横浜・シーバス 8月1日(木)から山下公園桟橋が再開 主要観光スポット4区間結ぶ航路で利便性向上へ

2024年7月31日(水) 配信

新ターミナルを背に、来賓の新保康裕横浜市港湾局長(中央)、齊藤社長(右から2番目)らがテープカット

 横浜港観光船「マリーンルージュ」、海上バス「SEA BASS(シーバス)」を運航するポートサービス(齊藤宏之社長、横浜市)は、老朽化により改修工事を行っていた山下公園桟橋の営業を2024年8月1日(木)から再開する。これに伴い「SEA BASS」は「横浜駅東口」から「新港ふ頭さん橋(ハンマーヘッド)」、「ピア赤レンガ」を経て「山下公園」に至る、横浜主要観光スポット4区間を結ぶ航路となり、利便性がさらに向上する。

 7月31日(水)には地元関係者やマスコミを招き、オープニングレセプションを開催。齊藤社長は「かつて山下公園エリアが横浜の中心だった。(横浜市が30年ごろの共用を目指し進める)山下ふ頭の再開発に向け、人でにぎわう場所にしていくことが大切。ささやかながら貢献していきたい」とあいさつした。

新ターミナルの階上デッキから望む横浜港

 新ターミナルの名称は「山下公園 SEA BASS CRUISE TERMINAL」。同社が1953年の創業以来「母港」としていた場所で、リニューアルに向け22年2月から閉鎖していた。ターミナルに1階には自動券売機や待合室のほか、同社山下公園営業所が入居。階上には横浜港を一望するデッキも設けた。

伊東市が今夏、伊豆最多の計15回の花火大会を開催中 最大4夜連続実施

2024年7月31日(水) 配信

第78回按針祭 海の花火大会

 静岡県伊東市(小野達也市長)は今夏、伊豆最多となる15回の花火大会を7月26日(金)から8月24日(土)まで開催している。今年は、最大4夜連続実施する。

 8月10日(土)には1時間に約1万発の花火を海上5カ所から同時に打ち上げる「第78回按針祭 海の花火大会」も開く。

 夏季期間中は、海の花火大会のほか、20分間の花火大会を実施するため、混雑するお盆の時期などに限らず花火鑑賞が楽しめる。

 開催スケジュールなど詳細は伊東市観光HP「伊豆・伊東観光ガイド」に掲載している。

新島村が初の食体験型キャンペーン展開へ 食から島の魅力を発信し観光誘客を

2024年7月31日(水) 配信

大沼弘一村長

 東京都・新島村(大沼弘一村長)は8月1日(木)~31日(土)までの1カ月間、島の魅力を発信して観光誘客につなげるため、初となる食の体験型キャンペーン「AMORE!新島~コーガ石が導いた新島食材と巡る南イタリアへの旅~」を展開する。イタリアの食文化を発信するグローバルブラント「EATALY」(イータリー・アジア・パシフィック、西条真義社長、東京都千代田区)とコラボレーションし、同社の国内全5店舗で新島村の明日葉やアカイカなど、地域食材を使用した限定メニューを提供する。

 伊豆諸島にある新島村は新島と式根島の2島で1つの村を構成。東京都心から南に約160キロで、高速船で約2時間半、飛行機で約35分で行くことができる。夏場は多くの観光客で賑わう東京・島しょ地域の1つだ。

 同村は7月31日(水)、イータリー銀座店で報道関係者向けに発表会を開き、大沼村長は新たな観光キャンペーンを模索するなか、世界でも新島と南イタリアのシチリア州リパリ島でしか採れないという「コーガ石(抗火石)」に注目したときっかけを説明。これを接点に展開するため、イータリーをパートナーに「食から魅力を知ってもらうことにした」と述べた。限定メニューのなかで、前菜はコーガ石から作られた新島ガラスの前菜皿で提供する。大沼村長は「コーガ石が結ぶ関係性を楽しんで」とし、「イータリーでの体験を通して興味を持ってもらい、島へ訪れてほしい」と呼び掛けた。

 同村産業観光課の釜靖昭課長によると、同村の観光客数はコロナ禍に比べ2倍ほどに増加しているというが、コロナ前との比較では8割ほどの回復という。同キャンペーンの展開で、新たな観光客の獲得を狙いたい考えだ。

「AMORE!新島~コーガ石が導いた新島食材と巡る南イタリアへの旅~」

新島食材の提供メニュー

 新島村の夏の食材を厳選し、村役場とイータリーで試作、協議を重ねながら各メニューを用意した。8月1日(木)~31日(土)まで、イータリーの銀座店、湘南店、原宿店、丸の内店、日本橋店の全5店舗で数量限定で提供する。

