タイ語指さし集作成、タイ人観光客増加で(北海道観光機構)

 北海道観光振興機構と北海道国際観光テーマ地区推進協議会はこのほど、「タイ語指さし会話集」を作成した。ホームページにも掲載し、「道内だけでなく、全国の事業者に使ってもらいたい」(観光振興機構)と呼び掛けている。

 一昨年、週3便で就航した、新千歳―バンコク(タイ)線は、利用が好調なことから昨年10月から毎日運航となった。道を訪れるタイ人観光客も増えるなか、タイ語を話せなくても意思疎通ができるように会話集を用意した。基本会話に加え、交通や宿泊、飲食、買い物などの場面で、フレーズや単語を、指で示しながらやり取りできる。

 会話集は印刷物のほか、無料のPDFファイルも用意。観光振興機構ホームページ(http://www.visit-hokkaido.jp/)の組織情報のなかにある統計・資料からダウンロードできる。

旅館の繁盛法公開、“おもてなし”を再強化 (観光文化研究所)

旅館経営者など約50人が集まった
旅館経営者など約50人が集まった

 観光文化研究所(大坪敬史代表)は2月17日、東京都内で旅館業経営者向けに「今こそ“おもてなし”を再強化! “おもてなし”דマーケティング”で旅館が繁盛する法大公開セミナー」を行った。

 同社は本紙でも繁盛旅館の秘訣やおもてなしについてのコラムを連載し、宿泊施設など観光業のコンサルティングを行っている。

本陣平野屋の有巣栄里子女将
本陣平野屋の有巣栄里子女将

 第1部では、飛騨高山で2つの価格帯の旅館「本陣平野屋 花兆庵」「本陣平野屋 別館」を経営する有巣栄里子女将が、スタッフ教育やおもてなしのクレーム対応など、繁盛旅館の秘訣を語った。両館は年間客室稼働率90%を誇り、全55室で年商11億円を達成。JTBの評価は17年連続で90点以上を獲得し、ネット口コミも常に満点に近い評価を得ている。

 有巣女将はクリーンスタッフについて「客をもてなすという意識はない」とのことから、社員教育の一環として、毎日朝礼を行い、ヘビーユーザーの情報なども共有しているという。また、接客するうえでの重要点として「お客様と仲良くなろうという思いを持つことが大切」と話す。「若い人は会話のキャッチボールがまだ下手なので、『そうなんですか』で終わりがちだが、その先が大切」と強調した。顧客から高評価を受けるスタッフへは、褒めることを大切にし、「具体的にどこが伸びたのか、良かったのかを気楽に話すようにしている」という。

 

観光文化研究所の井川今日子氏
観光文化研究所の井川今日子氏

 第2部は、観光文化研究所の井川今日子氏が繁盛旅館が行うおもてなしとマーケティング事例を紹介した。井川氏は「おもてなしの現場にいる人は、集客の苦労を分かっていない人が多い」と指摘。平野屋が行うジョブローテーションを紹介し、「別の立場から見ることでいろいろと見えてくることがある」とすすめた。

 ホームページ関連については、「お客様は部屋や食事への関心が高いが、スタッフの顔が見えているところのクリック率が高い」とデータを紹介。Web上でもおもてなしを「見える化」することでアクセス数アップにつながるという。キーワード検索対策の重要性にも触れ、鬼怒川温泉では東武鉄道のキャラクター「鬼怒川みやび」というキーワード検索に対応している事例を紹介。「ニッチなキーワードを取りこぼさないことも大切」と語った。

 採用ページは「宿の経営理念を示す良い機会」とし、「おもてなしを大切にしている旅館ということをお客様にアピールすることもできる」と説明。求職者だけでなく、顧客を意識したページ作りの大切さを説いた。

 また、近年さまざまな方面で指摘される「ゆとり世代」について、「悪気なく悪いことをする素直で良い人」と特徴付け、社員教育では「常識が通用しないと思い、当たり前のことから教えていくしかない」とアドバイスした。

 続く第3部は、同社の大坪代表が、販売チャネルの再構築やマーケティング戦略などによる売上倍増法など、エリア、施設規模、客単価別に、おもてなしから、集客とリピーター化へつなげる手法を伝授した。

