を関係者の協力で開発し、提案する必要があると考える。例えば、列車で座席の「密」を防ぐため、現在発売駅の工夫で実行しているような座席指定方式を業界全体で採用することである。

 さらに、宿は個室または、1室の定員にゆとりを持たせるような受け入れや、食事は部屋食にするなどが感染防止に効果的と考える。観光地の案内も集団行動ではなく、ガイドは一定時間、案内したうえで、あとは自由行動とすることも有効ではないか。

 このような感染防止に徹した「観光ツアー」を旅行会社などが商品化して、販売することで、移動本能を充足し、ストレスを解消すると共に、重要な文化経済行動である「観光」の灯りを消さない努力が求められる。

 そして、感染防止を日常の生活行動にし、「観光」との両立をはかる必要がある。自粛から1歩進んだ能動的な感染防止策を日常化する努力があってこそ、コロナ下での健全な日常生活が取り戻せると思う。

 人間の「本能」を充足する前向きな「行動型」の感染防止対策の実現を期待したい。

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

「津田令子のにっぽん風土記(76)」ふるさと・神田淡路町への思い溢れる~ 東京都・神田淡路町編 ~

2021年8月28日(土) 配信

神田淡路町のランドマーク「ワテラスタワー」
NPO法人ふるさとオンリーワンのまち 会員 関口 裕美さん

 NPO法人ふるさとオンリーワンのまちで「日本各地に、そこにしかない“ふるさとのオンリーワン”」を発掘・発信し、ふるさとの再発見を担う関口裕美さん。学生時代も含め東京以外で暮らしたことはなく「神田淡路町はふるさとそのもの」とおっしゃる。

 
 神田淡路町は、食通で知られる作家・池波正太郎がこよなく愛した街でもある。今でも江戸の風情を残し池波が贔屓にしていた店が立ち並ぶ一角があるが、ここ数年神田淡路町2丁目一帯は再開発が進み大都市化が進んだ。関口さんは一軒家を立ち退き高層マンション住まいへと生活スタイルが一変したという。 通っていた小学校、中学校も廃校となり、「寂しい限り」と話す。「湯島聖堂の裏山や現在ソラシティーになっている場所にあった軍艦山などでよく遊びました。冬は、幽霊坂で雪滑りごっこもしました」と目を細める。  

 
 「今はなき、母校淡路小学校横の淡路公園で小学校が終わると毎日遊んでいました。まだ土の香りやそよぐ風を肌で感じられる日々でした」と当時の思い出を語る。

 
 とはいえ、昔から住んでいる人や店が残っており、「92歳を迎えた母の知り合いも多く、安心感があります。どこに行くのも交通の便も良いですしね」と地元愛にあふれる。

 
 38年間、広告会社で働き、6年前にリタイア。今は母親の介護の傍ら、趣味のヨガに興じたり、アロマエッセンスを生活の中で楽しみ、山々や仏像めぐりなど旅の映像を愉しんでいるという。「仕事はハードでしたが、今につながる友人がたくさんできたこと、会社の山岳部に入り山の楽しさを覚えたことが、大きな宝物です」と語る。会社の行事で毎夏、富士登山が開催され、のちに山岳部に入り運営スタッフを務めたという。「そういえば新入社員時も皆で富士山に登りましたね」。

 
 ハードで楽しい夏のイベントを通じさらに山好きになった関口さん。「両親が山好きで、子供のころからハイキングによく連れて行ってもらったので山が身近でした」と振り返る。

 
 旅に出る理由を「山の旅は自然に浸って身体にいい空気を入れたいという想いから。定期的に自分の体力チェックもできますからね」と話す。さらに京都好きでもある関口さんは山の仲間と「仏像の会」を結成し京都のみならず色々なところに出掛け、ご開帳や花の季節に合わせ四季を感じ愉しんでいる。「これからも身体のメンテナンスを兼ね、テーマ性を持った旅を楽しみたい」と語る。

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

Japan Travel敦賀店、オンラインツアーで勝山巡る コロナでも観光で活性化はかる

2021年8月27日(金) 配信

ツアーのパンフレット。恐竜博物館などを巡る

 JAPAN Travel敦賀店(滝田隆雄社長、福井県敦賀市)は8月20日(金)、オンラインツアー第2弾となる勝山編として恐竜の森と恐竜博物館、平泉寺をテーマにした商品を売り出した。旅行・観光業が地域を活性化する柱となるなか、コロナ禍でも地域に貢献したい考えだ。

