オンライン臨時総会開く 第26回全国大会は北海道(全旅連青年部)

2021年9月21日(火) 配信

全旅連青年部・星永重部長

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(星永重部長)は9月16日(木)、第26回全国大会の開催地を決議するオンライン臨時総会と、第2回県部長サミットを開いた。完全オンラインでの総会開催は青年部として初。採決で、全国大会の開催地が北海道に決まった。開催時期は来年10月後半から11月上旬、会場はロイトン札幌を予定する。星部長は、「逆境だからこそ前を向き、青年部一丸となる」と意気込みを述べた。

 冒頭あいさつで星部長は、新型コロナによって変わっていく環境や時代のなかで、「必要に応じてさまざまなツールを使いながら、情報共有を続けていきたい」と述べた。

 また、全国大会の開催地決定について、「開催地に立候補していただいた方々から、勇気と観光復興への想いを受け取った。逆境だからこそ、今は前を向いて成功の種を探し、大木にしていくのが青年部の役目と心得ている」と力を込めた。

 このほど全国大会の開催地として立候補した北海道ブロックの榎本竜太郎ブロック長は、「コロナ禍での立候補というのは非常に迷ったところではあるが、役員会では全会一致で立候補することを決めた。青年部の発展に少しでも寄与できれば」と意気込みを述べた。開催する予定の10月後半から11月上旬は、「天気も安定し雪の心配も少ない時期。秋の観光シーズンとして多くの人に北海道の秋を満喫していただきたい」(榎本氏)とアピールした。

 また、高島将人北海道部長は「青年部に誘っていただいたおかげで自分でも知らない北海道の魅力を知り、学ぶことができた。その魅力を皆様にお教えできれば幸い。来年の秋には札幌の地にて、フルスペックで皆様をお迎えしたい」と期待を語った。

 直前部長の鈴木治彦監事は「この状況のなかで立候補していただいたことに敬意を表したい。北海道の皆様はここからが正念場。さまざまなハードルがあるかと思うが、青年部皆で乗り越えて、必ず成功させましょう」とあいさつした。

観光を日本の基幹産業に JNTOがセミナー開く

 第2回県部長サミットでは、日本観光局(JNTO)の佐々木隆博地域連携部長がインバウンドセミナーを行った。

 政府では、2030年に向け「訪日外国人旅行者数6000万人」と「訪日外国人旅行消費額15兆円」に加え、「外国人リピーター数3600万人」、「地方部での外国人延べ宿泊者数1億3000万人泊」の数値目標を掲げている。目指すべき方向性として、各地域からのさらなる誘客による市場の拡大・多様化や、消費単価の向上のため、上質な滞在体験を提供し、戦略的なターゲティングを行う。また、国内での地域分散のため、地方の観光コンテンツの訴求を行っていく。

 佐々木部長は、「各市場の所長の話を聞くと、ワクチン接種と共に少しずつ経済活動が進んでいると聞く。すでに動き出している国々があるなかで、インバウンド客が戻ってきたときに旅行先に日本を選んでもらえるように、海外の情報や動きに注視しなければならない」と力を込めた。「JNTOでは、来年度の施策やこれからの事業計画に生かしてもらえるようこれらの情報提供に努める。また、皆様の素晴らしい観光コンテンツや取り組みを海外に伝えていく」と強調した。

Airbnb、SDGs週間に農業体験など提供 持続可能な旅考えて

2021年9月21日(金) 配信 

マタギの宿ORIYAMAKEのイメージ。夕食時に山や狩猟などを話す

 Airbnb(エアビーアンドビー)は9月25日(土)から10月2日(土)のSDGs週間に、伝統文化や農業の体験などSDGsの目標に沿った滞在プランを提供する。消費者に持続可能な旅について考えてもらう。

 同週間は、SDGs週間が9月25日に採択された日を記念して制定された。SDGsへの意識を高め、行動を起こすきっかけとなるよう、さまざまな取り組みが世界各地で行わている。 

 具体的には、マタギの宿ORIYAMAKE(秋田県北秋田市)では、狩猟者のホストが夕食時に、山や狩猟などについて話す。このほか、同社は10施設でSDGsの目標に沿った滞在体験を準備する。