 前菜の「アンティパストミスト新島」(980円)は、新島焼酎麹で発酵させたサラミや新島産のトマトやナスを使ったカポナータなどが並ぶ。また、「新島産アカイカと夏野菜のフリット」(1980円)は、新島で水揚げされた、“イカの女王”と称されるアカイカと夏野菜をイタリアン定番の揚げ物、フリットに仕上げた。

 伊豆諸島の特産品といえば、明日葉。今回は、新島産の明日葉を練り込んだパスタ「新島産明日葉タリアテッレ(フレッシュトマト入りヴォンゴレ)」(1980円)に変身した。このほか、新島の製塩業を復活させ、コーガ石を使った釜から作られている「しおさいの塩」を使ったジェラートやカンノーリ、マリトッツォなどドルチェも取りそろえた。

 これらが一度に楽しめる「新島夏のパスタコース」(2980円)も用意する。なお、一部メニューは取り扱いがない店舗もあるという。

朝日酒造「貯蔵原酒100本のきき酒会」 8月31日・9月1日に開催

2024年7月31日(水) 配信

朝日酒造の代表銘柄「久保田」

 朝日酒造(細田康社長、新潟県長岡市)は、日本酒を貯蔵しているタンクから少量の酒を取り出し分析を行い、酒質や熟成の進み具合をきき酒により評価する「初呑切り」を毎年夏に実施している。酒蔵ならではの伝統行事を一般の消費者にも体感してもらい、普段は味わえない原酒の奥深さを知ってもらおうと、8月31日(土)と9月1日(日)の2日間限定で「貯蔵原酒100本のきき酒会」を朝日酒造本社エントランスホールで開く。

朝日酒造本社

 初呑切りとは、貯蔵タンク内の清酒が健全に貯蔵されているか調べるために、貯蔵タンクの呑口から少量の酒を取り出し分析を行い、熟成度合い、味、色の変化を確認する酒蔵ならではの伝統行事。杜氏が貯蔵タンクの呑口から少量の酒を取り出し、香りや味わいを吟味し、その後の貯蔵管理の参考にすることから日本酒の「健康診断」とも考えられ、酒造りと同様に貯蔵も重要な管理の1つ。杜氏や蔵人は自分たちが仕込んだ酒が無事に熟成しているかどうか、貯蔵してから初めて確認する日でもある。緊張感に溢れ、ほっと胸を撫でおろす瞬間だ。

 「貯蔵原酒100本のきき酒会」は2015年に初開催し、コロナ禍の休止を経て5年ぶりの開催となる。タンク100本分から取り出した選りすぐりの原酒が朝日酒造エントランスホールにズラリと並び、好みの銘柄が堪能できる。

 開催時間は両日とも午前の部(午前10時30分受付~12時終了)、午後の部(午後2時受付~3時30分終了)。参加費は1000円(税込)、土産付き。

 定員は20歳以上の800人(午前の部200人、午後の部200人、各日400人×2日間)。応募期間は7月8日~8月19日、申し込み先着順。定員に達し次第、受付終了する。応募フォームは、https://amarys-jtb.jp/asahishuzo/

 問い合わせ=JTB長岡支店 ☎0258(35)3315。

秋山秀一〈著〉旅のエッセイ集「旅にでる、エッセイを書く」(新典社)発刊

2024年7月31日(水) 配信

「旅に出る、エッセイを書く」

 旅行作家・エッセイストの秋山秀一氏はこのほど、エッセイ集「旅にでる、エッセイを書く」(新典社)を発刊した。定価1650円(外税)。

 同出版社からは、2013年には「大人のまち歩き」、23年には「続・世界観光事情 まち歩きの楽しみ」など、10年間に5冊の「まちあるき」の本を発刊してきたが、エッセイ集は初めてとなる。

 同書の最後に載っている「希望という名の町へ」は1976年の作品。「26歳のときに雑誌に掲載されて、初めて原稿料をいただいたもの」という。それから48年間、さまざまな雑誌に旅のエッセイを書いてきたなかで、選りすぐりの50編を集めた。

