〈観光最前線〉酒処「灘五郷」を満喫

2018年10月12日(金)配信

パ酒ポート灘五郷チラシ

 「灘の酒」で知られる日本有数の酒処「灘五郷」の酒蔵巡りが楽しめるスタンプラリーブック「パ酒ポート灘五郷2018―2019」が販売中だ。地酒を軸に、人々の交流や地域の活性化をはかるべく、これまで北海道や滋賀県、新潟県で展開されてきた「パ酒ポート」シリーズの兵庫県版。

 「灘五郷」は、兵庫県神戸市の西郷、御影郷、魚崎郷と西宮市の西宮郷、今津郷の5地域から成り、清酒生産量は全国第1位を誇る。参画酒蔵で商品購入時に同ブックを提示すると、割引やオリジナルグッズのプレゼントなど、各種特典が受けられるほか、蔵ごとに集めたスタンプの数に応じて、抽選でオリジナルグッズや日本酒なども当たる。掲載施設で各種特典が受けられるクーポン機能に特化した英語版も販売する。

【塩野 俊誉】

日本人の28%が1人旅好む ジェットスター、旅行の国際意識調査

2018年10月11日(木)配信

エリアごとに違うそれぞれの旅のスタイルに注目

ジェットスターグループはこのほど、日本やオーストラリアなど8カ国の顧客を対象に旅行スタイルに関する国際比較調査を行った。「誰と行く旅行が、夢のような旅行か」という質問では、日本人の28%が「1人旅」と答え、「配偶者または恋人」に次いで2位に。一方、日本以外の7カ国で2番目に多かった「友人(1人または複数)」は、日本では全体の7%にとどまり、国内のさまざまな業界で高まる「お一人様需要」が、旅行スタイルにもあてはまる結果となった。なおすべての国で1位は、「配偶者または恋人」となった。

あなたにとって「夢のような旅行」とは、誰と行く旅行ですか?(回答はひとつ)

  旅行の目的の1つにもなる食に関する項目では、「飲食店などでメニュー内容がわからない」とき、日本と台湾は「あてずっぽう(適当)に注文」するが1番多く、日本人は全体の44%が回答した。オーストラリアや中国など5カ国は、「何を注文しているのかが分かるよう、誰かに翻訳をお願いする」が1位となり、香港は「あてずっぽう」と「誰かに翻訳をお願いする」が同数だった。

飲食店等でメニューの内容が分からない時の行動

 「旅行先の食事」に関する日本の回答は、1位が「地元の人が行くようなお店や屋台に行く」で44%、2位が「評判が良いお店に行く」で33%。台湾(51%)やオーストラリア(42%)など6カ国で一番多かった「評価が低いカフェやレストランでも、興味をもって試してみたい」と回答したのは、全体の4%にとどまった。

 同社は併せて、「機内で隣に座っている人の行動として、気になること」についても調査を行った。日本人が一番気になるのは「大声で話す」(35%)、次いで、「肘掛けを両サイド使用する」(26%)、「フライト中、ずっと話し掛けてくる 」「睡眠中のいびきが激しい」(13%)の順となった。なお「大声で話す」は、中国、香港、台湾、ベトナムでも1位で、ベトナムでは59%と過半数以上を占めた。

 調査は今年7月、2万8500人以上を対象にインターネット上で実施した。対象地域は、オーストラリア、ニュージーランド、日本、シンガポール、中国、台湾、香港、ベトナムの8カ国。調査には、ジェットスターカスタマーパネル(中国ではWeChat、台湾と香港、ベトナムはFacebook)を利用した。

 

貸切温泉付ゲストハウス「YUMORI」誕生 福島・土湯温泉

2018年10月11日(木)配信 

YUMORI玄関前の風景

福島県・土湯温泉の旅館「山水荘」は、土湯温泉郷初の“貸し切り温泉付きゲストハウス(長期滞在型プランあり)”「YUMORI ONSEN HOSTEL(ゆもり温泉ホステル)」を2018年10月5日(金)にオープンした。

リノベーションらしく当時のまま大浴場も復活

 「YUMORI」は「湯処土湯から、温泉イノベーション」をコンセプトに、廃業した温泉ホテルを全面リノベーションして誕生。現代では見られなくなった土湯温泉の古き良き温泉文化を語り継ぎ、国境や文化・言葉を越えて多くの利用客とともに新しいにぎわいを生み出す拠点となることを目指す。

