秋の日本三景クルーズ造成 郵船クルーズ、来年のツアーを発表

2017年11月13日(月) 配信

高松花火と飛鳥II(撮影:中村武弘氏)

郵船クルーズはこのほど、同社が運航するクルーズ客船「飛鳥II」の2018年7月~2018年11月までのクルーズスケジュールを発表した。8クルーズには早めの予約することでお得な旅行代金で参加できる「早期申込割引」を設定している。

小笠原の飛鳥II(撮影:中村武弘氏)

 今回発表されたコースは、全25クルーズ。全国各地の祭りや花火大会を巡る夏のクルーズや、復帰から50年を迎える小笠原・父島を訪れる「小笠原クルーズ」、命名から150年を迎える北海道各地を巡る「夏の北海道クルーズ」など、毎年人気の定番クルーズや周年記念を祝う地域に寄港するクルーズを用意。10回目を迎える加山雄三名誉船長の「若大将クルーズ」や日本伝統芸能を間近に体感できる「文楽クルーズ」など、テーマクルーズも充実のラインナップを取りそろえる。また、新たに「宮島・天橋立・松島」を巡る「秋の日本三景クルーズ」を造成。乗船すると、宮津港では、天橋立の真横を通る入港シーンが楽しめる。

2018年度上期クルーズピックアップ! 〜 最高の船旅(世界一周クルーズ他)をあなた...
http://www.asukacruise.co.jp/news/18482/
あなたに最高の船旅(クルージング)をお届けする「飛鳥クルーズ」サイトの2018年度上期クルーズピックアップ!ページです。

シェアリングエコノミーが旅を変える!ANA×ガイアックス業務提携

2017年11月13日(月) 配信

両社の業務提携で地域活性化と国内旅行の魅力向上を目指す

暮らし体験マルシェ「TABICA(たびか)」を運営するガイアックスと、ANAホールディングスは、航空機・宿泊施設・民旅(体験プラン)をセットにしたパッケージツアー開発や、地域の魅力発掘で協力することで合意した。

 両社は地方における観光客誘致と、TABICA、ANAグループ双方の新たなユーザー層の拡大を目的に、地域活性化や国内旅行の魅力向上を目指す。

第1弾は長崎!4つのツアーを連携販売

 第1弾として「長崎県」にスポットを当て、「島原地酒飲み比べ!ライトアップされた夜の島原城を眺めながら地元民と地酒を楽しもう!」など計4つのツアーを、2017年11月8日(水)からTABICAとANAセールスが連携販売している。

 同ツアーは、「TABICA」と「ANA」の会員・顧客が予約することが可能。パッケージツアー予約と体験のみの予約を選択することができる。

 地方創生に向けた取り組みも行う。ANA総合研究所が地域活性化支援契約を締結している宮崎県小林市で、11月中に、市ならではの体験プランの開発を目的とした市民向けTABICA体験プラン開発ワークショップを行う予定だ。同取り組みは、TABICAがプラットフォーム運営で培った知識や知見を生かして実施するもの。「小林市民プレゼンツ!ディープな小林市体験」をテーマに、今年度中に5件の体験掲載を目指す。

民旅ツアー体験の詳細

「島原地酒飲み比べ!ライトアップされた夜の島原城を眺めながら地元民と地酒を楽しもう!」

 長崎県島原半島の地酒数種を飲み比べ!島原市は湧水の街。豊富な湧水を利用して製造された地酒を、ライトアップされた島原のシンボル島原城を眺めながら地元民と楽しむ。

体験所要時間:約1.5時間

場所:長崎県島原市

パッケージツアーURL:

体験URL:

島原地酒飲み比べ!ライトアップされた夜の島原城を眺めながら地元民と地酒を楽し...
https://tabica.jp/travels/3433
長崎県島原半島の地酒数種を飲み比べ!島原市は湧水の街その豊富な湧水を利用して製造された地酒を、ライトアップされた島原のシンボル島原城を眺めながら地元民と楽しみましょう!特別な島原の夜を楽しみましょう。 ≪19:30島原ステーションホテ...

