ビッグホリデー、お座敷列車「華」利用ツアー催行 越後の紅葉や鉄道旅も

2022年9月7日(水) 配信

485系お座敷列車「華」

 ビッグホリデー(岩崎安利社長、東京都文京区)は10月29日(土)、上野駅(東京都台東区)~越後湯沢駅(新潟県・湯沢町)間で団体臨時列車485系お座敷列車「華」を利用するツアー「485系お座敷列車『華』で行く! 5つの列車で巡る、越後の鉄道旅2日間」と「485系お座敷列車『華』に乗って秋色に染まる越後へ、紅葉の旅2日間」を催行する。

 「華」は1997年に登場。「心やわらぎ、楽しめる空間の提供」をコンセプトに、丸みを帯びた車体と角のない柔らかさを強調したデザインが特徴。全車両がグリーン車として扱われ、畳敷きに座椅子を備えた掘り炬燵式のお座敷仕様となっている。

華の車内

 ツアーのうち、「485系お座敷列車「華」で行く! 5つの列車で巡る、越後の鉄道旅2日間」は、通常非公開の鉄道関連施設くびき野レールパークを見学するほか、越後湯沢駅~直江津駅(新潟県上越市)まで超快速スノーラビットを貸切で乗車する。

 料金は、夕食と朝食付きホテルグリーンプラザ上越に宿泊するプランが大人1人当たり3万4500~4万3000円。子供は2万5500~3万300円。朝食のみが付くチェンダインターナショナルホテルに泊まる商品は大人2万9800~3万6500円。子供は2万2800~2万6200円。いずも税込となる。

 「485系お座敷列車『華』に乗って秋色に染まる越後へ、紅葉の旅2日間』は越後路のベストシーズンを迎える紅葉を堪能!」は、苗場ドラゴンドラと田代ロープウェーを乗り継ぎ、約80分間紅葉を眺める。また、奥只見湖遊覧船にも乗船。紅や朱色、黄色などさまざまな紅葉を楽しめるという。

 料金は大人1人当たり3万7800~4万4500円。子供が3万800~3万1800円。宿泊場所は苗場プリンスホテル(新潟県・湯沢町)となる。

クラツー、寛永寺の通常非公開エリア特別拝観ツアーを発売

2022年9月6日(火)配信

寛永寺の通常非公開エリア

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都新宿区)は9月1日(木)、東京都台東区(服部征夫区長)との連携協定のもと、通常非公開の寛永寺御霊廟特別拝観ツアーの販売を始めた。寛永寺では、通常非公開エリアの「有徳院殿(八代吉宗公)御宝塔」「常憲院殿(五代綱吉公)勅額門」「葵の間」を特別に拝観し、同ツアーでしか得られない体験価値を提供する。

 同企画は、昨年11月にクラブツーリズムと台東区が締結した「観光分野における連携協定」の協力内容の1つ「地域資源を活かした観光振興」についての取り組み。今回のツアーは、徳川将軍家の菩提寺である寛永寺の特別拝観と、コロナ禍により鑑賞機会が減っている落語を楽しめる。文化財や伝統芸能の保存・活用を推し進める台東区との連携のもと、実現することになった。なお、今回のツアーは台東区の〝旅行商品化を通じた文化資源の保護〟の一環として実施される。

 「通常非公開 寛永寺徳川将軍御霊廟特別参拝」ツアーは、現地集合日帰りで出発日が11月17日(木)・29日(火)、12月8日(木)。旅行代金は1万2500円。

 「迎賓館赤坂離宮と徳川ゆかりの寛永寺特別公開 噺家と巡る上野パワースポットウォーキングとお江戸・浅草」ツアーは、関西発2泊3日で出発日は2023年1月23日(木)・25日(火)。旅行代金は11万円。

スポーツ文化ツーリズムアワード2022 公募は10月20日(木)まで

2022年9月5日(月) 配信 

観光庁はこのほど「スポーツ文化ツーリズムアワード2022」の公募を行う

 観光庁は10月20日(木)まで、スポーツ庁・文化庁と共同で「スポーツ文化ツーリズムアワード2022」を募集する。「スポーツ文化ツーリズム」を推進させる先進的な取り組みや、スポーツ文化ツーリズムの実現を目指す取り組みを発掘し、観光の活性化をはかる目的。

