豊岡市に旅ペン賞、5月16日「旅の日」に150人(日本旅のペンクラブ)

「旅ペン賞」受賞した豊岡市の中貝市長(左)
「旅ペン賞」受賞した豊岡市の中貝市長(左)

 日本旅のペンクラブ(代表会員・中尾隆之氏)は5月16日、東京都文京区の椿山荘で第27回「旅の日」を開き、150人を超える参加者でにぎわった。旅の文化向上に貢献した団体、個人、行政機関などを表彰する2014年度「第34回日本旅のペンクラブ賞」には、「コウノトリとの共生」を掲げる兵庫県・豊岡市が受賞し、中尾代表会員から中貝宗治市長に旅ペン賞を贈呈した。表彰式に先立って、中貝市長は「失われた大切なものを取り戻す」と題して講演。第6回「旅の日」川柳大賞や各賞の表彰式、お楽しみ抽選会も盛大に行われた。

 同クラブは旅を愛する旅行ジャーナリスト・ライター・作家・随筆家・歌人・俳人・写真家などがお互いに交流し、旅文化を考える会として1962年に設立。名誉会長は松尾芭蕉で、芭蕉が「奥の細道」紀行に旅立った元禄2年3月27日(陽歴5月16日)を記念して「旅の日」と制定し、毎年イベントを実施している。

湯沢グランドホテル、おにぎりサービス好評

朝食バイキングで手作りおにぎり
朝食バイキングで手作りおにぎり

 新潟県・越後湯沢温泉の「湯沢グランドホテル」では、朝食バイキング会場で目の前で握って提供する「おにぎりサービス」が、宿泊客に評判をよんでいる。

 手作りおにぎりは、契約農家から直送した南魚沼・塩沢産コシヒカリを使用。大自然の恵みを受けた美味しいお米は絶品。同館で提供される夕食・朝食バイキングや宴会・部屋食など全プランでこのコシヒカリを食べることができる。

 おにぎりの具材は、梅・昆布・鮭の3種類。なかでも鮭の具材は、鮭フレークではなく、料理長が自ら選んだ鮭の切り身を使用して、焼いたばかりのものを使っているため、「よその手作りおにぎりとは比べものにならないぐらい美味しさのレベルがまったく違う」と絶賛されている。

 同館の村山桂子女将は「こだわりのコシヒカリと焼き鮭を使った手作りおにぎりは、お客様からも大変美味しいと大好評です。皆様も美味しいおにぎりを食べにぜひご来館ください」とコメントした。

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 なお、村山女将は自らの半生を語った「女将の『心』はフォルティッシモ」と「女将は『心の華』でありたい」の2冊を上梓しており「よろしければ、ぜひご一読ください」(村山女将)と併せてPRしている。

 問い合わせ=電話:025(784)2351。

トラベルライティング、認知度向上目指し表彰(立教大学舛谷研究室)

舛谷鋭教授
舛谷鋭教授

 立教大学観光学部の舛谷研究室(舛谷鋭教授、交流文化学科)は、「トラベルライティング」の認知度向上を目指して表彰事業を行っている。

 トラベルライティングとは旅の体験を文章で表現するトラベルライターが執筆する旅エッセイ。舛谷教授は、「海外の書店に行くと、ガイドブックの隣にトラベルライティングのコーナーがあるくらい一般的であり、言葉としても英語では大きな存在。しかし、日本語ではまず聞かない単語で、この状況では日本で書いても評価されない」とトラベルライティングの重要性を訴えている。

 4月21日に同大学で開いた「トラベルライティングアワード」の表彰式では、ANA機内誌「翼の王国」2012年5月号で掲載された「ポルトガル・ナザレ 7枚のスカートと1001のバカリャウ物語」(文・吉田直子さん)が選ばれた。同アワードは、トラベルライティングの認知度の向上を目的に舛谷研究室の学生を中心に運営されており、作品の選定から表彰まで学生の手で行う。

