津軽マグロ女子ら受賞 「活動活性化のきっかけに」 観光庁長官表彰

2017年10月11日(水) 配信

9回目の今年は3団体1個人を表彰

 観光庁は10月2日、「第9回観光庁長官表彰」の表彰式を開いた。今回は、「津軽海峡マグロ女子会」と、「Tokyo Journal」、「Princess Cruise Lines, Ltd」、「山本牧子氏」の3団体・1個人が受賞した。田村明比古長官は「この表彰が観光先進国の実現に向けて、地域や個人の活動を活性化させるきっかけになるよう願う」と述べた。

 同表彰は、魅力ある観光地づくりやその発信、訪日外国人旅行客の誘致など、観光の振興、発展に貢献し、その業績が顕著な個人や団体に贈られる。

 「津軽海峡マグロ女子会」は、北海道新幹線開業を契機に南北海道、青森県の13市町の女性で結成された。津軽海峡圏の新たなにぎわいを創出するため、イベントや商品開発を進めているほか、独自の観光周遊ルートも策定。観光振興と地域活性化へ貢献している。

 トウキョウジャーナルは、日本の歴史や文化などの情報を英語で世界に発信している。紙面上で祭りや観光名所などを紹介し、訪日外国人の増加、地方誘客への役割を果たしている。

 プリンセスクルーズは、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアの富裕層に対し、船内で和食を提供するなど日本文化を生かしたクルーズ商品を造成。今後は、運航時期を拡大するなど、利便性の向上を進めていく。

 日本のMICE業界振興のために、ユニークベニューの開発支援などを行う山本氏は「日本にもユニークベニューは沢山あるが、まだその認識が浸透していない。今回の表彰を契機に、ガイドラインの作成や、ユニークベニューになる施設のさらなる掘り起しも進めたい」とコメントした。

秋冬の宮崎ステイを満喫 フェニックス・シーガイア・リゾートの宿泊者専用ガーデンエリア「THE LIVING GARDEN」に“森のエリア”をオープン

2017年10月11日(水) 配信

宿泊者専用ガーデンエリアに森のエリアをオープン

フェニックス・シーガイア・リゾート(松永裕文社長、宮崎県宮崎市)は2017年10月5日(木)、同リゾートのフラッグシップホテル「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」に隣接する宿泊者専用のガーデンエリア「THE LIVING GARDEN」に、新たに“森のエリア”をオープンした。

 「THE LIVING GARDEN」に新しく誕生した「森のエリア」は、ガーデンプールを眺める位置にガラス張りのシンボリックなバー「KUROBAR」と、揺らめく炎を囲みながらゆったりと寛げる「焚火のリビング」で構成。黒松林の中に広がる空間が特徴で、宮崎ならではの自然と温もりを感じながら、特別なリゾート時間を過ごせる。

美しいガーデンを眺めるガラス張りのバー「KUROBAR」

天井の高いガラス張りの空間から眺めるライトアップされたガーデンエリア

 好みのジンとフルーツの多彩な組み合わせを楽しめるKUROBARオリジナルのジン・トニックや、選べるミクソロジーカクテルをはじめ、ウイスキーやブランデーなどの洋酒などを多彩に取りそろえました。天井の高いガラス張りの空間から眺めるライトアップされたガーデンエリアの美しさは格別。

営業時間:

月~木、祝日・日/午後6:00~午後11:00 (L.O.午後10:45)

金・土/午後6:00~午後12:00 (L.O.午後11:45)

座席数:

40席 ※18歳未満の入店、20歳未満のアルコール提供はお断り。

揺らめく炎を囲む「焚火のリビング」

温かな焚火を囲む黒松林の中のリビング

 温かな焚火を囲む黒松林の中のリビングで美しい月や星空を上げながら、大切な人と贅沢な時間を過ごせる。ブランケットなどの防寒アイテムのレンタルも用意している。

焚火のリビングならではのお楽しみ ドリンク&焼きマシュマロを用意

 朝はフルーツのフレーバーウォーターで目覚めの1杯。午後はなかはら珈琲工場の豆を使用したコーヒーでゆったりと。そしてゆらめく炎で焼くマシュマロを、いずれも無料で利用できる。松林に囲まれたオープンエアーの空間で、ゆっくりと流れるリゾート時間を楽しめる。

期間:2017年10月5日(木)~10月31日(火)