航空旅客数は11%増、1月の過去最高を記録(NAA)

 成田国際空港(NAA、夏目誠社長)は、2014年1月の空港運用状況(速報値)を発表し、航空機発着回数は前年同月比8%増の1万9269回と1月の過去最高を記録し、通年でも13年8月と7月に次ぐ歴代3位の記録となった。航空旅客数は同11%増の299万6473人と1月の過去最高を更新した。

 航空機発着回数のうち、国際線は同6%増の1万5125回と、1月の過去最高を記録した。国内線も同16%増の4144回と1月の過去最高を記録し、通年でも13年8月と7月に次ぐ歴代3位の記録となった。

 航空旅客数のうち、国際線は、同8%増の255万6836人。このうち日本人客は、円安による海外旅行の割高感や韓国線の減少により、同3%減の121万7739人となった。外国人客は旧正月時期の変動により、同31%増の77万987人となった。国内線は、同33%増の43万9637人と1月の過去最高記録した。

 同空港では現在、ノンストップゲート化を進めているが、旅客入場整理に関しては3月末までにカメラシステムの設置を完了し、入場車両の管理については、9月末ごろまでに約130台のカメラを設置する予定だ。石指雅啓取締役は、2月28日の会見で「遅くとも14年度末までにノンストップゲート化を完成させたい」と語った。

料理部門で30年連続1位、秀水園を100選特別表彰(旅行新聞新社)

湯通堂保会長に盾を贈呈
湯通堂保会長に盾を贈呈

 旅行新聞新社が主催する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で、30年連続の料理部門第1位に輝いた鹿児島県指宿温泉のホテル秀水園(湯通堂温社長)に対する特別表彰が2月10日、同ホテルで役員、スタッフ約40人が出席して行われた。

 1976年にスタートした旅館100選は、同種イベントの先駆けで、今年で39回を数える。1月24日に第39回の100選表彰式が行われ、ホテル秀水園は総合部門で6位、もてなし部門で4位にランクインしている。

 料理部門は1982年に初入選し、85年に1位となり、この39回100選で30年連続となった。

 現地ホテルで行われた表彰式では、旅行新聞新社の石井貞徳社長が、ホテル創業者で料理旅館として名を高めた湯通堂保会長に30年連続表彰の盾を贈呈。また、湯通堂会長とともに料理日本一の宿を作り上げた石井正治総料理長に、第39回料理部門第1位の表彰状が贈られた。

石井総料理長に表彰状
石井総料理長に表彰状

 受賞後にあいさつした湯通堂社長は「現地でこういう表彰を受賞できて本当にうれしい。プレッシャーはあるが、30年連続という名に恥じないよう、さらなる上を目指していきたい」と決意を語った。

 旅行新聞新社の石井社長は「30年連続1位は、湯通堂会長、社長の料理に対する想いと、石井料理長がそれを絵に描き料理として実現したもの。さらに宿のスタッフの皆様方の素晴らしい対応があったからこそ成し得た偉業だろう」と称賛。

 「和食が世界遺産登録され、旅館の料理の重要性も増す。感動を与えるホテル秀水園の料理を日本はもとより、世界の人にも楽しんでもらいたい」と期待を述べた。

No.364 「もてなしの達人」「優秀バスガイド」 - 「優秀バスドライバー」も表彰

「もてなしの達人」「優秀バスガイド」
「優秀バスドライバー」も表彰

 旅行新聞新社が主催する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」「プロが選ぶ優良観光バス30選」の特別部門として、従業員を対象とした「第11回もてなしの達人」「第12回優秀バスガイド」の表彰式が2月14日、東京都港区の浜松町東京會館で開かれた。今回からバスドライバーにスポットを当てた「優秀バスドライバー」の表彰が加わった。当日は表彰式のほか、優秀バスガイドによる1分間ガイドや、観光文化研究所の井川今日子氏による講演を行った。

【8面に受賞者一覧】

 
 
