小山市のバス定期券をモバイル化、東武トップツアーズ

2021年8月31日(火) 配信

14路線乗り放題の「noroca」をLINEで表示

 東武トップツアーズ(百木田康二社長、東京都墨田区)と栃木県小山市(浅野正富市長)は10月1日(金)から、小山市コミュニティバス「おーバス」の全線共通定期券(noroca)の電子化を開始する。LINEを使ってスマートフォン画面に「モバイル定期券」を表示するもので、日本で初めての運用という。

 モバイル定期券はLINEでキャッシュレス決済ができ、乗車時はスマホ画面提示で利用できるため、スマホですべてが完結する。スマホを紛失した際には、再発行にも対応する。

 モバイル定期券の販売は9月24日(金)から。今後は準備が整い次第、「モバイル回数券」の販売も行う予定だ。

四国DC記念号「土讃線アンパンマン列車」で行く高知 日旅×JR四国

2021年8月31日(火) 配信

「四国DCオープニング記念号 土讃線アンパンマン列車で行く高知」

 日本旅行はこのほど、四国旅客鉄道(JR四国)と共同で「四国DCオープニング記念号 土讃線アンパンマン列車で行く高知」ツアーを売り出した。10~12月開催の四国デスティネーションキャンペーンを記念するもので、10月2日出発の1泊2日で行う。

 1日目は、京阪神各地から山陽新幹線で岡山へ移動。岡山駅からアンパンマン列車に乗車する。車内では、「げんき100ばい!アンパンマン弁当」(子供用)の配布や、アンパンマングッズが当たるイベントなどを実施。途中の停車駅では地元の人がおもてなしを行い、終着駅の高知駅では当日開催予定の「アンパンマンの日」お祝いイベントに参加する。

 2日目はフリーコースのほか、「香美市立やなせたかし記念館アンパンマンミュージアム」「のいち動物公園」を巡る家族向けプラン「ワクワク高知コース」と、高知県を代表する観光地「桂浜」やかつおのわら焼き体験ができる大人向けプラン「リョーマの休日コース」の2つのオプショナルツアーを用意する。

 料金は大人1人2万9800円から。

ららぽーと福岡来春開業 九州初のキッザニアなど

2021年8月31日(火) 配信

ららぽーと福岡のイメージ

 三井不動産と九州電力、西日本鉄道の3社は7月13日、福岡市博多区青果市場跡地に来年春開業する商業施設の名称を「三井ショッピングパーク ららぽーと福岡」に決めたと発表した。

 「ららぽーと」は、ファッションや食、エンターテインメント施設などを集めた、三井不動産が展開するリージョナル型商業施設で、九州は初進出となる。

 目玉の1つが3―15歳までの子供たちを対象にした職業・社会体験施設「キッザニア福岡」の開業で、東京と甲子園に続き九州初進出となる。 

 現実社会の約3分の2サイズの街並みに、実在する企業が出展するパビリオンが建ち並び、約100種類の仕事やサービスの中から、子供たちが楽しみながら、社会の仕組みを体験して学べる。開業は2022年夏を予定する。

 もう1つは、日本最大級の木育・多世代交流施設「福岡おもちゃ美術館」の九州初進出。

 同館はアナログのおもちゃを約8千点展示する体験型ミュージアムで、グッド・トイ受賞作や木育おもちゃ、大人が楽しめるボードゲーム、福岡の伝統玩具などで実際に遊ぶことができる。

 福岡県産の木がふんだんに使われた館内には、全国のおもちゃ作家の作品が並ぶミュージアムショップや、日本を代表する家具産地である大川エリアの職人とコラボレーションしたギャラリーも併設される。

いちごの里が季節限定の冷凍タルトと冷凍ケーキを新発売

2021年8月30日(月) 配信

スカイベリーショートケーキ(冷凍ケーキ)

 観光農園「いちごの里」を運営する、いちごの里ファーム(小黒弘征社長、栃木県小山市)はこのほど、オンラインショップで季節限定の冷凍タルトと冷凍ケーキを売り出した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で果物狩りのキャンセルが相次ぐなか、新鮮な果物を使った新作スイーツを開発した。

