次期部長に桑田氏、立候補1人、全会一致で承認(全旅連青年部)

桑田雅之次期青年部長
桑田雅之次期青年部長

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の青年部(山口敦史部長)は9月11日、東京都千代田区の都道府県会館で2014年度全旅連青年部臨時総会を開き、次期(第22代)青年部長に長野県上田市の菅平高原温泉ホテル代表取締役の桑田雅之氏の選任を全会一致で承認した。

 山口部長は冒頭、「10月8日に京都で開く全国大会は、2年間の集大成の場として、全国の青年部員と共有したい。全国から一人でも多くの部員に参加してほしい」と呼び掛けた。

 今回の部長選挙は、7月1日に告示、同月23―30日までの受付期間に立候補があったのは桑田氏のみだった。前回、前々回は2人の立候補があったため都道府県部長の投票による選挙となったが、今回は選挙管理委員会が立候補者を適性と認め、当選人と確定した。

 臨時総会で桑田氏は、ラグビーでよく使われる「『One for All All for One』(一人はみんなのために、みんなは一人のために)の精神で組織を運営し、業界を取り巻くさまざまな課題に全青年部がスクラムを組んで立ち向かっていきたい」と語った。
【次号詳細】

 桑田 雅之氏(くわた・まさゆき)は1972年6月1日生まれ。95年に青山学院大学英米文学科卒業後、ワールドテキスタイル入社。01年に桑田館(屋号:菅平高原温泉ホテル)入社、現在に至る。02年にeRYOKANサービスを設立。

 青年部歴は、03―04年度は全旅連青年部広報委員会委員、05―06年度は北関東ブロック事務局、07―08年度は長野県旅館ホテル組合会青年部副部長、09―10年度は全旅連青年部観光まちづくり探究委員会副委員長、11―12年度は全旅連青年部観光平成維新委員会委員長、13―14年度は全旅連青年部流通事業担当副部長などを歴任。

強調はナンセンス?

 このほど発足した第2次安倍改造内閣は、女性閣僚の割合が28%となった。「2020年までに指導的地位に就く女性の割合を30%に」という目標を自ら実行したかたちだ。このまま日本社会でも女性の進出が進むだろうか。

 私自身は、一緒に暮らしていた大正生まれの祖母が薬剤師として80過ぎまで働く姿や、母の定年まで大学病院勤めを続ける姿を見ていたので、「女性も社会進出を」という気負いなく育った。一方、周りは結婚して家庭に入る友人が意外に多い。我われの世代は団塊ジュニアの少し下だが、昭和回帰思考が強いのだろうか。それとも、私とは逆で、やはり自分たちが見てきた「専業主婦の母親」が自然なのだろうか。しかし、今は主夫の人もいる。その子供はどう育つのか……。

 多様化が進む時代。「女性」「男性」と強調する方がナンセンスなのかもしれない。

【飯塚 小牧】

日本発信で業務連携、JNTO×クールジャパン機構

太田伸之社長(左)と松山良一理事長
太田伸之社長(左)と松山良一理事長

 日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)と海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構、太田伸之社長)は9月5日、ビジットジャパン(VJ)事業とクールジャパン事業をオールジャパンで推進する体制を構築するため、業務連携することを発表した。

 今回の業務連携は、観光庁と経済産業省の両省庁の全面的な支援で実現。クールジャパン機構の投資案件のなかで、JNTOがVJ事業の一環として、日本の魅力発信、訪日需要喚起などのPRで連携する。さらに、狭義の意味での観光産業以外にも、メディア・コンテンツ、食・サービス、ファッション・ライフスタイルなど幅広い産業や、日本の地域産業へも波及させ、「日本ブランド形成」を目指す。

 松山理事長は「クールジャパン機構の投資案件に、14カ所の海外事務所のネットワークなどを使って協力し、日本の魅力発信、地域の経済成長を強化したい」と語った。太田社長は「当社は投資会社なので、プロモーションの部分に予算を割くことはできない。日本の魅力発信やPRでJNTOと協力して相乗効果を狙いたい」と語った。

 クールジャパン機構は13年11月に発足。700件ほどの投資相談案件のなかから現在500件ほどを検討中。4月には(1)中国の寧波市での阪急百貨店の大型ショッピングモール出店(2)東南アジアでのジャパンフードタウン事業(3)東南アジアでスカパーと共同で日本コンテンツの発信――の3件を基本合意している。今後も14年末までに2ケタ規模の案件数の発表を予定しているという。

隠れた恋愛スポット?

