旅行業のコンプライアンス徹底へ JATAとANTAが共同で取り組み実施

2022年1月27日(木) 配信

定例会見で説明を行うJATAの池畑事務局長

 日本旅行業協会(JATA)と全国旅行業協会(ANTA)は1月25日(火)、共同で旅行業のコンプライアンスを徹底するための取り組みを実施すると発表した。「旅行業界におけるコンプライアンスへの取り組みの手引き」を作成し、両団体のホームページに掲載。会員へ活用を促していく。

 旅行業では、昨年から雇用調整助成金やGo Toトラベル給付金の不正受給が疑われる事案が発生しており、昨年末には観光庁から注意喚起文が発出されたところ。こうしたことを受け、両団体は改めてコンプライアンスへの取り組み強化が必要だと判断し、今回の内容を観光庁に報告した。

 手引きは、コンプライアンスに関わる「行動規範及び宣誓書」を基本形に作成。おもに中小企業などを対象に、コンプライアンス体制が十分でない会員に対し、重要性の再認識や実効性のある体制構築のために使用を促す。そのまま使用できるほか、各社ごとにカスタマイズもできる。

 また、不正案件の早期発見・対応を目的に、内部通報制度を持たない会社も利用できる「国土交通省公益通報制度」を社員へ周知するよう会員へ要請する。

 一連の事案は経営者の認識不足から発生していると考え、「経営者向けコンプライアンス研修」の実施を年1回程度、継続的に実施することも決めた。今年は3月中旬に東京と名古屋、大阪の3都市で開催するほか、会員向けホームページに研修動画と資料を掲載し、オンライン受講も可能にする予定だ。

 職員向けには「コンプライアンス研修動画・試験」システムを提供する。研修実施時期は4~5月の予定で、独自の仕組みを持たない会員会社の社員を対象にする。

 1月27日(木)に開いたJATAの定例会見で、池畑孝治理事・事務局長は「国民の信頼回復に向けて何ができるか議論してきた」と背景を説明。事務局として感じたこととして、「コンプライアンスにしっかり取り組んでいるところもあれば、中小で整っていないところもあった」と率直に述べた。今回の取り組みを継続的に行うことで「襟を正していく」と語気を強めた。

  JATAが会員に対して実施したコンプライアンスに関する調査の内容は非公開としたが、観光庁には結果を提出。回収率は約85%で休業などを除くと、概ね営業している会員からは回答があったという。肌感覚として、取り組んでいる会員の割合は予想通りだったとし、「これを機に取り組みを強化してほしい」と語った。

ジャルパック、添乗員と早春の瀬戸内を巡る旅 日本の魅力を感じながら欧州へ想い馳せる

2022年1月27日(木) 配信

              しまなみ海道 来島海峡第三大橋

 ジャルパック(江利川宗光社長)はこのほど、第4弾となるツアーコンダクター同行のツアー「早春の瀬戸内を楽しむ 道後温泉からしまなみ海道、尾道へ4日間」 を売り出した。春の愛媛と広島を堪能する。出発日は3月22日(火)。
 
 同社の海外ツアーでも経験豊富なツアーコンダクター(添乗員)と、日本の四国・山陽の魅力を伝えたい西日本企画担当者がタッグを組んだ企画。未だ海外旅行が厳しいなか、「日本にある魅力を改めて感じながら、コロナ収束後のヨーロッパへの旅行へ思いを馳せる」をツアーコンセプトに据えた。
 
 ツアーは瀬戸内しまなみ海道にフォーカスを当て、日本最古の温泉の1つといわれる名湯、道後温泉からスタートする。絶景を楽しみながらしまなみ海道を渡り、かんきつ収穫体験やレモン料理など瀬戸内海の恵みを楽しむ。旅の締めくくりは古くから港町として栄えた鞆の浦と坂のまちとしても有名な尾道を訪れるコースを用意した。
 
