「#ひみつの絶景北海道」 写真投稿キャンペーンを開催

2020年10月20日(水) 配信

 北海道観光振興機構は2021年12月28日(火)まで、北海道で撮影したお気に入り写真の投稿を募る「みんなで作る『#ひみつの絶景北海道』フォトスポットキャンペーン」を開催している。

 誰もが知っている美しい景色や、撮影した人のみ知る、思わず写真を撮りたくなる絶景など、見ただけで北海道に行きたくなるような写真を広く公募する。参加は海道観光振興機構公式Instagram(@goodday_hokkaido)をフォロー。「撮影スポット・時期」、「おすすめコメント」を「#ひみつの絶景北海道」
「#hokkaidolove」のハッシュタグをつけ、写真を投稿する。

 投稿された「ひみつの絶景」写真の中から、とくに魅力的な写真12作品を使ったHOKKAIDO LOVEなカレンダーを制作し、投稿者にプレゼント。さらにそのなかから3作品は、投稿写真を「白い恋人オリジナル缶」にしてプレゼントする。

里山・田園風景を残す藤沢市遠藤・御所見地区でON・ガスイベント 北部の魅力発信へ

2021年10月19日(火)配信

稲刈りが進む中を歩く参加者

       神奈川県藤沢市で10月3日(日)、ONSEN・ガストロノミーウォーキングが行われた。

 昨年は、藤沢市役所を出発し、旧道江ノ島道をたどりながら江ノ島を目指した同イベント。今年は、里山・田園風景を残す北部の遠藤・御所見地区を周遊する約7㌔のコース。企画、運営を藤沢市内にキャンパスがある日本大学、多摩大学の学生たちが中心となり、慶應義塾大学の学生も当日協力して行った。

 参加者は、スタート地点を出発後、高さ10㍍の大仏が建立されている玉雄山寶泉寺を参拝し、長さ3㌔にわたり彼岸花が群生するころ多くの人でにぎわう小出川の川沿いへ歩を進めた。あいにくイベント当日は花の見ごろを過ぎてしまっていたが、地元の人が撮影した写真をパネルにまとめ掲出し、参加者に魅力をPRした。

彼岸花の写真を掲示

 小出川の川沿いに設けられた最初のガストロノミーポイントでは地元の有名な農家さんが焼く焼き芋と、茶師が創作した「茶来未」の香りよいアイスで休憩。

さつまいもとお茶のアイスで休憩

 その後、稲刈りのようすなども眺めながらのどかな時間が流れる小出川沿いから外れ、地元でも有名な豚肉の生産直売店「みーとはうすKANEKO」でメンチカツを受け取り、2つ目のガストロノミーポイントのある古民家ごんぱちヘ。ここで参加者は、メンチカツと、地元の野菜をふんだん使用する御所見地区の郷土料理「御所見汁」、きゅうりの漬物を古民家を眺めながら堪能した。

御所見汁とメンチカツ

 ごんぱち出発後、田園風景から丘へと舞台が移ると、3つ目のガストロノミーポイントとなる宇都母知神社にたどり着く。同社は平

 こちらでは、月間出荷数は約130頭という貴重なみやじ豚を使用したソーセージと湘南和牛を堪能した。

湘南和牛のステーキとみやじ豚のソーセージ、カレーパン

 宇都母知神社出発後、遠藤笹窪谷(健康の森)を通り、森林浴と自然観察を楽しみながらゴールへ向かった。

健康の森

 

ストライプインターナショナル 11月からはとバスのガイドの出向を受け入れ

2021年10月19日(火) 配信

両社のロゴ

  アパレル衣料品及び雑貨の企画・小売販売ストライプなどを行うストライプインターナショナル(立花隆央社長、岡山県岡山市)は11月1日(月)から、はとバス(塩見清仁社長、東京都大田区)からの出向者の受け入れを開始する。

 出向するのは、観光バス事業本部に所属するバスガイド職26人で、出向先は首都圏の「earth music&ecology」「Green Parks」「AMERICAN HOLIC」などストライプインターナショナルが擁するブランドの店舗。バスガイドを出向させることは、はとバスにとって初の試みとなる。

 受け入れ期間は5カ月となる予定。(新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響が収まるまでとし、はとバスとの相談にて決定)。ストライプインターナショナルは、バスガイド職に先駆け、事務職15人を7月1日(木)から各ブランド店舗で受け入れている。

 今回の発表に際しストライプインターナショナルの人事部長・川島学氏は、「すでに出向で受け入れさせていただいているスタッフの皆様は弊社との親和性が高く、店頭で活躍されています。さまざまな背景を持つスタッフが店頭に立つことで、お客様により多くの付加価値をご提供できるものと考えております」とコメント。