時間:午前8:00~午前10:00

フルーツフレーバーウォーター・コーヒー・マシュマロ

午後3:00~午後5:00 コーヒー・マシュマロ

午後8:00~午後9:30 マシュマロ

料金:宿泊者無料

※上記情報は予定のため、予告なしに変更になる可能性あり。

泊まって楽しむ 焚火のリビングパーティープランも登場【平日限定】

「焚火のリビング」でのパーティー

 「焚火のリビング」でのパーティーと、「KUROBAR」での二次会パーティーがセットになった宿泊プラン。温泉や24時間ステイなど5つの特典も付く。

期間:2017年11月1日(水)~2018年2月28日(水)

料金:1泊朝食+パーティー+5つの特典付き お1人様1万4千円~

※平日限定:6~12人様での利用となる。※1週間前までの予約制。

フェニックス・シーガイア・リゾート「THE LIVING GARDEN」とは

宿泊者専用のガーデンエリア

 「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」に隣接する宿泊者専用のガーデンエリア。2017年7月にリニューアルオープンした“水のエリア”では、気持ち良い風がそよぐ水辺のソファで、ピクニックバスケットやワインを楽しみながらゆったりとした時間を過ごしたり、水面に浮かびあがる夜景を眺めたり、まるでリビングのように一日中くつろげる居心地の良い空間としている。

 また、早朝ヨガやテラスバーベキューなど、新しい大人のリゾートステイを体験することができる。

ジーリー×「ファクトリエ」 台湾で日本のものづくり発信 「メイドインジャパン」の価値浸透

2017年10月11日(水) 配信

山田敏夫代表(左)と吉田皓一代表

 台湾、香港人向け訪日観光情報サイト「ラーチーゴー!日本」を運営するジーリーメディアグループ(吉田皓一代表)は、工場直結のファッションブランド「ファクトリエ(Factelier)」を展開するライフスタイルアクセント(山田敏夫代表)と協業し、台北市内の「michi cafe(ミチカフェ)」でファクトリエの商品を販売する。台湾に日本のものづくりの背景やストーリーを発信し、「メイドインジャパン」の価値を浸透させる。日本への深い理解を元に、将来的には地域活性化も狙い、ツアー造成も視野に入れる。
【平綿 裕一】

 ――協業の目的は。

吉田:我われは台湾人に常に新しい話題を紹介し、飽きさせないという目的が一番にあります。ファクトリエが日本で注目されていて、「実は台湾でも出店している」ことが、とてもニュースバリューがあると考えています。我われはWebメディアなので、協業に関してオンライン上で、ファクトリエの背景や商品の良さを伝える記事を展開します。これにプラスして、今回は台北のアンテナショップ「MICHI cafe(ミチカフェ)」で、店舗の一角にファクトリエの商品を出します。O2O(online to offline)ではないですが、リアルでつながるオフラインでも訴求が可能です。

 ミチカフェがあるエリアは、台北のファッションに興味ある人がよく訪れる場所。表参道のようなエリアで、セレクトショップやカフェが立ち並びます。土日は600―800人ほど、平日は、300―400人ほどが訪れます。とくに女性客が多く、約7割以上を占めます。ファクトリエを好む層にも合致しています。

 ――ファクトリエが扱う商品は。

山田:私たちは、国産衣料のみを扱う工場直結ファションブランド「ファクトリエ」を展開しています。私が自分の足で工場を5年間で600軒以上回り、この中から厳選した世界一流ブランドを作る技術や気概を持った約50軒と直接契約を結び、商品を一緒に開発してECサイトで販売しています。中間流通を一切介さないことで、利用者は適正な価格で品質の高い商品を購入でき、工場側はしっかりと利益を得られます。

日本のものづくりの価値を台湾へ

 ――国産にこだわっていますが。

山田:現在、日本の衣料品国内生産率は3%を切っています。ですが、悲観はしていません。私は熊本県にある100年続く婦人服店の息子だったので、その3%を作る工場が素晴らしいことを知っていましたし、これからの時代は、むしろすごいチャンスだと考えています。なぜ、日本の製品が評価されるのか。それは“感性”が宿る商品が作れるからです。非効率ながら、職人が60年前の木製の折り機を使って、そこでしか作ることのできない風合いを出す。これは効率化を追う生産やAI(人工知能)にはできないことです。ここに日本の服づくりの圧倒的な強みがあります。