 同園で最も人気のあるいちごを使った「スカイベリーショートケーキ」は、いちごを瞬間冷凍することで、できるだけフレッシュな状態を保っているという。冷凍ケーキのため、数時間冷蔵庫で解凍すると食べられる。料金は2200円(税込、送料別途)。

 また、「桃タルト」と「ブルーベリータルト」は、同園で人気のいちごタルト「いちごの里タルト」の桃とブルーベリーバージョン。いちご以外のタルトも食べたいという顧客の声に応えた。こちらも冷凍のため、解凍が必要。料金は各3000円(税込、送料別途)。

 なお、オンラインショップは8月5日(木)にリニューアルしており、会員登録でお得なポイント配布や今後はイベントなども企画するという。 

9月4日から奥能登国際芸術祭2020+が開幕(石川県珠洲市)

2021年8月30日(月) 配信

塩田千春『時を運ぶ船』©JASPAR,Tokyo,2021 and Chiharu Shiota

 石川県珠洲市全域を会場とした「奥能登国際芸術祭2020+」が9月4日(土)~10月24日(日)まで開かれる。当初は20年秋に開催が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で延期されていた。芸術祭には16の国と地域から、53組のアーティストが参加する。

 このなかで、「スズ・シアター・ミュージアム」では、住民が蔵に保管していた家具や調度、備品などを集め、学術的に保存・研究すると同時にアーティストも参加し、博物館と劇場が一体化したものに仕上げた。

 また、2005年に廃線となった、のと鉄道能登線の線路跡や現存する駅舎の一部に作品が展示されているほか、日本海に面した外浦と富山湾に面した内浦の海沿いにアートが点在し、作品を道しるべに岬めぐりも楽しめる。

 さらに、市内では9~10月にかけて連日のように秋祭りが開催されるという。昼間はアート作品を楽しみ、夜は奥能登固有の祭り文化を味わうことができる。ただ、コロナの影響で開催は各集落の判断となる。

 作品鑑賞パスポートは、一般の当日券が3000円、前売券が2500円、大学生は当日券が1200円、前売券が300円、小中高校生は当日券が500円、前売券が300円。

9月22日限定! スペインを楽しむオンラインツアー、ジャルパック

2021年8月30日(月) 配信

「マルケス・デ・リスカル」

 ジャルパック(江利川宗光社長)はこのほど、スペインのワインやグルメを味わうオンラインツアー「~堪能!スペイン~本格派リオハ赤ワインと美食の街サン・セバスチャンを楽しむ」を売り出した。ツアーは9月22日(水)の開催限定。

 6月に好評だったスペインオンラインツアーの第2弾。今回は、スペインワインの代表と言われるリオハ地方の老舗マルケス・デ・リスカルの赤ワインフルボトル1本と、世界に誇る生ハム“ハモン・イベリコ”が付く。バスク地方にある美食の街、サン・セバスチャンからの生中継もあり、スペインの今を感じられる内容という。

 なお、ワインなどと共にピンチョスのレシピも同封。「ご用意いただければ、サン・セバスチャンのバル巡りの雰囲気倍増となります」(同社)とアピールする。 

 開催は9月22日(水)の午後8時から。Zoomでの開催で、先着70人(70接続)まで。料金は1接続当たり1万4800円(税込)。申し込みは同社ホームページから。

日旅と旅工房が新会社「ミタイトラベル」設立へ Z世代の旅行を喚起

2021年8月30日(月) 配信

旅工房・高山社長(左)と日本旅行・小谷野社長(右)

 日本旅行(小谷野悦光社長、東京都中央区)と旅工房(高山泰仁社長兼会長、東京都豊島区)はこのほど、Z世代以降の若者の旅行需要の喚起と販売シェアの拡大を目的とした合弁会社「株式会社ミタイトラベル」を2021年9月に設立する予定だと発表した。

 旅工房の強みである若者層への海外旅行のインターネット販売のノウハウと、日本旅行のJRセットプランなどの国内旅行販売や全国各地のネットワークを融合させ、相乗効果を創出。コロナ後の多様な旅行形態の顕在化と、持続可能な成長をはかっていく。