 はとバス広報室長の岩脇明宏氏は、「業種は違うが同じサービス業での仕事を通じ実地の機会を得られることはスキルアップのチャンスであり、新たな発見があるものと考えています。社会人としての視野を広げるとともに、この貴重な経験を帰任後の仕事にも生かしてほしい」と語る。

【北海道】経済4団体連携しサイト開設 道内観光需要喚起を

2021年10月19日(火) 配信

 北海道内経済界4団体が連携し、2021年10月1日(金)にWebサイト「The Five Senses of North~北の五感~」を開設した。会員企業考案の観光需要喚起プランを紹介している。

 道内経済界初の企画として、北海道経済連合会、北海道商工会議所連合会、北海道経済同友会、北海道観光振興機構が一丸となって取り組む。サイト内では、会員企業の需要喚起企画や限定イベントなど、約50プランを掲載。深まる秋や初冬の足音などを五感(見る、聞く、ふれる、香る、味わう)で体験してもらうため、各プランを5つのカテゴリーで表示している。サイトを通じて予約すると、割引などの特典も受けられる。

環境省「地域内外の協力が必要」 第6回温泉地サミット開催 

2021年10月19日(火) 配信

サミットのようす

 環境省は10月8日(金)、オンラインで第6回温泉地サミットを開いた。コロナ禍での健康志向の高まりやワーケーションの需要が増加するなか、さらなる温泉への誘客をはかるためには「地域内外の協力が必要」と考え、「温泉地と地域の課題を解決する」をテーマに、宿泊施設や自治体、大学教授などが議論し、方策を探った。

 登壇者は亀や(山形県鶴岡市)社長の阿部公和氏とハートビートプラン(大阪府大阪市)社長の泉英明氏、東洋大学准教授の内田彩氏、古滝屋(福島県いわき市)当主の里見喜生氏、大分県・別府市市長の長野恭絋氏、東急の交通インフラ事業部MaaS担当課長の森田創氏の6氏。司会は國學院大學教授の下村彰男氏が務めた。

 討論の冒頭、下村氏は「コロナ禍でもさまざまな関係機関が温泉利用を促進するが、各温泉地は厳しい状況が続いている」との認識を示した。別府市長の長野氏に行政の立場から、温泉地での課題解決に向けた意見を求めた。

 別府市では、昨年実施されたGo Toトラベルキャンペーンについて、市民からも「一部批判的な声もあった」。これを受け、長野氏は「収束後に市民全体で安心して観光客を受け入れてもらえるように」と、PCR検査センターを設置したことを紹介した。

 一方で、さらなる来訪につなげるための工夫として、「市民の協力を得て、湯の花が入ったはがきサイズの箱を家族や友人などに送ってもらい、別府温泉が忘れられないように魅力の発信を続けた」という。

 東急は「コロナ禍でリモートワークを気軽にしてもらおう」と、静岡県・伊豆などにある同社グループの宿泊施設や交通機関などを予約できるMaaS「Izuko」を展開している。

 同社課長の森田氏は「コロナ禍で、オンラインでも仕事ができることが明らかになった。観光地にとっては、新たなお客を呼び込むチャンスになる」と需要の拡大に期待を込める。

 東洋大学の内田氏も同様に「テレワークの普及で温泉地を訪ねる観光客が増える」と考える。日本各地で温泉が湧くことから、「温泉のほかに、現地の食や着地型プログラムの造成」を促す。

 温泉地域内の課題については、亀やの阿部氏が意見を述べた。

 湯野浜温泉の各宿は2005年ごろまで、目指す方向性はまとまっていなかった。現状に危機感を覚えた若い世代の従業員は、100年後も変わらない価値を創出する「湯野浜100年計画」を策定した。

 一方、資金の工面が難しかったことから、温度の高い源泉の熱を、シャワーなどの水道水を温めることに利用する環境省の補助事業に応募。同時に源泉を管理する会社「湯野浜源泉設備保有」も設立した。

 さまざまな事業を成功させるなか、より結束力が高まり、「同計画を達成するための策略を練る会社を創設できた」と地域内連携の意義を説明した。

 都市デザインを行うハートビートプランの泉氏は、長門湯本温泉(山口県長門市)の再開発の実績を持つ。

 観光客が日中、温泉街にまったくいないこともあったため、川床やカフェなどの新設に加え、ライトアップイベントを開いた。「温泉地の雰囲気を現代に合わせてアレンジすると、これまであまり来ていなかった若者が訪れるようになった」と成果を強調する。

