津田令子の「味のある街」「峯松ソース」――磯の宿 峯松(静岡県沼津市)

2022年9月17日(土) 配信

磯の宿 峯松の「峯松ソース」498円(+税)▽静岡県沼津市戸田376-17▽☎0558(94)3694。

 静岡県伊豆半島の西側のつけ根にあたり、沼津市の南部にある「戸田」という小さな港町をご存知だろうか。

 
 戸田は、絶景やグルメに温泉、そしてパワースポットまである伊豆の穴場的観光地だ。伊豆箱根鉄道の「修善寺駅」から新東海バス戸田行きに乗って約50分。車の場合は東名高速道路沼津ICから70分ほど。

 
 戸田の海まで0分という好立地に建つ、「眺めのいい宿」峯松。店主自慢の料理と蒼い海、さらには釣りを楽しむ方々など多くの常連客がやってくる。漁師さんが獲った新鮮なお魚を網から外し、それを仕入れるという「漁師直仕入れ」を行っている自慢の料理は、その日ごとに仕入れた素材で決まる。峯松の生簀はいつも“小さな駿河湾”だ。タカアシガニや伊勢エビ、サザエなどが泳いでいる。目の前には戸田湾が広がっている。

 
 部屋からの眺めはオーシャンビュー。海のある日常が展開されている。外に出ると底が見えるほど綺麗な海に感動する。

 
 戸田港内は、人気の釣り場にもなっていて、1年中にぎわいを見せている。宿の自慢は、新鮮な魚料理のほかにもある。

 
 今回ご紹介するのは、磯の宿・峯松の独自製法で仕上げたオリジナルソース「峯松ソース」だ。沼津商工会議所の沼津ブランド認定品でもある。

 
 原材料はトマトケチャップ、野菜、果実(リンゴ、トマト、セロリその他)、糖類(砂糖、ぶどう糖果糖液糖)、醸造酢、コンスターチ、たん白加水分解物、食塩、香辛料、増粘剤(加工でんぷん)、カラメル色素(原材料の一部に大豆を含む)と明記されている。

 

 高さ16㌢、内容量300㍉㍑とちょうどよい大きさで、我が家では決して欠かすことがない。とんかつとの相性は抜群。野菜炒めに、生野菜に目玉焼き、お好み焼きにソース焼きそば、カツサンドと、何にでも合ってしまう魔法のソース。「一家に1ソース」だ。

 
 「近いうちにネットで買えるようになりますよ」とご主人。今回もファックスで注文させていただいた。明後日には届くはずだが待ち遠しい。道の駅くるら戸田でも購入できる。

(トラベルキャスター)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

「街のデッサン(257)」 ミドルタウンツーリズムの発見、先取りする観光コンセプトへの直感

2022年9月17日(土) 配信

中堅都市観光モデル・小田原

 観光産業には多方面からの逆風が吹いて、なかなか復調のきっかけを掴めないでいる。手をこまねいているうちに、日本は「観光立国」どころか「観光消国」になりかねない。

 この夏の初めに小田原市で産業観光のフォーラムがあり、街を案内されてシンポジウムに参加しているうちに、この地方中堅都市の豊かで多層的な地域資源の活用を新しい切り口で考えられないかと思い当たった。私は基調講演を頼まれていたが、そこで提案したコンセプトが「ミドルタウンツーリズム」であった。「ミドルタウンツーリズム」とは一体何であろうか。

 都市の類型として「グレートシティ(大都市)」と「スモールタウン=ヴィレッジ」があって、近年フランスなどではこの小さな町や村の観光が盛んだ。無論、パリ、ニューヨーク、東京などの大都市が観光のメインになっているが、見落としてはならないのが「ミドルタウン=中堅都市」という視点である。

 アメリカでは、「ミドルタウン」がその都市や町の正式名称になっているところが各地に複数存在するから、中堅都市を巡るだけでもツアーが成り立つと洞察する。何故成り立つかは、それらの地域が大都市や小さな町にはない人々の心の琴線に触れる風土を創り出しているからである。