 ゲストハウスは6タイプ全30室。個室露天風呂付きのファミリー向けのセミスイートや和洋室、男女混合や女性専用のドミトリー、合宿向けの大部屋などを用意する。1階ラウンジは、YUMORIハウスブレンドやクラフトビールも販売し、宿泊者のほか一般客も利用可能なコミュニティスペースとして開放。宿泊者は併設されたキッチンで、購入した地元の食材を自由に調理ができる。

宿泊者なら誰でも使えるシェアキッチン付きラウンジ

 さらに、10~12月の3カ月間はオープニングイベントも開催。第1回目となる11月17日(土)には、音楽ユニット「空気公団」を招き、宿泊とライブチケットをセットした宿泊プランも抽選50人に販売を予定する。

施設概要

名称:YUMORI ONSEN  HOSTEL by SANSUISO(ゆもり)

所在地:〒960-2157 福島県福島市土湯温泉町堂ノ上7-1

面積:敷地面積1,518・1平方㍍、延床面積4,046・86平方㍍

建物規模:地上7階建て

ゲストハウス:6タイプ全30室

交通アクセス:電車:土湯温泉駅から自動車:5分

運営会社:株式会社 山水荘

代表電話番号:024-595-2170

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琉球王国時代の貴重な資料や珍しい工芸品を初公開! 沖縄県

2018年10月11日(木)配信 

中山門図

首里城公園(沖縄県那覇市)は2018年10月6日(土)から、南殿二階特別展示室で新収蔵品展「守れ!琉球の宝~琉球関係文化財収集初お披露目展~」を開催している。同時期開催予定の「御後絵と琉球絵画」も10月12日(金)にスタートする。

 「守れ!琉球の宝~琉球関係文化財収集初お披露目展~」は、これまでに沖縄美ら島財団が収集した収蔵品のうち、初公開となる資料と、修繕を行った資料の展示を行う。貴重な琉球王国の宝を守り、後世に残していく同財団の取り組みも広く紹介する。

 展示品の中には、今は見ることの出来ない「中山門」が描かれた絵図もあり、数少ない大変貴重な資料のひとつ。香りを楽しむ香炉のような「鉄釉丁子風炉」は、初めての展示となり、目にすることが少ない珍しい工芸品という。

企画展 概要

■南殿二階特別展示室:守れ!琉球の宝~琉球関係文化財収集初お披露目展~

会期:2018年10月6日(土)~12月13日(木)

 これまでに新たに収蔵された美術工芸品や、修繕後に初公開となる資料を展示。

■黄金御殿特別展示室:御後絵と琉球絵画

会期:2018年10月12日(金)~11月29日(木)

 琉球国王の肖像画である御後絵と琉球の絵師が描いた人物画を展示。

首里城公園 概要

所在地:〒903-0815 沖縄県那覇市首里金城町1丁目2番地

入館料:大人820円、高校生620円、小・中学生310円、6歳未満無料

開園時間:

 4月~6月 /午前8:30~午後7:00

 7月~9月 /午前8:30~午後8:00

 10月~11月/午前8:30~午後7:00

 12月~3月 /午前8:30~午後6:00

※入館券販売締切は閉館30分前

URL:

台湾で日本精神を学ぶ!“大人の修学旅行”募集開始

2018年10月11日(木) 配信

元総統・李登輝氏登場の可能性も

リアルインサイト(鳥内浩一社長、東京都中央区)はこのほど、台湾で日本の歴史を肌で学ぶ“大人の修学旅行”「日台友好歴史探訪ツアー」の募集を開始した。毎年企画しているもので、今回は5回目。12月31日(月)まで募集を受け付け、2019年1月24日(木)~1月27日(日)にツアーを実施する。

 全国修学旅行研究協会が行っている修学旅行調査の2016年度データによると、台湾へ修学旅行を行ったのは262校4万1878人となりトップ。次ぐ米国(ハワイ、グアム、サイパンを含む)は254校3万6661人。台湾は2006年度の3552人と比べ約11・8倍となり、校数、人数とも初めて1位となった。同協会の木田一彦・国際担当部長は「親日的で治安も良いのが人気の理由。旅費が安価な点も大きい」と分析する。