 同ツアーの移動や観光に使用するバスは、1人2席利用する。出発前のPCR検査が無料で受けられるほか、ツアーコンダクターもPCR検査を受けたうえで同行する。代金は1人24万8000円から。

ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構 設立5周年フォーラム開く

2022年1月26日(水)配信

トレイルの魅力を語るなすび氏(右)

  ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構(小川正人理事長)は1月20日(木)、昨年10月に同機構設が創立5周年を迎えたことを記念し、オンラインフォーラムを行った。

 旅行新聞新社、岩手県・普代村との共催。地域ならではの資源を生かし、ウォーキングやガストロノミーを軸に観光活性に取り組む地域の実例を、各地の担当者が発信した。

 前半は、「地域を『ガストロノミー』×『世界』で深める」をテーマに、岩手県の三陸国際ガストロノミー会議などについて紹介。奈良県は6月13~15日に開催予定の「第7回ガストロノミーツーリズム世界フォーラム」の話題を軸に、直近の取り組みを報告した。

 奈良県の担当者は「開催を契機にガストロノミーツーリズムを県の観光の基幹テーマの1つに位置付け、推進することで、県内の観光産業における持続可能性を生み出すとともに、その普及、定着をはかり、ここにしかない魅力にあふれる観光地奈良の確立を目指す」と力を込めた。

 後半「地域を『ガストロノミー』×『大自然』で深める」では、岩手県普代村の宿泊施設を拠点に昨年11月29日からの5泊6日で4市村を周遊した「みちのく潮風トレイル・ガストロノミーモニターツアー」の内容などを報告した。

 これに加え、みちのく潮風トレイルの拠点施設で情報発信や体験コンテンツの開発などを行う名取トレイルセンター(宮城県名取市)や、南三陸・海のビジターセンター(宮城県・南三陸町)、種差海岸インフォメーションセンター(青森県八戸市)の関係者が、取り組みや今後のトレイルの活用などを説明したインタビュー動画も流した。

 フォーラムの最後にはタレントのなすび氏も登壇し、トレイルウォーキングの魅力や、地元福島への思いを語った。

クラツー、インフラの裏側探検 東京湾アクアラインツアー

2022年1月26日(水) 配信

東京湾アクアライン・海ほたる(イメージ)

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都新宿区)はこのほど、インフラツーリズムの人気を受け、日帰りバスツアー「一度は見てみたいインフラの裏側!東京湾アクアライン裏側探検と貸切船で行く!羽田沖クルーズ特別航路」を売り出した。

 同ツアーでは、神奈川県川崎市から東京湾を横断して千葉県木更津に至る「東京湾アクアライン」の裏側探検を実施。海ほたるパーキングエリアで「土木のアポロ計画」と言われた世界最大規模の海洋土木工事である東京湾アクアラインの建設当時の貴重な映像を視聴する。その後、専属ガイドと共に緊急時以外の立ち入りを禁止している緊急避難通路など、東京アクアラインの裏側を見学できる。

東京湾アクアライン・緊急避難通路を探検(イメージ)

 海底トンネルが備える危機管理対策や、一般には知られていない建設の工夫などの解説を聴けるほか、あわせて「東京湾羽田沖クルーズ」を特別航路で楽しめる。レインボーブリッジや東京ゲートブリッジなど、品川から羽田空港方面の東京湾の夜景を観覧でき、羽田沖で停泊し目前に迫る飛行機の離発着を間近で堪能できる。両スポットともに企画担当者が交渉を重ねた結果、ツアー客だけの貸切ツアーとして実現した。

 出発地は東京23区発と千葉県発の2種類。出発月は3~5月。旅行代金は1万6900円~1万7900円。

TVアニメ「平家物語」とコラボレーションした展示 2月27日まで岡田美術館で

2022年1月26日(水) 配信

アニメーション「平家物語」メインビジュアル

 岡田美術館(神奈川県・箱根町)で2月27日(日)まで、TVアニメ「平家物語」とコラボレーションした展示が行われている。

橋合戦を描いたシーン TVアニメ「平家物語」より Ⓒ「平家物語」製作委員会
橋合戦を描いたシーン 「平家物語図屏風」(部分) 江戸時代前期 17世紀 岡田美術館蔵