日々おもてなしを実践、総勢52人表彰、46人が出席

 今回の「おもてなしの達人」は33人を選出し、28人(うち代理2人)が出席。「優秀バスガイド」は受賞者11人全員が出席した。また、今回初めての表彰となる「優秀バスドライバー」には8人を選出し、7人が出席した。受賞者には表彰状と記念品が贈られた。各部門は全国の旅行会社からの推薦票をもとに選出される。毎年、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の投票期間中に、全国の旅行会社に配布した投票用紙に、各部門についても記入をお願いしている。

 推薦の主な理由を見ると、【もてなしの達人】には「節度をもった親近感のある対応だった」「お客様にもエージェントに対しても、優しい心づかいが良い」などの声が寄せられた。【優秀バスガイド】は「社内の雰囲気を楽しくさせる」「お客様の気持ちを把握して気配りが良い」などのコメントが多かった。【優秀バスドライバー】は「安全運転はもちろん、接客も優れている」「乗降車時のあいさつ、安全誘導・指導、徹底したおもてなしに努めている」など称賛の声が上がった。

 表彰式で旅行新聞新社の石井貞徳社長は「観光を盛り上げていくなかで皆様が重要な役を担う。急に『おもてなし』が注目されるようになったが、皆様は日々おもてなしを実践しており、この表彰で皆さんの姿をもっと広く知らせていきたい」と語った。

 

※ 詳細は本紙1536号または3月6日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

和歌山に1万2千人、二階会長の地元で盛大に(第10回国内観光活性化フォーラム)

10人でパネルディスカッション
10人でパネルディスカッション

二階俊博会長
二階俊博会長

 全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)は2月11日、着地型旅行の推進による地域振興や国内観光の活性化を目指す「第10回国内観光活性化フォーラムin和歌山」を和歌山ビッグウェーブで開いた。(株)全旅による「地旅博覧会」も併催し、会員関係者約5600人、業界関係者約1400人、一般客約5100人と、合計で1万2千人を超える多くの人が集り、盛大に開かれた。

 前回の5千人を上回る1万人を目標に掲げていたが、会員の集客努力により目標人数を大きく上回り、二階会長の地元での記念大会を華やかに飾った。開会式で二階会長は「全国から和歌山に集まっていただきありがたい。ANTAは小さい旅行会社の団体だが、全国の会員の協力があってここまでやってこられた」と感謝を述べ、「旅行業・観光業を発展させるため、観光は平和産業だという誇りを持ち、邁進していかなくてはいけない」と語った。続いて仁坂吉伸和歌山県知事と大橋建一和歌山市長が歓迎のあいさつをし、久保成人観光庁長官が来賓のあいさつを行った。

 「村の名前」で芥川賞を受賞した和歌山県出身の作家辻原登氏による「わが聖地・熊野。――そして物語がはじまる」と題した記念講演をはさみ、「観光振興と未来の創造」と題したパネルディスカッションを行った。和歌山大学出身で、ロイヤルパインズホテルの元社長、門博文衆議院議員(自民党和歌山県連観光振興部長)をコーディネーターに、二階会長、久保観光庁長官、仁坂和歌山県知事、菊間潤吾日本旅行業協会(JATA)会長、張西龍中国国家観光局東京首席代表、朴三求錦湖アシアナグループ会長、芹川洋一日本経済新聞専務論説委員長、田中理恵ロンドン五輪女子体操日本代表がパネリストとして登壇。政治解説者でジャーナリストの篠原文也氏と松あきら前参議院議員も特別ゲストとして参加し、それぞれの立場から観光について語った。

 さらに(株)全旅による地旅大賞や、同大会で初めて募集した「学生が作る地域活性化につながる着地型旅行企画プラン」の表彰式も実施。最後に観光立国和歌山宣言が採択され、閉会した。

地旅博覧会には多くの一般客が集まった
地旅博覧会には多くの一般客が集まった

大切な現場 ― 経営者は「商品」を把握しているか

 仕事柄、1人で旅館やホテルに泊まることが多い。馴染みの宿であるならば安心感があるが、見知らぬ土地で、初めて泊まる宿の部屋は、ワクワクする気持ちもあるが、それと同じくらいの不安もある。この不安感は多くの旅行者の共通する気持ちではないかと思う。