 学問の神「孔子」を祀った「多久聖廟」で知られる佐賀県多久市。「孔子の里」とも呼ばれるこの町では、ここ最近、愛情や恋愛をキーワードにしたグッズが登場し、にわかに注目を集めている。

 聖廟そばの物産館「朋来庵」では、論語の一文などをハート型にデザインしたTシャツや缶バッジなどが人気だ。また、この9月には「孔子らすく」も登場。高級ホテル食パンを使用したラスクで、パッケージをよく見ると名称の「ら」の横に小さく「ぶ」と書かれている。つまりは「ラブ」なラスクというわけだ。

 ちなみに、多久市のご当地キャラ「多久翁さん」のお尻にはハートマークが描かれており、それに触れると恋愛運がアップするのだとか。

 学問と恋愛の両方を求める方はご一考あれ。

【塩野 俊誉】

「14年下期は計画通り」、メディア関係者と懇親会(KNT―CTホールディングス)

(左から)小山社長、吉川会長、戸川社長、岡本社長、小川社長
(左から)小山社長、吉川会長、戸川社長、岡本社長、小川社長

 KNT―CTホールディングス(戸川和良社長)は9月8日、同グループ役員とメディア関係者向けの懇親会を開き、グループ各社トップが、現在の方針や今後の方向性を語った。戸川社長は2014年度下期について「利益ベースでは計画通りに推移している。今年の業績見通しは目標達成ができそうだが、各社の業績に濃淡がある」と述べた。

 団体旅行事業については、教育旅行・MICE・スポーツ部門を柱に堅調に推移しており、「20年の東京オリンピックの追い風も期待できる」としたが、個人旅行事業は、「大きな課題を抱えている」として、商品改革・店舗改革・人材教育に注力することを強調し、「強い体質になるためには避けて通れぬ道」と語った。クラブツーリズムは売上1600億円を達成した昨年に引き続き好調で、「宇宙旅行の会社を設立するなど先を見据えた経営を始めている」と期待を高めた。

 各社統合のシナジー効果は、それぞれの商品の相互販売・チャーターの共同販売などで、シナジーとしての売上高は今年度上期だけで14億円と好調に推移している。

 吉川勝久会長は、業界全体への提案として「国内旅行と訪日旅行の一体化」と「女性の活躍」の2点をテーマに挙げた。一体化については「安倍首相が掲げる地方創生に旅行業界が連動して何ができるかについて訪日旅行とともに考え、JATAで近々ワーキングを立ち上げる」と述べた。「女性の活躍」については、「『自分にご褒美』の旅行に行く女性が多く、女性が職場で活躍すると旅行の需要が拡大する」と予測し、女性管理職の拡大を訴えた。

 <近畿日本ツーリスト>
 団体旅行について小川亘社長は、「教育旅行のシェアが43%、MICE事業が47%を占めており、スポーツ事業も昨年10月―今年7月まで前年超え」と好調に伸びていることを報告。現在、BtoBに特化した事業を進めており、研修やインセンティブなど「レジャーではない利用客」で、同社の売上の10%を占める。将来的には20%に伸ばし、安定した経営を目指すとした。教育旅行は、少子化のなかで修学旅行外での顧客獲得を狙い、インターハイや春高バレーなどの大型イベントに注目している。

 新規事業としては、女性が活躍する社会作り貢献として、「産前産後ケア推進協会」とタイアップし、「産後ケア&レスパイト事業」を進めている。産後3―8カ月の母親と赤ちゃんを対象に、助産師による心身ケアや子育ての悩み相談、子育てのアドバイスなどを行う。現在、大手企業を中心に好調という。

 <KNT個人旅行>
 岡本邦夫社長は、10月1日から子会社の近畿日本ツーリスト個人旅行との統合について「店舗販売と作成側が物理的に離れているうえに、会社も分かれていると、作成側の意図がお客様に伝わらない」と答えた。製販一体で組織を強化し、余裕ができた部分をインターネット・インバウンド分野に充てていく。今後は「ウェブファースト」で事業を進め、現在15%のメイト・ホリデイのウェブ販売比率を22%まで増やす。