 現在開催中の特別展「The SAMURAI― サムライと美の世界 ―」のメイン作品のひとつである「平家物語図屏風」とアニメの世界をリンク。綿密な時代考証を重ねて制作されたアニメの美術資料(設定画など)や、アニメと屏風で共通する場面の紹介、登場人物を関連付けた展示などを展開する。

 同館収蔵の「平家物語図屏風」は、源平の栄枯盛衰を豪華絢爛に表現した屏風。平清盛を筆頭に平家一門が館に集い、清盛の娘・徳子に皇子(後の安徳天皇)が誕生する場面など、平家の華々しい隆盛が描かれている一方、富士川の戦いにおける平家の敗走、木曽義仲の活躍、源頼朝が征夷大将軍に任命される場面など、源氏の台頭も描かれている。

 特別展「The SAMURAI ―サムライと美の世界 ―」では、源頼朝や義経など語り継がれた源氏のヒーローたち、 威儀を正して参列する諸大名、勇壮な馬追の祭礼や凄惨な合戦のようすなど 「武士を描いた絵」を中心に、武士をテーマとする絵画に工芸品を併せて約30件を展示する。「平家物語図屏風」のほかにも、源義経、静御前、武蔵坊弁慶を描いた葛飾北斎による「堀河夜討図」などの名品を見ることができる。

ミキ・ツーリスト、新社長に福井氏 Go To不正で経営陣刷新

2022年1月26日(水) 配信

福井茂新代表取締役社長

 ミキ・ツーリストは1月4日(火)付で、Go Toトラベルキャンペーンの不当な取引事実を受けて、経営陣を刷新した。新たな社長にエイチ・アイ・エス(HIS)関西事業部長の福井茂氏が就いた。

 取締役執行役員には、同社の堀浩之氏と櫻井隆文氏が就任した。  

 なお、同日付で前社長の檀原徹典氏と前副社長の氏家淳氏、前取締役の今野淳子氏は解任された。

 福井 茂氏(ふくい・しげる)1993年HIS入社。2009年イタリアローマ支店統括支店長、12年ヨーロッパ旅行事業グループリーダー、19年関西事業部長などを歴任。

京都府とJALが協定結ぶ 持続性の高い地域づくりと新しい時代の観光振興を

2022年1月26日(木) 配信

地域活性化包括連携協定を締結へ

 京都府(西脇隆俊知事)と日本航空(JAL、赤坂祐二社長)は1月24日(火)、コロナ禍で新しい生活様式や多様な価値観が広がるなか、「持続性の高い地域づくり」や「新しい時代の観光振興」を推進するため、「地域活性化包括連携協定」を結んだ。

 連携事項のなかで、観光や地域振興に関しては「JALふるさとプロジェクト」の「地域プロモーション」で、2022年2月に京都を特集する。機内誌「SKYWARD」や国際線・国内線の機内ビデオによる情報発信、国内線ファーストクラス機内食で京都府産食材などを使用した夕食の提供などを行う。
 
 また、食とスポーツの振興として、京都の食文化の魅力掘り起しやスポーツ分野での地域活性化の取り組み、京都府が推進する地域振興に関わる各プロジェクトへ協力する。

  関係人口の拡大に関しては、新たな旅・移動スタイルの提案で拡大を目指す。府域での2地域居住・ワーケーションや歴史的資源を活用した寺泊などの推進や、短期農業研修など地域との連携プログラムを実施する。
 
 このほか、 伝統文化・産業や人づくり・人財交流、その他の地域活性化に関しても協力していく。


 