 1920年代、アメリカで共に社会学者であるリンド夫妻がインディアナ州のマンシーという中堅都市を調査した報告書が注目された。夫妻はこの4万人弱の都市に自ら住み着き、参与的行為調査の手法で数値上だけでなく実態、実感的な研究を進めた。20年代のアメリカは産業近代化で大量生産、大量販売という商品流通の拡大が進み、フォードによるオートメ化で自動車の廉価化が実現し、移動の自由が郊外化文明を生み出した。これらの社会現象として、ヨーロッパ各国の労働者の階級抑圧に代わる豊かな市民コミュニティを生み出した。20年代後半、マンシーも大恐慌に襲われるが、彼ら市民は必死に働くことで生活と風土を保持した。アメリカのミドルタウンの多くは古き良きアメリカの面影を残している。

 実は私は小田原の街に、アメリカとシナジーな都市コミュニティと風土の豊かさを実感した。私たちはAIやスマホ、メタバースに少々食傷気味ではないか。クオリア不在の仮想空間体験ではなく、日常につながっている身の丈と、体温の温もりを忘れていない観光(これを小田原では〈なりわい〉と総称している)が、「ミドルタウンツーリズム」の発現の必然性を後押しているのではないか。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

 

HIS、海旅機運醸成へ CMと大応援セール展開

2022年9月16日(金) 配信

CMの一部

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は9月13日(火)、新CM「ハッピーをさがしに、いくぞ、セカイへ! HISリベンジ旅」編の放映を始め、9月14日(水)から海外旅行需要を喚起する「リベンジ旅大応援セール」を展開している。コロナ禍で多くの消費者が自由な旅を諦めていた状況を鑑み「HISのリベンジ旅」をキーメッセージに掲げ、海外旅行の機運醸成をはかる。 

 CMは心にあった行きたいという気持ちを再燃させるという。さらに、友達を誘い週末、気軽に出掛ける旅や、バックパックを背負って外国を巡る旅行など不自由なく行くことができたコロナ禍前を思い起こす内容に仕上げた。9月24日(土)まで、関東と関西、九州、北海道、東北で放映される。
 
 セールは10月31日(月)まで実施する。 成田発着で韓国・明洞周辺のスタンダードクラスホテルに3日間滞在する商品は2万9800円。ハワイのハイアット・リージェンシー・ワイキキ ビーチリゾート&スパに5日間泊まり、成田を発着するツアーは18万9000円。関西空港発着で、ベトナムホーチミン市に4日訪れる商品は4万9800円。いずれも諸税別で燃油サーチャージは含まれている。

温泉+森林浴でリフレッシュ(宮城県・作並温泉)

2022年9月16日(金) 配信

作並二ツ岩

 宮城県の作並温泉は、仙台市街地から車で40分程度と利便性も高いところです。その歴史は721(養老5)年に奈良時代の高僧・行基が発見したと言われています。史実としての開湯は1796(寛政8)年です。

 旅館組合では近くのニッカウヰスキー宮城峡蒸留所の視察に訪れたフランス飲料関係者から、ジョギングで自然に触れ合いたい、というリクエストにこたえエスコートを行ったのをきっかけに、9年前からトレイルランニングなどスポーツを通じて自然に触れる仕掛けを展開していました。

 そうしたなか、スポーツ愛好者だけでなく、一般の方にも自然と触れ合える場を提供しようと昨年整備したのが二ツ岩散策路です。この場所は国有林内のため、仙台市が借り受ける形で、組合が中心となって階段や手すりを整備しました。散策路付近は良質な水道水を提供する水源の1つでもあり、その点がネックになり悩みましたが、訪れる人に温泉+森林浴も体験してもらい、心と体をリフレッシュしてもらおうと決断しました。

 二ツ岩散策路は片道300㍍弱という短かさながら、入口の湯神神社は縁結びの神様、散策路終点の二ツ岩は「夫婦岩」とも呼ばれるなどカップルやご夫婦にぴったりです。無料ガイドが同行しますので、安心して作並の自然を満喫していただけます。これからの季節は鮮やかな紅葉が楽しめます。

