東武トップツアーズ、新会長に久保成人氏

2022年4月4日(月)配信

久保成人新会長

 東武トップツアーズは3月31日に定時株主総会および取締役会を開き、4月1日付で久保成人氏が代表取締役会長執行役員に就任する人事を決定した。取締役会長の本保芳明氏は3月31日開催の定時株主総会終結の時をもって退任した。

 久保 成人(くぼ・しげと)氏 1977年4月運輸省(現国土交通省)入省。2010年8月国土交通省鉄道局長、12年9月大臣官房長、13年8月観光庁長官、16年6月日本観光振興協会理事長、19年6月共立メンテナンス社外取締役(現任)、20年6月東京空港交通専務取締役などを歴任。68歳。

KKday Japan、伊豆のDMOと連携 国内外誘客で地域発展に

2022年4月4日(月)配信

美しい伊豆創造センターの豊岡代表理事(左)とKKday Japanの陳CEO

 KKday Japan(陳明明CEO、東京都新宿区)は3月29日(火)、DMOの美しい伊豆創造センター(静岡県伊豆市)と結んだ連携協定に関して、東京・大手町の会場で説明会を開いた。調印は今年2月22日(火)に締結。オプショナルツアー予約サイトを運営するKKday Japanは今回の協定を契機に、日本国内とインバウンドの双方で伊豆地域の発展への貢献を加速させる。

 伊豆半島では、既にKKday Japanと契約済みの観光施設、アクティビティプランが52施設ある。この施設に美しい伊豆創造センターは、183のジオサイトと2265の源泉温泉、交通アクセスプラン、グルメやスイーツを組み合わせ、オリジナル商品やプラン造成企画を進めていく。

 説明会は、東京と静岡・三島の会場をオンラインでつないで開いた。伊豆半島について、KKday Japanの陳CEOは「これまでも多くの事業者と連携を取らせてもらい、送客数も劇的に伸びていることからポテンシャルを強く感じている。世界に誇るジオサイトをはじめとした観光資源や立地、一番重要な交通の便利さもあり、外国人観光客にとっても大きな魅力があると確信している」と力を込めた。

 今回の連携協定を機に両者の連携を一層深め、日本国内での情報発信を強化。「世界に向けた伊豆半島の魅力発信を加速し、国境が開いた際は多くの外国人観光客を伊豆半島に送客できるよう、KKdayグループをあげて全力を尽くしていく」(陳CEO)と話した。

 美しい伊豆創造センター代表理事の豊岡武士三島市長は「台湾、香港、韓国のみならず、日本国内各地から伊豆半島への来訪者拡大に向け、最高で最強のパートナーを迎えられた。KKday Japanと力を合わせ、知恵を絞り、魅力あふれる伊豆半島への来訪者拡大による地域経済活性化と、KKday Japanの発展・社業拡大に向け、さまざまな取り組みの展開をはかっていく」と述べた。

クラツー「事業再編計画」認定 登録免許税が軽減に(観光庁)

2022年4月4日(月) 配信

観光庁はこのほど、クラブツーリズムの「事業再編計画」を認定した

 観光庁は3月31日(木)、クラブツーリズム(酒井博社長、東京都新宿区)の産業競争力強化法に基づく「事業再編計画」を認定した。今回の認定で同社は、事業再編に係る登録免許税の軽減措置を受けることができる。

 産業競争力強化法は、産業競争力の強化に関する施策として産業活動における新陳代謝の促進のため、事業再編の円滑化をはかる。

 事業再編を行う取り組みを事業再編計画として認定し、認定を受けた取り組みに対して、税制優遇や金融支援などの支援を行う。

 同社は、KNTーCTホールディングスからの増資を利用し、既存のテーマ旅行を時代の流れに沿って拡大する。さらに、Web媒体を利用した広告・サービス提供を強化する。新たにコミュニティサービス事業「新・クラブ1000事業」を開始し、オンライン上のプラットフォームを構築してさまざまなサービスを提供していく考え。

城・寺・古民家泊補助金 合わせて13事業を採択(観光庁)