「長崎の尾曲がりネコを探そう!」

 渡来地「出島」で「尾曲りネコ」の知識を学び、ここから旧市街地を巡り、尾曲がりネコを探索する。 途中、観光名所(眼鏡橋など)を経て、老舗カステラ店に立ち寄り、長崎名物を楽しむ。

体験所要時間:約2時間

場所:長崎県長崎市

パッケージツアーURL:

体験URL:

「長崎スイーツ物語〜砂糖文化のまちを食べ歩こう〜」

 江戸時代、海外唯一の窓口であった出島。出島には多くの砂糖が輸入され、長崎街道を通って江戸に運ばれていた。その砂糖を全国へ広めた窓口・出島で歴史を学んだあとは、長崎のスイーツを食べ歩く。

体験所要時間:約2時間

場所:長崎県長崎市

パッケージツアーURL:

体験URL:

「城マニア必見!!島原の生き字引 地元住人とめぐる島原城本丸400年ガイド」

 地元住民が、島原城本丸内の石垣や天守閣内を、資料を用いながら詳しく説明する。島原の名物案内人と共に、島原城と島原の歴史を堪能することができる。

体験所要時間:約1.5時間

場所:長崎県島原市

パッケージツアーURL:

体験URL:

城マニア必見!!島原の生き字引「松尾卓次」とめぐる島原城本丸400年ガイド | TAB...
https://tabica.jp/travels/2430
昭和10年生まれ、「島原の生き字引」こと松尾先生が、島原城本丸内の石垣や天守閣内を、資料用いながら詳しく説明します。島原城の石垣とお堀は、1618(元和4)保護や修繕などを受けつつ、当時の姿を保つ貴重な歴史的建造物です。また島...

 

両社の役割

ガイアックス:民旅(体験プラン)の企画・仕入、TABICA顧客への販売

ANAセールス:航空座席・宿泊施設の仕入、パッケージツアー化、ANA顧客への販売

関連URL:

暮らし体験マルシェ「TABICA(たびか)」

ANAウェブサイト内TABICAパッケージツアー紹介サイト

TABICAウェブサイト内パッケージツアー紹介サイト

「旅館コンサルタント大坪敬史の繁盛旅館への道(41)」予約確認電話の必要性

2017年11月12日(日) 配信

予約確認電話でトラブル防止へ

 最近ノーショウの話をよく聞くようになりました。その一例が、お客様が複数の予約サイトで予約したが「特定のサイトのみキャンセルし、他はキャンセルし忘れ」。「お客様はキャンセルしたと思っていたが、予約は残っており、当日を迎える」。2例目は「お客様が複数の宿を予約サイトで予約した」が「特定の宿のみを選び、他の宿をキャンセルし忘れ、当日、宿に来ず」。

 トラブルの内容は多岐に渡りますが、一部、OTA(オンライン旅行会社)などは「キャンセル料無料だから早く予約を」と煽っている影響もあると思います。ただ、そういうお客様が増えると、宿に損害をもたらすので対処しなければなりません。各宿で方針はさまざまですが、具体的事例を列挙しました。

 ①予約の段階で「確認電話」を必ずする。その段階で連絡がつかなければ、強制キャンセル。また、OTAから予約のお客様には「公式サイトだとさらに…」という文言で公式サイトに誘導し、利益率向上に努める。

 ②すべてのお客様に「確認電話」をする。宿泊日の10日前を目安にというルールを決め、「確認電話」をし、キャンセルし忘れや人員変更など最終確認する。

 ③OTAのクレジットカード決済以外のお客様に「確認電話」をする。クレジットカード決済のお客様が来なくとも、キャンセル料は徴収できる。キャンセル料が取れない可能性が高いお客様にのみ、「確認電話」を。

 ④繁忙シーズンのみ、旅行会社経由の予約以外のお客様すべてに「確認電話」をする。繁忙時期のノーショウが最も経営に打撃を与えるので、「確認電話」をする。

 ⑤繁忙日は予約後「予約金」を入金しないと予約完了にならない。仮抑え予約の排除などなどです。

 予約確認電話をするための人件費と、それをしないことによるノーショウ打撃を比較すべきですが、悪質なお客様が増えていることは確かです。企画商品をしっかりとし、SNSやブログ、メルマガを頑張っていても、最終的にノーショウのお客様が多数いると、何をしているか分からなくなります。

 予約システムにおいても、①特定日はクレジットカード決済しか受け付けない②プランごと、日ごとに「キャンセルポリシー」を変更できる③宿泊日の〇日前、▲日前の予約確認メールの自動送付機能などの改善――は考えられますが、それだけを待っていても話は前に進みません。 