 東日本大震災時に、被災者などを受け入れた古滝屋の里見氏は、近年頻発する自然災害で、宿泊施設が果たす役割について、「避難所や、復興にあたる工事関係者の拠点にできる」と述べた。

 「早急な復興のために、地元の人とコミュニケーションを築く場所の大切さを感じた」と話す。「温泉があり、個室で仕切られているため、避難所よりも快適に過ごせる」ことも利点だ。

現代版湯治の普及を 全国大会開く

 同日には、健康や寿命の延伸、ストレス解消など現代に合った湯治文化の普及で、新たな需要の創出を目指す第3回「チーム新・湯治全国大会」も開催した。 

 冒頭、同チームの活動報告として、健康開発財団所長の早坂信哉氏が、昨年16カ所の温泉地で実施した効能の調査について発表した。

 同調査は利用客へのアンケートで入浴後に得られた効能を聞いたところ、90%以上から疲労やストレス、憂鬱な気分の解消につながったとの回答を得た。

 チーム員の活動報告では、大分県別府市で湯治を行うシェアハウスを運営する「湯治ぐらし」代表の菅野静氏が、お客の体調や体質から最適な温泉を案内する「みんなの保健室」を紹介した。

 同保健室をSNS(交流サイト)などで発信した結果、1軒のシェアハウスがインターネット環境を提供するビッグローブ専用のワーケーションスペースとして、活用することになった。

 ビッグローブからは「社員の健康をはじめ、仕事へのモチベーションにつながった」との反響があったと伝えた。

 入浴剤を開発しているバスクリンの東原好克氏は、利益の一部を湯治場に還元していることを発表した。

 包括連携協定を結んだ乳頭温泉組合(竹内貴祐組合長、秋田県仙北市)とは09年3月に、バス湯めぐり号の導入を支えた。

 冬は大雪で車によるアクセスが難しいため、閑散期だったが、「雪を心配せず、通年型の温泉地になれた」と話した。

 同サミットでは温泉の保護、温泉の採取などで発生する天然ガスによる災害の防止と温泉の適正利用で、とくに顕著な功績を収めたことを表彰する、温泉関係功労賞表彰を開いた。

 表彰者は次の通り(敬称略)。

 松之山温泉組合(新潟県)▽小平悟朗(中央ホテル会長)▽小早川優(兵庫県環境審議会温泉部会特別委員)▽石田啓祐(徳島県環境審議会温泉部会長)▽渡邊公一郎(福岡県環境審議会温泉部会委員)▽皆生温泉観光(鳥取県)▽静間清(広島大学客員教授)▽伊藤恭(孝寿会理事長)

【広島駅発着】10円で県内の指定駅まで旅行へ 「広島10円きっぷ」を企画 せとうち広島DCアフターキャンペーンで

2021年10月19日(火)配信

 広島県観光連盟は、せとうち広島デスティネーションキャンペーン(DC)アフターキャンペーン(2021年10月1日(金)~2021年12月31日(金))を盛り上げるため、10月30日(土)、31日(日)に、10円で県内指定駅までの旅行ができる企画「広島10円きっぷ」を実施する。

 JR広島駅発、県内の10駅の往復切符を入れたエアー抽選器を広島駅に設置する。参加者は、手にしたきっぷで、指定の駅まで旅行ができる企画だ。特設サイトも開設し、各駅からのモデルコースも掲載する。

 また、HIT広島県観光連盟公式Twitterアカウント(@kanko_hiroshima)の本企画ツイートに、「#広島10円きっぷで行きたい場所」を付けて広島県内の行きたい観光スポットを記載し「引用リツイート」した人の中から抽選で、10人に広島の特産品をプレゼントするキャンペーンも実施する。

「広島10円きっぷ」実施内容

主催:広島県観光連盟
実施日:2021年10月30日(土)、31日(日)
実施時間:各日午前9:00~午後2:00(5時間)
 ※きっぷが無くなり次第終了。
  状況に応じて整理券を配布し、抽選する時間帯を指定する場合も。
実施場所:JR広島駅構内(1階新幹線口 イベントスペース)
参加料金:1人1回10円
参加者:誰でも参加可能(但し、各日1人1回まで)
参加人数:各日先着250人
行先の駅:宮島口駅、海田市駅、呉駅、竹原駅、三原駅、西条駅、尾道駅、福山駅、三次駅、備後庄原駅(全10駅)