2022年4月4日(月) 配信

観光庁はこのほど、城泊・寺泊・古民家泊の補助金事業において、13事業を採択した

 観光庁は4月1日(金)、「訪日外国人旅行者周遊促進事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり事業)」の公募において、城泊から3事業、寺泊から2事業、古民家泊から8事業の計13事業を採択した。

 同事業は、訪日旅行者の長期滞在や、旅行消費額の増加などを目指し、城・社寺・古民家などにおける「高付加価値な滞在環境を軸とした観光まちづくり」の成功事例を創出することを目的に、事業を募集した。

 補助率は経費の2分の1。上限1000万円まで。受入環境整備のために必要な事業に関する経費や、体験型・滞在型コンテンツの充実と魅力向上のために必要な事業に関する経費が対象となる。

 事業名、団体名、地域は次の通り。

【城泊】

▽津山城城泊及び歴史観光まちづくり推進計画(仮称)策定のための調査等委託事業
(津山市観光協会、岡山県津山市)

▽丸亀城延寿閣城泊事業(丸亀市観光協会、香川県丸亀市)

▽平戸城CASTLE STAY食コンテンツ整備事業
(狼煙、長崎県平戸市)

【寺泊】

仁和寺と地方を繋ぐ文化体験型周遊寺泊プランの造成事業
(仁和寺、京都府京都市)

▽大泰寺寺泊と地域周遊コース整備・広報事業
(大泰寺、和歌山県・那智勝浦町)

【古民家泊】

▽分散型まちまるごとホテル「小川まちやど」 プロジェクト
(あかりえ、埼玉県・小川町)

▽新コンセプト「EDO HOTEL」による佐原の体験価値向上事業
(NIPPONIA SAWARA、千葉県香取市)

▽奈良井宿古民家群活用プロジェクト
(奈良井まちやど、長野県塩尻市)

▽徳川家康生誕の地・岡崎市庄屋古民家デジタルアートナイトステイ
(岡崎市ナイトタイムエコノミー推進協議会、愛知県岡崎市)

▽京町屋の日本の歴史文化を取り入れたサービスを多言語SNS情報発信により訪日外国人客の周遊促進まちづくり
(COCOROlife、京都府京都市)

▽天空の城“竹田城”城下町での宿泊滞在体験価値向上
(松本一級建築士事務所、兵庫県朝来市)

▽訪日外国人旅行客に選ばれる「うきは」の認知向上と地域資源を活かした滞在/体験コンテンツ創出事業
(tsumugi、福岡県うきは市)

▽出水麓初の武家屋敷ホテルにおけるアジア圏高所得者層をターゲットとしたインバウンド受け入れ整備事業
(NOTE出水、鹿児島県出水市)

HIS、ヘッドスパ専門店開業 完全個室で肌の老化防止へ

2022年4月4日(月) 配信

サービスのロゴ。料金は5000円(税込)から

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は4月1日(金)、「変なホテル東京 赤坂」内に新規ビジネスとして、ドライヘッドスパ専門店「ドライヘッドスパMICHI」をオープンした。

 ベトナムのリゾート地ダナンの高級スパ「MICHI SPA」の考えを引き継いだという同サービスは、完全個室のプライベートサロンで、頭皮のコリをほぐし、顔のリフトアップなど肌の老化防止につなげる。

 料金は5000円~7000円(税込)。このうち、MICHIオリジナルヘッドスパ60分は血行を整え筋肉の緊張をほぐすマッサージを行う。45分コースは、パソコンやスマートフォンで酷使した目を癒すため、頭や肩、背中を施術する。

 また、変なホテル東京 赤坂は、“MICHIオリジナルヘッドスパ60分”を組み込み、最終日は通常より1時間遅い午後0時まで滞在できるプランを売り出している。宿泊客は同店の全コースを40%引きで利用することができる。