 舛谷教授は「この表彰事業を通じてトラベルライティングの認知度が向上し、トラベルライターの活躍の場が広がることを願っている」と期待を述べた。同アワードは毎年開催しており、現在は航空機内誌を中心に選定しているが今後は雑誌や新聞など対象を広げていく予定。

「RYOKAN」を世界へ、パリのOECD会議でPR(全旅連青年部)

安倍首相、グリアOECD事務総長らと全旅連青年部のメンバー
安倍首相、グリアOECD事務総長らと全旅連青年部のメンバー

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(山口敦史部長)は、観光庁や、OECD(経済協力開発機構)日本代表部、日本政府観光局(JNTO)、エクサアールなどと連携して、5月5―7日までフランス・パリで開かれたOECDフォーラム・閣僚理事会の会場内で、同加盟国の閣僚や政府関係者、有識者、国際メディアに対して着物姿で日本の「RYOKAN」をアピールした。

 山口部長をはじめ、インバウンド戦略委員会の倉沢晴之介副委員長らが、会場内に特別に設置された訪日観光PRスタンドで、着物姿になって「RYOKAN」冊子400部以上を配布しながら、日本の旅館の持つ魅力を説明した。

 同スタンドには、アンヘル・グリアOECD事務総長や安倍晋三首相をはじめ、各国首脳も立ち寄り、高い関心を集めた。

【決定】第25回女将サミット 9/16 明治記念館で

『全国旅館おかみの集い』ページを更新いたしました。

 今年で25回目の節目を迎える全国旅館おかみの集い(全国女将サミット2014東京、佐藤幸子実行委員長)の開催日・会場が下の通り決まりました。

開催日:9月16日(火)
会 場:明治記念館(東京都港区)

詳細は決定次第コチラからお知らせします。
(弊社の『全国旅館おかみの集い』ページへリンクしています)

 
☆「全国旅館おかみの集い」とは☆
 全国の旅館・ホテルの女将が一堂に集まり、互いに悩みや課題を話し合い、各界著名人による講演、分科会を通じて学び、併せて女将のネットワークづくりのための懇親を深める場です。(通称:女将サミット)

【当選者発表】第39回プロが選ぶ100選宿泊券プレゼント

プレゼントコーナー『第39回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選プレゼント当選者』を更新いたしました。

今回もたくさんのご応募ありがとうございました。
2014年4月25日の締め切り後、厳正なる抽選の結果、ご当選者が決まりました。
ご当選者の皆様には当選ホテルから近日中に宿泊券をお送りいたします。
どうぞ楽しいご旅行をお楽しみください。

ご当選者のお名前はコチラから!(弊社の『プレゼントコーナー』ページへリンクしています)

 
☆「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」とは☆
 「プロ(=旅行会社)」の投票により、100選施設に値する優れたホテル・旅館を「もてなし」「料理」「施設」「企画」という4つの区分で5段階で評価。100選はその合計点によるランキングです。

旅行新聞から新たに書籍発行 ― 業界人の知恵や肉声、姿を残す使命

 今年7月初めに、旅行新聞新社から2冊の書籍を発行する予定だ。

 1冊は、本紙で毎月21日号に連載しているジャーナリスト・瀬戸川礼子氏の「女将のこえ」の原稿を加筆、修正してまとめたもので、「女将さんのこころ」というタイトルもこのほど決まった。今号12面にも「岩惣」の岩村玉希女将が登場しているが、約14年の間に162人もの女将を紙面で紹介したことになる。

 「女将さんのこころ」では、第1弾として55人の女将が登場する。第2弾も同様に55人の女将を掲載する計画だ。女将の人生観、そして、お客様に愛される宿への強い想いがぎっしりと詰まった内容になっている。

 もう1冊は、2012年3月から13年9月までの約1年半、旅行新聞の1面で「いい旅館にしよう!」プロジェクトとして、内藤耕氏と旅館経営者との対談シリーズだ。15人の個性的な経営者が、それぞれの宿の経営について語り合った企画で、読者からも大きな反響を呼んだプロジェクトだった。「ぜひ本にしてほしい」「スタッフにも読ませたい」など書籍化を望まれる声も多く、ようやく発行できる段階まできた。

