旅館「あゆっこ」(北秋田市)、破産手続き開始へ(帝国データバンク調べ)

2025年4月2日(水) 配信

 阿仁川あゆセンター(萩野秀実代表、秋田県北秋田市)は3月19日(水)、秋田地裁大館支部から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約2億5600万円。

 同社は1975(昭和50)年創業、98(平成10)年11月に法人改組された。秋田内陸縦貫鉄道の米内沢駅近くで、温泉浴場や宴会場、宿泊施設を備えた複合施設「あゆっこ」の運営を主体に、アユの養殖・加工品の販売も手掛けていた。

 「あゆっこ」は、鮎の養殖のために掘削した際に湧き出た温泉を利用した施設。温泉入浴や地元の食材を使った料理が楽しめることで知られ、2012年3月期には年間収入高約2億4800万円を計上していた。

 しかし、その後は地域の人口減少や施設の老朽化などから集客に苦戦。減収とともに赤字決算が続いていた。

 20年以降は新型コロナの影響でさらに収入が落ち込み、宴会部門の縮小などに取り組んだ。「コロナ禍が沈静化した以降も集客は回復せず」(帝国データバンク)、24年3月期の年間収入高は約9200万円に落ち込んだ。

 今期に入ってからも光熱費や食材の高騰も重なり、資金繰りが限界に達したことから事業の継続を断念し、25年3月3日に事業を停止していた。

【あぶらや燈千】(長野県・湯田中)「日帰り温泉×アフタヌーンティー」で贅沢な時間を

2025年4月2日(水) 配信

桜パフェと抹茶マカロンの春爛漫アフタヌーンティー

 長野・湯田中渋温泉郷の日帰り観光複合施設「YUDANAKA BREWERY COMPLEX U」を運営する「あぶらや燈千」(湯本孝之社長、長野県・山ノ内町)は、同施設内カフェレストランで「桜パフェと抹茶マカロンの春爛漫アフタヌーンティー」を売り出した。

 上段を飾るのは、桜と苺とクランベリーのパフェ。オパリーヌ、デギゼ、シュトロイゼルなど、さまざまな食感と味わいが重なり合う贅沢な一品。

 中段には、抹茶と桜のバタークリームのマカロンと、選べるスイーツを用意。選べるスイーツは、桜の花をあしらったシガレットと、マスカルポーネクリーム、チョコレートのビスキーを組み合わせた、上品なデザート。

 下段は、信州牛のミニバーガーとポテトフライ。こだわりの食材を使用した本格的な味わいを楽しめる。

 ドリンクは、おかわり自由(コーヒー・紅茶・カモミールティー・ローズヒップティー・ジャスミンティー・リンゴジュース・オレンジジュース・ウーロン茶)。

 平日は1人2800円(税込)、土・日・祝日は3300円(同)。

 「YUDANAKA BREWERY COMPLEX U」には、完全個室のプライベートで温泉を楽しめる「日帰り露天風呂付客室」がある。アフタヌーンティーはルームサービスとしても注文可能。

 「アフタヌーンティーを楽しむだけでなく、温泉でのリフレッシュもできる、より贅沢でリラックスできる時間を過ごしていただけます」(あぶらや燈千)とコメントしている。

阪急交通社、25年度の新入社員86人を迎える 酒井社長「新しい時代ともに」

2025年4月2日(水) 配信

入社式であいさつをする酒井社長

 阪急交通社(酒井淳社長)は4月1日(火)、大阪府大阪市のヒルトンプラザウエスト・オフィスタワーで2025年度入社式を開いた。酒井社長は、新入社員86人を前に訓示を述べた。

 酒井社長の新入社員へのあいさつは以下の通り。

                  ◇

 皆さん、入社おめでとうございます。

 今年は、4月13日より大阪・関西万博が開幕します。当社で受注している万博関連業務のテストランが今週末に実施されるほか、当社の「各地発の大阪・関西万博見学ツアー」も 順調に集客が進んでいます。皆さんは、入社1年生として、こうしたイベントにも目を向け、実体験しながら健康第一で楽しく1年を過ごしていただきたいと思います。