ベネッセ 直島に新アート施設 安藤建築ギャラリーなど

2022年4月4日(月) 配信

ヴァレーギャラリー展示作品「ナルシスの庭」

 ベネッセホールディングス(小林仁社長、岡山県岡山市)は3月12日、直島(香川県・直島町)に2つの新しいアート施設をオープンした。

 1つが世界的建築家・安藤忠雄氏が設計した「ヴァレーギャラリー」。同じく同氏が設計した「ベネッセハウス」と「地中美術館」の間に位置し、祠をイメージした半屋外建築と周囲の屋外エリアで構成する。このギャラリーオープンで直島における安藤建築は9つとなった。ギャラリーの建物内外で、芸術家・草間彌生氏の代表的なインスタレーションである「ナルシスの庭」を展開。約1700個のミラーボールが各所に配される。

 もう1つは、2006年に開館したベネッセハウスパークの現代美術家・杉本博司氏の作品空間を拡大・整備した「杉本博司ギャラリー時の回廊」。多彩に活躍する同氏の作品群が鑑賞できる。

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(135)一杯のコーヒーを美味しくの想い 「心」を育てる教育

2022年4月4日(月) 配信 

 

 数年前ですが、新幹線から乗り換え予定の在来線が遅れ、時間調整のため新幹線改札内の喫茶店で過ごし、支払いをして店を出るときのことです。レジ係が自動ドアのボタンを素早く押して開け、「行ってらっしゃいませ」と送り出してくれたのです。

 そのときの言葉と、ウキウキする気持ち良さを忘れられず、翌月から新幹線を1本早くして、その喫茶店に月1回は立ち寄るようになりました。しばらく通ううちに、「今日もありがとうございます。コーヒーでよろしいですか」と、スタッフが声を掛けてくれるようになりました。

 ただ、コロナの影響でその後店は休業となり、私自身もしばらく出張がなく、その店に立ち寄ることもなくなりました。数カ月後、久しぶりにその店に立ち寄る機会がありました。休業中にリニューアルした店は、残念なことにスタッフも全員替わってしまい、また馴染み客になることからのスタートとなりました。

 それから何度か店を訪ねましたが、その度にスタッフが替わり、以前のような固定スタッフでの営業ではなく、多くのスタッフから日々どの店に出るかを決めているようでした。

 ベンチマーク自体を止めようと思いながら行ったとき、「もう少し行ってみたい」と思わせるスタッフの行動に出逢えたのです。入口の消毒機械に手をかざして入店すると、「ご協力ありがとうございます」と元気な声で迎えられました。

 「今日は何か違う」、と期待感を膨らませて着席しオーダーしたとき電話が入ったので、いったん店を出て対応しました。

 席に戻ると、テーブルに置かれたコーヒーの上に、ナフキンが載せられていたのです。
「感染対策」か「冷めない様に」かと考えていると、スタッフが私に気付きやって来て「少し時間が経ってしまったので、新しい温かいコーヒーに変えましょうか」と声を掛けてきたのです。

 淹れたてのコーヒーを持って来ても、お客様が席を外していたら、そのまま置かずに引き返し、お客様が戻って来てから改めて持ってくる店もあります。時間が経っていたら「すぐに淹れ直しますので、少しお待ちください」と声を掛けてくれます。

 店のやり方はそれぞれですが、オーダーされた商品が出来上がったら、そこにお客様が居ようと居まいと関係なくテーブルに運ぶ、という店も多いなかで、こうしたコーヒー一杯にも「美味しく飲んでもらいたい」と考えるスタッフに出逢えると、本当に心がウキウキとして来ます。

 サービススタッフの心を育てることで、こうした「考動」のできる人を創って行くことが教育であり、企業の力です。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

「街のデッサン(252)」 そうだ、パリを着物で街歩き、日常の“生きる”を認証する試み

2022年4月2日(土) 配信

早く、着物でパリを遊歩したい

 このコロナ禍の終焉が期待されるが、思うに在宅時間がずいぶん増えた。私などは日課にしている散歩以外、外出することが極めて少なくなった。同じような境遇にある友人・知人たちは、やることはなくなったと暇を弄ばせているが、幸いなことにそれでもやることは結構ある。このところビジネスする必要性が少なくなったのが有難いが、生きている意味を認証し支える作業は大切だ。ものを書き、講義のシナリオ作りなど思考を覚醒させる一部の時間は和服を着て過ごすことにしてみた。自分へのエンカレッジかも知れない。結果、着物を着るのが実に楽しい行為であることに得心したのだ。