ホテルニューオータニでアウトドアサウナイベントを開催中

2021年9月21日(火) 配信

会場のようす

 ホテルニューオータニ(東京都千代田区)は10月17日(日)までの金・土・日・祝日、アウトドアサウナイベント「NAKED NIGHT SAUNA at New Otani -City Retreat-」を行っている。ネイキッドが企画・演出・制作を行うメディテーションアート外気浴体験。光、音、映像、香りなどが融合した、同ホテルとネイキッドならではの「都会のホカンス(ホテルとバカンスを組み合わせた造語)」を提供する。

 日本庭園内ガーデンプールに設置されたテント型サウナは各グループごとに貸し切りとなっており、セルフロウリュウで好みの温度に調節できるほか、セルフでヴィヒタも楽しめる。水風呂となるガーデンプールには、クラゲのようにたゆたう水のアートが自分の中心に生まれるインタラクティブアートが出現。有料のプレミアムエリアには、心拍数を計るバイタルセンサーにより外気浴エリアで休憩中の人物の心拍数をセンサーで測定し、その場にいる人たちの平均心拍数の鼓動のリズムがBGM と重なっていく音と光のメディテーション外気浴を用意した。

 また同ホテルでは宿泊付プランや、ホテルサ飯も提供する。サ飯(サウナ終わりに食べるご飯)は、ホテル内のレストランで人気の尾﨑牛パティのハンバーガーなど7種類のメニューを取りそろえている。

 同イベントは、各回完全入れ替え制(各回定員 7 組 28 人)で、午前9:00~11:00(1部)、午後12:00~2:00(2部)、午後3:00~5:00(3部)、午後6:00~8:00(4部)に実施。プロジェクションマッピングの演出は 4 部のみとなっている。利用に関しては男性と女性が別となっており、メンズデーは10日間、レディスデーは7日間設定されている。

秩父まちづくり 2022年春ごろ古民家を活用した分散型ホテルの開業目指す

2021年9月21日(火) 配信

小池煙草店・宮谷家(改修後イメージ画像

 秩父まちづくり(藤原岳史代表、埼玉県秩父市)はこのほど、秩父エリアの歴史的建造物や古民家を再生、活用したカフェ・レストラン・宿泊施設を2022年春ごろに開業すると発表した。秩父エリアにおける古民家活用事業の第1期事業で、西武鉄道西武秩父駅周辺エリアに点在する「小池煙草店(登録有形文化財)」と「宮谷家(同店に併設)」、「マル十薬局」 3件を改修し、レストランやカフェを併設した3棟で1つの分散型ホテルとして再生。地域内にホテル機能や客室が点在することで滞在客の地域内回遊を生み出すことが狙いだ。

 同社は、西武プロパティーズ (上野彰久社長、東京都豊島区)と秩父地域おもてなし観光公社 (北堀篤会長、埼玉県秩父市)、NOTE(藤原岳史社長、兵庫県丹波篠山市)、三井住友ファイナンスリース (橘正喜社長、東京都千代田区、SMFL)の 4 社で共同出資により設立された。

 西武プロパティーズは事業全体の支援や西武グループとの連携、情報発信を行う。秩父地域おもてなし観光公社は施設の運営や、地域との調整、情報の発信、NOTEは古民家を核としたエリア計画策定や開発支援を実施。また、SMFLはファイナンスのアレンジメントを担っており、地域との関係性が強い秩父地域おもてなし観光公社が主体となり秩父市の支援も受けながら、古民家再生ホテルの整備など地域の活性化を進めている。

 秩父まちづくりは、秩父市で昨今課題となっている、市内の空き家の増加や人口流出による山間集落の過疎化などに対し、豊かな自然資源や特徴的な歴史文化を擁する秩父全域を対象にエリア計画を策定し 、歴史的建造物の利活用を通じて秩父の魅力を発信。これからの時代に向けた新しい観光の態勢を構築することで地域の活性化を創出し、移住のきっかけ作りや 関係人口の増加をはかる。

 同社は分散型ホテル開業後、秩父の里山エリアや奥山エリアも視野に入れた事業展開を予定しており、山と結びつきが強い秩父独自の歴史や文化に触れ、より深く秩父を楽しめる観光まちづくりを進めていく考えを示している。

ラーメン大国の一品を東京で、日本橋ミデッテでふくしま麺フェア開く

2021年9月21日(火) 配信

会津若松の「鈴木飯店」は9月22~27日、10月23~31日に出店する

 福島県観光物産交流協会は9月22日(水)から、福島県の首都圏情報発信拠点「日本橋ふくしま館MIDETTE(ミデッテ)」で、県内のラーメン店が出店する「ふくしま麺フェア」秋の陣を開く。現地でしか食べられない一品が、期間限定で東京都内で味わえる。