西鉄など、高速バス福岡~宮崎線でダイナミックプライシング導入 収益最大化や利用分散促す

2022年1月26日(水) 配信

導入日は3月1日。片道運賃は3500~6000円となる

 西日本鉄道(林田浩一社長、福岡県福岡市)とJR九州バス(植弘靖彦、同)、九州産交バス(岩﨑司晃社長、熊本県熊本市)、宮崎交通(髙橋光治社長、宮崎県宮崎市)は3月1日(火)、共同で運行する高速バス「福岡~宮崎線(フェニックス号)」でダイナミックプライシング制度を導入する。収益の最大化をはかり、繁忙期の利用平準化で増便せずに需要に対応するほか、コロナ禍での利用分散も促す。

 片道運賃は3500~6000円となる。また、新たに4500円のシニア割も新設する。予約開始日は2月1日(火)。なお、ダイナミックプライシング制度の導入で往復・2枚回数券や席割、39運賃は廃止される。

JTBグループ、環境負荷の削減で サステナビリティを加速

2022年1月26日(水) 配信

JTBは持続可能な交流創造事業へ挑戦する

 JTBグループは3月12日(土)に迎える創業110周年を機に、サステナビリティへの取り組みを加速させ、「心豊かで持続可能な社会の実現」を目指す。サステナブルな経営を推進するにあたり、各部署を横断し連携した取り組みを行う「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティ戦略を策定。優先的に取り組む3つの重要課題を特定した。

 重要課題は、「心豊かなくらし」「人々をとりまく環境」「パートナーシップ」の3つ。ツーリズム業界における環境負荷などのマイナスのインパクトを重要な課題と認識し、JTBならではの3R活動(Responsible Business・Responsible Tourism ・Responsible Value Chains)を実施していく。すべての活動は、「サステナビリティ委員会」で進捗管理を行い、透明性のある情報開示を行うとした。

 具体的には、環境負荷削減の貢献として、地域と一体となった「JTB地球いきいきプロジェクト」の継続をはじめ、「CO2ゼロ旅行プログラム」や「CO2ゼロMICE」などのソリューションを拡大していく。

 さらに、ツーリズム業界全体における環境負荷の削減として、スコープ3におけるCO2排出状況の把握を2021年度中に行い、22年度中にJTBグループ全体での削減目標を設定する。また、グローバル基準に基づいた持続可能な社会への取り組みを進める。

 なお、重要課題ごとの取り組みを分かりやすく理解してもらうため、このほどJTBコーポレートサイトのサステナビリティページを刷新した。

UNWTOの観光訴求映像コンテストで高評価 フィリピン観光省の制作動画

2022年1月26日(水) 配信

「Have A Safe Trip, Pinas to」のワンシーン
 国連世界観光機関(UNWTO)が主催する「ツーリズム・ビデオ・コンペティション」でこのほど、フィリピン観光省が制作した「Have A Safe Trip, Pinas to」が、「Exceptional Stories of Sustainable Tourism(持続可能な観光の訴求で特に優れたストーリー)」を受賞した。2021年の「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」には、フィリピン・セブ島南西部の町、アロギンサンが選ばれた。
 
 ツーリズム・ビデオ・コンペティションは、世界各地域の観光を訴求する優れた映像作品を選出するもので、「Tourism and the Decade of Action(観光と行動の10年)」、「Exceptional Stories of Sustainable Tourism」の2つのカテゴリで審査された。

 「Have A Safe Trip, Pinas to」は、2020年11月に発表されたもので、ボラカイ島を訪れた男女が出会い、フィリピンの美しい海や観光などのさまざまなアクティビティを楽しみ、結婚するまでのストーリーを描いている。パンデミックの中でも適切な感染対策を講じ、安全で楽しい旅行が可能であると同時に、男女を心温かくサポートする地域の人々を描くことで、ツーリズムは地域を活性化し、観光客だけではなく地域の人々も幸せにすることができる可能性を示したという。