 私は一人息子として育った。母親は娘がいないことを生涯残念に思っていた。その最大の理由は、彼女が大の着物好きで娘の着物を選ぶ楽しみを享受できなかったからである。そこで、近所のお嬢さんが成人式やお嫁に行く段になると、我が家に呉服屋や反物屋を呼び、そのお嬢さんの母親と一緒になって着物選びを手伝っていた。このセレモニーには近所の女性群まで集まり、にぎやかな寄り合いになった。結局、その余波は私にまで回り、母親は私に大島紬や、山繭の極めて貴重だといわれる着物を仕立ててくれた。お義理に数回それらの着物の袖に手を通したが、実家が静岡の私は東京の大学で学ぶために上京し、和服生活には縁がなくなった。

 しかし、このパンデミックの事態で突然私は着物を思い出し、ゆっくり暮らしを楽しむホームウェアとしての和服着用を発想したのだ。その背景には、例えば小津安二郎の家庭を描く一連の映画の残像があって、主役の笠智衆が帰宅すると早速着物に着替えて寛ぐというシーンが戦後の平和なイメージとしてあったからかもしれない。

 長い間仕舞われていた山繭の紬を引っ張り出してみると、その柔らかな深い藍色に感動し、苦労して着付けると体にしっくりくる着心地に日本人だと腑に落ちた。着物は人間を解放してくれると、普段着用をネットで探すとデニム生地でアンサンブルがそろうようになっている。さらに、羽織に緑と紺のチェックの柄を見つけて手に入れた。人気の鬼滅の刃の竈門炭治郎のスタイルだ。これでまた、在宅ライフの行き場のない人生を彩ってくれると、自閉も孤立も炭治郎のように切って捨てることになる。着こなし始めると、勿体ないと近場のレストランや文化施設に外出し始めた。今では外国へもと、最近手に入れた結城紬でパリを街歩きし、衆目を集めたいなどと野望を抱いているのだ。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

 

「観光革命」地球規模の構造的変化(245) 幸福度と観光

2022年4月2日(土) 配信

 日本ではあまり知られていないが、3月20日(日)は国際連合が定めた「国際幸福の日」である。国連は2012年の総会で満場一致で「国際幸福の日」を定めた。目的は幸福やウェルビーイングを啓発・促進することだ。

 併せて、同年から国連の「持続可能な開発ソリューションネットワーク」が毎年「世界幸福度ランキング」を公表している。それは世界の約150カ国を対象に行う調査に基づいている。具体的には、①1人当たり国内総生産②社会保障制度などの社会的支援③健康寿命④人生の自由度⑤他者への寛容度⑥国への信頼度――について、対象国・地域の数千人を対象に行う面接調査に基づいている。

 22年の世界幸福度ランキングのベスト10は、①フィンランド②デンマーク③アイスランド④スイス⑤オランダ⑥ルクセンブルグ⑦スウェーデン⑧ノルウェー⑨イスラエル⑩ニュージーランド――。日本は54位で、先進諸国の中で最下位。

 フィンランドは5年連続で第1位を占めている。1人当たり国内総生産は世界13位、消費税は24%で世界6位であるが、税金が社会保障として還元され、政治の透明性や富の再分配が実現されていると共に、子育て支援が充実し、個々人が自由に進路を選べる環境が整っている。

 日本は経済的に豊かで社会保障も充実しているうえに、健康寿命も高く、治安が良くて暮らし易いはずであるが、残念ながら主観的な幸福度は低い。理由は「人生の自由度」と「他者への寛容さ」にある。日本では学業や就業において選択の幅が限られており、ジェンダーギャップ(男女格差)でも先進諸国で最下位。

 人の幸福度に最も影響を与えるのは「温かな人間関係」であり、自分と意見が違う人や立場が異なる人に対して、どれだけ理解を示すことができるかという「他者への寛容さ」が重要になる。