 OTAなどは、「予約のしやすさ」を追求し、予約さえしてもらえれば、後は「うちは場貸しサイトですから」といってキャンセル料の徴収を宿に丸投げしてくる体質なので、宿の立場に立った施策は本質的にはしてきません。

 地域特性、宿特性、人員オペレーションとの兼ね合いなどで、今まで「予約確認」をしなかった宿が、新たにそれを業務に組み込むことはハードルが高いですが、今一度現状を検証し、必要な対策の実施をオススメします。

コラムニスト紹介

大坪敬史氏

旅館コンサルタント 大坪 敬史 氏

大手旅行会社での実務業務を経て船井総合研究所入社。インターネットを駆使したWeb販促&直販売上倍増&即時業績向上ノウハウには定評があり、数多くの宿泊産業の業績向上に貢献。観光文化研究所を設立し代表取締役。

 

「津田令子のにっぽん風土記(31)」「誰もがマリンアクティビティを」 ~ 鹿児島県・瀬戸内町編 ~

2017年11月11日(土) 配信

ゼログラヴィティ清水ヴィラ
ゼログラヴィティ清水ヴィラ
山下 豊さん

 奄美大島の南端、鹿児島県・瀬戸内町にある「ゼログラヴィティ」は、障がい者と健常者が共に楽しめるマリンアクティビティの総合施設だ。施設内は完全バリアフリー仕様。空港からの送迎車や、海を望む宿泊施設「清水ヴィラ」はもちろん、ダイビングやクルージングなどで乗るクルーザーには、車イスに乗ったまま水中へ降下する水中エレベーターを備える。宿泊施設の隣には車イスのまま入れる練習用のプールもある。障がい者向けの資格を持つインストラクターも常駐しており、車イス使用者も安心してダイビング、シュノーケリング、カヤックなどのマリンアクティビティができる。「無重力」を意味する施設名にはダイビング中に、この「空を飛んでいる感覚」を車イス使用者にも味わってほしいと感じたオーナーの思いが込められている。

 ここでインストラクターを務める山下豊さんは、もともと大阪のダイビングショップに勤め、その後希望して沖縄支店に異動し、インストラクターを務めていた。縁あってゼログラヴィティの現場責任者となった。

 これまで6千回以上もダイビングをしている山下さんだが、赴任が決まってから障がい者向けのインストラクターの資格を取得した。利用者の満足度も高い。気をつけているのはとにかく「聞く」ことだそうだ。例えば建物に入るときには「どうやって入りましょうか」「ここに座れますか」「補助イスは使いますか」などと聞きながらサポートすることで、相手が希望を言いやすいようにしている。

 これまで障がい者を含む団体約40組を迎えたが、今も知らないことは多いという。最近は、盲導犬の仕事中に勝手に触ってはいけないことを知ったと話してくれた。「知らないことがいけないことではないのです。知ったということがいいことなのだから、今知りましたと堂々と言えばいいのです」。

 奄美大島では、アマミノクロウサギなど希少な動植物、珍しい景色の見られるダイビングスポットなど、独特な生態系が「すごい」と山下さんは言う。「ただ、ここではそれが普通なのです。いつまでもそれが普通であるように守っていかなければならない。そのためには旅行会社などと協力したり、外国人観光客を呼んだり、島の発展に向けて攻める部分も必要だと思います」。奄美大島らしさを味わいながら、施設と人の力で誰もが「無重力」を楽しめるこの場所は、さらに世界から人が集まる場所になっていきそうだ。

コラムニスト紹介

津田 令子 氏

社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

 

「提言!これからの日本観光」「世界観光倫理憲章」と「産業観光」

2017年11月11日(土) 配信

産業観光の取組みが各地で進む

 2005年、日本で万国博(愛・地球博)が開催されたのを機に日本の得意技であり、また万国博のテーマのひとつである産業技術“ものづくりのわざ”を観光資源とした「産業観光」が各地で進み始めた。