 まず、昨年度の旅行市場ですが、国内旅行の市場は順調であったと言えます。訪日旅行は、皆さんもニュースでご存じのように、毎月過去最高人数を記録している状況で、OTAを利用する個人のお客様が相当伸びていると考えられます。一方、海外旅行市場においては、円安やインフレのほか、航空会社の直販とダイナミックプライスの導入、また、インバウンドの急増による航空運賃が上昇傾向にあるなか、コロナ前の65%程度というデータもあります。日本人のパスポート保有率も17 %強で、海外旅行のリピーター顧客が市場を牽引していると言っても過言ではありません。先週3月24日に外務省が「新パスポートの発行開始」を発表しましたが、私たち旅行業界も「もっと海外へ」のキャンペーンを開始しています。こうした状況下、旅行業界も各社が市場環境に応じて変容しつつあります。

 当社の柱となる5つの事業は、「国内募集型企画旅行」「海外募集型企画旅行」「訪日旅行」「法人団体・教育旅行」「MICE・ソリューション事業」です。コロナ期間中に、当社は「国内旅行、海外旅行とも、グループツアーでNo.1」を目指し、体制を整えてきました。当社には、長年にわたるリピーター顧客に支えられているということに加え、「旅行づくりのプロがたくさんいる」という強みがあります。

 お客様の多様化に対応し、付加価値の高い商品開発や、とくに国内旅行では自治体と連携した商品開発、取組みなどを継続的に進めることで取り扱いの拡大をはかっています。訪日旅行は、海外からの富裕層市場開拓も強化すべく、豪華クルーズ船のチャーター企画をまもなく販売します。法人団体・ソリューション事業は、法人団体旅行、MICE、教育旅行のほか、官公庁や自治体と連携した課題解決型業務を行い、社会に貢献する新たな事業基盤の確立を目指しています。これらの事業部門を支える管理部門、オペレーション部門、カスタマーサービス部門など全社が一丸となってコロナ禍からの回復を遂げ、今に至ります。さまざまな変化への適応力やスピード、創意工夫に富んだ商品の開発カは、当社を象徴する活力であります。  ぜひ先輩社員の行動から感じていただきたいと思います。

 当社は、今後、さらに新しい高みに向かって進んでいきたいと考えています。

 ぜひ、皆さんには、阪急交通社の一員として、一つひとつの経験を通して、さまざまな知見を吸収してほしいと思っています。当社の社会的な役割についても理解いただき、新しい時代をともに歩んでいきましょう。

ユネスコ無形文化遺産の「古川祭」 4月19、20日の週末に飛騨市で開催

2025年4月2日(水) 配信

起し太鼓のようす

 岐阜県飛騨市の古川町で4月19日(土)、20日(日)に春の訪れを告げる「古川祭」が開かれる。ユネスコ無形文化遺産に登録され、国重要無形民俗文化財に指定されている伝統的な祭り。両日ともに週末の休日開催となるのは2014年以来、約11年ぶりという。

 同祭は気多若宮神社での厳かな神事と時代絵巻の神輿行列、豪華絢爛な屋台行列の“静”の行事と、さらし姿の男性らがもみ合う勇壮な「起し太鼓」の“動”の行事で構成される。

 起し太鼓は19日の午後8:30ごろから、まつり広場の祝いの唄「若松様」の合唱とともに大太鼓の乱れ打ちによる「打ち出し」で始まる。高張提灯と丸子提灯を持った老若男女、子供たちの賑やかな提灯行列に先導された行列が、20日午前零時過ぎまで市街地を練り歩く。通りの十字路から突っ込んでくる「付け太鼓」と呼ばれる小太鼓との激しい攻防は迫力そのもの。付け太鼓をくくりつけた約3.5メートルの棒を垂直に立て、一番上で繰り広げらる曲芸「とんぼ」も見どころ。

 屋台は19日の朝、全9台が屋台蔵から曳き出されてそれぞれの町内を巡り、翌20日の早朝にまつり広場に曳きそろえられる。獅子舞やからくり人形、子供歌舞伎の奉納もあり、時代絵巻を紐解いているかのように艶やかという。祭りのフィナーレは「夜祭」が開かれ、夕刻になると屋台が提灯を灯しながら厳かに町内をまわる。