【作並温泉旅館組合長 岩松廣行】

三渓園内の重要文化財臨春閣 9月15日から内部を特別に公開

2022年9月16日(金) 配信

臨春閣

 三渓園(神奈川県横浜市)にある重要文化財臨春閣の内部が9月15日から、特別に公開される。

 5年にわたる保存修理事業の完了と、三渓園完成100周年を記念した企画。見学通路から狩野派の絵師による障壁画や和歌の色紙がはめ込まれた欄間など、さまざまな工夫が施された内部の意匠と、日本庭園の景観を楽しめる。

3屋から見た日本庭園

 公開は25日まで。次回の公開は未定で、今回は貴重な機会となるという。

 臨春閣は、江戸時代初期に建てられた紀州徳川家の別荘とされる建物で、三渓園が「東の桂離宮」と呼ばれるのはこの臨春閣の存在にちなんでいる。三渓園には1917年に移築され、その際三渓によって玄関棟部分の新築や3つの棟の配置の変更が行われた。

室内

 今回の保存修復工事では桧皮葺屋根と杮葺屋根の補修を実施するとともに、建物の耐震補強工事を行った。臨春閣の大規模修理は約30年ぶり。

 耐震補強工事では見た目を大きく変更することなく耐震補強を行うこと前提とし、従来の材料を残し、新たに追加した建材も違和感なく建物に溶け込むよう工夫を施した。またこの補強工事の過程で、戦災によって一切残されていないとされていた戦前の玄関棟の床が見つかった。同遺構も今回の特別公開で併せて公開される。

 保存修理を担当した三渓園保勝会事業課の原未織氏は、「臨春閣は今に残されている内部の美しい彩色と建物から見た景色、三渓さんの創意工夫とが絡み合った、今に受け継がれている素晴らしい遺産」と魅力を語った。

 三渓園は実業家原三渓(富太郎)が造り上げた庭園で、1906年に一般公開された外苑と、三渓が私庭としていた内苑で構成される。

 園内には国の重要文化財建造物10棟、横浜市指定有形文化財建造物3棟を含め17の棟があり、庭園全域も国の名勝に指定されている。また園内、三渓記念館では、三渓ゆかりの資料や美術品などを、約1か月ごとに展示替えを行いながら紹介している。

サステイナビリティ観光学部が来春開設 9つの専門科目群を用意(APU)

2022年9月16日(金) 配信

立命館アジア太平洋大学は来春、「サステイナビリティ観光学部」を開設する

 立命館アジア太平洋大学(APU、大分県別府市)は2023年4月、「サステイナビリティ観光学部」を新たに開設する。日本で唯一のサステイナビリティ観光学を学べる学部として、持続可能な社会に必要な環境・社会・経済・文化の4つの要素を複合的に学習できる。

 一般的なサステイナビリティ学は多くが理工系学部にあり、4つの要素のなかでも「環境」に重きを置いたアプローチが主流となっている。

 こうした現象のメカニズムを理解したうえで、同学部では文系的なアプローチで循環型地域社会を実現するための学びを提供する。環境のみでなく、社会、経済、文化の要素も修得することができるカリキュラムとなっている。

 出口治明学長は、「新しい学部の設立はすなわち第2の開学。本学の教育方針である『混ぜる』に加え、これからは社会課題に取り組み『解を出す』を付け加える」と話した。新学部サステイナビリティ観光学部の理念については、「一過性のものは真の意味で観光とは呼べない。社会・地域にある持続可能な営みに光を与えることが観光であり、持続可能であってこそ観光だ」と強調した。

 同学部では、環境学、資源マネジメント、国際開発、地域づくり、社会企業、データサイエンスと情報システム、観光学、ホスピタリティ産業、観光産業──の9つの専門型科目群から学べる。学生が自ら学びたい領域を選び、知識を深めることができる独自のカリキュラムを用意した。