 「女将さんのこころ」「いい旅館にしよう!プロジェクト~対談シリーズ」ともに、観光業界、とくに旅館業界の第一線で活躍されている経営者や女将、さらに、現場スタッフの方々の手にとってもらえると、本当にうれしく思う。

 情報発信の手段は進化と多様化が進む。新聞や雑誌、書籍に比べ、テレビやラジオ、インターネットの方が即時性やライブ感のある情報発信や収集に分があるが、それぞれの媒体やツールはその特性を生かし、補完し合いながら存続を続けていくはずである。

 また、近年の特徴として、何か一つの出来事やコメントが話題になると、ネット上ではリアルタイムでさまざまな批判や議論が起こる。国家の安全保障問題から芸能ゴシップまで、ありとあらゆる話題で論争が日常的に行われている。テレビやブログ、ツイッターなどの「ひとこと」が引き金となり、誰もが参入可能な投稿サイトで多種多様な意見が飛び交い、熱がまだ冷めぬうちに、また次のネタへと議論が移っていく。

 このような情報に溢れた環境の中で、本紙も10日ごとの発行スタイルで有益な情報を提供できるように、日々地道な取材活動を行っている。観光業界の専門紙として基本に立ち返ることが大切だと痛感する一方で、新たな試みも行っている。

 地球の歩き方T&Eの国内旅行情報サイト「日本の歩き方」に旅行新聞の掲載記事や、その他の最新観光情報などの提供を行っており、可能性の広がるパートナーとの連携も着々と進めている。また、最近はテレビなどのメディアが本紙に観光業界の情報を求める機会も増えており、専門紙だからこそ得られる貴重な情報を広く一般消費者に発信していくことも、もっと力を注いでいかなければならない課題の一つだと捉えている。

 今回2冊の書籍発行を目指しているが、ネット時代のなかでは、本があまり読まれなくなっているということもしばしば耳にするが、現在に生きる業界人の知恵や肉声、ありのままの姿を残しておくことも、業界専門紙としての重要な使命だと感じている。

(編集長・増田 剛)

No.371 ANAセールス・白水政治社長 - 組織力アップを目指す

ANAセールス・白水政治社長
組織力アップを目指す

 4月1日付でANAセールスの新社長に、全日本空輸(ANA)執行役員大阪支店長西地区担当だった白水政治氏が就任した。白水社長は、ANAの上席執行役員営業センター長を兼任する。4月1日の就任あいさつでは、ANAセールスを「家」だと思うよう社員に語りかけ、コミュニケーションを重視した組織力の向上を目指す。白水社長に、就任の抱負や今後の展望、国内旅行とインバウンドの動向、ANAワンダーアースなどについて聞いた。

【伊集院 悟】

 
 
 
現場第一主義を徹底、国際線需要を商品造成に

 ――ANAセールス社長に就任されました。これまでの経歴と就任の抱負を教えてください。

 全日本空輸(ANA)に入社してから営業畑を歩み、沖縄支店に4年、名古屋に6年、大阪に7年、福岡に6年、大阪に戻って3年と、西日本を中心に支店を回りました。福岡支店では副支店長を、大阪支店では支店長を務め、今回ANAセールスの社長として初めて東京に来ました。

 昨年の4月にANAグループはホールディングス制に移行しました。ANAセールスはグループで唯一の営業がメインの事業会社で、国内地区での航空座席販売をすべて任されています。当社は販売事業本部と旅行商品事業部に大きく分かれ、販売事業本部では航空券や旅行商品の販売、旅行商品事業本部では国内・海外・訪日の仕入れや商品造成、Web販売などを行っています。

 ANAセールスは、ANA本体のマーケティング室と連携しながら営業を行う、エアラインセールスと旅行事業セールスの2つの性格を持っています。エアラインセールスと旅行会社としての営業収益を確保し、グループに貢献していかなければいけません。ANAセールスの社長に就任してからもANA本体の上席執行役員を兼務しているので、「二足の草鞋」を履いている感覚です。