 自治体観光団体や経済団体などが、その主導者を務め、筆者も微力ながらそのお手伝いをすることになった。しかし、取り組んでみて思い知らされたのは観光に対して無関心な人々があまりにも多いこと、また観光について偏見誤解を持っている人も少なくないことであった。いわば観光の社会的地位が低いことを痛感させられた。「ものづくりに集中しているから観光などやっていられない」という財界人さえ少なくなかった。ある経済団体の幹部からは、「この団体は観光に協力できる構造にはなっていない…」とまで極言されたほどである。要するに観光は「ただの遊び」にすぎず、生産の対極にある単なる「消費行動」だと誤解する人があまりにも多く、失望した思い出がある。しかし、国がそのころから「観光立国」を国策の一つに掲げ、積極的な取り組みを呼び掛け始めた。そしてそれを受けて地方自治体などの公的機関が観光ビジョンを作り、そのなかで「産業観光」を取り上げるところも出てきた。「産業観光」も何とかニューツーリズムのひとつの分野として立ち上がることができ、地域、温度差はあるものの、地域の観光の中核として定着するところもみられるようになった。

 ところで、先日開催された「ツーリズムEXPOジャパン」の席上、この「産業観光」が「ジャパンツーリズムアワード」の「UNWTO部門賞」を受賞した。日本観光振興協会(山口範雄会長)の全国産業観光推進協議会による「産業観光」の推進が表彰を受けたのである。この賞は「国連世界観光機関」(UNWTO)が発出した世界の観光開発及び発展の規範ともいうべき「世界観光倫理憲章」の趣旨に沿った観光を進めている団体にEXPO組織委員会から贈られる賞である。「倫理憲章」は「観光は地域社会に密着した行動であるとともにその利益が国民経済のなかで共有され持続可能な世界観光の秩序の実現をはかるべき」とその理念を前文に掲げている。

 今回の「産業観光」の受賞は「産業観光」が地域密着型(着地型)の観光として出発したこと、地域社会にその効果を広く還元しつつ持続的活動としての展開など評価されたものと言えよう。「産業観光」が観光の国際規範である「世界倫理憲章」の趣旨に沿う観光であることが評価され、いわば国際的に認知されたことは関係者にとって感慨深い。一方、持続的観光として続けられてきたことへの評価も受賞理由の一つであったことは関係者にとって今後の期待が示されたとして、重く受け止めなければならない。「産業観光」への評価を喜びつつもこのような重い期待に応えるべく関係者はその決意を、受賞を機に新たにしなければならないと考えている。

コラムニスト紹介

須田 寛
日本商工会議所観光委員会共同委員長
須田 寬 氏
 
 
 
 
 

 

都心で阿波踊り 美馬市、藍染や和傘など魅力ぎっしりPR

2017年11月10日(金)配信

踊り方をレクチャー。参加者全員で青踊りを楽しんだ

藍染、和傘、豊かな農産物・・・。徳島県美馬市は11月9日(木)、パソナトラベルハブミックス(東京都千代田区)で同市の魅力を凝縮したイベントを開催。阿波踊り体験やそば米汁などの試食、伝統工芸品の紹介などを通じ、参加者を魅了した。

 美馬市は今年度からパソナと協力し、観光客の滞在時間を延ばす取り組みを地方創生事業としてスタート。「美馬市の生活を体験してもらう」をコンセプトに、伝統工芸や農林業と観光の結びつけに取り組んでいる。会場では和傘職人や竹笛職人による解説や実演を通じ、伝統工芸の魅力を紹介。市内の工房では実際に藍染の染付体験や和傘製作を楽しむこともでき、藍染体験には、外国人旅行者も訪れている。農林分野では、穴吹町を市一押しエリアとして紹介。収穫体験や農家レストラン、農家民宿を利用し、採れたて新鮮な農産物を味わう体験をPR。会場では、特産の柚子やブルーベリー、そばなどの味覚を参加者に振る舞った。

笛師真鍋政利氏が演奏を披露

東京都とニューヨーク市が相互観光PRパートナーシップ締結、両都市で交通広告CPなど展開

2017年11月10日(金) 配信

東京都とニューヨーク市の間で、観光分野では初のパートナーシップ締結に

東京都と米国・ニューヨーク市は2017年11月10日(金)、双方向の旅行需要の促進を目的とした、「東京都&ニューヨーク市 相互観光PRパートナーシップ」を締結した。世界有数の観光都市である両都市が、観光分野でパートナーシップを締結するのは初となる。今後、両都市が双方の交通広告媒体を相互利用し、一般消費者向けに広告キャンペーンを展開していく。

 同日行われたメディア発表会には、小池百合子東京都知事とフレッド・ディクソンニューヨーク市観光局プレジデント兼CEOが登壇。それぞれの都市の観光の魅力についてプレゼンテーションを行った。