 「オンラインツアーで視聴者と現地の人が友達になれる」をコンセプトに掲げる同社は昨年10月から、オンラインツアーを6回開催している。

とくに、コロナ禍でも福井県の魅力や、北陸新幹線延伸前の旅行気分を堪能してもらうことに注力してきた。ツアー当日は、旅行終了後には「次回は現地を訪れたい」と思ってもらえるように進行している。

 今回、企画した第2弾の勝山編は9月26日(日)、恐竜の森と県立恐竜博物館、平泉寺などを巡る。併せて、同市で活動するデザイナーの一条実和子さんをはじめ、勝山市地域おこし協力隊の中島麻衣さんと松本彩佳さん、勝山市観光まちづくりの本多啓介さんらが、現地リポーターとして食やスイーツなどを紹介する。

 料金は視聴のみが3300円。スタンダードのお土産付きは5478円。デラックスのお土産付きは8140円。いずれも税込。

 同社はこれまで、氣比神宮(福井県敦賀市)に初詣を兼ねた旅行をはじめ、湯本味噌の味噌工場(同県・池田町)やこんにゃく道場(同)を巡るツアーを催行している。

営業収益38・6%増の140億円に 新たな法人営業も展開 日旅連結21年度中間決算

2021年8月27日(金) 配信

 日本旅行(小谷野悦光社長)がこのほど発表した2021年度中間期(21年1~6月)連結決算によると、営業収益は前年同期比38・6%増の139億5100万円と4割ほど上回った。

 営業損失は21億7600万円(前年同期は64億4100万円の損失)、経常損失は5億4100万円(同63億5200万円の損失)、当期純損失は6億円(同58億9500万円の損失)と赤字幅は縮小した。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、法人営業は企業のMICE需要が低迷するなか、感染防止ガイドラインを遵守した教育旅行の取り扱いや、Webを活用したハイブリッド型会議や学術学会など、新たなスタイルによる法人営業を展開。事業構造の転換を目指し非旅行業分野の取り扱いの拡大にも努めた。

 さらに、要員規模の見直しや、事業運営体制のスリム化、賞与支給の見送りなど経費削減の徹底、休業の実施など収支改善にも取り組んだ。

 部門別(単体)にみると、国内旅行の販売高は、同32・8%減の181億6000万円、営業収益は同18・2%減の45億4900万円。企業の出張抑制などにより、単品商品の販売高は同35・0%減の14億600万円と苦戦したが、新たな取り組みを推進した国内団体の販売高は同5・7%増の82億9800万円と前年を上回った。

 一部の業務性需要を取り扱うのみだった海外旅行の販売高は、同98・3%減の1億5900万円、営業収益は同93・7%減の6500万円。

 販売済み商品の払い戻しなどが発生した外国人旅行の販売高は、同92・6%減の1億8100万円、営業収益は同80・8%減の1億5700万円。

 通期連結予想については、新型コロナ感染症の終息時期が予想不能であり、「当社グループに及ぼす影響を見極めることが困難」とし、現時点では未定としている。

JTB、阿蘇市民が地元の魅力発掘・発信するワークショップ開催へ ふるさと納税返礼品の開発も

2021年8月27日(金) 配信

地域住民が地元の魅力を見い出す

 JTB(山北栄二郎社長)は10月17日(日)と11月7日(日)の2日間、熊本県の阿蘇市民ら地域住民を対象とした「阿蘇市ローカル魅力発掘発信ワークショップ」を開催する。専門家から地元の魅力の発掘・発信方法を学ぶとともに、ふるさと納税の返礼品開発につなげていく。

 ワークショップは、同社と阿蘇市が共催し、イーストタイムズ(中野宏一CEO)が運営を手掛ける。1回目の10月7日(日)は地域の魅力を再発見し、全国に伝える手法を学ぶ。参加者は、次回のワークショップまでに街中でインタビューを行い、地域の魅力を発掘する。2回目の11月7日(日)は、「魅力発掘発信レポート」を作成。JTB「ふるぽ」内の特設ページに掲載し、一部の産品はふるさと納税の返礼品に登録する。

 会場は、熊本市内の「Art-chi(あーとち)」のほか、オンラインでの参加も可能となっている。募集人員は30人で、参加費は無料となる。応募期間は10月15日(金)正午まで。市外在住の人も応募できる。