 「セーヌ川遊覧とパリの道」「ウクライナ共和国 ヘルソンの道」など、秋山氏の旅の基本は「まち歩き」だ。

 あらゆるものに興味を抱きながら、まちを散策する秋山氏と、いつの間にか一緒に楽しい旅をしている気分を味わえる一冊だ。

 問い合わせ=新典社 ☎03(5246)4244。

フィリピン観光省が日本市場で大規模プロモーション インフルエンサー招待でフォロワー2000万人の影響力に期待

2024年7月31日(水) 配信

フィリピンのさまざまな魅力を表現

 フィリピン観光省は7月29日(月)~8月2日(金)までの5日間、フィリピン過去最大規模のメディア・インフルエンサー招待旅行を実施している。フィリピンの新ブランディングキャンペーン「LOVE THE PHILIPPINES」を日本市場に周知し、観光客を誘致するのが目的。幅広い年齢層の著名人を採用し、総フォロワー数約2000万人の影響力に期待する。

 2023年6月に発表された新ブランディングキャンペーンは、フィリピンでの体験の魅力を感じてもらうのが狙いで、アイコンはフィリピンのさまざまな魅力を表している。

 今回はインフルエンサーらに主要観光地である、マニラとセブ、ボホール、ボラカイ、シャルガオ、クラーク、イロイロ、パラワン、ダバオの9地域の魅力を現地で体験してもらい、それをSNSや各メディアで発信してもらう。

 また、彼らが体験したもの疑似体験できるように動画を作り、フィリピン観光省オフィシャルYoutubeチャンネルで公開する予定だ。

中部国際空港、高知線搭乗客に名古屋名物「つけてみそかけてみそ」をプレゼント(11月30日まで各月先着200人)

2024年7月31日(水) 配信

名古屋名物「つけてみそかけてみそ」をプレゼント

 中部国際空港(セントレア、犬塚力社長、愛知県常滑市)は8月1日(木)~11月30日(土)まで、セントレア着の高知線を搭乗したお客を対象に、「セントレアのおきゃく」キャンペーンの第3弾を実施する。各月先着200人に、名古屋名物の万能味噌ダレであるナカモ(杉本達哉社長、愛知県清須市)の「つけてみそかけてみそ」をプレゼントする。

 同CPは、2023年3月26日(日)のフジドリームエアラインズ(FDA)の新規就航を記念して開始したCPの第3弾。今回、今年5月に設立された「愛知『発酵食文化』振興協議会」に中部国際空港が参画したため、中部地域のユニークな「みそ」文化を幅広く知ってもらうためのPR活動の一環として行われる。

 利用方法は、セントレア内アクセスプラザにある名鉄トラベルプラザで、搭乗券(当日搭乗のもの)を提示すると引き換えできる。上限に達し次第、期間より早く終了する可能性あり。名鉄トラベルプラザが急遽休業や営業時間を変更する場合があるため、事前に確認をお願いする。

【特集 No.659】JATA「成長と発展」のビジョン示す 24年は「旅行業の完全復活実現」

2024年7月31日(水)配信 

 

 日本旅行業協会(JATA)は7月18日(木)、東京・霞ヶ関の本部で、メディアを対象に記者懇談会を開いた。髙橋広行会長は、旅行業界の完全復活とさらなる成長、発展に向けて、コンプライアンスの取り組みや、旅行業界のあり方、北陸支援などの方策を説明した。小谷野悦光副会長、原優二副会長、酒井淳副会長、蝦名邦晴理事長ら役員が勢ぞろいし、海外旅行の拡大や高付加価値化、協調と共創、休み方改革、人材確保などを重点とし、JATAとして取り組むべき課題と将来像、今後の展開について話した。

髙橋広行会長

 

 

「政府と連携して海旅拡大を」

 冒頭、髙橋会長は、コンプライアンスについて「2021年以降、旅行業界で、複数の不祥事が発生してしまった。策定した再発防止策を着実に実行することで、旅行業界から不正事案を一掃し、社会的信頼を取り戻すべく、私も先頭に立って真摯に取り組んでいく」と力を込めた。

 また、髙橋会長は、旅行業が発展・成長するために重要な5点として、①海外旅行の拡大②高付加価値化③協調と共創④休み方改革⑤人材確保──を挙げた。

 「国内・訪日旅行に比べ、回復が鈍い海外旅行は最大の課題。円安や物価高、航空仕入環境などの要因だけではなく、日本人のパスポート所持率が17%となり、先進国でも最低水準であることに危機感を抱いている」と懸念を示した。

 「海外留学をする学生が減少しているほか、市場環境と合わなくなったことを理由にこれまで行っていた海外修学旅行を取り止める公立学校など、コロナ禍を経て若い人たちの海外旅行離れが進んでいる」と指摘。

 「若者が海外に出なくなることは、国際競争力そのものに関わる問題となる。国を挙げたプロモーションや、成人など一定の年齢に達した際にパスポートを無償提供するような施策も必要では」との考えを示した。