 ――今回はこの感性やものづくりのストーリーなどがポイントですか。

吉田:そこを伝えていきたいですね。台湾という2300万人の小さいマーケットをターゲットにしていますが、このマーケットは非常に千差万別。服づくりの背景や歴史、ストーリーがあり「だからいいんだ」ということを、台湾の消費者に発信します。メイドインジャパンの素晴らしさを浸透させていきます。

 香港、上海などほかの地域では、リブランディングや、ローカライズが必要ですが、台湾人は日本の流行りがほとんどそのまま受け入れられる、独特の消費マインドがあります。

 しかし、16年の台湾人1人当たりのGDP(国内総生産)は2万2千米ドル(日本は3万8千米ドル)となり、台湾人も成熟してきています。直観的な良し悪しではなく、感性が宿るものなど、本物を求める時期に入ったと推測しています。

 ――ファクトリエは革新的なブランドですが、ブランドの重要な点は。

山田:「熱狂的なファンが先月よりも何人増えたのか」を追求しています。

 ――旅館経営でも、共通点があると思います。詳しくお聞かせ下さい。

山田:ブランドには熱狂的なファンが欠かせません。この熱狂的ファンを呼び込むためには、サービスを満足の域から、感動の域まで高めなくてはいけません。さらに感動してもらうためには、サプライズが必要です。成功には、予想外で期待値が低い点から改善していくことが大事になってきます。

 「自分たちにできるサプライズは何かを考え積み重ねる」。意識の統一をはかり、全社的に行うことで、最終的にブランドが構築され、自分たちのやりたいことができるようになります。

 ――出張ファクトリエといった取り組みを行っていますが、この意図は。

山田:出張ファクトリエは「いいものを長く大切に、目の前のものを大事に使う」などを、企業に出向いて伝えています。3カ月前から実施していますが、出向いた企業は100社を超えています。実際にメイドインジャパンの品質を話で知るだけでなく、体験することで、ファンになってもらいたいと思っています。

 商品は安く作ろうとすればいくらでもできます。そうではなく、しっかりと価値を発揮する必要があります。一方で「いいものを長く使う」という根底の考え方や、消費マインドもつくっていかなければなりません。

 ――「ラーチーゴー!日本」では、今年4月から体験型ツアーの予約サービスを行っていますが、地域活性化のため、工場の体験型ツアーなどの実施は。

吉田:将来的にはチャンスはゼロではないと思っています。非常に重要なのは、背景やストーリーの啓発と感化です。台湾の所得水準が高い人は、本物志向の人が多い。ものづくりの背景やストーリーなどを啓発、感化できればハードルは高くはないはずです。さらに工場体験だけではく、本物の日本食や酒を体験させるなどを組み合わせていけば面白いかもしれません。

 ――ありがとうございました。

訂正:「本記事は、2017年10月16日(月曜日)午後5:00に、「私が自分の足で工場を5年間で60軒以上回り」を「私が自分の足で工場を5年間で600軒以上回り」と改めました。お詫びし訂正致します。

江藤誠晃氏セミナー 3市場を俯瞰的に捉える 戦略的なツーウェイのシナリオ

2017年10月11日(水) 配信

江藤誠晃氏

 ツーリズムEXPOジャパン業界日の9月22日に行われたツーリズム・プロフェッショナル・セミナーのなかで、国内外の観光地のプロデュースを手掛けるBUZZPORT代表の江藤誠晃氏は、「観光立国の鍵を握る地方都市~戦略的2WAYツーリズムのシナリオとは?~」をテーマに講演。地域に人を呼び込む際には国内と海外、訪日の3市場を俯瞰的に捉えることがポイントだとした。

【飯塚 小牧】

 江藤氏は「日本人は世界的にみて旅行をしない民族」とし、地域間交流の拡大のカギは「ふるさとのシェア」と言及。「都会で育った人が田舎に憧れて第2のふるさとを作るように、生まれた所や住んでいる所に加え、もう一つ関わるまちを皆が作る。そこにうまく鉄道や航空の交通ネットワークがのれば『国民短期移民』が生まれる」と語った。

 そのうえで、戦略的に人を呼び込むためには、国内と海外、訪日市場を1つとして捉えるべきだと主張した。海外と訪日は双方向市場であることや、海外と国内は日本人が顧客になっていること、国内と訪日は日本を舞台に展開されることを示し、「3つの市場は常につながっている」と訴えた。

