【2025年度観光庁関係予算】5・4%増の530億3300万円計上 訪日客の地方誘客に注力、新規事業にはデジタルノマド誘客も

2025年1月6日(月) 配信 

25年度観光庁予算は総額1081億2200万円となった

 政府は昨年12月27日(金)、2025年度予算を閣議決定した。観光庁関係予算額は、前年度比5・4%増の530億3300万円(24年度予算額は503億1800万円)。東日本大震災からの復興(復興枠)には、前年度並みの7億6500万円。24年度補正予算の543億2400万円を加えると、同10・0%減の1081億2200万円を確保した。国際観光旅客税(出国税)財源の充当額は、441億300万円を計上した。

 25年度予算は、前年度に引き続き、観光立国推進基本計画の3本柱である「持続可能な観光地域づくり」「地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取組」「国内交流拡大」に取り組む内容を盛り込んだ。また、24年度補正予算も活用し、受入環境整備や、インバウンド向けの地方を中心としたコンテンツ造成、人手不足対策や人材育成などに注力する。

 

持続可能な観光地域づくり

 1本目の柱である「持続可能な観光地域づくり」全体では、53億9900万円を充当した。このなかで最も予算を割いた「ICT等を活用した観光地のインバウンド受入環境整備の高度化」では、18億6600万円を充てた。なお、24年度補正予算も活用している。新規項目として、地方におけるインバウンドの「観光の足」を確保するため、ライドシェアの導入など、観光地における2次交通の高度化などを支援する。

 このほか、「DMOを核とした世界的な観光地経営モデル事業」が同67%増の2億5000万円を計上した。

 

地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取組

 2本目の柱「地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取組」には、464億1800万円を充当。新規事業では、「質の高い消費と投資を呼び込むためのデジタルノマド誘客促進事業」と「観光コンテンツ事業者の収益性改善モデル構築事業」に1億円ずつ充てた。

 デジタルノマド誘客促進事業は、昨年4月からデジタルノマド向けの在留制度が施行され、観光ビザの期間を超えたロングステイのデジタルノマドの増加が見込まれることから、ニーズに即した観光地域づくりを促進させる。デジタルノマドの誘客に先進的に取り組むモデル地域を5地域選定し、プロモーションやモニターツアーを実施する。

 収益性改善モデル構築事業では、地域の魅力を活用した観光コンテンツを継続的に販売していくため、ネイチャーアクティビティなどの観光コンテンツの造成に取り組んでいる地域を中心に、専門家による伴走支援のもと、実証実験を行う。コンテンツの内容や、販売経路、販売コストの合理化などに資する実証事業を行い、中長期的な収益性改善戦略の策定を行う。

 また、25年度税制改正で「リファンド方式」への移行が決定している外国人旅行者向け免税制度について、「外国人向け消費税免税制度の『リファンド方式』移行支援」に1600万円を計上し、課題への対処や周知広報を行う。

 

国内交流拡大

 国内交流拡大については、「新たな交流市場・観光資源の創出事業」に3億7600万円、「ユニバーサルツーリズムの促進に向けた環境整備」に3000万円を充当し、あわせて4億600万円を確保した。

日旅、組織改正でWeb事業など強化 ソリューション事業で17営業統括部設置

2025年1月6日(月) 配信  

 

 日本旅行(小谷野悦光社長)は1月1日付で組織改正を行った。

 事業共創推進本部は、社会課題である労働力不足の解消に向け、外国人人財の活用を基軸とした新たな事業を本格的に推進する目的で、「グローバル人財活用推進チーム」を設置した。

 ツーリズム事業本部は、Web事業において部内の「商品造成」「販売促進」「販売窓口」の各機能を一体化することにより、Web販売を基軸としたデジタルツーリズムの実現に向けた取り組みを一層強化するため、「Web事業部」を設置した。これに伴い、現行の「ダイレクトマーケティング事業部」「アライアンスマーケティング推進部」「ICT営業推進部」「エリア営業推進部」は廃止する。

 さらに、ツーリズム事業本部内に「エリア営業部」を設置することで、Web以外の各機能(店頭、電話予約、提携販売、外部連携、旧日本旅行リテイリング店舗)を一体化し、事業本部全体で販売強化に取り組む。

 ツーリズム事業本部内の「おとなび・ジパング商品部」を国内旅行事業部内に移管するとともに、「おとなび・ジパング商品事業部」に名称を変更する。併せて、「おとなび・ジパング商品センター」と「コンテンツ開発チーム」を、同事業部内に移管する。

 ソリューション事業本部では、エリア強化、リソース最大活用と支店マネジメントの標準化のため、全国で17カ所の営業統括部を設置する。

 さらに、過疎地域や小規模校などの課題を解決する一助とするため、関西広域営業部MICE・インバウンド営業統括部の部内支店として、「教育サポートセンター」を設置する。

東京メトロ×偏愛東京 丸ノ内線で巡る昭和歌謡スタンプラリー実施へ

2025年1月6日(月) 配信

スタンプを集めてスペシャルイベントに応募しよう!