 修学旅行先でも人気の高い台湾で、大人向けに日本の精神を学ぶ旅として実施する「日台友好歴史探訪ツアー」は、参加費だけで24万8千円(航空券代・ホテル代別途)と高額にも関わらず、過去開催の全4回のツアーでは全国から参加希望者が殺到。経営者をはじめ、学校教師や医療関係者、シニア層、台湾生まれの日本人、学生の子供を連れて参加する人などで、毎回100人の定員が埋まる人気のツアー。

 ガイドブックに掲載されている人気観光スポットには一切行かず、台湾元総統・李登輝氏や台湾に「日勝生加賀屋」を誘致した徳光重人氏の講演など、台湾に今も残る日台友好の歴史を辿り、日本人が失いかけている精神を学ぶ。台湾の教科書に載り、台湾人なら誰もが知っている台湾に功績を残した有名な日本人は多数存在するが、日本ではあまり知られていない。現地台湾の人々が今でもその日本人たちに感謝をしていることやその功績を守り、語り継いでくれていることを知り、参加者は感動を覚えるという。

「日台友好歴史探訪ツアー」詳細

日程:2019年1月24日(木)~1月27日(日)

申し込み期限:2018年12月31日

参加費:24万8千円(航空券代・ホテル代別途、早期割引あり)

<主な訪問先>

・台湾で唯一本殿と拝殿が残る桃園神社

・日本軍人 杉浦茂峰少尉が祀られる鎮安堂飛虎将軍廟

・鳥山頭ダム(非公開の地下を含む)、八田與一記念館(台湾加賀屋誘致者・徳光重人氏の解説・案内)

・日本の警察官 森川清治郎巡査が祀られる義愛公

・台湾教育の聖地 芝山巌、国立台湾博物館

・日本統治時代を経験された友愛グループ(美しく正しい日本語を台湾に残す会)との交流会と会食

・文筆家 片倉圭史氏 講演

・新亜旅行 会長 張幹男氏 講演

・李登輝元台湾総統あいさつ・会食(昨年は参加したが、現在95歳と高齢のため、体調不良などの理由により、当日参加できない場合がある)

ツアー詳細、申し込み方法はホームページから。

http://realinsight.co.jp/taiwan2018/lp/
http://realinsight.co.jp/taiwan2018/lp/

浅草に妖怪が集結!広島・三次市が花やしきとコラボイベント

2018年10月11日(木) 配信

広島県三次市は10月13日(土)、浅草はなやしきの「ハロウヰン妖夜祭」とコラボレーションしたイベントを「まるごとにっぽん」(東京・浅草)で開く。2019年4月26日、三次市に開館する「日本妖怪博物館」の誕生記念イベント。妖怪メイクの無料体験や妖怪によるパフォーマンスなどが楽しめる。

 当日は約5千点を超える妖怪コレクションを同市に寄贈した、妖怪研究家の湯本豪一氏のトークショーや妖怪をモチーフにしたアクセサリーやお面、雑貨などを販売する「妖店百貨展」などを企画。また、広島県のアンテナショップ「ひろしまブランドショップTAU」も出張出店し、県内各地の名産品も販売する。なお、物産展は翌日の14日(日)も展開する。

 また、13日の夜は浅草花やしきで、閉園後に「ハロウヰン妖夜祭」が開かれる。妖怪のみ(仮装可)が入れるイベントで、例年定員が満員となるほど人気という。

広島県三次市日本妖怪博物館誕生記念イベント

日時:10月13日(土)午前10:00~午後5:00

場所:まるごとにっぽん1階広場

イベントスケジュール:

・午前10時~各ブース販売開始

・正午~12:30 オープニング

・午後1:00~1:30 妖怪グリーティング①

・2:00~2:30 妖怪グリーティング②

・3:00~3:50 妖怪研究家・湯本豪一氏トークイベント

・4:00~4:50 妖怪くじ

関東地方の紅葉見ごろは「例年並み」

2018年10月11日(木) 配信

全国観るなびサイト画面

日本観光振興協会はこのほど、今年の関東地方の紅葉の見ごろは「例年並み」の見込みだと発表した。紅葉スポットの情報は運営する観光情報サイト「全国観るなび」で確認できる。

 「紅葉の見ごろ」は紅葉樹や黄葉樹が全体に紅(黄)葉したころとしており、9月の平均気温から予想する気象庁が作成した予測式を使って算出する。日本観光振興協会は気象庁が1965(昭和40)年から行っていた関東地方の17スポットの紅葉見ごろ予想を引き継ぎ、2008年から毎年10月上旬に発表している。