 福島県は、人口当たりのラーメン店舗数が全国6位(タウンページ2021)、1世帯当たりのラーメン消費量が全国3位(総務省家計調査)など、ラーメン大国だ。日本3大ラーメンの1つ「喜多方ラーメン」をはじめ、白河ラーメンや郡山ブラックラーメン、会津山塩ラーメンなど、多種多様なバリエーションがあり、人気店が凌ぎを削る激戦区という。

 今回のフェアでは、人気の5軒が期間限定で出店。各店舗ごとに出店日が異なるため、注意が必要だ。詳細は「ふくしま麺フェア」のホームページから。なお、今回が初めての開催だが、今後も「ふくしま麺フェア」は継続的な実施を予定し、福島の麺をアピールして行く。

読売旅行、添乗員同行ツアーをワクチン接種済か陰性限定に

2021年9月21日(火) 配信

読売旅行バスツアー(イメージ)

 読売旅行(坂元隆社長)は9月17日(金)、自社の添乗員同行団体ツアーの参加者を、新型コロナウイルスのワクチンを2回接種済みか、検査結果が陰性だった人に限定すると発表した。10月1日以降出発の同ツアー全商品が対象で、参加者は同行するスタッフを含む。現在の感染防止ガイドラインを引き続き順守したうえで、安心・安全な旅を楽しめるようにする。

 具体的には、①2回目の接種から出発前日までに14日(アストラゼネカ製は15日)以上が経過②出発の3日以内のPCR検査か抗原定量検査で陰性――のいずれかを満たすことが参加条件。出発当日に確認できる書類や写真データなどを提示する必要がある。ツアー催行に当たっては、感染状況や緊急事態宣言、都道府県知事の指示などを総合的に勘案しての判断とする。

 既に10月以降のツアーを予約しているお客には、読売旅行から順次電話にて説明する。また、検査を希望する人には、郵送方式で検査を実施している民間検査機関を、自社Webサイトなどを通じて紹介するとした。

 坂元社長は「旅行市況の低迷が続くなか、『ワクチン・検査パッケージ』は需要回復の切り札になると期待している。引き続き感染防止対策に万全を期したうえで、そろそろ旅に出たいというお客様の思いに応えていきたい」とコメントしている。

交通総合文化展21の入選作品を発表 優秀作は上野駅に展示、日本交通文化協会

2021年9月21日(火) 配信

「大好きなふるさと故郷」 (増田俊次さん作)

 日本交通文化協会(滝久雄理事長、東京都千代田区)は10月27日(水)~11月1日(月)まで、「鉄道の日」実行委員会とともに、東京・JR上野駅で日本の芸術や文化、観光の振興を目的とした「交通総合文化展2021」を開く。過日、同文化展の一環で観光や鉄道の旅にまつわる写真や俳句を一般募集し、このほど入選作品を発表した。文化展で入選作品を一般公開する予定。

 写真部門は「日本の交通もしくは新しい観光地」、俳句部門は「日本の鉄道や日本の良さを表現したもの」をテーマに募集。応募総数は、写真部門で1048作品、俳句部門で5047作品となった。

 写真部門は国土交通大臣賞に、増田俊次さん(福岡県在住)の「大好きなふるさと故郷」が輝いた。作者は作品について、「阿蘇外輪山山麓にある南阿蘇村には阿蘇の大地をこよなく愛し、地道にたくましく生きる農業家族がいます。『農業を継いだのはこの村のこの自然を子供たちに残したいから』と言う彼ら。美しい自然と家族の温もり、そして大好きな故郷を守っていくという思いを感じてもらえたらうれしいです」とコメントしている。

 講評では、審査員で写真家の清水哲朗氏が「生産者のご家族でしょうか。収穫した稲穂を手に満面の笑みを浮かべている姿に見ているこちらも自然と笑みがこぼれます。作者の巧みな話術と信頼関係の賜物でしょうが、周辺環境の捉え方含め画面構成力が素晴らしいですね。『人を通じてその土地の魅力を知る』のは観光の原点かもしれません」と評価した。