 また、25人の教員を日本国内と12の国・地域から迎えた。それぞれの学術分野で国際的な経験とネットワークを持つ教員が、9つの専門領域に対応する幅広い学びをサポートする。

 入学定員は350人。

 

 おもな教授陣は次の各氏。

 ▽李燕(リ・エン)〈学部長〉
 ▽ヴァファダーリ・カゼム
 ▽久保隆行
 ▽ニシャーンタ・ギグルワ
 ▽土橋卓也
 ▽韓驥(ハン・ジ) ほか19人。

海外各市場の回復動向探る JNTOインバウンド旅行振興フォーラム、3年ぶりのリアル開催

2022年9月16日(金) 配信

JNTOは東京都内で第25回JNTOインバウンド旅行振興フォーラムを開いた

 日本政府観光局(JNTO、清野智理事長)は9月7(水)~8日(木)の2日間、訪日客誘致に取り組む自治体や民間事業者、会員などを対象に、東京都内で「第25回JNTOインバウンド旅行振興フォーラム」を開いた。3年ぶりにリアル開催となった今回は、海外事務所長による各市場の最新動向や、サステナブルツーリズムをテーマとしたパネルディスカッションを催し、今後のインバウンドや日本の観光振興の取り組みをまとめた。

 冒頭あいさつで清野理事長は、「サステナブルツーリズムやアドベンチャーツーリズム、高付加価値旅行をプロモーションの3本柱として、インバウンド本格始動に向けて着実に準備していく」考えを示した。今回のフォーラムにおいても、この3要素を切り口として講演を行っていくとし、「住んでよし・訪れてよしの地域づくりを目指す観光のカタチが、より一層我われに求められる」と強調した。

 フォーラム初の試みとして、外部講師によるパネルディスカッションや基調講演を開いた。

 パネルディスカッションでは、「これからのインバウンドの重要性と地方誘客による創生/サステナブルについて」をテーマに、カナダ観光局日本地区の半藤将代代表がカナダ観光局の事例を紹介。カナダの事例を受けて、アルパインツアーサービスの芹澤健一社長と、沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長が、日本国内の事例やそれぞれの地域においての認識の共有をし、サステナブルの観点から、インバウンドの重要性と地方誘客の必要性について、意見を交わした。

 2日目の基調講演では、Adventure Travel Trade Association(ATTA)のアジアディレクターであるハンナ・ピアソン氏を迎えた。同氏は、世界のアドベンチャーツーリズムのトレンドや、日本における可能性について講演を行った。

 

各市場の取り組み 豪州・東アジア

豪州市場

 豪州市場は国内・海外旅行需ともに順調に回復してきている。訪日旅行についての問い合わせは増えているが、ガイド動向による費用の上昇や自由行動を好む市場ニーズに合わず、予約までは結び付かないケースが多い。一方で、12月~翌年1月には通常時にもどることを期待するFITの旅行者が増えているという。

 20~40代はFITや夫婦・パートナー、20~30代は1人旅行・FIT、30~40代は家族・子連れ、50代以上は世帯年収1000万円以上のラグジュアリー層をターゲットにし、それぞれのニーズに合わせて訴求するコンテンツやアプローチ方法を工夫して取り組みを実施する考え。

韓国市場

 韓国市場では、無査証や隔離免除が適用されているベトナム、ヨーロッパ、グアム、サイパンなどを旅行先にした旅行商品を中心に売り出している。7月以降は徐々に訪日団体ツアーも増えてきている状況。日韓航空路線は成田、関西、名古屋、福岡、千歳、那覇などが復便している。

 韓国市場はリピーター中心の成熟市場であり、訪日経験者がおもなターゲットとされているとして、40代以上の夫婦・パートナー家族層は旅行会社経由、20~30代の夫婦・家族層はFIT化が顕著であるためインフルエンサーを招請しTVでプロモーションを展開。また、若年層向けにSNSを中心とした広告や、LCCの利用率が高いことから航空会社との共同広告を行う方針だ。