 店舗販売も転換期を迎えているとし、「インターネットに流れたお客様を取り戻すために店舗を専門店化し、納得していただける応対をする」と決意を述べた。店舗の転換については、有楽町とあべのハルカスの専門店には遠方からの来客など好調で、岡本社長は「お店づくりを変えればお客様も変わる」と期待を寄せた。

 <クラブツーリズム>
 小山佳延社長は、訪日外国人向けのツアーに日本人向けツアーを取り入れる混乗ツアーを紹介した。全国に発着ゲートを多く持っておりコースも多様で、「今ある資源を活用してインバウンドを増やしていくバスツアーだ」と強調した。旅行の志向がこれまでの顧客層と違う「自分の趣味を持つ」団塊世代にシフトしてくるので、それに合わせて間口を広げて多様なテーマのツアーを展開することをアピールした。

「おもてなし」とは?、瀬戸川氏と女将が探る

(左から)瀬戸川さん、小林さん、深澤さん
(左から)瀬戸川さん、小林さん、深澤さん

 第16回グルメ&ダイニングスタイルショーが9月3―5日まで、東京ビッグサイトで開かれた。初日の3日には「旅館の食とおもてなし」をテーマに、本紙で「女将のこえ」を連載するジャーナリストの瀬戸川礼子さんと、長野県上林温泉「塵表閣本店」女将の小林美知子さん、神奈川県湯河原温泉の「料亭小宿ふかざわ」女将の深澤里奈子さんの3人によるトークショーが行われた。

 おもてなしについて、小林さんは「口に出して表すものではないし、定義があるものでもない。自分の真心を精一杯務め上げることがおもてなしだと思っている」と語った。また、「おもてなしをするにはこのようなあいさつが必要とか、おじぎの角度などを強要したり、されたりするのは好きではない。日本の良さはさりげなさ。お客様が自然にくみ取ってくれて、それでいて自然にしてくれているのがおもてなしだと思っている」と話した。

 深澤さんは「若いスタッフには『おもてなしは、表も裏もないくらい自然体で人と感じ合うこと』と伝えている。旅館でお客様と接しているときだけでなく、いつでも、誰と接しているときでも、そのままの自分らしさが誠実な状態で出てきたり、表現されることがおもてなしだと思う」と述べた。さらに、「おもてなしは一方通行ではなく、相互通行だと思っている。『宿での滞在を楽しみたい』と思うお客様の気持ちと、日々自らを高めていこうとするスタッフが共鳴し合える関係になったらいいなと思っている」と語った。

 瀬戸川さんは「おもてなしの語源の一つに『持って成す』とあるが、私は真心を持って、より良い人間関係を成すと解釈している」と述べ、「たとえ気づかれなくても、それでもなお『してあげたい』と思う、見返りを求めない心がおもてなしの心。日本はチップがなくても何かをしてあげたいと思う高い精神性を持っている」と話した。

久住高原 レゾネイト、滞在型健康プログラム開発

原田和信レゾネイト社長
原田和信レゾネイト社長

女性・シニア向け商品化、ダイエット・メタボなど改善

 熊本県と大分県にまたがる阿蘇くじゅう国立公園内にある久住高原で、「レゾネイトクラブくじゅう」や「久住高原コテージ」などの宿泊施設とオートビレッジ、乗馬牧場、別荘などを展開するレゾネイト(原田和信社長、大分県竹田市久住町)は、広大な草原と医学的効果の高い炭酸水素塩泉を活用した「心と身体の健康改善滞在型ヘルスツーリズムプログラム」を開発し、具体的な商品化に向け動き出した。

 プログラムは経済産業省の地域資源活用促進法の認定を7月に取得。今後、事業資金900万円のうち3分の2の補助を受け、自社ホームページでのダイレクト販売や企業・団体の健保組合、女性社員などへの新規需要開拓をはかり、5年後に売上高6千万円を目指す。

広大な草原が広がる久住高原
広大な草原が広がる久住高原

 久住高原は阿蘇五岳と久住連山に囲まれた標高700―800メートルにある広大な草原地帯で、湧き出す温泉も、ミネラルや炭酸ガスを多量に含んだ炭酸水素塩泉というすぐれた泉質を持っている。

