ウィズコロナ時代に「感染者ゼロ」危機管理促す 高松氏を講師に災害時対応力向上セミナー開く

2020年9月10日(木) 配信

災害時対応力セミナーで講師を務めた高松氏

 サーベイリサーチセンターは9月9日(水)、「観光事業者のための災害時対応力向上セミナー」をオンラインで開いた。講師には観光レジリエンス研究所代表の高松正人氏と、観光庁参事官の片山敏宏氏を招いた。新型コロナウイルス禍で打撃を受けた観光業界関係者を対象に、参加した事業者へ「絶対に感染者を出さないという意思」を持つことや、ウィズコロナを念頭においた危機管理の重要性、その対策について語った。【馬場 遥】

 

 同セミナー冒頭で、高松氏は、まだ拡大傾向にある世界の新型コロナ感染状況を説明し、「未曾有の試練に陥っている」と警鐘を鳴らした。当初、日本は比較的安全と見ていた国内外の認識は覆り、「インバウンドの回復が遅れる可能性がある」と懸念を示した。

 新型コロナの世界的な感染が収束したとしても、ウイルスと共存する「ウィズコロナ」時代が来るとして、「ニューノーマルへの適応が必要であるため、事業者のみならず、旅行者自身が新しい旅のエチケットを守ることで、感染拡大を防ぐ協力を仰ぐ必要がある」(同氏)と語った。

ニューノーマル時代の観光スタイルでは、「無感染である」ことを確認することを基本とする。感染拡大防止ガイドラインの遵守、感染防止のための設備・テクノロジーの早急な整備の必要性を強調した。

 高松氏は業界ガイドラインが世界中で作られているが「少しずつ違う」ことにも触れ、「ガイドラインが世界中で統一されれば、海外渡航ができるようになる」と期待を込めた。

 ガイドライン策定で一定の成果は出ているものの、Go Toトラベル参加事業者のリスク管理が甘く観光庁から指導を受けたり、利用者が感染防止への対策を怠ったりなど、「完璧には遠い」と指摘した。

 策定したガイドラインをもとに「自社のマニュアルとして落とし込んでほしい」と要請するとともに、「飛沫・接触・エアロゾル(空気中の微細な飛沫)感染など、感染リスクを正しく知ることが『感染対策の1丁目1番地』だ」と力を込めて参加者に語った。

 経営者自身が「絶対に自分の施設から感染者を出さない」という強い意志を示す姿勢を見せる重要性と、観光復興のためのポイントを示した。

 1つ目は、「今来てくれやすい人(リピーター、同県または隣接県在住の人)にターゲットを絞る」とし、マイクロツーリズムを基本としたPRをする。

 2つ目は、「決して安売りをしない」。利用者が少ないなかで数を入れようとするのではなく、単価を下げず満足感のあるサービスを行う。

 3つ目は、2つ目のポイントに付け加え、「安心感を売る」。この時期に宿泊する利用客のほとんどは、旅行で利用する施設の感染防止対策の事前確認をする場合が非常に多いとして、「より安全で安心なところ」を選ぶ傾向が高いと説明した。

 

旅先の感染拡大防ぐには旅行者の協力が必要

 観光庁の片山参事官は、「新型コロナ感染症対策に対する観光庁の取り組み」について、観光地や宿泊施設における具体的な対策を紹介した。

 Go Toトラベル事業の概要を述べたあと、東京都除外に触れ「今後の感染状況を踏まえ、除外解除について分科会で協議していく」と語った。

 同事業を実施するにあたり「医療設備の乏しい地方で、クラスターが発生してしまうのではないか」と心配の声が上がったが、参加事業者・旅行者双方に「厳しい参加条件を設けた」と説明した。

 事業者へは、検温などの体調チェック・3密対策・消毒や換気の徹底・旅行者の本人確認・参加条件を実施している旨をホームページやフロントでの掲示――など、感染防止対策の条件をクリアしたうえでの事業参加を認めている。

 一方、旅行者へは、旅行前の体調チェック・3密が発生する場や施設は利用しない・施設従業員の指示に協力する――など、「感染防止対策が講じられることを前提に、適切な旅行をする」ことを求めている。

宿泊施設アドバイザー派遣事業 30の取組みを採択へ 観光庁

2020年9月10日(木) 配信

観光庁

 観光庁は9月10日、「宿泊施設アドバイザー派遣事業」で支援する取組みを30件採択した。宿泊施設の事業継続や、感染症ガイドラインを踏まえた感染症拡大防止の取り組み、新たなビジネスモデルの構築など課題解決に向けたアドバイザーを派遣する。