「赤福」関西唯一の喫茶店舗4月8日(火)オープン 「あずきコルネ 和三盆クリーム」初の常設店舗販売へ

2025年4月2日(水) 配信

あずきコルネ 和三盆クリーム

 創業1707(宝永4)年の老舗和菓子店「赤福」(濵田朋恵社長、三重県伊勢市)は4月8日(火)から、高島屋大阪店(大阪市中央区難波)地下1階西ゾーンに、関西唯一の喫茶店舗をオープンする。

 定番の「赤福餅」や焼き立てのお餅が入った「赤福ぜんざい」に加え、全国の百貨店催事で話題の「あずきコルネ 和三盆クリーム」、季節限定のフルーツ大福などを、抹茶やコーヒーとともに用意する。コルネは初の常設店舗販売となる。

 また、それぞれ赤福の抹茶とほうじ茶を使った「抹茶ラテ」「ほうじ茶ラテ」、あずきの風味豊かなフラッペにふわふわホイップとつぶあん、サクッとした「おかげ犬サブレ」をのせた「ふらっ茶 あずき」は、伊勢以外で初の常設販売となる。さらに、開店を記念し、期間限定の「紅白餅」も登場する。

「おかげ横丁」を紹介するブース

 店内は79席のゆったりとしたスペースを完備。壁面の大型ビジョンには、伊勢神宮門前町の美しい四季の移り変わりや、活気ある祭りのようすが、情緒豊かな町並みとともに映し出される。

 年間来訪者数約500万人を誇る赤福グループ運営の「おかげ横丁」を紹介するブースも設置。伊勢の風情をより身近に感じられる場を提供する。

 大阪・関西万博を控え、同社は「国内外の観光客に向けて、伊勢の伝統文化や和菓子の魅力を発信する拠点として、多くのお客様に楽しんでいただける場を目指します」とコメントしている。

阪急交通社が公式アプリをリニューアル 4つの新機能を追加

2025年4月2日(水) 配信

アプリ画面イメージ

 阪急交通社は4月1日(火)、利便性の向上をはかるため、公式アプリをリニューアルした。旅の思い出を記録できる機能や、クイズやウォーキングを楽しむ機能など、新たに4つの機能を追加した。

 クイズ機能は、日本・世界各地の観光を楽しく学べるもので、毎日挑戦できる「旅クイズ」に回答すると、同社のスマホポイントが付与される。また「ハンキューウォーク」は起動して歩くことで、日本や世界の名所の知識が得られるほか、ゴール到着時にはスマホポイントも獲得できる。

 旅の記録機能は、アプリ内のアルバムに写真や感想を登録するだけで簡単に旅の思い出を記録できるという。

 さらに、国内添乗員付きツアーでは、添乗員や同社スタッフが参加者の位置情報を確認でき、不測の事態でも迅速な対応が可能になった。

アウトドア専門店「山渓」、破産手続き開始へ(帝国データバンク調べ)

2025年4月2日(水) 配信

 山渓(伊東志郎代表、大分県大分市)は3月24日(月)、大分地裁に自己破産を申請し、26日に破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は3億2300万円。

 同社は1968(昭和43)年11月創業、81(昭和56)年1月に法人改組された。九州エリアにおける登山・アウトドア専門店の古参として愛好家からの知名度は高く、小売店舗は大分県内を中心とした東九州エリアで高い集客力と数万種類におよぶ品ぞろえで、固定客を有していた。

 2020年9月期以降は、コロナ禍を背景にキャンプなどのアウトドアレジャーの人気が高まり、ネット販売にも乗り出したことで21年9月期には、年間売上高約16億円を計上していた。

 しかし、その後、「ネット市場での価格競争が激化し、計画通りの収益を確保できず業績は低迷。消費者の購買形態もコロナ禍前後で大きく変容し、実店舗の来客数も落ち込んだ」(帝国データバンク)。24年9月期の年間売上高は、約3億5000万円に減少していた。

品川区が東京都内初の「旅先納税®」を導入 電子商品券「しながわe街ギフト」の発行を開始

2025年4月2日(水) 配信

品川区の電子商品券

 東京都品川区(森澤恭子区長)はこのほど、eギフト事業を展開するギフティ(太田睦・鈴木達哉社長、東京都品川区)が提供するデジタルプラットフォーム「e街プラットフォーム®」を採用。旅先で納税を行う新たなふるさと納税のカタチ「旅先納税®」を導入し、4月1日(火)から返礼品として、電子商品券「しながわe街ギフト」の発行を開始した。「旅先納税®」の導入は東京都では初、全国で92自治体目となる。今回はジャルパック(平井登社長、東京都品川区)との連携で実現した。