 ただ問題は「久住高原の持つ地域資源の価値に比べ、評価が低いこと」(原田社長)で、その評価をいかに上げるかが大きな課題だった。

 そこで取り組んだのが乗馬牧場を生かした「乗馬とホテルライフ」の楽しみ。黒沢明監督の「乱」など、映画やドラマで登場する馬の調教で知られる宮本寛氏を招き、初心者から上級者まで、本格的な乗馬が楽しめるようにした。

本格的な乗馬も
本格的な乗馬も

 原田社長は「国内や海外で乗馬を楽しんできた愛好者も、久住の雄大なロケーションとコースに感動する。これで乗馬は売り上げが4割アップした」と胸を張る。

 同社ではこの強みを生かし、温泉や食などを組み合わせたヘルスツーリズムプログラムに着手。今年3月に大分県の助成を受けて、健康モニターツアーを実施した。男女10人が参加し、乗馬やトレッキングなどの運動を行い、温泉保温、美肌入浴を体験。食事は糖質コントロールされた健康ダイエット食が提供された。

 ツアー実施後、参加者全員の「血圧」「血糖値」が適正値となり、体重、体脂肪率、血糖値、血圧、ストレス度も大幅に改善された。

 同社では「プランがダイエットやメタボに効果が発揮されることが実証された」(同)と自信を深め、内容を整備して磨き上げ「滞在型ヘルスツーリズムプログラム」として完成させた。

 プログラムは(1)地元の温泉療法医指導監修による「温泉入浴」(2)日本ダイエット協会監修の「ダイエットメニューと健康低糖スイーツ」の開発(3)健康乗馬ダイエットとアクティビティの開発(4)ホース・森林セラピー――の4つの要素で構成。さまざまなメニューを組み合わせて2泊3日、3泊4日、1週間の3コースを用意する。料金は2泊コースで5万7千円。来年の試験販売を目指す。

 JTBヘルスツーリズム研究所の調査によると、ヘルスツーリズム市場は国内旅行全体の潜在市場規模の4分の1の4兆1300億円といわれる。他の調査では女性のダイエット人口は2435万人、メタボ症候群と予備群は2400万人以上と推計されている。

 原田社長は「メタケイ酸を多く含む温泉は美容効果も高い。温泉をさらに1本掘るとともに、販路開拓では会員企業や健保組合などに働き掛け、海外の富裕層の誘致もはかりたい」と意欲を燃やす。久住・長湯地区の旅館と連携し、地域全体への拡大も模索する。

大小27のセミナー、業界日プログラム決定 (ツーリズムEXPOジャパン)

 日本観光振興協会と日本旅行業協会(JATA)が9月25―28日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開くツーリズムEXPOジャパンの業界日・26日のプログラムが決定した。JATAの旅博から継承する国際観光フォーラムのほか、各専門分野で役立つ大小さまざまなセミナーを27設置する。

 国際観光フォーラムは、午前10時30分から国連世界観光機関(UNWTO)事務局長のタレブ・リファイ氏が基調講演「旅の力で地域を元気にする」を行う。11時からは基調シンポジウム「オリンピック・パラリンピックを利用した観光振興~2020年以降の日本の姿とは」。モデレーターは首都大学東京教授・観光庁参与の本保芳明氏が務め、パネリストにはリファイ氏と英国政府観光庁会長のクリストファー・ロドリゲス氏、オーストラリア政府観光局本局局長のジョン・オサリバン氏、日本政府観光局(JNTO)理事長の松山良一氏を迎える。

 午後は、各分野に分かれてシンポジウムを行う。午後2時からの「アジア旅行市場分析」の今回のテーマは「成長するアセアン市場」。送り手として急成長し、注目を集めるマレーシアとタイの最新情報と日本の旅行会社のアジア戦略を討議する。並行して行う国内旅行シンポジウムは、「着地型観光による国内旅行需要創造」がテーマ。日本観光振興協会常務理事の丁野朗氏の基調講演のほか、JTB旅行事業本部観光戦略部長の加藤誠氏がモデレーターを務めるパネルディスカッションを行う。