 フィンランドではライフスタイルそのものが魅力的な観光資源になり、世界中から観光客を惹きつけている。フィンランドではライフスタイルに根ざしたサウナや、さまざまなデザイン分野に力点を置いた観光振興が行われている。日本でも「観光の量的拡大」ではなく、各地域における暮らしに力点を置いた「観光の質的向上」を重視する観光振興を行うべきであろう。

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

「めぐる」「たべる」「つかる」3つの視点で地域の宝探し 前橋と四万十でON・ガスイベント

2022年4月1日(金) 配信

古墳ガイドツアー

□群馬県前橋市

 群馬県前橋市で2月27日(日)、ONSEN・ガストロノミーイベントが行われた。前橋市の「スローシティエリア」である赤城山南麓の「温泉」と「食」、「自然」、「文化・歴史」などの地域資源を、ウォーキングを通じ体験してもらい、その魅力を存分に堪能してもらうことで、新たな着地型観光コンテンツの1つとして確立・発展させることが狙いだ。

 2回目となる今回は、イチゴ狩りや、群馬県産の豚肉と地元の野菜・味噌を使用した「まえばしtonton汁(豚汁)」など前回好評だったメニューに加え、オーベルジュ音羽倶楽部のシェフが同イベントのために特別に考案した、フレンチ料理と地元食材のコラボレーションデリボックスを提供することで、特別感を演出。

まえばしtonton汁(豚汁)

 また、前橋の2大酒蔵の日本酒を共に味わえるようにすることで、水のきれいな前橋ならではの酒蔵のPRも行った。

 コース途中に古墳ガイドツアーを設け、文化や歴史に触れる時間も用意し、食以外でも楽しめるようにした今回のイベント。

 主催者は、「地元の食材などを知ってもらい、地域のファンを増やすいい機会なので、開催日前後にイベントに絡めた地域の食・生産者のPRなどを強化し、より多くの県内外の方々に参加いただけるようにしていきたい。市内の事業者に対しても、イベントに参画することで県内外へのアピール・集客につながることをメリットとして伝え、多くの事業者に参画いただけるよう展開していく。そのなかで、事業者同士のつながりを構築することによる盛り上がりも期待したい」と今後の展開を語った。

□高知県四万十市

1000万本の菜の花が咲き誇る

 高知県四万十市で3月5日(土)、ONSEN・ガストロノミーイベントが開かれた。土地や気候、風土が生んだ食文化・伝統・歴史など地域の魅力をコンパクトに楽しめる約10㌔のコース。ガストロノミーポイントを運営する地域の人々との触れ合いを通して、四万十市のファンになっていただき再来訪してもらうことを目指した。

 2月下旬から3月上旬にかけて、入田ヤナギ林で約1千万本の菜の花が咲き誇る四万十市。コース設定では、参加者のイベントに対する期待感が最高潮に高まるタイミングで、朝陽がこぼれる満開の菜の花畑からスタートすることに拘った。

 提供する食は、カツオのたたきを同地域ならではの「中村塩たたき」にするなど昔ながらの郷土料理や地元の食文化が体感できるメニューを意識。見晴らしのいい高台で寛ぎながら、田舎寿司と温かいツガニ汁でほっとできる場所を演出するなど、提供する場所も重要視した。

四万十の魅力を満喫した参加者

 参加者によるアンケートで満足度98・5%と高い評価を受けた今回のイベント。コース上で提供した食事や、四万十市郷土博物館や一條神社などの観光名所への訪問も好評だった。

 主催者は「ONSEN・ガストロノミーウォーキングは、『たべる』、『めぐる』、『つかる』の3本柱ですが、コンパクトに地域の魅力が伝わる素晴らしいイベントであることを体感できました。同時に、コロナ禍で、さまざまなイベントが中止になったり、旅行が憚られたりしますが、これからは、感染対策を万全に講じたうえで、『できる方法』にカタチを変えながら観光イベントを復活させていきたいと感じました」とイベントを振り返った。