 なお、同協会のウェブサイト中の「交通総合文化展」のページで全作品を閲覧できるという。

【特集No.591】ふけの湯“ライダーの聖地へ” 全国から大集合するイベントも

2021年9月21日(火) 配信

 蒸ノ湯温泉ふけの湯(阿部剛右社長、秋田県鹿角市)は今年からライダー限定の宿泊プランを企画し、好評を博している。コロナ禍で一般客が激減するなか、遠方から遥々オートバイで訪れる宿泊客は増えている。二輪専用の車庫も設置し、“ライダーの聖地”としての環境整備を進めている。試行錯誤を繰り返しながら、アフターコロナを見据えたプランも考案中だ。「年に一度、全国からライダーが集合するイベントも開いてみたい」と語る阿部社長に話を聞いた。

【増田 剛、木下 裕斗】

遠方からのライダー「大切にしたい」

 蒸ノ湯温泉ふけの湯は今春、雪の重みで内湯が潰れ、4月25日(日)にオープンした。

 人気のライダー限定素泊まりプランは和室6畳(トイレ無し)に1人1泊6000円(税込)、おにぎり付きで6月末からスタートした。

 「ライダーには破格の値段で提供しています」と阿部剛右社長。さらに、「オートバイを大切にされている宿泊客のために、このほど車庫を設置しました」と語る。

 なんともライダーへの愛を感じる。というのも、剛右社長自身、大のオートバイ好き。最近は、中学生の娘とのタンデムツーリングを楽しんでいる。「親子ツーリングで(ふけの湯に)お越しいただくのも、きっと楽しいと思います」と笑顔を見せる。

 盛岡方面からふけの湯に向かう途中には、ライダーにとって全国有数の人気ツーリングコース「八幡平アスピーテライン」がある。剛右社長は「アスピーテラインを楽しんだあと、自慢の温泉と料理でリラックスしてほしい」と話す。

 ふけの湯には、元々ライダーが多く訪れていた歴史がある。

 「昭和のころからオートバイでのお客さんは多かったです」と剛右社長の母・恭子女将(会長)は語る。「オートバイの団体が来ると、一般の宿泊客も客室の窓を開けて喜んで見ていたくらいです。その当時は『1部屋に何人でもいいから安く泊まりたい』という宿泊ばかりでしたが、今は1人で1部屋が主流ですね」。

 営業担当の秋元義浩取締役は「1部屋に2人が宿泊すると5000円で、1000円安く泊まれる」とアピールしていますが、ほとんどが1人1部屋で予約されます」という。

 ハーレー・ダビッドソンやBMW、ドカティ、トライアンフなど海外メーカー、ホンダやヤマハ、スズキ、カワサキなど国内メーカーのさまざまなオートバイに乗ったライダーが毎日、ふけの湯に押し寄せる。

 宿泊客に占めるライダーの割合は2割程度だったが、ライダー向け限定プランを販売したところ、4割以上まで比率が上がっているという。

 8月30日(月)からホームページに「二輪(バイク)専用の車庫ができました」と掲載すると、予約がさらに増えました(秋元取締役)。……

【全文は、本紙1842号または9月27日(月)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

〈旬刊旅行新聞9月21日号コラム〉ライダーが共有する美点――風雨にもへこたれない「耐性の強さ」

2021年9月21日(火) 配信

 今号の1面で、蒸ノ湯温泉ふけの湯(秋田県鹿角市)は、オートバイの宿泊客に支持されているという、さまざまな取り組みを取材した。旅行新聞バイク部としても、今回の取材は部活動の大きな成果となった。

 
 私自身、数年前に北海道をオートバイで1周したものの、その後は近場の道を走る程度に甘んじていた。取材に当たり、自宅から700㌔ほども離れたふけの湯へ、夕方までに辿り着けるか、一抹の不安はあった。

 

 
 オートバイの旅をしながら色々なことを考えた。例えば、1人旅と、複数で旅をすることの決定的な違いは何か。複数の場合、「最大公約数」の中で、楽しみを最大化する努力が、最重要であるということだ。

 
 日常生活でストレスを感じ、「旅でスッキリと発散しよう」と旅に出たが、事あるごとに志向やリズムが異なり、ケンカになることもしばしばである。日常生活よりも旅への期待が大き過ぎたために、さらに失望が深くなるケースもある。

 
 だから、「旅は楽しいはず」などと過剰に期待をしてはいけないのだ。

 

 
 今回の取材兼東北ツーリングは、午前3時台にスタートし、先述の通り、700㌔を走破するという過酷さもあり、「修行」と捉えていた。このため、最初から「楽しい」などという甘い考えはなかった。