 また、市場の動きからの分析として「国内と海外」や「日常と非日常」の線引きをやめることを提案した。「日常圏」からの旅行者は日帰りから2泊、「準日常圏」は1―3泊、「非日常圏」は3泊以上と定義。地理的な距離を踏まえ、3つのトラベル圏を意識することが重要だとした。

「準日常圏」の20代女性に注目

 注目する市場は「準日常圏」からの20代の女性層。準日常圏と考える1千㌔圏内は東京を起点にすると、北海道の宗谷岬や韓国のソウルは入るが、沖縄は入らず、これを大阪や沖縄を起点にするとまた別の地域になる。伸長する市場だが既存の旅行会社はこれを取り込めていないという。

 「海外旅行でいうと、旅行会社は非日常といってきたが、女性受けするコンテンツが充実するアジアの近隣都市は準日常だ。若い女性はLCC(格安航空会社)やOTA(オンライン旅行会社)を使って気軽に出掛けている」と紹介。グローバル社会が進み、航空券が下がり短時間で行けるようになれば、旅行者にとっては「国内と海外」「日常と非日常」の壁がなくなると主張した。

 「これを今、実践しているのが20代の女性だ。今のシニア層は80代になればとくに海外旅行へは行かなくなる。それを考えると、20代女性を取り込む所が勝ち組になる」と持論を展開した。

 また、地域の「稼ぐ力」をデザインすることの重要性も強調。DMOの役割はゲストとホストの関係性を作り、情報と旅行者、お金をループさせることだとした。「データベースのメディアを作り、まずは地域の情報を旅行者に送る、それを見て旅行者が旅行し、現地でお金を落とす。地域のストーリーを作ることと、旅行者のコミュニティを作ることが大切だ」。

大賞はANAセールス 長年のノウハウで受賞 ツアグリ2017

2017年10月11日(水) 配信

受賞式のようす

 ツアーグランプリ2017の国土交通大臣賞に、応募総数97件のなかからANAセールスの「アルザスふれあいウォーク」が輝いた。同社によると、今回の企画は全日空ワールドが1994年にグランプリを受賞したツアーが土台になっており、長年のノウハウが生かされたことが成功につながったと分析する。

 同ツアーは、数多くの観光地を駆け足で巡るツアーとは一線を画し、欧州平和のシンボルのフランス・ストラスブールを起点に、通常のツアーでは訪れないリクヴィルなど趣のある小さな村々を巡る行程。また、日本語を学ぶフランス人学生と共に“ウォーク”するという国際交流も盛り込んだ。

 ふれあいウォークは、94年の第1回ツアーグランプリでグランプリを受賞した長い歴史を持つ企画。1回目はドイツ・ノイシュバンシュタイン城近くのアルプ湖畔を歩くものだった。その後アメリカやアジア、中国など各地で開催されたが、ここ数年は実施されておらず、今回は久しぶりの復活だったという。本紙の取材に対し、同社担当者は「企画立案・実施に至るまでは相応に大変ではあったが、20年以上前のノウハウが忘れずに蓄積されていたことも成功の要因だったと思う。今後も企画性の高い商品を造成し、そのプレゼンスを高めていきたい」と喜びを語った。

 大賞以下の各受賞ツアーは次の通り。

 【観光庁長官賞】海外旅行部門 イタリアの美しい村と小さな街めぐり10日間(クラブツーリズム)▽国内・訪日旅行部門 北海道長期滞在の旅 自然豊かな街釧路で過ごす10日間(阪急交通社)【海外旅行部門グランプリパッケージ旅行部門】星空スイス8日間(HIS)【海外旅行部門グランプリデスティネーション開発部門】素朴で郷愁漂うルーマニア・モルドバ共和国・沿ドニエストル共和国・ガガウズ自治共和国を訪ねて11日間(ジャンボツアーズ)【海外旅行部門グランプリSIT部門】〈JALビジネスクラス・南アフリカ航空ビジネスクラス利用〉こだわりの豪華ロッジに連泊タンザニア・サファリ満喫10日間(ジャルパック)【国内・訪日旅行部門グランプリ】福島の今を知り、私たちの未来を考える2日間(HIS)【審査員特別賞】海外旅行部門 学生旅行ヨーロッパ(日本旅行)▽国内・訪日旅行部門 伝える 学びのプログラム熊本(JTB九州)▽同 Hidden Japan(Inside Japan Tours Ltd.)