 現在は交通の要所として重要な地域となっている品川区。「旅先納税®」を導入することで、宿泊施設や飲食店、観光・レジャー、体験アクティビティなど従来のふるさと納税では恩恵がなかった事業者に人・モノの結びつきを広げ、関係人口の拡大をはかり、区の経済活性化を促したい考え。

 寄付金額は5000円~100万円まで。電子商品券は寄付金額の30%が返礼品として発行される。商品券の利用可能施設は品川区内の加盟店で開始時点では飲食店を中心に21店舗となっている。利用にはアプリのダウンロードの必要はなく、1円単位で使える。品川エリアで働く区外在住者がランチや懇親会で利用したり、出張客・旅行客が宿泊や飲食で利用するなどの活用シーンを想定している。

 なお、今回の事業でジャルパックは加盟店募集や管理業務、清算業務、プロモーションなどを担う。

〈観光最前線〉大東市で体験型観光を

2025年4月2日(水) 配信

ナイトマーケットめぐりのイメージ

 大阪府大東市は13の体験型観光コンテンツを造成し、ウェブサイト「じゃらん―遊び・体験」で販売を始めた。

 府の北河内地域に位置する同市は製造業が盛んで、ものづくりのまちと呼ばれるが、観光のイメージはほぼないのが現状。そこで市は、市内8事業者と連携し、「ワクワクネキネキ体験」をテーマに商品造成した。「ネキ」は河内弁で「近く」を表す。

 「ズンチャの神とナイトマーケットめぐり」は、JR住道駅前で毎月最終水曜日(12―1月除く)の夜に開く「大東ズンチャッチャ夜市」を、ズンチャの神と呼ばれるガイドと散策するもの。プレート料理とワンドリンクが付いて3800円。ほかに朝ドラ「おむすび」のロケ地になった元小学校でのバーベキューなど多彩なコンテンツがそろう。

【土橋 孝秀】

八幡屋 吉野徹彦社長、“団体重視”の経営目指す 旅行会社と共に成長へ

2025年4月2日(水) 配信

吉野徹彦(よしの・てつひこ)社長

 八幡屋(福島県・母畑温泉)の吉野徹彦社長は3月19日(水)、同館で行われた埼玉県旅行業協会の業務懇談会で講演「最近の旅行業界と宿泊施設経営や交通とのあり方」を行い、「今後も団体旅行を重視していく」経営の方向性を示した。パートナーである旅行会社には、共に「団体旅行」の魅力を発信していくことを呼び掛けた。

 【木下 裕斗】

 吉野社長は東北大学卒業後、パイロット養成機関である航空大学校を経て、全日本空輸(ANA)に入社した。副操縦士として、国内線を中心に担当。その後、機長へ昇格し約12年間、主に欧米路線を運航した。

 昨年の夏、八幡屋の渡邉忠栄相談役から社長就任のオファーを受け、11月にANAを退職。12月1日(日)付で社長に就いた。

 同館は1880年に、湯治宿として創業。1983年、観光旅館へと大きく舵を切り客室数は72室に。92年の増築では、全101室まで拡大。95年にも投資を行い、現在、客室数は149室、収容客数は約800人の大型旅館。

 個人旅行の需要増加で、宴会場を個室の食事処に改修したり、団体の受け入れを停止し、個人客に特化した宿も増えているなか、吉野社長は「稼働率を上げ、業績を向上させるには団体客は欠かせない。これからも団体旅行を重視していく」方針を示した。

 さらに、「渡邉相談役は常々、『八幡屋のお客様は旅行会社の皆様。もてなすことで一般消費者に魅力を紹介し、送客していただいてきた』と話している。エージェントの皆様のお力添えで八幡屋は成長してきた」と謝辞を述べた。「今後も旅行会社と共に発展していきたい」と語り、団体旅行の需要拡大に向けて、消費者へ旅行パンフレットやSNS、ユーチューブを通じた魅力の発信強化を提案した。

 安全性についても団体旅行の利点を挙げる。