 

※ 詳細は本紙1544号または5月22日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

宿の基本情報を一元化、各施設がHPで外国人に発信(観光庁)

 観光庁はこのほど、外国人旅行者に向けた宿泊施設の情報発信の現状と課題、今後の方向性について取りまとめた。日本政府観光局(JNTO)のホームページ上に、多様な宿泊施設の特徴やサービス内容の違いなどを案内する「窓口サイト」を設けることや、部屋の広さやWi―Fi環境など外国人旅行者が求める情報を一覧で分かりやすく同じフォーマットで発信する「ファクトシート」を作成し、各宿泊施設のHPに表示してもらうことなどが提案された。
【伊集院 悟】

JNTOに「窓口サイト」開設

 観光庁は13年4月にまとめた観光産業政策検討会の提言を受け、昨秋に宿泊産業研究会を発足。諸問題について議論を続け、今回、宿泊施設の情報提供の現状と課題、今後の方向性などについてまとめた。

 JNTOのHP上に「窓口サイト」を開設し、「旅館」「ホテル」「ビジネスホテル」「カプセルホテル」「ペンション」「民宿」「宿坊」など多様な宿泊施設の全体像を整理・一元化し、各施設の特徴や提供するサービス内容の違いなど基本情報を発信する。さらに、「窓口サイト」に宿泊業界団体や各地域とリンクを張り、最終的にはFIT層を、各個別の施設のHPでの予約に誘導するようにする。観光庁観光産業課の石原大課長は、「これまで宿泊施設は旅行会社に集客を頼ってきた部分が大きいが、これからは直販を増やす必要がある。自分たちの部屋を自分たちの手で売るのはすごく当たり前のこと」と説明した。今年度中には「窓口サイト」のイメージを固め、サイト公開は来年度以降になる模様。

 また、FITでは、数多くある宿泊施設の中から宿を選択する際に、各施設のHPでの情報発信がカギとなることから、宿泊施設の情報発信の強化を目指す。部屋の広さやWi―Fi環境など外国人旅行者にとって関心の高い情報を整理して発信するフォーマット「ファクトシート」を作成し、これに則った情報発信を、各宿泊施設のHP上に掲載してもらう。「ファクトシート」の作成は、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会や日本旅館協会などの宿泊業界団体に依頼するが、石原課長によると、「必要があれば観光庁もアドバイザー的な形で加わり、助力する」という。

 さらに、外国人の受け入れに積極的に取り組み、情報発信について先進的かつ効果的な取り組みを行っている施設や地域・団体のベストプラクティス集をまとめたり、表彰(アワード)を行うなど、取り組みへの関心を高めることも提案する。

 そのほか、外国人旅行者が宿泊施設に求めるニーズの把握や、外国人旅行者受け入れへの宿泊施設の意識向上、「旅館ブランド」の構築などを、取り組むべき課題として挙げている。

変革も視野 人材育成強化へ、加賀屋・小田與之彦(よしひこ)社長

小田  與之彦氏
小田 與之彦氏

 4月に石川県・和倉温泉の加賀屋の新社長に就任した小田與之彦氏が5月7日、本紙東京本社を訪れた。

 小田新社長は旅館を取り巻く環境がめまぐるしく変化していくなかで、「(加賀屋を)変革していかなくてはならないものと、変えてはならないものを見極めていきたい」とし、「来春の北陸新幹線開業や、来年3月からスタートするNHK朝の連続ドラマ小説に決まった『まれ』の舞台が輪島市であり、チャンスをしっかりと掴んでいきたい」と話した。

 加賀屋は今年4月に通常の2倍となる66人の新入社員を迎えており、「教育係がペアとなって新入社員に教えているが、いい意味での競争が生まれている。台湾やタイなど海外からの観光客も好調で、より一層の人材育成に力を入れていきたい」と語った。