 同賞は、「スポーツ文化ツーリズム賞」、「スポーツツーリズム賞」、「文化ツーリズム賞」で構成する。「新しい観光」として、コロナ禍ならではの工夫やアイデアが盛り込まれた取り組みや、スポーツ庁と文化庁がそれぞれ推進する分野に対し、優秀な取り組みを「特別賞」として表彰する。

 応募要件として、①「スポーツ」と「文化資源」のいずれか、または両方と「観光」が結びついている②国内外の旅行者の増加、長期滞在を促す仕組みや、地域への経済効果波及につながる工夫③地域の活力の着実な増加につながる④過去19年以降に開催されている──など、すべての要件を満たすイベント・取り組みが対象となる。

 前回のアワードでは、「SHIROFES.2019~踊れ、遊べ、弘前で! 弘前城ダンス&パフォーマンスフェスティバル~」(ひろさき芸術舞踊実行委員会、青森県弘前市)など、応募数42件の中から10団体が入賞した。

NAA、早朝便利用増加へ 10月まで国内線でCP実施

2022年9月5日(月) 配信

CPのロゴ

 早朝便の利用者を増やそうと、成田国際空港(NAA、田村明比古社長)は10月27日(木)まで、成田空港を月曜日から木曜日の午前6時~7時59分に出発する国内線利用者に向けたプレゼントキャンペーン「朝ナリタ2022」を実施している。

 対象便の搭乗客は、ナリタニスト公式アプリのダウンロードすることで、空港内店舗で使える200円分のクーポン券をもらうことができる。また、5000円分の航空券やポイントのほか、バス運賃が最大無料になる「朝くじ」にも参加可能となる。

 NAAは「早朝便は混雑を避けられる可能性が高まります」とアピールする。

クラツー、「中川家&とろサーモンと行く 近鉄鉄道旅」発売

2022年9月5日(月)配信

2組のよしもと芸人と近鉄貸切列車で日帰り旅を楽しめる

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都新宿区)はこのほど、よしもとセールスプロモーション(稲垣豊社長、同)とコラボレーションをし、近鉄貸切列車を利用した「中川家&とろサーモンと行く 近鉄鉄道旅」を売り出した。大阪・名古屋発の日帰りで、出発日は10月29日(土)。旅行代金は2万5000円。

 日本一の漫才師を決める大会「M-1グランプリ」優勝の実績を持つ、「中川家」「とろサーモン」の2組のよしもと芸人が近鉄貸切列車に同乗。元近鉄名物広報の福原稔浩さんとともに、鉄道にまつわるトークで車内を盛り上げる。

 さらに、奈良県橿原文化会館を会場にしたトークショーのほか、クラブツーリズム専用列車「かぎろひ」と、近鉄団体専用列車「あおぞらⅡ」の普段なかなか見られない連結運転を実現する。

 ツアーの詳細は、クラブツーリズムの「よしもとスマイルクラブ50」特設サイトから。

第38回備前焼まつり、3年ぶり対面開催 約4000点を2割引で販売

2022年9月5日(月) 配信

(左から)難波歩由未さん、上田彩乃さん、髙見柚月さん

 第38回備前焼まつりが10月15日(土)~16日(日)、岡山県備前市の伊部駅を中心に開催される。備前焼約4000点を展示。値札から2割り引きで販売する。コロナ禍で2020~21年はオンラインで実施したが、今年は3年ぶりに対面で行う。

 期間中には、備前市の名産品カキオコのほか、備前焼せんべいやきびだんごなども売り出す。また、陶友会青年部会員の器に野の花を生けて展示するほか、駅前の備前日生信用金庫前では、作家がろくろの使い方を披露する。

 会場に行けない人にも楽しんでもらおうと、10月14日(金)~31日(月)にはオンラインでも開催する。

 祭りに先立って、9月2日(金)には、岡山県備前焼陶友会の長﨑信行理事長と山本竜一副理事長に加え、備前焼小町の難波歩由未さんと上田彩乃さん、髙見柚月さん、岡山県東京事務所の渡邊実穂主事がキャラバン隊として本紙を訪れた。

 山本副理事長は備前焼の特徴として、「内部に微細な気孔があり、若干通気性が生じる」と説明。そのうえで、長﨑理事長は「お酒が一段階薫り高く、まろやかになる」とアピールした。