 4時15分からは海外と訪日シンポジウムを開く。海外旅行シンポジウムのテーマは「2000万人を目指すための地方需要活性化の取組み~海外渡航自由化50周年~」。北海道知事の高橋はるみ氏らを招き、地方空港マーケットの可能性や、自治体の戦略をもとに地方需要の掘り起こしと活性化について探る。訪日旅行シンポジウムは、訪日外国人旅行者2千万人を目指すためのオールジャパンの取り組みについて議論する。モデレーターはJNTO統括役の小堀守氏。

 ステージで行う大セミナーは、午前11時30分から「地域自らが来訪者を集める、新しい観光まちづくり~集客の核として機能する日本版DMOとは~」。観光を中心とした地域づくりは、観光マネジメントやマーケティング機能をどのように強化しているかが課題になるなか、日本での可能性を探る。登壇者はDMO推進機構代表理事・NPOグローバルキャンパス理事長の大社充氏ら。

 午後は1時30分から日本添乗サービス協会(TCSA)主催のステージ「ツアーコンダクター・オブ・ザ・イヤー2014表彰式」と学生対象の職業フェアを行う。

 小セミナーの一例は「『障害者差別解消法』とは~旅行会社のバリアフリー対応を考えよう~」。JATAバリアフリー旅行部会長の田中穂積氏が、2016年に施行される「障害者差別解消法」を前に、旅行会社として何ができるか語る。

 このほか、環境省国立公園課課長補佐の長田啓氏による「環境省の挑戦~国立公園、潮風トレイル、佐渡島トキの最新情報を知り、自然環境を活用した旅行商品を作ろう~」など、特色あるセミナーを多数展開する。

「体制整備が必要」、JNTOに業務移管で

観光庁の訪日促進事業

 観光庁の訪日プロモーション事業は、15年度から原則として日本政府観光局(JNTO)が主体となって事業を進めていくことが昨年12月に閣議決定されたが、観光庁の久保成人長官は9月17日に開いた定例会見で、来年度から大部分のビジットジャパン事業とMICE事業の実施主体がJNTOに移管されるうえで、「契約管理や、監査体制などを強化するための整備がJNTO本部に必要であり、海外事務所も契約事務対応や、適切な執行を担保する体制整備が必要」との考えを示した。

 また、「契約マニュアルの整備に加え、マニュアルを身につけるための研修の充実なども観光庁と、JNTOでも検討している」とし、「より効果的に訪日プロモーションが実施できるように、今年4月に外部の専門家も参画して観光庁に設置したマーケティング戦略本部の徹底した活用が不可欠」と述べた。さらに、「(JNTOが)現在進めている多方面の連携強化を今後より具体的に推進していくことも、訪日プロモーション事業の新体制に向けた強化方針になっていくと思う」と語った。

今年3万人見込む、日本人との混乗型が人気

CTの訪日外客向けツアー

 現在、クラブツーリズム(CT)では訪日外国人旅行客向けツアー「YOKOSO Japan Tour(ようこそジャパンツアー)」の利用が増加している。日本人のバスツアーに外国人旅行客も参加する混乗ツアーを今年から本格的に実施しており、昨年1万5千人だった参加者数を今年は3万人を見込む。

 バス旅行で年間250万人を取り扱う同社が全国で展開しているバスツアーに訪日外国人旅行客を取り込むことが狙い。小山佳延社長は「2020年には15万人までに増やしていきたい」と意気込みを語った。

 「YOKOSO Japan Tour(ようこそジャパンツアー)」は、国内で一般に募集しているツアーから訪日外国人向けの商品を選び、年間で500コース以上をインバウンド専用のサイトで案内している。また、メルマガやSNSを使い、100万人以上に情報発信をしている。

 同ツアーの混乗型プランでは、日本人と一緒にツアーを楽しんでもらい、交流を深めることができるので日本人にも人気が高い。海外からの利用者層は、香港・台湾が多く、年齢は30代、男女比は4対6で、家族連れが多い。リピーターも多く、複数のツアーを申し込む利用客もいるという。富士山のほか、フルーツ狩りツアーが人気。リピーターを中心に関西方面も伸びている。

 8月15日には訪日外国人向けに「ようこそジャパンツアー インフォメーションセンター」を西新宿でオープンしており、観光情報の提供・発信をしている。