 派遣されるアドバイザーは、事業計画作成や、金融機関との調整、活用可能な補助金の申請支援など、個々の状況に応じた取組みを支援する。

 団体名・地名・取組み名は次の通り。

▽人吉温泉観光協会(熊本県)
人吉観光の面的再生に向けた専門家派遣事業

▽和心亭豊月(神奈川県)
持続可能な企業体質構築を目指した小規模旅館イノベーション

▽プルント(東京都)
離島がキャンパス。オンライン事業でスタディケーション(大学生を対象とした長期滞在に特化した宿づくり)

▽ホテルアンビア松風閣(静岡県)
アフターコロナに向けての接遇力アップと商品力強化を図るための従業員研修

▽鞆スコレ・コーポレーション(広島県)
感染防止対策に取り組みながら、高付加価値化につながる魅力的な、鞆の浦の観光資源を活用した新たなビジネスモデルの構築を実現する

――など、ほか25の取組み。

読者向けプレゼント ロイヤルウイングのペア乗船優待券を5組10人にプレゼント

2020年9月10日(木) 配信

ロイヤルウイング

 ロイヤルウイングはこのほど、旬刊旅行新聞読者向けプレゼント企画をスタートした。ペア乗船優待券を5組10人にプレゼントする。

 同優待券は一部イベントクルーズなどでは利用ができないほか、乗船時に別途食事の注文が必要になる。締め切りは、9月30日(水)まで。

 同社は、みなとみらい地区や横浜の街並み、横浜ベイブリッジなど横浜の美しい景色と、本格中国料理が楽しめるレストラン船「ロイヤルウイング」を運航している。

 7月中旬からは、「県内生産者さん応援キャンペーン」を実施しています。毎週土曜日のバイキング限定で、神奈川県認定の「かながわブランド」に登録された食材を使った特別料理が味わえる。9月19日(土)までは、湘南しらすと、佐島の地だこを使用。9月26日(土)からは、湘南ちがさき牛を使用したメニューを取り揃える。

応募はこちらから

バリーズ、Z世代の力で旅行需要回復を プロジェクト始動 

2020年9月10日(木) 配信

Z世代に対する知見の共有や課題解決を行う

 海外旅行に特化したデジタルメディア「TabiMUSE(タビミューズ)」を運営するバリーズ(野々村菜美CEO、港区)は9月1日(火)から、Z世代(現16~23歳)の力で旅行需要回復を目指すトラベルプロジェクトを本格的にスタートした。

 将来、消費の中心を担うZ世代の消費行動や旅行スタイルを研究し、旅行業界に情報提供することで業界全体の機運を高めていく。併せて、同プロジェクトに賛同するツーリズム事業者や団体も募集する。

 既に、オリエンタルホテル東京ベイとホテル椿山荘東京、ベルトラとの協業が決定している。バリーズに問い合わせをした企業・団体には、Z世代の特徴をまとめた「Z trip Book」を進呈する。

 Z世代への理解を深めたい宿泊施設やDMO、旅行会社などと情報共有するとともに、同社と学生らプロジェクトメンバーが課題解決に向けた提案も行う。

プロジェクトの流れ(イメージ)

 Z世代の傾向を知ることは、未来の顧客層へのアプローチ方法を考案するきっかけになる。「Z trip Book」によると、SNSを楽しむミレニアル世代(現24~39歳)に対し、Z世代はSNSに疲れを感じているという。SNSの使い方もミレニアル世代は「発信」、Z世代は「情報収集」と隔たりがある。

 プロジェクトには、女子学生6人も参加。いずれも大学で観光学を学び、なかには観光業界への就職が決まっている学生もいる。だが、業界の将来に不安を抱く人も少なくない。今回のプロジェクトは、コロナ禍により打撃を受けた観光業に対して、若年層に改めて前向きに捉えてもらいたいとの思いも込められている。

エスビージャパン、地域産品を応援するECサイトオープン コロナ禍で地域と消費者にエール送る

2020年9月10日(木) 配信

サイトのイメージ。第1弾は地域のレトルトカレーを集めた
 エスビージャパン(中元英機社長、東京都中央区)は9月7日(月)、同社の地方創生ニュースサイト「みんなの観光協会」の編集部がおススメする日本の地域産品の詰合せボックスを売り出すECサイト「reco:リコ」をオープンした。
 
 新型コロナウイルス感染症の拡大でイベントや行事の中止、インバウンドなどが激減し、全国の地域で経済が落ち込むなか、同社は地域の元気を多くの人に贈り、消費者のエールを地域に送ろうと開設した。
 