 高見さんは「触ることで魅力を感じてもらえます。県外からのお客様もお待ちしております」と語った。

 上田さんは「焼き加減で模様が変わるため、同じ作品はない。色々な商品からお気に入りを見つけてほしい」と来訪を呼び掛けた。

JAL、使ってマイル貯まる オンライン診療アプリで

2022年9月5日(月)配信

オンライン診療アプリ利用でJALのマイルがたまる

 日本航空(JAL、赤坂祐二社長)とジェイフロンティア(中村篤弘社長、東京都渋谷区)は8月29日(月)、両社の会員利用者のサービス向上のため業務提携契約を結んだ。ジェイフロンティアが提供するオンライン診療アプリ「SOKUYAKU」サービスを利用するとJALのマイルが貯まるサービスを、9月1日(木)から開始した。

 同サービスは、JALマイレージバンク(JMB)会員が「SOKUYAKU」の新規会員の登録時(無料)や、オンライン診療、オンライン服薬指導のサービスを利用することが条件。新規会員の登録時は70マイル、初回サービス利用時が80マイル、2回目以降のサービス利用時で利用ごとに10マイルを付与する。

 今後の展望として両社は、JMB会員限定サービス「JAL Wellness & Travel」の充実を目的に、「SOKUYAKU」とのアプリ連携や、両会員の健康増進に貢献する取り組みを行っていくと明かした。

観光庁、訪日受入ガイドラインを改訂 9月7日からの水際緩和受け

2022年9月5日(月) 配信

観光庁はこのほど「外国人観光客の受入れ対応に関するガイドライン」を改訂した

 観光庁はこのほど、9月7日(水)から添乗員の同行を伴わないパッケージツアーの受け入れを始めることに合わせて、「外国人観光客の受入れ対応に関するガイドライン」を改訂した。

 改訂したガイドラインでは、「添乗員が伴わないパッケージツアー」において、日本の旅行業法の登録を受けた旅行業者または旅行サービス手配業者がツアー参加者の受入責任者となり、ツアー参加者の入出国時の往復航空券と、滞在期間中のすべての宿泊施設の手配を入国前に行う。

 ツアー中の旅行者の行動管理において、添乗員が伴わない代わりに、旅行業者と常時確実に連絡を取れる体制でいることが必要。

 政府は8月31日(水)、外国人観光客の入国について、9月7日(水)から添乗員を伴わないパッケージツアーについても認め、対象国・地域もすべての国・地域に拡大することを決めた。これに加え、1日当たりの入国者数上限を2万人から5万人へ引き上げた。

 2点の緩和措置のほかにも、9月中旬からは検疫手続きのシステムを改善し、MySOS(入国者健康居所確認アプリ)を活用したファストトラックの利用者について、空港検疫の登録手続きを事前に行うことを可能とし、入国手続きの円滑化をはかる。

 また、9月7日(水)以降に入国する人のうち、「ワクチン3回接種完了者に対しては、陰性証明書の提出を求めない」こととした。

「提言!これからの日本観光」 「修学旅行」に「産業観光」を

2022年9月4日(日) 配信

 

 コロナ禍のため、ここ1両年事実上休止状態にあった「修学旅行」が復活され始めた。恒例の修学旅行専用列車の出発式も久しぶりに5月に東京駅で行われた。「修学旅行」は日本独特の教育行事とされ、その始まりは明治時代の東京高師の長途遠足で100年余の歴史がある。

 コロナ禍前までは毎年、国内ほとんどの小中高校で学習観光旅行を主な内容として実施されてきた。最近の特徴として目立つのは、目的地での1日を分散学習に充てていることだ。

 即ち、学年、学級単位の多人数の団体行動ではなく、数人ずつの小グループに分けてグループごとに参加する生徒自身が見学先をガイドブックなどを参考に選び、地図を片手に、公共交通機関利用ないしは徒歩で市内を移動・見学する。この分散学習がコロナ予防に効果的な“密”回避の観光となるため、復活後の修学旅行でも多くの学校が実施すると聞く。

 ところで修学旅行を学習効果の高いより実りあるものとするためには、分散学習のテーマとして「産業観光」がふさわしいと思う。それは「産業観光」の主内容となる工場見学などは分散学習方式で始めて効果的観光(体験を含む)が可能になるほか、近年教育の大きいテーマとなった“SDGs(持続可能な開発目標)”の学習にも大きい役割を果たすことができるからである。