 東京地下鉄(東京メトロ、山村明義社長、東京都台東区)は1月10日(金)から、東京メトロ丸ノ内線開業70周年を記念して、「昭和歌謡」をテーマにしたデジタルスタンプラリーを実施する。

 「丸ノ内線で巡る昭和歌謡名曲の旅スタンプラリー」は、レッツエンジョイ東京(山口伸介社長、東京都千代田区)が運営する「偏愛東京」とのコラボレーション企画。昭和歌謡アーカイヴァーである鈴木啓之氏が厳選した、昭和歌謡にゆかりのある丸ノ内線沿線の6カ所をスタンプラリースポットとして設定した。スタンプを集めるたびに、鈴木氏のそのエリアにまつわる昭和歌謡特別コラムを読むことができる。

 また、6カ所のうち、4カ所以上のスタンプを集めて応募した人のなかから、抽選で60人を3月15日(土)に開催する昭和歌謡満載のスペシャルイベントに招待する。イベントは鈴木氏が監修し、南野陽子さんが特別出演するなど歌ありトークありの演出で盛り上げる。

 スタンプラリーの実施期間は2月16日(日)まで。参加方法は「レッツエンジョイ東京」アプリをダウンロードし、会員登録。アプリ内の「meguru」から「昭和歌謡 名曲の旅スタンプラリー」を選択して参加する。

 東京メトロは「ご家族やご友人と一緒に、丸ノ内線で昭和歌謡名曲の旅に出掛けてみませんか」と呼び掛けている。

【国土交通省】人事異動(1月1日付)

2025年1月6日(月) 配信

 

 国土交通省は1月1日付の人事異動を発令した。

 港湾局付・即日辞職(大臣官房技術審議官〈航空局担当〉)田中知足

 大臣官房技術審議官(航空局担当)(近畿地方整備局副局長)谷憲

 近畿地方整備局副局長(鉄道建設・運輸施設整備支援機構北海道新幹線統括役)小林知宏

 総務省行政評価局企画課評価活動支援室長(総合政策局情報政策課統計企画官)宮内竜也

 総合政策局情報政策課統計企画官(総務省行政評価局企画課評価活動支援室長)小日向健一

クラブツーリズム、高知・牧野植物園 夜間貸切ツアーを発売

2025年1月6日(月) 配信

園内ライトアップ(写真提供:高知県立牧野植物園)

 クラブツーリズム(酒井博社長)はこのほど、高知県立牧野植物園(高知県高知市)・南園エリアの夜間貸切ツアーを売り出した。夜間貸切は3月24日(月)限定。ライトアップされた夜間の園内を植物ガイドと共に巡り、散策中に流れる音楽の演奏を聴きながら幻想的な植物の世界を楽しめる。

 同企画は、近鉄グループホールディングス(近鉄GHD、若井敬社長、大阪府大阪市)のグループ会社であるクラブツーリズムが「『牧野富太郎ゆかりの地』のPRと旅行商品の企画」を目的に実施するもの。2018年に高知県と近鉄GHDが結んだ「高知県の地方創生の推進に向けた連携と協力に関する協定」に基づき企画した。

 牧野植物園は、「日本植物分類学の父」とも呼ばれる植物学者・牧野富太郎博士の業績を顕彰するために開園。野生植物をはじめ3000種類以上が植栽され、季節折々の美しい花々を楽しめる。近年はドラマの舞台としても注目を集め、多くの人々を魅了している。

 同園の夜間貸切と大塚国際美術館(徳島県鳴門市)を組み合わせた3日間のツアーをはじめ、女性限定の1人旅、関西発や名古屋発のツアーも用意する。

静岡県・浜名湖花フェスタPR隊が来社 3月20日に開幕

2025年1月6日(月) 配信

浜松・浜名湖観光アンバサダーらが来社

 静岡県の浜名湖周辺で3月20日(木)~6月8日(日)まで開催する、「浜名湖花フェスタ2025」の宣伝隊がこのほど本紙を訪れPRした。

 2004年に開催した「浜名湖花博」会場を再整備し、翌年から浜名湖ガーデンパークとして供用を開始。そこをメイン会場に毎年春に浜名湖花フェスタを展開している。

 浜名湖周辺をはじめとする静岡県の西部地域の美しい花々や植物をテーマにした展示やアクティビティメニューを用意し、それぞれの会場を周遊する観光を提案している。期間中には桜に始まり、ネモフィラやチューリップ、フジ、アジサイなどが順次に咲く姿が観賞できる。

 また、スマートフォンを活用してのデジタルスタンプラリーやスタンプラリーページ内にあるおもてなしクーポン対象店での各種割引、スマホアプリでの「フラワーフォトラリー」などの企画も用意されている。

2位の横浜市は首都圏で初の選出 「日本新三大夜景都市」を発表

2025年1月6日(月) 配信

横浜市の夜景創出事例(横浜スパーリングトワイライト)

 夜景観光コンベンション・ビューロー(丸田基雄代表理事)はこのほど、「日本新三大夜景都市」を発表した。1位は前回同様に北九州市(福岡県)となったほか、2位に横浜市(神奈川県)が選ばれ、首都圏から初の選出となった。3位は長崎市(長崎県)。