小池都知事が語る!東京都の観光の魅力、「古いモノと新しいモノが融合する、それが東京の魅力」

小池百合子都知事

 東京都の観光の魅力をPRするため登壇した小池都知事は「今回の取り組みは、より多くの旅行者を東京に誘致するためには大変有意義なもの」と、両国間の誘客促進に向けた想いを語った。

 東京都を訪れる国内外の旅行者は年々増加しており、この10年間で訪都旅行者は2・7倍に増加した。2020年までに、訪都旅行者数を2500万人にする目標を掲げており、都では今年度から、伝統と革新が融合する東京の魅力を表すアイコン「Tokyo Tokyo Old meets New」を活用し、海外に向けて旅行地としての魅力を発信している。

東京の新たな価値を創造する

 東京は歌舞伎などの伝統文化から、マンガやアニメなど多様な文化が溢れていることから、同アイコンのコンセプトを、「Old meets New」に設定。「東京を訪れる観光客の方々には、東京で多用な体験を楽しんでもらうとともに、日本の美やホスピタリティを感じてほしい」(小池都知事)とPRした。

 今回の相互PRの実施に伴い、2017年11月20日(月)~12月17日(日)の期間中、ニューヨーク市内の街頭ビジョンや映画館などで、同アイコンをPRする動画を放映するほか、また、市内62か所のバス停や公共無料Wi-Fiステーションで交通広告を実施する。

ニューヨーク市への日本人旅行者数33万1千人に

フレッド・ディクソン プレジデント兼CEO

 昨年ニューヨーク市を訪れた日本人旅行者数は32万5千人。今年は、過去最高となる33万1千人となることが見込まれている。また、同市では来年6月に世界で最も高い観覧車となる「ニューヨーク大観覧車」がオープンするほか、新規ホテルの開業など観光分野における革新が続いている。

 フレッド・ディクソン局長は「東京はニューヨーク市と同じ『Old meets New』を体現した街。両都市の魅力と文化をかけ合せることで、観光分野でより成果を挙げられる」と期待を込めた。

 同提携におけるニューヨーク市の取り組みとして、2017年11月11日(土)~2018年3月15日(木)までHISと連携し、同パートナーショップ締結を記念したオリジナルツアーパッケージ5種を販売。ニューヨークの特色を取り入れたツアー内容になっている。

 また、両都市のランドマークである「東京タワー」と「エンパイア・ステート・ビルディング」では2017年11月10日(金)の日没後から、東京タワーはニューヨーク市旗、エンパイア・ステート・ビルディングは東京都の新アイコン「Tokyo Tokyo Old meets New 」をイメージしたブルーにライトアップされる。

 両代表によるプレゼンテーションの後、協定書締結式が行われ、東京都産業労働局の藤田裕司局長とフレッド・ディクソン局長が協定書に署名し、パートナーシップを締結した。また、協定書締結式終了後には、東京ブランド推進会議座長・池尾恭一氏らによるパネルディスカッションも行われた。

 

〈観光最前線〉日本一!ようかん祭り

2017年11月10日(金) 配信

「日本一!ようかん祭り」は羊羹王国小城がプロデュースする全国でも珍しい羊羹の祭典

 鎖国体制だった江戸期、砂糖の流通路であった長崎街道(別名・シュガーロード)沿いの各地で多くの菓子文化が花開いた。佐賀県の中央部に位置する小城市もそのひとつで、名物「小城羊羹」の銘柄は25軒にもおよぶ。

 そんな「羊羹王国・小城」で11月19日に「日本一!ようかん祭り」が開かれる。会場となる「ゆめぷらっと小城」には25店舗が一堂に会し、試食販売するほか、切り羊羹の実演や、うれしの茶の振る舞いなども行う。当日は、このイベントに合わせて開発した羊羹に合うオリジナルブレンドコーヒーも販売するとか。

 小城市では、前日の18日から26日まで、観光名所のひとつ「清水

の滝」一帯を幻想的にライトアップする人気イベント「清水竹灯り」も開催する。甘党も、そうでもない方も、ぜひ。

【塩野 俊誉】

SNSの利害 「誰ともつながらない」心地よさも

2017年11月10日(金) 配信

SNSでつながる社会から逃れたい願望も

 SNS(交流サイト)は情報の流れを変え、社会構造を大きく変えた。メディア業界の端くれにいると、情報伝達のスピード感や、拡散による広がりなど、SNSの持つ力の大きさを感じる。