 さらに、政府が発表した24年の「骨太の方針」において、「アウトバウンドに力を入れることを明記していただいた。政府と連携しながら海外旅行拡大に向け取り組みを進めていきたい」と話した。

 休み方改革については「平日に泊まろう! キャンペーン」や、愛知県など一部の自治体で行われている平日の休み推進の取り組みなどで、旅行総需要の拡大をはかり、オーバーツーリズムの解消につなげる。

 能登半島地震への復興支援として、義援金寄付や、北陸4県商談会を、日本観光振興協会と継続して行っていくほか、ボランティア活動や、ツーリズムEXPO2024に北陸応援コーナーを設置、日観振と共同で「行こうよ! 北陸」CPなどに取り組む方針。

7月18日(木)、JATA本部で

国内旅行 代売脱却し価値創出

小谷野悦光副会長

 小谷野悦光副会長(日本旅行社長)は、国内旅行について分析した。
 国内旅行マーケットは、コロナ禍を経て国内の宿泊需要は日本人、インバウンドともに着実に回復している。宿泊単価が上昇したこともあり、国内旅行消費額もコロナ前を上回っている。

 

 一方で、マーケットの回復状況に比べて、旅行会社の取り扱いは回復していない。店舗展開の縮小・廃止や、OTA(オンライン旅行会社)や運輸機関の直販の加速などが影響し、旅行会社の取り扱いはマーケットの伸びを捕捉できていない。

 小谷野副会長は、「『代売』から脱却した『価値ある商品の企画・販売』『地域の皆様とも連携した発着双方の視点での需要創出・価値創出』を目指す必要がある」と指摘した。

 23年12月に運用を始めた「観光産業共通プラットフォーム」は、24年1月1日に発生した能登半島地震においても、災害時情報集約機能を活用し、宿泊施設の被害状況を旅行会社各社に情報提供した。

 7月10日時点の利用者数は、宿泊施設6129施設、旅行会社96社、自治体・DMO・観光関係団体など19組織。

 7月には宿泊施設情報に「バリアフリー」項目を追加した。このほか、旅行会社各社が企画書やホームページで利用できる宿泊施設の「画像」提供機能を新しく設置した。

 

海外旅行 RTA利用者増目指す

酒井淳副会長

 主要43社海外旅行取扱高(観光庁まとめ)は、24年1─5月で4722億2770万円となった。23年比では165・0%である一方で、19年比では60・6%と、未だ6割程度の回復に留まっている。

 海外旅行担当の酒井淳副会長(阪急交通社社長)は、「24年度は海外旅行の完全復活元年と位置づけている。2国間交流を推進するほか、ファムツアーや研修ツアーの積極的な実施、商談会などを通じて、デスティネーションを知ることの重要性を再認識していただきたい」と話した。

 「今後の海外旅行の回復率に比例して、リアルエージェントの利用者がどれだけ増えるかにかかっている。旅行会社の価値を消費者に伝えていくことも重要だ」と力を込めた。

 

訪日旅行 急回復に伴う課題解決

百木田康二委員長

 訪日旅行推進委員会の百木田康二委員長(東武トップツアーズ社長)は、都道府県別の訪日外国人回復状況(24年1~4月累計延べ宿泊者数)について、23年比平均で66%増、19年比平均で28%増となったと報告した。「回復率には地方でばらつきがあり、オーバーツーリズム対策と一口に言っても一様ではない。平準化のために、地方への誘客が喫緊の課題である」という認識を示した。

 JATAが実施した「インバウンド旅行客受入拡大に向けた意識調査」の観光事業者の回答を見ると、訪日旅行の急回復による現在の課題として「人手不足や人材不足」「2次交通の整備不足」「外国語対応スタッフの雇用」「通訳案内士不足」「国際線地方路線の復便の遅れ」「主要都市から地方へのアクセスが不十分」などが挙げられた。

 将来の課題については、「2次交通の整備」が10%増と、とくに伸びている。

 JATAの地方分散化の取り組みとして、農林水産省や環境省、地方自治体と協力するほか、訪日インバウンド事業者向けのテーマ別セミナーで、地方誘客をテーマとしたセミナーを開催している。「地方分散化は、地方における消費額拡大とオーバーツーリズムの解消につながる。また、地方誘客を促進することで、地方空港における海外直行便の回復が期待される。これは日本人の海外旅行促進にも密接に関わる課題のため、自治体やJATAの海外旅行推進委員会とも協力して進めていく」とした。

 さらに、SDGs推進に向け、JATAが運営する「ツアーオペレーター品質認証制度」の認証取得を推奨している。24年のツアーオペレーター品質認証制度認証会社は、計44社。