 同サイトでは、地域ならではの技術と工芸性、職人技が生かされ、多様性と個性がある商品に注目。毎月テーマごとの詰合せボックスとして売り出す。
 
 9月から売り出した第1弾のテーマはここでしか買えない全国のクラフトカレー②幸せが口いっぱい広がる全国のフルーツジャム③シンプルだけど美味しい全国の厳選調味料――とした。販売目標は月間で1000ボックス。年間では1万2000ボックス。
 
 商品の知名度向上や地域の応援、日本を元気にしようと商品の買い付けも始めた。全国から産品を募集しており、具体的な買付希望の商品は加工食品や菓子、調味料、酒・ドリンク類、土産品、雑貨、レトルトなどで、地域ならではの技術と工芸性、職人技が生きていることを挙げた。 商品仕様として最小ロットを30個以上とし、常温で賞味期限は90日以上、70㌢BOXに入るサイズを希望している。

30分の渦潮体験クルーズ 鳴門観光汽船(徳島県)

2020年9月10日(木) 配信

 「鳴門観光汽船」は、1周約30分の渦潮体験クルーズを運航。鳴門海峡の渦潮が巻いている場所へは、約10分で到着します。

 運航している大型観潮船「わんだーなると」は、鳴門の渦潮見学専用に設計、建造。渦潮の真上まで進むことができます。

デッキから見下ろす渦潮は格別

 変わった視点で渦潮を見たい人には、予約制の渦潮水中観潮船「アクアエディ」がオススメ。水面下1㍍の展望室から海中の渦のようすを間近で見られるほか、デッキからは雄大な瀬戸内海の景色を堪能できます。高速船の航行時にデッキに出られるのは珍しいです。

 乗船券発売所や、おみやけ売り場のレジ周りに飛沫防止のシートを設置しております。また、待合所入口や、改札口、乗船タラップ入口にそれぞれ、アルコール消毒液を設置。毎航海後、手摺り、ドアノブなどのアルコール消毒を徹底しています。
 お客様には、乗船中は必ずマスクの着用をお願いしております。

国宝・松江城のお堀をめぐる 堀川遊覧船(島根県)

2020年9月10日(木) 配信

国宝・松江城を望む

 国宝・松江城(島根県松江市)を囲むお堀の約3・7㌔を約50分かけてゆっくりめぐり、城下の景色が四季折々の風情とともに楽しめます。城閣のお堀を1周する遊覧船は日本唯一です。船上から松江城をはじめ、歴史的な景観を眺めることができます。

 一番の魅力は約60人在籍する個性豊かな船頭です。歴史が得意な人、民謡が達者な人など多彩ですが、それぞれが日々勉強し、自分の言葉でガイドしています。「楽しかった、また来るね」と思っていただけるよう、一期一会のおもてなしの心で皆様をお迎えします。

 夏季の風鈴を付けた「風鈴船」、冬季のやぐらこたつを設置した「こたつ船」も人気です。

 船内や施設の清掃、消毒、換気のほか、従業員のマスク着用、健康管理の徹底を実施し、安心して乗船いただけるよう取り組んでいます。お客様には乗船時に、マスク着用、検温、手指の消毒などのご協力をお願いしております。

栗田事務次官就任会見 「Go To」で新しい生活様式を周知、浸透させる 国土交通省

2020年9月10日(木) 配信

栗田卓也国土交通事務次官

 国土交通省の栗田卓也事務次官は9月9日(水)に就任会見を開き、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた各業界への支援体制を含め、抱負を語った。栗田事務次官は「第2次補正予算案で、感染拡大防止対策の実証事業への支援を盛り込んでいる。また、ポストコロナでの新しい生活様式、旅行者視点での衛生管理や考え方を、Go Toキャンペーンを通じて、国民に周知、浸透させていきたい」と力を込めた。【馬場 遥】

 

国民生活守る「常に緊張感を」

 国交省は自然災害、事件・事故への対応など、「国民生活に直結した大きな役割を担っている」としたうえで、「平生から緊張感を持って、組織が常にふさわしい状態であるように心掛けていきたい」と抱負を語った。また、社会とのコミュニケーションも重視する構えだ。

 

ガイドラインを周知していく

 政府は、新型コロナ感染拡大による訪日外国人旅行者の99・9%減少という大打撃を受けて、今まで「事業継続と雇用保障の面で支援策を講じてきた」と振り返った。

 一方、ウィズコロナの時代では、「経済・観光振興と感染拡大防止の両立が大前提となる」(同氏)。そのためには、「観光関連施設の安心・安全な環境づくりを必要とした」と説明した。