 電気を消し、いつもとは違う枕に横たわり天井を眺めながら「宿のオーナーはこの部屋で一度でも泊まったことがあるだろうか?」と考える。

 数百室もある大型ホテルの場合、オーナーが各部屋に泊まることは、現実的にあり得ない。では、4―10室程度の小規模旅館ではどうだろうか。それでも、自館のすべての客室で泊まった経験のあるオーナーは少ないのではないだろうか。もちろん、オーナーが自館の客室すべてに泊まる必要などない。

 小規模の宿では、宿主や女将が清掃や最終のチェックを隈なく行うケースも多いが、昼間の時間帯が中心だ。けれど、旅行者が宿で過ごす時間は、圧倒的に夜間や深夜帯である。そうすると、昼間とは違う夜間の冷暖房の効き具合や空調の音、ベッドに寝たときの照明の柔らかさや角度、廊下の話し声や、隣室のテレビの音がどのくらい聞こえるかなどの詳細を確認することはできない。

 おそらく、宿泊客の口コミに書かれた不満や、改善要求に対して経営者が指示することになる。それが一般的だし、それでいいのかもしれない。

 福島県・東山温泉の向瀧では、スタッフが交代で客となって自分たちの宿の客室に宿泊し、スタッフからお客と変わらない接客を受けるという話を以前、平田裕一社長から聞いた。

 一人の客として、この取り組みは心強く、安心感がある。おもてなしの現場にいるスタッフが実際に自分たちの客室に泊まることによって、客目線で不備な点に気付き、それを経営者に強く伝えることができる。客室も商品である以上、宿側が一応、すべての状態を把握したうえで提供しているか、それとも一度も試さずにお客に提供しているか、大きな違いがある気がするが、どうだろうか。

 1面でも紹介しているが、今年から「優秀バスドライバー」の表彰を始めた。2012年4月に関越自動車道で発生した高速バスの事故以来、バスドライバーへの社会の眼差しは厳しくなった。安全に対する意識も高まり、制度も変わった。このような状況で、ツアー客を旅の目的地に連れて行き、安全に旅を終える役割を担うバスドライバーは、バスツアーを企画する旅行会社やバス会社自身にとっても、大きな存在である。だが、彼らはおもてなしの最前線にいながら、表舞台でスポットライトを浴びることはこれまであまりなかった。

 乗り心地や、ブレーキの利かせ具合、ギアのつなぎのスムーズさなどに気を配る自社の大切な“商品”であるドライバーの努力や技術を、経営者は実際にバスの座席でしっかりと把握してほしいなと思う。経営者が現場を知り、現場の人たちをしっかりと評価する姿勢が、結局はお客の安心と信頼を勝ち取ることになると思うからである。

 「優秀バスドライバー」の受賞者たちはすごく誇らしく映った。バスガイドさんと対比して仕事中は寡黙なバスドライバーたち。心の中は何を思っているのか。今後、取材を続けていく予定だ。

(編集長・増田 剛)

若者に観光地「見て」、ダンス動画で魅力発信(JATA)

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 日本旅行業協会(JATA)は2月19日、4月から開始する新しい国内宿泊旅行拡大キャンペーン「ニッポンを、遊びつくせ!」の詳細を発表した。若年層を中心に、旅行にあまり興味がない人にも国内観光地の魅力を見てもらうことを目的に、ダンスユニット「WORLD ORDER(ワールドオーダー)」が国内観光地で踊る動画をSNSなどで配信し、その真似をした動画・静止画を募集する。

 新CP「『ニッポンを、遊びつくせ!』まだ、あなたの知らない日本がある。」は、これまでの宿泊旅行拡大CP「もう一泊、もう一度」の大きな冠のもとに展開するが、これまでと趣向を変え、若者に特化。旅へのハードルを下げるため、「旅」を「遊び」と置き換えて、国内旅行を楽しむことをコンセプトに据える。

 具体的にはワールドオーダーのパフォーマンス動画をJATAのキャンペーンサイトや公式フェイスブック、You Tubeなどに投稿し、話題性を喚起。若者に人気の「なりきり」を募集することで、拡散を狙い地域の魅力の露出をはかる。また、海外でも人気のワールドオーダーを起用し、映像名もローマ字表記にすることでインバウンドへのアピールも狙う。14年度は、15年に北陸新幹線の延伸を控える石川県が舞台。4―6月に第1弾を公開し、7―9月に2弾、10―12月に3弾を発表。15年1―3月は、3本の動画に加え、次年度の予告編を公開する予定だ。