 多くのメディアはSNSを最大限に活用して情報発信を強化している。本紙「旬刊旅行新聞」もツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどを駆使して、日々の取材で得た情報をより速く、より多くの人に伝えている。

 今、SNSをテーマにした1本の映画が話題になっている。

 ジェームズ・ポンソルト監督・脚本の映画「ザ・サークル」は、主演の女性を演じるエマ・ワトソンが24時間自らの私生活(プライバシー)をSNSに公開することで引き起こすさまざまな現象をスリリングに描く、サスペンス・エンターテインメント作品として、11月10日に公開された。

 SNSは知人だけではなく、見ず知らず人とも“つながる”ことができる文明の利器である。だが、その陰に潜む“不気味さ”も存在する。

 神奈川県座間市内のアパートで、9遺体が見つかった猟奇的な連続殺人事件に世の中が驚愕した。この事件は、自殺願望を仄めかす女性と、犯行に及んだ容疑者がSNSでつながった。特定の趣味や“想い”など、見ず知らず者同士であっても、波長が合えば、世界中の誰とでも“友達”になれるし、それ以上の“関係”にもなれる。使い方が善ければ、無限の可能性があるが、物事には正と負の両面があることを改めて実感した。

 SNSに自分の気持ちや、お洒落な写真を投稿したり、友人や知り合いの近況を確認することに嫌悪感を抱いたり、疲れてしまう“SNS疲れ”という症状があると言われている。

 私も個人のSNSを始めたときは一時夢中になったが、熱しやすく、すぐに飽きてしまう性質が災いし、最近はほとんど投稿することはなくなってしまった。日々、記者という仕事上、さまざまなメディアやSNSから膨大な情報を収集し、記事を発信している身としては、“SNS疲れ”を時々感じることがある。私の知り合いには、若い世代でもまったくSNSをやらない人が何人かいる。私は、その徹底した生き方の潔さに感服する。

 だが、SNSはすでに生活に深く浸透している。やる人とやらない人との間に“情報格差”も生んでいる。手のひらに収まる情報の海に入り込み、溺れてしまわないように自分を律しなければならない。中毒症にも似て、これがわりと難しい。

 山奥の温泉旅館に宿泊すると、スマートフォンの電波が届かない宿がある。「何か急な連絡があったらマズいな」と心配になる反面、少しうれしい気持ちにもなる。

 電波が届かなければ、スマホは旅行バッグに入れっ放し。あとは、「リアル」な自然の美しさや、温泉の気持ちよさに集中すればいいだけである。電波が届かないことは、現在社会においては大きな不便であるし、旅館であれば宿泊客からクレームが発生する恐れもある。

 だが、その環境を逆手にとって、SNSにもつながりが切れる空間として特徴づければ、「誰ともつながらない心地よさ」を体感できる宿として、思いのほか、人気が出るかもしれない。

(編集長・増田 剛)

11月27日 呉暁波氏が「訪日」語る 東京でフォーラム開く

2017年11月10日(金) 配信

中国経済と中国人の海外旅行がテーマ

 北京吹米科技有限公司と日中コミュニケーションは11月27日、東京大学伊藤国際学術研究センター伊藤謝恩ホール(東京都文京区)で、フォーラム「呉暁波が語る『中国経済と訪日旅行』」を開く。日本政府観光局(JNTO)と日本旅行業協会(JATA)が後援する。

 中国を代表する経済作家・呉暁波氏を招き、中国経済と中国人の海外旅行の動向をメインテーマに、基調講演やパネルディスカッションを行う。対象は、日本の中国関連企業や観光関係者。同時通訳付きで、参加費は5千円(税込)。

 呉暁波氏は1968年生まれ。ビジネス経済作家、企業家。改革開放後の中国企業関連の著作多数。中国のビジネスマンの圧倒的な支持を得ている。企業家としても、中国初のビジネス経済分野専門の出版社を設立。また、ネットメディアにおいて自身のトーク番組とEC事業を開始し、300万人以上のユーザーを獲得するなど、中国のビジネス界では知名度が高い。

 同フォーラムの問い合わせは(http://banmi.com/event20171127)まで。