 

□協調と共創

 JATAビジネスマッチングサイトについて原優二副会長(風の旅行社社長)は、「訪日系の協業募集やDX系のシステム紹介に人気が集まっている。累計PV数も平均セッション時間も好調。いかに数値を落とさず高水準を維持できるか。継続的な新規掲載が必要だ」とした。

 今後は申し込み数や、成約案件数増加を目指し、アップデートを実施する考え。

□サステナビリティ

 社会貢献委員会の美甘小竹委員長(フィンコーポレーション社長)は、第2回「JATASDGsアワード」の結果から、旅行業界が推進すべきSDGsの事例について解説した。

原優二副会長(左)、美甘小竹委員長(右)

 

【本紙1940号または8月7日(水)以降日経テレコン21でもお読みいただけます。】

アウトバウンド促進協議会 酒井淳会長に聞く 「異業種とコラボし、価値創造へ」

2024年7月30日(火) 配信

JOTC会長の酒井淳氏

 旅行新聞は7月11日(木)、日本旅行業界(JATA)副会長で、JATAのアウトバウンド促進協議会(JOTC)会長・酒井淳氏に、単独インタビューを行った。国内・訪日旅行の需要が戻るなか、未だコロナ前の水準に至らない日本人の海外旅行について、現状の課題認識と、JATAやJOTCの取り組みについて聞いた。

【聞き手=本紙編集長 増田 剛】

 

 JATAでは、2024年度は「海外旅行の完全復活元年」と位置づけている。

 24年1~5月の出国日本人数は、60・7%まで回復しているものの、回復度合いは業態によって大きく差があり、一番戻りが遅いのはレジャーパッケージ。

 また、方面によっても差がある。台湾や韓国は一定の回復が見られる。オーストラリアやベトナム、タイなど、円安の影響が少ない方面や、「安・近・短」な国・地域は回復幅が大きい。

 ビジネス需要のほかにも、少々値段が高くても、お客様にとって価値がありニーズにマッチしている商品は行き先を問わず需要が戻っている印象だ。

 一方で、……

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JNTO、「地方も回復傾向に」 24年3~4月の宿泊者数が19年同期超え

2024年7月30日(火) 配信

出口まきゆ理事

 日本政府観光局(JNTO、蒲生篤実理事長)は7月24日(水)に開いた会見で、6月の訪日外客数が314万人と、単月として最高だったことを報告した。1~6月の上半期では1778万人で、最多を記録した2019年同期を100万人以上超えた。さらに、地方部への延べ宿泊数は23年11~12月と24年3~4月に19年同期を上回ったため、出口まきゆ理事は「地方も回復傾向に入った」との見方を示した。

 エリア別外客数の傾向を見ると、米州・豪州が19年同期比44%増でトップ。次いで、欧州22%増、東アジア同17%増、東南アジア同14%増と続いた。

 さらに、1~4月の地方部における国籍別宿泊者数は、欧米豪やインド、シンガポールなどが19年同期を超えた。

 出口理事は「コロナ禍前に地方への宿泊者数の多かった東アジア市場は、需要の戻りが遅れていたが、回復傾向となった」と述べた。

 こうしたなか、より地域へ誘客を促進しようと、JNTOは海外事務所職員による日本各地の観光資源の体験を通じて、観光コンテンツの磨き上げに関わるアドバイスを実施している。6~8月にかけて全国10地域の視察を実施中で、各地で研修会も開催し、視察内容を踏まえたフィードバックも行う。

MICEプロモ実施 件数世界5位以内へ

 政府は23年5月、閣僚会議で国際会議の件数をアジアナンバーワンの開催国として不動の地位を築き、世界5位以内を目指す「新時代のインバウンドアクションプラン」を決定。滞在地での消費額の大きさや、周辺へのエクスカーションなど高い経済波及効果が見込まれるため、力を入れて誘致していきたい考えだ。

 2023年の実施回数は363件で、アジア最多。世界では7位。5位のドイツとは100件の差が開いている。 

 これを受け、JNTOは将来的に国際会議誘致の中心人物になり得る大学教授や若手研究者に、日本での国際会議に関する興味関心を喚起し、開催意義を広く周知するため、BSテレ東でプロモーション番組を制作していく。

 具体的には、8月に京都府で行われる国際昆虫学会のようすをまとめるほか、生物学者の福岡伸一氏や、京都大学名誉教授でJNTO MICEアンバサダーの沼田英治氏などが学術や産業、行政に与えるメリットを議論する。番組は9~11月に放送される。ユーチューブやJNTOのホームページにも載せる。