 投稿CP「なりきりWORLD ORDER」は、地元のPRになる場所でダンスをした動画か、ウォーキングポーズの静止画を募集する。それぞれの部門で毎月1組を抽選するほか、年度末には最優秀賞を選出し、総額で100万円のJATA旅行引換証を贈る。

 同日開いた会見で、国内・訪日旅行推進部の興津泰則部長は、09年から5年間展開してきた宿泊プレゼントCP「もう一泊、もう一度」について、応募総数が約50万通にのぼる見込みと報告。「一定の評価ができる応募数に到達した」と語った。一方で、若年層の旅行市場は厳しい現状があるとし、「国も、若者を旅に誘うことに力を入れているが、JATAとしても会員各社からの強い要望があり、いかにムーブメントを作っていくか検討を重ねてきた」と経緯を述べた。

 また狙いについて「若者に見てもらうことが目的」とし、「他の業態のプロモーションと比較し、アクセス数を評価軸にしていきたい」と語った。

 今後の展開については、次年度もワールドオーダーを起用する予定で、取り上げる地域は東北などが候補にあがっている。「復興支援や観光庁が次年度から注力する沿岸地域への取り組みと連動する。東北は震災から3年が過ぎ、イメージを払拭するべき。新しい意味で『楽しい東北』を発信していきたい」。このほか、南の地域も含め、全国で約4カ所を想定しているという。事業は3カ年の予定。

社員サービス?

 出張で旅館に泊まる機会がある。大概、夕食兼懇親会があり、夜10時以降に大浴場に向かう。中小規模の旅館だと、平日のその時間は貸切に近い状態で入れるので密かな楽しみだ。

 しかし、その穴場を狙っているのは私だけではない。宴会が終わり、一息ついた仲居さんたちだ。社員サービスや福利厚生のようなものなのだろう、自分たちの「入浴セット」を持ってやってくる。皆、1日の疲れを癒しているのだから、一緒に入るのは特段構わない。ただ気になるのは、そういう場面に遭遇するのは小さい旅館が多いため、数人で入ってくると、こちらの肩身が狭くなってしまうことだ。さらに、先ほどまで甲斐甲斐しく世話をしてくれた仲居さんがあいさつもしてくれないと、何だか悲しくなる。働く人にとっては仕事後のことかもしれないが、客にとってはチェックアウトまでが「商品」なのだ。

【飯塚 小牧】

異業種コラボの可能性、4企業と討論で探る(全旅連青年部)

「旅館改善劇場 旅沢直樹」の寸劇
「旅館改善劇場 旅沢直樹」の寸劇

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(山口敦史部長)は2月18日、東京都江東区有明の東京ビッグサイトで13年度第3回県部長サミットを開いた。旅館アカデミー委員会が「旅館改善劇場 旅沢直樹」を通じてダメ旅館からの経営改善策を示したほか、異業種コラボ事業委員会が「コラボが生む新たな可能性」と題してパネルディスカッションを行った。

 パネラーには東急ハンズ、資生堂、よしもとクリエイティブ・エージェンシー、ぐるなびの4社の代表者が登壇し、異業種コラボ事業委員会の柴田良馬委員長と、新たに協力できる事業について語り合った。

 ぐるなびとは、「結婚記念日の旅行」をともに需要開拓していく案などが出された。よしもとクリエイティブ・エージェンシーとは、吉本芸人とめぐる温泉ツアーの企画や、温泉旅館の若旦那100人を集めたユニット結成などのアイデアで盛り上がった。資生堂とは、温泉地の美容やヘルシーを求める女性に「メーキャップレッスン」などの企画が人気を呼ぶのではないかという意見もあった。また、東急ハンズとは売場を活用したさまざまな販売コラボの可能性を探り合った。

 山口部長は討論後、「他業界のブランド力との相乗効果が期待できる異業種コラボによって、旅館業界のレベルアップ、魅力アップにつなげていきたい」と締めくくった。

異業種コラボのパネル討論
異業種コラボのパネル討論