 
 「オートバイの旅が好き」という時点で、暑さ寒さ、風雨にもへこたれないという「耐性の強さ」を最低限、共有しているのが美点だ。熊にも2度遭遇し、濃霧や激しい雨との闘いもあった。

 
 とくに山形県寒河江市の宿を出発した最終日の4日目は、晩秋のように終日気温が上がらず、朝から夕方まで容赦なく雨が降り続けた。同行した木下部員と、途中のサービスエリア(SA)で熱いコーヒーを飲んで震える体を温めた。もはや戦友のようなものだ。

 
 しかし、旅が終わってみると、何かを成し遂げた達成感でいっぱいである。少し前に、同じようなルートをクルマで旅をしたが、旅を終えたときに、目にしてきた風景の鮮明度がまるで違う。

 
 もちろん、クルマの方が断然、快適だ。雨に濡れる心配がないだけでも、安心感がある。それでも、あえて50歳も過ぎてオートバイで旅をすることに意味があることを、再認識した旅だった。

 

 
 オートバイで宿に着くと、ふけの湯でも、不老ふ死温泉(青森県)、寒河江市のホテルでも、スタッフが出てきてくれて、二輪専用の車庫を案内してくれた。秋田県鹿角市の「比内地鶏 ぐりとる」では食事中に大雨になったため、「屋根のあるところに置いてください」とわざわざスペースを空けてくれた。

 
 北海道・稚内のノシャップ岬の小さな宿に泊まったときも、「バイクにいたずらをされないように、フロントの前に置いてくださいね」と優しく言ってくださった。その心遣いがうれしくてならない。

 
 今回のツーリングでは、サービスエリアや宿で、北海道や大阪、香川などから長期の旅をしているライダーと出会い、短い会話を交わした。同じライダーとして、細かなことを語らなくとも「苦楽」を共有できる土壌を感じ、自然に笑顔が生まれた。

(編集長・増田 剛)

津田令子の「味のある街」「渋沢栄一チーズブッセ」――渋沢×北区 飛鳥山おみやげ館(東京都北区)

2021年9月20日(月) 配信

「渋沢栄一チーズブッセ」1個172円(税込)▽東京都北区西ヶ原2-16(飛鳥山公園管理事務所内)▽☎080(4787)9842。

 
 先日、飛鳥山公園(東京都北区)にある飛鳥山博物館内の「渋沢×北区 青天を衝け(今年度のNHK総合テレビ放映の大河ドラマ)大河ドラマ館」を訪ねた。館内に入ると高さ8㍍の大型スクリーンが正面にある。ドラマの世界観を表現した圧巻の映像作品が出迎えてくれる。
 
 パリ万博そして明治へのコーナーでは、激動の時代に奔走する栄一と徳川慶喜の姿を描いたドラマシアターが見どころの1つ。パリ万博のCG撮影などドラマ制作の舞台裏を覗くことができる。栄一役の吉沢亮さんと慶喜役の草彅剛さん、五代才助役のディーン・フジオカさんや杉浦愛蔵役の志尊淳さんなどへのインタビューも必見だ。
 
 「青天を衝け」の世界を満喫できるのが、パネル・衣装・小道具の展示だ。実際に撮影で使用された衣装や小道具、相関図パネルなど興味深いものばかり。栄一の洋装や慶喜公の軍服など、ドラマで見たあの衣装が見られると好評を博している。
 
 公園内にある渋沢史料館の井上館長らによるパリ万博解説パネルや、ドラマ内に登場したパリ万博日本ブースのセットの再現が見られるのは北区ならではの企画といえるのではないか。
 
 私も体験したのだが「あなたも1万円札の肖像に⁉ なりきり1万円札」のコーナーが人気を集めている。ブースで撮影した自分の顔が、お札の肖像風に変身するというユニークな企画なのだ。画像はスマホでダウンロードできるほか、飛鳥山公園内のおみやげ館横にある印刷所で印刷(有料)できるので、ぜひ試みてはいかが。
 
 展示を見たあとに訪ねたのが、大河ドラマ館とともにオープンした「渋沢×北区 飛鳥山おみやげ館」だ。北区の事業者を中心に開発された渋沢オリジナル商品をはじめ、区内の魅力ある土産品を取りそろえている。
 
 渋沢翁の好物であるオートミールを使った食品や、幼少時代にゆかりのある藍染雑貨、新1万円札関連商品などストーリー性を感じながら楽しめる。イラスト入りの「時代を駆けた渋沢栄一チーズブッセ」を、お土産に買うことにした。

(トラベルキャスター)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。