 日本新三大夜景都市は、2015年に同ビューローが国内外の夜景観光活性化を目指して創設した夜景ブランド。夜景鑑定の有資格者である、全国の夜景観光士による投票に基づき、集計結果から上位3都市を認定している。近年の夜景環境の変化や自治体・民間の積極的な取り組みなど、急速な変化を鑑みて、同認定ブランドは3年に一度、更新を行っている。

 今回、史上初の快挙となった横浜市の選出理由について、同ビューローは「近年は湾岸部を中心に『ヨルノヨ』『横浜スパークリングトワイライト』など、他都市のお手本になるような夜間イベントなども広がり、夜景そのものの魅力はもちろん、その資源を生かした多種多様のコンテンツが多くの夜景観光士に満足感を与えている。都市の変化と共に変貌する夜景の流動性の魅力など、都市の基盤として新たな魅力が増していると評価された」と解説している。

 次回は2027年に新たな認定が行われる予定。

和歌山県日高地方の7市町とユニストHD、熊野古道「紀伊路」の価値向上へ 連携協定結ぶ

2025年1月6日(月) 配信

紀伊路と中辺路の区間

 熊野古道の紀伊路の価値を高めようと、和歌山県御坊市と美浜町、日高町、由良町、印南町、みなべ町、日高川町、日高広域観光振興協議会、ユニスト・ホールディングスは1月10日(金)、連携協定を結ぶ。

 同社は紀伊路から中辺路に続く熊野参詣道を15日間かけて完歩する新たな旅行商品「紀伊路SCAPE事業」を計画。紀伊路の地域文化を継承しつつ新たな魅力を発掘し、持続的に多くの人が訪れる魅力的な観光資源となるための取り組みを進めている。

 協定では、宿泊場所で提供する地元産品を活用した食事や、特産品を使用した土産品などを開発していく。さらに、日高や切目、岩代の各地域を中心に空き家を活用した古民家宿を確保するほか、紀伊路でベンチやトイレの整備も行う。

庄内物産館が山形市内で「寒鱈まつり」開催 1月11-12日の両日 事前予約でお得に入場

2025年1月6日(月) 配信

 山形県鶴岡市の庄内観光物産館は2025年1月11日(土)、12日(日)の2日間、山形市内で「やまがた寒鱈まつりinぐっと山形」を開く。昨年好評を博した「寒鱈まつり」の「山形出張」を、今年も実施する。

 ぐっど山形(山形市)の団体食堂を会場に、両日とも午前11時~午後3時まで開催する。今年はスムーズに入場できるよう、事前予約制度を導入。申し込むと寒ダラ汁が100円引きになる。

 庄内地方では1月上旬から2月上旬ごろに日本海で獲れる脂ののった真鱈を寒ダラとよび、それを丸ごと使ってつくる寒ダラ汁は冬の風物詩として親しまれている。この味覚を内陸部でも楽しんでもらいたいと、昨年から出張イベントとして開催している。

 会場では、寒ダラを余すことなく使った郷土料理・寒ダラ汁(1200円)をはじめ、白子天ぷら(900円)や磯おにぎり(350円)などの味覚で来場者をもてなす。

 事前予約は前日の午後5時まで、専用フォームから受け付ける。空席があれば当日参加も可能だ。

福岡県八女市・福島八幡宮に家屋を改装したカフェ誕生 1月11日に「カミカケ茶屋」オープン

2025年1月6日(月) 配信

「カミカケ茶屋」

 カミカケ(吉開雄基社長、福岡県八女市)は1月11日(土)、八女市の福島八幡宮内に、古い家屋を改装したカフェ「カミカケ茶屋」をオープンする。同社の吉開氏は同神社の宮司で、「誰もが利用できる、賑やかな神社へ。」を掲げており、参拝後にゆっくりできる場所を提供したいと、実家を改装して茶屋を開店することにした。

 茶屋では、福島八幡宮のおそなえものを無駄にしないように活用するほか、神職が食材をすべて神様に献上し、お祓いをしたあとに調理する。すべての食材が神様に祈祷したもので、縁起のよいものになるという。

かみさまのごはん

 食事メニューは「かみさまのごはん」(税込2750円)と「めでたい茶漬け」(同1980円)で、どちらも鯛をメインに据える。かみさまのごはんは、鯛を鱗をつけたまま素揚げしたものがつく。

 デザートは神社パフェ(1650円)とお清めアイス(1100円)、御朱印ティラミス(1100円)で、ノンアルコールカクテルの「福島八幡宮スパークリング」(880円)も用意する。

 吉開氏は「神社が活性化すると、その地域も元気になると考えています。今回開店する『カミカケ茶屋』は、神社を活性化するうえでの一つのコンテンツに過ぎませんが、神社に関心を持ってもらうために『飲食』はわかりやすく、広がりがありますので、地元の氏子さんをはじめ全国・海外の方たちのコミュニティをつくりたいです。観光客が八女に来て、まず福島八幡宮に来てくださることも多く、八女のおすすめの場所を聞かれるので『八女の観光案内所』のような場所にしたいと考えています」とコメントしている。