 新型コロナ感染拡大防止のために、各関係業界へ専門家を紹介し、54団体へ41のガイドラインを作成してもらうなど、「従業員と利用者双方が安心・安全にサービスを行う、受けられるような指針を定めた」と報告。作成したガイドラインの周知に注力していく。

 

Go To利用781万人「下支え効果あった」

 7月22日(水)の事業開始から9月3日(木)までの時点で、約781万人の宿泊実績が上がった。今年4~6月の宿泊・旅行業者の売上が約9割減とヒアリング結果があったことから、「Go To事業がなかった場合の損害はこれ以上となっていた可能性がある」とし、「Go Toは一定の下支え効果があった」との認識を示した。

 また、多くの知事から「効果があった」と感謝の声も届いたという。

 10月からは、地域共通クーポン(旅行代金の15%相当額)も発行される予定だ。

 今後は、国内旅行の需要を喚起し、働き方改革も含めたリモートワーク、ワーケーションなどの推進をしていく。また、インバウンドの需要回復には時間がかかるため、今を準備期間として、「魅力的な滞在コンテンツの充実をはかるなど、訪日プロモーションにも取り組む」と語った。

 

交通運輸へも引き続き支援

 バス、タクシーともに最近は回復傾向にあるものの、まだ厳しい状況として、事業の維持がはかられるように各業界各事業の状況を仔細に把握したうえで、関係省庁と連携しながら引き続き支援を行う姿勢をみせた。

 年間100万回の発着容量を目指し、羽田・成田空港の機能強化を行う。「2030年までに訪日外国人6000万人を達成するために必要不可欠な中・長期的計画として、今後も取り組んでいく」と述べた。

レストラン船「シンフォニー・クラシカ」 50人で貸し切り可能に シーライン東京がチャータープラン売り出す

2020年9月10日(木) 配信

シンフォニー・クラシカ

 シーライン東京(斉藤博章社長、東京都港区)はこのほど、「クラシカ全船チャータープラン」と「貴賓室エロイカプラン」を売り出した。ウィズコロナ時代の新しいパーティーのかたちとして企画した。

 同社が運航する450人乗りのレストラン船「シンフォニー・クラシカ」を、通常の貸し切り利用人数の半分の50人で貸し切り可能にした「クラシカ全船チャータープラン」。料金は100万円で、コース料理かブッフェ料理とフリードリンク付く。午前10:00~午後9:00の間の2時間、船内を自由に使用可能だ。

 「貴賓室エロイカプラン」は、14人まで利用可能なプライベートデッキ付き貴賓室エロイカルームを2人から利用できるプラン。船内では、フランス料理のフルコースが味わえ、食後はプライベートデッキでゆっくりと過ごすことが可能だ。

オリックス・ホテルマネジメント 運営する旅館・ホテル、研修施設など13施設でテレワークプラン実施

2020年9月10日(木) 配信

ワーケーションプラン客室(イメージ)

 オリックス・ホテルマネジメント(似内隆晃社長、東京都港区)はこのほど、「テレワークプラン」を売り出した。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機に働き方の変化・多様化が進むなか、運営する旅館・ホテル、研修施設など13施設で実施。通信ネットワークと快適なデスクやイスなどの家具をそろえた客室や、大自然を一望できる開放感ある客室など、リラックスしながら効率よく仕事ができる環境を提供する。

 オフの時間の滞在を満喫できるよう、魅力あるプランを各施設が用意しているのも特徴。クロスホテル大阪(大阪府大阪市)では、「ヒップから美しくなる女性専用ボディメイクジム」のSPICE UP FITNESSとコラボレーションし、美尻メソッドを体験できる「美尻ワーケーションプラン」を提供。

 黒部・宇奈月温泉 やまのは(富山県黒部市)では、黒薙温泉エリアなど自然のなかで気分を変えて仕事ができるよう、アウトドアチェアや折りたたみデスクの貸し出しを行う。

黒部・宇奈月温泉 やまのは(イメージ)

 各プラン、オリックスが東京都内7拠点(渋谷・内幸町・渋谷メディオ・三田・新宿・六本木・日比谷)で運営しているサービスオフィス「クロスオフィス」のコワーキングスペースを体験できるワンデー利用券もセットにした。

 また、「クロスオフィス」の会員は、「ORIX HOTELS & RESORTS」ブランドの旅館・ホテルを特別優待価格で利用可能だ。