 ミタイトラベルの代表者は舩渡川崇氏で、所在地は旅工房と同。資本金は9000万円、持株比率は旅工房が65%、日本旅行が35%。

山代温泉 安心安全な温泉地へ 21年度通常総会開く

2021年8月24日(火) 配信

2年ぶりの開催となった総会のようす

 石川県加賀市の山代温泉観光協会(萬谷正幸会長)は7月27日、ゆのくに天祥で2021年度通常総会を開いた。

 萬谷会長は「新型コロナウイルス感染拡大が1年半以上続き、観光業界は今まで経験したことのない大逆風にさらされている。山代温泉でも、休業やイベント中止などで、この1年は対前年比で半分以下にまで落ち込んだ」と話した。

 一方で「中心商店街の活性化に向けた街並み整備や、廃業旅館の解体整備、萬松園の整備計画などは着々と進めており、旧松籟荘跡地は、来年春にまったく新しい姿に生まれ変わる」とし、「3年後には、北陸新幹線敦賀延伸も控える。悲観ばかりしていても何も生まれない。皆の力を合わせ、アフターコロナに向けて反転攻勢をかけていきたい」と意気込んだ。

 議事ではすべての議案が承認可決された。山代温泉が近年、取り組む「あいうえおの郷」構想の一環で、5月10日が「五十音図・あいうえおの日」として、日本記念日協会により新たな記念日として認められたことが、改めて報告された。

 また、事業計画では、24年春開業予定の北陸新幹線敦賀延伸に向け、地域一体となって「安心安全な温泉観光地」の実現を目指すとともに、おもてなしサービスの向上に努め、ゆっくりと過ごしてもらえる観光地づくりに全力で取り組むことが確認された。

 総会後には、加賀市の宮元陸市長による記念講和が行われた。宮元市長は今年3月に、「城下町大聖寺」が石川県では金沢に次いで2例目となる歴史都市に認定されたことや、6月にタレント・実業家として知られるパンツェッタ・ジローラモ氏を加賀市PRアンバサダーに任命したことなど、加賀市の観光の取り組みを紹介。

 そのうえで、「市内の新型コロナウイルスのワクチンは8月末に、希望者全員の接種が終わる予定。今後も、より安心・安全な観光地を目指す」と抱負を述べた。

「提言!これからの日本観光」 感染防止“モデルツアー”を

2021年8月29日(日) 配信

 新型コロナウイルスの拡大から1年半が経過した。感染拡大防止のため主要都市を中心に「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点地域」が指定されるなど、さまざまな規制措置が断続的に実施されてきた。

 不要不急の移動などが自粛の対象となり、観光客は国内外客共に激減し、観光産業の経営は深刻な危機に直面している。しかも、新型コロナウイルスは変異株に入れ替わりつつあり、終息の見通しがつかない。

 専門家は「当分、再拡大を防ぐため、強力な防止策を続けざるを得ない」という。

 コロナ禍対策は長期戦に入り、今後日常化さえ、懸念される状況である。

 これに伴う交通需要の減少は大変痛手で、とくに観光客の利用減は目を覆うものがある。7月上旬の各新幹線の乗客数は依然として、対前々年比の半減以下で推移している。しかし皮肉なことに現在、新幹線がコロナ禍で1番安全な交通機関とさえ言われている。

 これは、乗客減のためグループの間隔を空けて指定席券を発売などしているからである。

 具体的には、一部のJRでは座席が3列の新幹線で窓側席から発券し、次に通路側席を売り出すことで、隣席を空けている。なお、自由席は最も混雑している際でも、窓側席が埋まる程度である。

 「観光」が自粛を求められることは、人の移動による多人数の接触がウイルスを媒介するためで、人流抑制のためには、やむを得ないことと言えよう。

 しかし、「観光」は日常生活の場を離れて他地域の「光」を観て心の安らぎを得るもので、人間の移動本能に根差す行動である。従って、抑制期間が長期化かつ過度に進むと、移動本能のはけ口を求め、夜間に酒会をともにする人が増え、感染者数が増加する心配がある。

