2025年7月24日(木) 配信
砂田憲治社長
KabuK Style(砂田憲治社長、東京都中央区)は7月23日(水)、東京都内で会見を開き、同社が提供している旅行サービス「HafH(ハフ)」のサービスコンセプトを8月1日(金)に「旅のサブスク」から「つみたて旅行サービス」へ刷新すると発表した。また、新機能として「ウォレット機能」を開始し、利用者が毎月のコイン積立額を柔軟に設定できるようにする。
ハフは“旅のサブスク”としてコインによる宿泊予約をメインに、月額制の新しい旅行サービスを提供してきたが、砂田社長は「使い放題といった一般的なサブスクのイメージで、頻繁に旅行しないと元がとれないのではと誤解を招くこともあった」とリニューアルの背景を説明した。
これまで月額料金は固定額からの選択制だったが、新機能により、コインの積立額は100~2000コインまで50コイン刻みで自由に設定できるようになる。コイン単価は一律32円で、設定のコイン額に応じ、3200円~6万4000円にメンバーシップ料金200円をプラスした額が月額料金となる。
砂田氏が提案するのは、柔軟性を持たせながらより簡単に旅の予約が完結するサービス。さまざまなオンライン事業者が台頭し、個人であらゆる旅の素材の予約ができるようになった一方、予約作業は煩雑化している現状もある。「ハフは1つのプラットフォームで、3クリックで旅の予約が完結する。お客様が本当に予約できているのか不安になるほどだ」と紹介した。
また、新たな特典として「ウォレットボーナス」を設け、通常コインに対し、ランクに応じて年率最大12%のボーナスコインが毎月付与される。会員ランクは継続期間によりアップするのが特徴だ。砂田社長は「旅への積み立て額は人それぞれの事情に応じて異なる。100コインでも大切なお客様」とし、額による差はないことを強調。コンセプトの「いま、旅する人も。まだ、旅しない人も。」を紹介したうえで、「いつか旅をしようと考えて銀行に貯金するなら、ハフに積み立てしたほうが確実にお得だ」と自信を見せた。
他方、4カ国目の展開として、まもなくアメリカ市場へ進出し、日本へのインバウンド旅行を販売する予定だ。サービス開始に先立ち、7月から各種SNSで露出をしており、YouTubeの説明動画の再生数は22万回以上、事前登録は1週間で1000件を突破した。砂田社長は「仮に1000件全部の予約が入るとすると、6億円相当になる。現在の売上規模が24億円なので、1週間で6億円という数字に驚いている」とする一方、「日本発のユニークなサービスとして興味を持ってもらっているが、それだけ現状の日本への旅行に満足していないことの表れではないか」と分析した。
さらに、7月29日にはLINE対応のAIコンシェルジュ「ハフっち」を正式リリースする。同社の膨大な宿泊データや体験談をもとに、正確な情報をスピード感を持って提供するのが特徴で、「旅行の相談を、もっと気軽に」を提案する。
こうした展開で砂田社長は「1年は成長スピードを落ち着かせたいと考えるが、来年以降は1000億円の売上を目指していく」と意気込む。サービス開始の2019年からの5年間の平均的な前年比成長率は約300%で、今後年ごとに2~3倍の成長をすると数年で達成できる見込みだ。「最大手の取扱高は1兆円規模。それに続く皆さんの姿が見える位置まで成長しなければ、ユーザーへいいサービスは提供できない」との考え示した。