 また、関東地区に限らず全国約180カ所の主要紅葉スポットを対象に、11月末日までの毎週木曜日に色づき情報を更新して案内している。なお、今後の天候の推移によって紅葉の見ごろ時期は前後する可能性があるため、サイトでの確認を呼び掛けている。

「全国観るなび」について

 全国各地約13万件の観光施設などの観光情報と紅葉やお祭りなどの季節情報を提供している。また、昨年2月から英語サイト「Must-see Japan」をテストリリースし、外国人旅行者に向けて情報提供も行っている。提供する季節情報は、今回の紅葉情報のほかに11月にはイルミネーション、12月にスキー・スノーボード、1月に初詣・初日の出、3月に桜、7月に花火大会、さらに毎月約400件の行・祭事情報のなど、全国各地の魅力的ある観光地の情報を国内外の消費者に提供している。なお、これらの情報の収集・更新は現地の自治体、観光協会や関係者の協力のもとに行っている。

電子地域通貨サービス実用化へ DeNAベイスターズ、トークイベント開く

2018年10月11日(木) 配信

11月のテーマは、「地域通貨」

横浜DeNAベイスターズは11月7日(水)、「地域通貨」をテーマにCREATIVE SPORTS LABでトークイベントを行う。日本政策投資銀行地域企画部の坂本広顕課長による基調講演や、しま共通地域通貨発行委員会の久保雄策氏、処デザイン学舎齋藤美和子代表を交えたトークイベントを通じて、地域通貨の可能性を探る。同時に地域通貨を使用した実証実験も行われる。

 同社は今年5月、ギフティを「BAYSTARS Sports Accelerator」(ベイスターズ スポーツ アクセラレータ)の第 1 期プログラム参加企業に決定し、電子地域通貨 「BAYSTARS coin(仮)」の開発の検討をスタートした。横浜スタジアムや対象エリアの加盟店での電子地域通貨の利用を可能にし、観戦客などの利便性を向上させるとともに、まちへの回遊も促すことを目的とする。今回のイベントでは、当日のみブールバードカフェ「&9」で利用できる2千円分の電子地域通貨を付与し、利用者、店舗従業員の声などを集め、実用化に向けた検討に生かす。

地域通貨 イメージ図

イベント概要

日時:11月7日(水)、午後 7:00開始(午後6:30開場)

場所:CREATIVE SPORTS LAB(横浜市中区日本大通34 THE BAYS 2F)

参加費:1千円(税込み)

〈旬刊旅行新聞10月11日号コラム〉客との会話  語り始めのひと言とタイミングが命

2018年10月11日(木)配信 

接客では、語り始めのひと言とタイミングが命

さわやかな秋晴れの休日に、横浜まで洋服を買いに行った。

 根がズボラなので「本当にこだわりたいもの以外はこだわらない」のだが、今回は必要が生じてちょっと変わった秋モノのジャケットを買いに行こうと思い立ったのだ。

 「さあ洋服を買いに行こう」と意気込む一方で、一抹の不安がよぎってしまう。それは、店員が執拗に話し掛けてくる積極販売の手法が苦手だからだ。

 店舗に一歩足を踏み入れた瞬間に、自分が獲物になった気分になる。「どのくらいの価格の店なのだろう」と入り口近くに並ぶスーツの値札を指で摘まんで見ていると、「今日はスーツをお探しですか」と声を掛けられる。「ええ、まあ」などと曖昧に答えると、想定予算をはるかに超えるスーツを持って来て、「今年はこの色がどうで、生地がどうの……」などと始まる。シャツやネクタイ、コートなど買う予定が無いものも自由に眺めてみたいと内心思いながらも、そんな客の「遊びの時間」を一切与えてくれない店がほとんど。

 実際、今回の洋服選びもそうだった。何軒かのお店を訪れたが、店員との不毛な会話によって疲れてしまい、結局何も買わなかった。

 手ぶらの帰り道、お腹が空いているのに気づき、寿司が食べたくなった。目についた店は回転寿司の体裁を取りながらカウンターの中で寿司職人が握るスタイルの店だった。美味しそうな店だったが、寿司を注文するたびに、職人と会話を交わさなければならないことが煩わしく感じ、足が前に進まなかった。それで、もう少し先にあるパネルで選べる回転寿司店に入った。誰とも会話を交わすことなく食事ができる回転寿司店のありがたみを改めて認識できた。