台湾市場

 台湾市場は、台湾と海外を行き来する団体旅行の取り扱い禁止は継続中で、海外旅行解禁よりも水際措置のさらなる緩和が先決とされている。旅行業各社や航空会社は既に動き出しており、旅行商品価格はコロナ前より3~4割高騰している傾向にある。

 コロナ後のキーワードは「個人旅行増」、「体験・テーマ性重視」、「事前・アウトドア」などであるとして、特別感や限定性のあるコンテンツのPRが効果的。新規開業情報や、コロナ後も変わらず楽しめるコンテンツの情報も求められる。

中国市場

 中国市場は、依然として厳しい貿易措置を継続し、ゼロコロナ政策を進めている。国内旅行客数は順調に回復しているが、より短期・近場を好むようになる旅行スタイルの変化が見られ、消費額の回復が課題となっている。中国人消費者の海外旅行マインドとしては、渡航希望はあるが、帰国後の「隔離施策」が難点とされている。

 今後の取り組みとしては、大手メディアやプラットホームとタイアップしたオンラインプロモーションをはじめ、日本とのライブ配信を取り入れたハイブリットイベントを開く予定だ。

 関西圏で初開催ーー 奈良県・川上村で10月29日(土) 初のONSEN・ガストロノミーイベント

2022年9月16日(金) 配信

源流の村ならではの澄んだ川の景色

 関西圏で初開催――。吉野川(紀の川)の源流部に位置する奈良県・川上村で10月29日(土)、初のONSEN・ガストロノミーイベントが行われる。

 村内5地域を巡りながら、雄大な吉野杉の山々と、源流の村ならではの澄んだ川の景色を満喫できる約7㌔のコース。各ガストロノミーポイントでは、自然や歴史、文化、村の取り組みをパネルで紹介する。

 ゴール地点ではマルシェを開き、コース途中で提供された食事や飲み物、村内在住作家の木工製品なども販売する。

「あまごの塩焼き」

 ウォーキングとともに楽しめる食は、奈良を代表する郷土料理「柿の葉寿司」や「あまごの塩焼き」、商工会のなでしこ会が作る特製の「焼きそば」、昔ながらの和スイーツなどを取り揃える。

 担当者は川上村の魅力として「村に暮らす人々のホスピタリティ」を挙げ、「参加される方々には、ぜひ、イベントスタッフとの会話を通じ、どこか懐かしく温かい雰囲気を感じていただきたいです」とPR。

 また、村に住む人がガイドとなり村の魅力を伝えるエコツーリズム、「かわかみ源流ツーリズム」を今年4月から本格的に始動したことに触れ、「観光振興と環境保全を同時に進める川上村を、ぜひ体感しながら応援してください」と参加を呼び掛けた。

 

丹生川上神社上社

祖谷渓谷の渓谷美を楽しむ 10月30日(日) 徳島県・大歩危・祖谷温泉郷でONSEN・ガストロノミーイベント

2022年9月15日(木) 配信

小便小僧と紅葉

 徳島県・大歩危・祖谷温泉郷で10月30日(日)、4回目のONSEN・ガストロノミーイベントが行われる。

 ミシュラン・グリーンガイドで2つ星に選ばれた祖谷渓谷の渓谷美を楽しめる、約11㌔の自然散策。「景色が綺麗」、「自然と地元の食材を楽しめ健康的な1日を過ごせた」など、過去3回開催し好評を博したイベントを磨き上げ、同地が持つ魅力を余すことなく紹介する。

 イベントの舞台となる大歩危・祖谷温泉郷は、祖谷温泉、祖谷渓温泉、新祖谷温泉、大歩危温泉、大歩危峡温泉の総称で、山々を眺めることができる大浴場や露天風呂が人気。

 担当者は、「ウォーキングのあとは、秘境のムードが漂う5つの温泉施設でウォーキングの疲れを癒してください」とPRする。

でこまわし

 コース上に設けるガストロノミーポイントでは、祖谷特産のごうしいも、石豆腐、こんにゃくを串に刺して味噌をつけて焼く田楽「でこまわし」や太く短めの麺が特徴の「祖谷そば」など地元の郷土料理や地場産の食材を使った