 “SDGs”はよりよい社会実現のため、国連全加盟国が合意した17の目標(ゴール)を2030年までに達成しようとするものである。未来を担う青少年に、この目標達成の必要性とその手法を理解するには、“SDGs”を「産業観光」を通じて体得させることが効果的であるからだ。日常生活の場を離れ、旅行に出て他地域から自分の居住地とその日常を見つめ直すことのできる修学旅行こそ、その理念を学ぶ絶好の場であり、機会といえよう。

 例えばゴールのうち、「⑨産業と技術革新の基盤をつくろう」「⑫つくる責任、つかう責任」「⑧働きがいも経済成長も」などのゴールは「産業観光」の生産現場(工場工房など)見学のなかでこそ、その必要性とアクセス方法が学べるのではなかろうか。

 また、「⑰パートナーシップで目標を達成しよう」のゴールは、産業活動がチームワークから成り立っている現実に触れることで体得できるものといえよう。また、分散学習は徒歩と公共交通機関によるため、移動(行動)自体が「⑦エネルギーをクリーンに」の実践につながる。

 

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(211)」再生古地図による歴史まち歩き(奈良県奈良市)

2022年9月3日(土) 配信

ならまち周辺再生古地図(現在の地図と重ね合わせる)

 どの都市も、中世から近世城下町への変遷、近代以降の都市再編などを通じて、都市の姿は大きく変化した。これは歴史都市と言われる多くの都市でも例外ではない。自然地形や城郭、堀、大きな寺社領地などの一部を残して、往時の姿のほとんどが失われているケースも少なくない。

 しかし、私たちは京都や奈良などの古都、古い城下町などを訪ねると、必ず往時の都市の姿を想像する。いま居る地点が、かつてどのような場所であったのか、いま歩いている道はかつてどんな場所であったのか。これが分かると、歴史都市の興味はさらに深くなる。

 こんな楽しみを再現したいと、再生古地図を用いて歴史都市のまち歩き観光をサポートする取り組みが始まった。

 その一つ、奈良市の元興寺とその跡地に広がる「ならまち」での取り組みを見せていただいた。奈良市と奈良市観光協会が昨年から準備してきたが、本年度の観光庁「看板商品創出事業」の補助を得て実施している事業である。

 元興寺(世界遺産)は、蘇我馬子が飛鳥に建立した日本最古の本格的仏教寺院・法興寺(飛鳥寺)が、710年の平城京遷都に伴って移転した寺院である。奈良時代には近隣の東大寺、興福寺と並ぶ大寺院であったが、中世以降衰退した。南北500メートル、東西250メートルと言われる広大な寺域の大部分が、今日の「ならまち」である。

元興寺極楽堂(世界遺産・国宝)

 今回の事業では、モバイル版「再生古地図」によるまち歩き、社寺の夜間拝観や修学旅行生向けの「クエスト型まち歩き」のプログラム開発などが狙いである。クエスト型とは、地図を片手に、テーマに沿ってまちなかを探索するのだが、既に地元の奈良女子大学付属高校の生徒による実証実験も進められている。因みに本事業にはJR西日本や日本旅行なども参画し、教育旅行を中心とした商品開発も行われる。

 事業の鍵を握るのが「再生古地図」である。今回の事業では、GPS対応のイラストマップ表示アプリ(ambula map)を開発したコギト(京都)と地理情報の調査・編集などを手掛ける地理情報開発(東京)がサポートする。

 近代測量が始まった明治以降の地形図と異なり、古地図は簡単には入手できない。だから現実には、それぞれの地域が所有する古地図・史料類のうち、最も状態のいい時代が対象となる。そのうえで、手書きの古地図上の距離・面積・方角を正しく再現してデジタル化し、当時の文字が判読できるようにすることが基本となる。デジタル化することによって現代の地形図・グーグルマップなどと連動させることで、活用の幅を広げることができる。

 VRやARなどとともに、再生古地図によるまち歩き観光は、これからのトレンドとなろう。国内外の歴史都市でのトライアルが楽しみである。

(日本観光振興協会総合研究所顧問 丁野 朗)