 そこでコロナ禍の下でも安全な「観光」の手法を関係者の協力で開発し、提案する必要があると考える。例えば、列車で座席の「密」を防ぐため、現在発売駅の工夫で実行しているような座席指定方式を業界全体で採用することである。

 さらに、宿は個室または、1室の定員にゆとりを持たせるような受け入れや、食事は部屋食にするなどが感染防止に効果的と考える。観光地の案内も集団行動ではなく、ガイドは一定時間、案内したうえで、あとは自由行動とすることも有効ではないか。

 このような感染防止に徹した「観光ツアー」を旅行会社などが商品化して、販売することで、移動本能を充足し、ストレスを解消すると共に、重要な文化経済行動である「観光」の灯りを消さない努力が求められる。

 そして、感染防止を日常の生活行動にし、「観光」との両立をはかる必要がある。自粛から1歩進んだ能動的な感染防止策を日常化する努力があってこそ、コロナ下での健全な日常生活が取り戻せると思う。

 人間の「本能」を充足する前向きな「行動型」の感染防止対策の実現を期待したい。

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

「津田令子のにっぽん風土記(76)」ふるさと・神田淡路町への思い溢れる~ 東京都・神田淡路町編 ~

2021年8月28日(土) 配信

神田淡路町のランドマーク「ワテラスタワー」
NPO法人ふるさとオンリーワンのまち 会員 関口 裕美さん

 NPO法人ふるさとオンリーワンのまちで「日本各地に、そこにしかない“ふるさとのオンリーワン”」を発掘・発信し、ふるさとの再発見を担う関口裕美さん。学生時代も含め東京以外で暮らしたことはなく「神田淡路町はふるさとそのもの」とおっしゃる。

 
 神田淡路町は、食通で知られる作家・池波正太郎がこよなく愛した街でもある。今でも江戸の風情を残し池波が贔屓にしていた店が立ち並ぶ一角があるが、ここ数年神田淡路町2丁目一帯は再開発が進み大都市化が進んだ。関口さんは一軒家を立ち退き高層マンション住まいへと生活スタイルが一変したという。 通っていた小学校、中学校も廃校となり、「寂しい限り」と話す。「湯島聖堂の裏山や現在ソラシティーになっている場所にあった軍艦山などでよく遊びました。冬は、幽霊坂で雪滑りごっこもしました」と目を細める。  

 
 「今はなき、母校淡路小学校横の淡路公園で小学校が終わると毎日遊んでいました。まだ土の香りやそよぐ風を肌で感じられる日々でした」と当時の思い出を語る。

 
 とはいえ、昔から住んでいる人や店が残っており、「92歳を迎えた母の知り合いも多く、安心感があります。どこに行くのも交通の便も良いですしね」と地元愛にあふれる。

 
 38年間、広告会社で働き、6年前にリタイア。今は母親の介護の傍ら、趣味のヨガに興じたり、アロマエッセンスを生活の中で楽しみ、山々や仏像めぐりなど旅の映像を愉しんでいるという。「仕事はハードでしたが、今につながる友人がたくさんできたこと、会社の山岳部に入り山の楽しさを覚えたことが、大きな宝物です」と語る。会社の行事で毎夏、富士登山が開催され、のちに山岳部に入り運営スタッフを務めたという。「そういえば新入社員時も皆で富士山に登りましたね」。

 
 ハードで楽しい夏のイベントを通じさらに山好きになった関口さん。「両親が山好きで、子供のころからハイキングによく連れて行ってもらったので山が身近でした」と振り返る。

 
 旅に出る理由を「山の旅は自然に浸って身体にいい空気を入れたいという想いから。定期的に自分の体力チェックもできますからね」と話す。さらに京都好きでもある関口さんは山の仲間と「仏像の会」を結成し京都のみならず色々なところに出掛け、ご開帳や花の季節に合わせ四季を感じ愉しんでいる。「これからも身体のメンテナンスを兼ね、テーマ性を持った旅を楽しみたい」と語る。

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。