料理を用意。市が進める、世界農業遺産認定を生かした食の魅力創出などを目的とする「三好市ガストロノミープロジェクト」の中で生まれたメニューの一部も提供する。

 また同温泉郷が位置する三好市は、知る人ぞ知る隠れた酒処。イベントでも、「三芳菊」「芳水酒造」「今小町」の市内に3つの酒蔵の日本酒を取り揃える。

 

全旅連、第100回全国大会開く 菅義偉前首相が基調講演 約100人の国会議員も出席

2022年9月14日(水) 配信

約850人の組合員が集まった

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(多田計介会長、1万5081会員)は9月13日(火)、東京都千代田区のホテルニューオータニで第100回記念の全国大会を開いた。約850人の組合員が出席。基調講演には菅義偉前首相が登壇したほか、自由民主党を代表して、麻生太郎副総裁が祝辞を述べた。大懇親会には約100人の国会議員も出席し、100年の歴史や観光立国に向けて関係を育んだ。

多田計介会長

 多田会長は「コロナ禍でも宿泊業の火を消さないことを尊敬する」と組合員の苦労を労った。そして、「全旅連は次の100年へ、社会にとって存在意義のある組織に成長していきたい」と強調した。

 来賓の自民党観光産業振興議員連盟の細田博之会長は入国者数の上限などを設けられていることから、「(観光業界は)不況を乗り越えておらず、多くの借金を抱えている。返済を免除できるよう党内で働き掛けていく」と話した。

細田博之会長

 自民党を代表して出席した麻生太郎副総裁は「(野党となったときなど)自民党が厳しいときも支えてもらっている」と謝辞を述べた。感染拡大が落ち着いてきたため、「我われも戦略を練り直して、訪日観光客を4000~5000万人に増やしていくことも考えている」と語った。

麻生太郎副総裁

 基調講演には安倍晋三元首相を予定していたが、当日は菅義偉前首相が登壇。ふるさと納税の寄付金額は設立当初、100億円程度だったなか、第2次安倍政権で法改正を実施した以降は、「毎年約1000億円ずつ増えた。2019年には約83倍となる8300億円となり、地方財源を増やした」と官房長官として2人3脚で取り組んだ地域活性化政策について話した。

菅義偉前首相

 また、「円安であるため、1日も早く水際措置を緩和する機会であることを政府に訴えていく。実行するには皆さんの声が不可欠だ」と一層の協力を求めた。「(全国旅行支援や補助金の創設など)皆さんの声も早急に実現できるよう取り組んでいく」との姿勢を示した。

 第25回「人に優しい地域の宿づくり賞」では、厚生労働大臣賞に、富士レークホテル(山梨県・河口湖町)の「東京2020パラリンピック受入れ」が受賞した。

富士レークホテルの井出泰済社長(中央)

 全旅連会長賞には、山代屋(奈良県奈良市)の「地域活性化として宿での子ども食堂(次世代に継ぐ食育の発信)」が選出。選考委員会賞では、なにわ一水(島根県松江市)の「1人でも多くのお客様に優しくありたい宿」が選ばれた。その後、大会宣言と決議が採決された。

 次回の全国大会開催地は23年6月14日に、愛媛県・道後温泉、全国大会前夜祭(13日)は同今治市での開催を予定している。テーマは「地方観光復活元年」。大会は四国4県の都道府県組合が行う。

 愛媛県を代表して大木正治副会長が「次の100年への最初の大会として引き締まる思いだ。来年は出向から30年となるので、皆様へのお返しとしても出迎えたい」と語った。

懇親会には約100人の国会議員も参加した

 その後、大懇親会が開かれ、自民党観光産業振興議員連盟の細田会長など約100人の国会議員が参加し、交流を深めた。