2024年5月23日(木) 配信

日本バス協会(会長=清水一郎・伊予鉄グループ社長)は5月22日(水)、東京都内で通常理事会を開いた。清水会長は「人手不足なうえ、コロナ以前の需要に戻らず、原油高というトリプルパンチ。とくに運転手不足が深刻な問題」と強調し、全国のバス会社に運転手の賃上げを行い、働き方の改善が不可欠と訴えた。
このうえで、「賃上げにも原資が必要。運賃をある程度値上げして、その分を人件費に投入していくサイクル(循環)がなければ持続可能にならない。人手を確保していくことで、路線を守っていくしかない」(清水会長)と説明した。
同協会では、運転手の確保対策と働き方改革、乗合バスの維持などに努めつつ、生活や地域になくてはならないバス産業が、夢のある産業になるよう「10年ビジョン」の策定を目指している。今年3月以降の業務報告では、運営委員会の下に「10年ビジョン検討部会」を設置したと報告。5月7日(火)に第1回の検討部会を開き、今後、運営委員会などで議論を行うための検討をさらに進めていくと決めた。
清水会長は「バスに魅力を感じてもらい、バス業界に就職したいと思えるような業界を目指していかなければいけない」と主張。10年ビジョンについて「バス業界としての声を上げていくためにも、こういったビジョンを打ち立てて、皆さんに外向きに発信していきたい。色々な現場の意見を積み上げていき、6月に中間まとめをしながら、年内には取りまとめていきたい」考えを示した。
最後に、国土交通省総合政策局官房参事官の奈良和美氏による「バスをめぐる最近の情勢について」の講演を行い、バス事業者への支援のほか、運賃制度改定やキャッシュレス、特定技能外国人の活用など政府の取り組みについて話した。




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