日本観光振興協会、斉藤国交大臣に要望書 「ワクチン進展で再起動を」

2021年10月18日(月) 配信

(左前3番目から)斉藤鉄夫大臣、山西健一郎会長

 

 日本観光振興協会(山西健一郎会長)は10月15日(金)、斉藤鉄夫国土交通大臣に要請書「ワクチン接種の進展に伴う観光再起動に向けた緊急要望」を手渡した。

 出席者は山西会長に加え、髙橋広行JTB会長、植木義晴日本航空(JAL)会長、後藤高志西武ホールディングス社長、冨田哲郎東日本旅客鉄道(JR東日本)会長、井上慎一全日本空輸(ANA)代表取締役専務執行委員のほか、宿泊業界を代表して佐藤英之日本旅館協会専務理事と、日観振の久保田穣理事長、鈴木昭久副理事長の9氏。

 山西会長は、経済回復に向けた旅行需要喚起策として、ワクチン・検査パッケージを活用した早急なGo Toトラベルの再開と、県民割を近隣県も対象とするなどエリア拡大も求め、「観光事業者は努力しているが、国から後押しもしてほしい」と強く要望した。

 JTBの髙橋会長は「消費者はGo To再開を待ち、遠方や金額の高い旅行商品を買い控えている。早急に始めてほしい」と重ねて訴えた。ワクチン・検査パッケージの対象者には「都道府県境を超える移動の自粛から外す」ことを要望。「国民にとって分かりやすく、使い勝手の良い同制度の構築」も依頼した。

 要望書では「ワクチン接種率の高い国では、観光でも人流が回復している」として、ワクチン接種者や陰性者に10日間としている待機期間の撤廃も要請した。

 斉藤大臣は「観光業は21世紀を支える産業であり、連携を強めていきたい。Go Toについては、ワクチン・検査パッケージの実証実験の結果を見極めながら、段階的に再開したい」と応えた。

 待機期間の撤廃については、「日本がワクチン接種率の高い国から遅れていることは承知している。感染状況を鑑みながら検討したい」と述べた。

東武鉄道が栃木県内の旅行を応援! フリーパス購入で限定キャッシュバック

2021年10月18日(月) 配信

特急リバティ
    東武鉄道(根津嘉澄社長、東京都墨田区)は10月16日(土)から、栃木県在住者限定で、「まるごと東武フリーパス」などがお得に購入できる「栃木県内旅行キャッシュバックキャンペーン」を実施している。先着100人で、なくなり次第終了。
 
 新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ観光需要の回復をはかることを目的に、栃木県の事業「第2弾 県民一家族一旅行」を応援するための施策。
 
 「まるごと日光・鬼怒川 東武フリーパス」か「まるごと日光 東武フリーパス」、「まるごと鬼怒川 東武フリーパス」を栃木県内の東武線各駅で購入し、東武日光駅か鬼怒川温泉駅のツーリストセンターで栃木県在住の確認をしてもらうと、2000円がキャッシュバックされる。子供料金は1000円のキャッシュバック。
 
 また、栃木県内発着の特急を利用すると、500円が返ってくる。さらに、ツーリストセンターで発売する東武グループ関連の現地発ツアー商品は、1000円割引で購入できる。

「津田令子のにっぽん風土記(78)」南伊豆の名店・おか田の挑戦~ 静岡県・南伊豆町編 ~

2021年10月17日(日) 配信

創業1985年の郷土割烹料理店「おか田」
おか田 2代目店主 岡田 正司さん

 美しい海と山、温暖な気候に恵まれた南伊豆湊に創業1985年の郷土割烹料理店「おか田」はある。お父様の時代から金目鯛など新鮮な魚料理を出す店として多くの観光客を受け入れてきた。

 
 2代目店主の岡田正司さんは今年4月、「1人でも多くの方々に自慢の金目鯛の煮付けを食べていただきたい」との思いから、金目鯛の煮付けセットお取り寄せ便の販売を始めた。早速取り寄せ、同封されていた美味しい食べ方のメモを見ながら温め食べてみた。

 
 1・5㌢はある肉厚の身を一気にほぐし、口に入れるやいなや、以前おか田で食べたときの感動が瞬時に蘇ってきた。「何という美味しさだろう」と思わずうなってしまう。

 
 翌日、注文の電話を入れ大阪の友人宅に贈っていただいたのだが、「これほど魚の芯までしっかり味付けされた煮付けは食べたことがないわ。伊豆に旅したことを思い出している」と、すぐさまメールが入った。