 この取り組みは、「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」の一環として実施し、「その土地を、ふるさとと想う人をつくる」ことを目標としている。地方創生に取り組む自治体と地元の人々が一体となり、地域の魅力を発掘・発信し、ふるさと納税を通じてその土地を応援する人の輪を広げていく。

狭山茶の粉末スティックが入った「Chabacco(チャバコ)」 西武鉄道 所沢駅と本川越駅で9月から

2021年8月27日(金) 配信

所沢駅(通常パッケージ)

 西武ホールディングスは9月1日(水)、同社グループが運行するの西武鉄道(埼玉県)の所沢駅と本川越駅で狭山茶の粉末スティックが入った「Chabacco(チャバコ)」を売り出す。

 クラフト・ティー(静岡県・川根本町)との協業で、使用されなくなったタバコの自動販売機を利活用し、西武鉄道にちなんだユニークなデザインの箱に入れ販売。購入可能駅は今後、西武園ゆうえんち駅・西武秩父駅に拡大する。

本川越駅(特別パッケージ)

 所沢駅の改札内、南改札付近で販売するチャバコのパッケージには、「日本の航空発祥の地」といわれる所沢の茶畑を飛ぶ飛行機(表)と西武鉄道40000系(裏)、限定2000箱の限定デザインには、西武鉄道10000 系(レッドアロークラシック)をデザイン。本川越駅の改札外とトモニー本川越駅店横で販売するパッケージには、西武鉄道2000系(表)、小江戸川越を代表する時の鐘と蔵造りの街並みを散策する人々(表)、2000箱限定のデザインには西武鉄道10000 系(レッドアロークラシック)をあしらっている。

 価格はいずれも600円(税込み)で、1 箱に8本の粉末茶スティックが入っている。

 同社は発売日の正午~午後1時ごろ、西武鉄道 所沢駅 南改札付近(改札内)展望デッキ前で、チャバコのスティック1本と南魚沼のおいしい湧き水(350㍉㍑ペットボトル1 本)をセットで限定100人にプレゼントする記念イベントも実施する予定だ。

「るるぶ」からサウナのガイドブック販売 首都圏37施設を紹介(JTBパブリッシング)

2021年8月27日(金) 配信

表紙は、タナカカツキ先生のイラスト

 JTBパブリッシング(今井敏行社長)はこのほど、サウナ施設の情報に特化した「るるぶサ活 首都圏サウナガイド」を売り出した。最新のサウナをはじめ、定番のサウナ、聖地と呼ばれるサウナなどさまざまなサウナを掲載し、サウナファンの施設選びをサポートする。

 首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)と静岡県にある37(サウナ)施設について、写真と詳細なデータで紹介している。表紙は、ドラマ化もされたマンガ「サ道」の作者・タナカカツキ先生がイラストを描き下ろした。特集ページでは、「サウナ大使」としても知られるタナカカツキ先生へのインタビューも掲載している。

 定価は1320円(税込)で、全国の書店やネット書店で購入できる。

タナカカツキ先生へのインタビューも掲載

福井県観光連盟 観光地域マネ決定 「稼ぐ」地域づくり推進

2021年8月27日(金) 配信

佐竹正範氏

 福井県観光連盟はこのほど、全国公募していた「観光地域づくりマネージャー」に、地元福井県あわら市出身で、民間シンクタンク紀尾井町戦略研究所の上席コンサルタントを務める佐竹正範氏が就任したと発表した。着任日は8月2日。

 同マネージャーは、2024年春の北陸新幹線福井・敦賀開業に向け、民間プレーヤーの発掘や観光資源の磨き上げなどにより、観光で「稼ぐ」地域づくりを推進し、福井県の観光振興の旗振り役を担う。転職サイト「ビズリーチ」において4月20日から5月17日まで公募し、応募総数654人のなかから同氏を選んだ。

 佐竹氏は、2000年からヤフーに勤務し、広報やブランドマーケティングなどを担当。東日本大震災以降は地方創生プロデューサーを務めた。16年からは北海道・美瑛町において「丘のまちびえいDMO」を立ち上げ、CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)として観光地域づくりに従事してきた。また、15年からは、内閣府などが後援する「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー」実行委員会の幹事長を務め、その一環として地域商社協議会を運営している。