 客は我がままで、人恋しい時もあれば、疲れてしまい、あまり人と話をしたくない時もある。どの業種であれ、お客のようすを見ながら臨機応変に対応するのがベストだと思うのだが、洋服店の場合、そうはいかないのが残念である。

 観光地を歩いていると、道を歩くお客に積極的に声を掛け、半ば強引に試食を迫る店もある。繁華街でよく目にする居酒屋への呼び込みに似ている。

 旅館のおもてなしは、人の温もりがあって、旅で疲れた体に心地よさを与える。一方で、私自身も宿に着くと、「誰とも話さずに1人でのんびり過ごしたい」と感じることもある。仲居さんが客室でお茶を淹れながら「お客さん、どこから来られました?」と聞かれることも多々あるが、会話の糸口としては、あまりに芸がなく、具体的な質問は客に疲労を与えてしまう。

 酒を飲みながら議論するのが嫌で、最近は「1人で静かに酒を飲みたい」と思うことが増えてきた。1人で飲むのが好きだが、本当に1人で飲むのは虚しい。そんな夜には、適度な雑音が聞こえるバーで飲むのが最適だ。安っぽい店は「お客さん、初めてですか」「お仕事の帰りですか」とすぐに聞いてくる。1流と2流の違いは、客に話し掛ける頃合いを理解しているかどうかだ。

 バーテンダーにとって、語り始めのひと言と、語り掛けるタイミングが命である。寡黙な客が3杯目のスコッチを頼んだときに、店の入口を見ながら静かに、「今夜もまた雨が降っていますね……」などはどうだろうか。

(編集長・増田 剛)

【特集No.505】産業観光 第2ステージへ 地域に密着した持続的な観光へ

2018年10月11日(木) 配信

全国産業観光推進協議会(須田寬会長)は9月21日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で全国産業観光フォーラムを開いた。地域と企業の交流の場を設け効率的な事業支援をはかるため、ツーリズムEXPOジャパン主催者プログラムとした。今年度は、受入態勢の強化や国際展開などを重点施策に掲げる。須田会長は、産業観光の発展には地域に密着した持続的な観光であることが必要と語る。今年度からを第2ステージと位置付け、データに基づき活動を深化させる。

 産業観光の歴史は古い。1950年にフランスの経営者協会が輸出の振興をはかるため、外国人の産業施設視察に便宜を与えるよう産業界に呼び掛け、受入態勢の整備と宣伝・斡旋の制度を始めたことに由来している。

 日本では2005年に開催した「愛知万博」の誘致を契機に、中部地方から本格的な取り組みがスタートした。前年には推進、普及役となる「全国産業観光推進協議会」が日本観光振興協会に設置された。「愛知万博」開催時には、約30の産業資料館や博物館、工場を場外展示場として活用し、入場者数の大幅増という結果をもたらした。その後「産業観光」は、地方自治体の観光施策に加えられるようになり、地域観光の中核として定着するところも見られるようになった。

 工場や工房などの生産現場のほか、産業遺産、市場など幅広い観光対象を含む産業観光は、最近では工場夜景の人気も定着している。

 須田会長は「全国産業観光フォーラム」の冒頭で、これまでの産業観光の歩みを振り返り、「産業観光は昨年、国連観光倫理憲章に相応しい観光として第3回ジャパン・ツーリズム・アワード『UNWTO部門賞』を受賞した。これを機に、より持続的で、地域に密着した観光にする必要がある」と語り、今年度からを第2ステージに位置付ける。「具体的な調査に裏付けられた事業であることが大事になる」と強調し、産業観光推進協議会発足からこれまでの実績調査や、今後の需要予測などに基づき推進する。併せて、18年度は①産業観光の国際化②産業観光」の受入体制強化③研究会、イベントなどの積極的展開――を重点施策として定めた。

 須田会長は、「産業と地域は互いに連携しながら発展を続けてきた。産業活動がまちづくりにつながっているところも多いので、くにづくり、まちづくりを産業観光から進め、観光立国、地域再生をはかる」と語った……

【全文は、本紙1730号または10月19日以降日経テレコン21でお読みいただけます。】