 
 岡田さんは、「食べる際は冷凍庫から取り出して8~10分ぐらい湯煎して召し上がってくださいね。冷凍調理品なので到着後1カ月以内に」と電話で教えてくれた。その通りに温めただけなのに、ここまで感動できるのは作り手の想いが商品にきちんと伝わっているということだろう。社長自らの発案でコロナ禍を乗り切ってこられたのだ。

 
 土産品の商品開発をいち早く手掛け、時流の変化に果敢に対応される岡田さんのチャレンジ精神と前向きで明るいお人柄が、金目鯛に乗り移っているようだ。「みんな『美味しかったよ』と褒めてくれるだけで満足なんですよ」と話す。

 
 6月からは「日本一高いコロッケ」と銘打って、伊豆地方で獲れる世界最大のカニ、タカアシガニをふんだんに使ったコロッケのお取り寄せ便も始まった。「日本一高いというのがミソなんですよ。高級コロッケとネーミングしてもピンとこないので、1個500円という価格を逆手にとっちゃいました」。このコロッケにはタカアシガニのほぐし身が1個当たり30㌘も入っているのだ。庶民的なそれとはちょっと違うというのがお分かりいただけるのでは。

 
 「僕は料理にストーリーを作り出していくようにしています。定食のようにごはんとお味噌汁があるだけではなく、金目鯛や伊勢エビ、タカアシガニはストーリー立てをしやすい。必ずお客様との会話が盛り上がり、『また来ます』って帰ってくださいます」と満面の笑みで語る。

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

「提言!これからの日本観光」 観光“自粛”を振り返る

2021年10月16日(土) 配信

 国は日本が日中「事変」と命名された中国との戦争を開始した1937年ごろから、国民に“非常時”として、さまざまな制約を課した。最初は、外国製品の購入と不要不急とされた「観光」などいわゆる行楽旅行の“自粛”であった。

 しかし、国は「観光」が人間の本能に根差す行動で、一率抑制は無理と考えたか、例外として神社や仏閣などを訪れる「敬神崇祖の旅」とスキーや登山、ウォーキングなどは奨励した。40年に国が勧めた伊勢神宮(三重県伊勢市)や橿原神宮(奈良県橿原市)などを巡る「聖地巡拝の旅」は盛況だった。一部民鉄は線路改良や駅の新設も行ったほどである。

 政府は太平洋戦争が始まった後も開戦初期は、同様の旅行を勧めた。修学旅行は42年ごろまで、伊勢神宮をはじめ、東京と京都の社寺巡拝などを中心に実施された。私も42年に、伊勢神宮への旅行に参加した。

 44年に戦勢が悪化したことを受けて、旧鉄道省(現JR各社)は同年4月のダイヤ改正で貨物輸送を強化し、旅客列車を削減することで、本格的な行楽旅行の抑止に乗り出した。さらに、同月から、101㌔以上の長距離利用者には、警察署が発給する冠婚葬祭などへの参加を示す旅行証明書がない場合、私用旅行への乗車券の発売を停止した。

 私は当時、中学生で鉄道マニアだったのでよく駅を見に行ったが、「観光」客らしい人々もよく見掛けた。とくに、発売停止の発表直後から同年3月末までは旅行を計画する人が駅に殺到した。主要駅では乗車券を求める長蛇の列が続いた。長距離列車は超満員だった。抑制された人間の移動本能が我慢の限界に達したからであろう。

 乗客数は4月に落ち着いたが、大きく減少しなかった。警察当局が全国で警備体制の強化を急ぐことから、同証明書の発給が困難になったため、一部地域を除いて同証明書による規制ができなかったからであった。旧鉄道省は急きょ、主要駅の幹部らを旅行調整官に任命し、長距離旅行希望者から個別に旅行理由を聞き、詮議のうえ乗車券を販売した。

 しかし、認否判断が難しく成果を上げられなかったのか、枚数を制限して先着順に結果的には売り出したという。私は空襲警報下を除いた敗戦直前まで、在住する京都市内の観光地で、旅行(観光)客らしい人を見かけない日はなかった。

 住民による自警組織の警防団員や婦人団体などが動員されて「観光客」と思われる人に観光を止めて帰宅を呼び掛けるチラシ配布をしたり観光施設も閉鎖したが、効果は少なかった。

 「観光」は人間の本能に基づく行動で、長い間の抑制は戦争中でも困難だった。陶冶や人格形成につながる行動でもあるので、最低限の観光はコロナ禍でも万全の対策を講じたうえで、持続する必要がある。

 「観光」を長期化するコロナ下でも振興するため、ガイドラインの明示など前向きの対策の確立が今の急務と考える。

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