過去のアンコールワットへタイムスリップVR体験、HISがコンテンツ共同開発

2017年10月11日(水) 配信

12世紀前半のアンコールワットを、資料を元に忠実に再現

エイチ・アイ・エス(HIS)は、Timelooper(タイムルーパー、米国ニューヨーク)とカンボジア観光省と連携し、世界遺産のアンコールワットの謎に包まれた歴史をVR(仮想現実)で体験できるコンテンツを共同開発した。

 本来、現地に行かなければできないVR 体験を、10 月7 日(土)から「シブヤVR ランド BY ハウステンボス」で、現地に先行してサービスを導入。VRを「旅のきっかけづくり」「旅先の具体化」を目的として展開してきた。今回は、収益の一部をカンボジア観光省を通じて、カンボジア国内の遺跡修復に充て、歴史的な観光地の保全にも努める。

謎に包まれたアンコール王朝の過去の歴史を再現

 アンコールワットは、年間220 万人以上の旅行者が訪れる。世界最大の旅行サイト「TripAdvisor®」(トリップアドバイザー)が、世界中の旅行客の口コミをもとに評価しランキング化した「トラベラーズチョイス™ 世界の人気観光スポット2017 ランドマーク編」で1 位となり、世界中の旅行者の耳目を集めている。

 同サービスでは、12 世紀前半のアンコールワットの建築のようすや、アンコールワットを上から見た際の全体像と周囲のようすを幾つかの年代に設定した内容で制作した。王朝時代の僧侶の沐浴や生活のようすもVRによって臨場感たっぷりに体験できる。

 未だ多くの謎が残るアンコールワットの過去に遡るタイムスリップ体験を提供するため、カンボジア観光省・文化省、アンコール地域遺跡保護管理機構監修の基に現存する資料に忠実に作り上げた。

Timelooper(タイムルーパー、米国ニューヨーク)

 世界中にある有名な観光地を訪れた際、「昔」の光景や出来事、「もしも歴史的出来事に立ち合うことができたのなら」という誰もが思うことを、VR 動画によって実現することを目指している。旅の感動の先にある過去の忘れられない出来事を人々に提供したいと、VR技術を使いモバイルアプリケーションで、タイムスリップ体験を提供するニューヨーク発のスタートアップ企業。

 

シブヤVR ランドBY ハウステンボス

 2017 年6 月から、「今日は渋谷で、現実逃避」をキャッチフレーズにして「スリル体験」や「シューティング」「ホラー」「リズムアクション」「恋愛シミュレーション」といった5 つのオリジナルコンテンツを展開。

 新たに「世界旅行」が加わり、全6 コンテンツを体験できる。「世界旅行」では、アンコールワットに加えTimelooper 社の持つニューヨーク、ロンドン、ベルリンのVR 体験も新たに展開する。

場所:東京都渋谷区 渋谷モディ / 営業時間:午前11:00~午後9:00

料金:2200 円(全6コンテンツを1回ずつ体験可能、利用時間:約60 分)

対象年齢:8 歳以上推奨

シブヤVRランド BY ハウステンボス | @MODI
http://www.huistenbosch.co.jp/vrland/
今日も渋谷で、現実逃避。国内外のVRコンテンツが大集合!ここでしか体験できないVRコンテンツがいっぱい!各メーカーの特色あるVRデバイスを一度に体験できちゃいます!渋谷VRランド 6.24 OPEN
 

「道」を楽しむ旅 危険が大きい旅の途中の道路環境

2017年10月11日(水) 配信

「道の駅どうし」には多くのオートバイが集う

 秋が訪れ、オートバイのエンジンに火を点けて、少し遠くまで旅をするのが楽しくなってきた。9月は埼玉県の秩父まで走った。10月に入って、東京都の奥多摩湖、そして山梨県の山中湖も行った。最近は早く起きて家を出る。新鮮な朝の空気を全身に感じながら、道路も空いていて気持ちいい。

 秩父や奥多摩湖、山中湖には近年足が遠のいていた。久しぶりに訪れてみると、私の記憶の中の印象とは随分かけ離れたものに変貌していた。

 神奈川県の津久井湖あたりから山梨県の山中湖付近まで続く道志みち(国道413号)では、オートバイの多さに驚いてしまった。ほぼ信号がないルートが続くため、激しい渋滞に日々苦悩する首都圏のライダーたちにとっては、理想的な道路である。道路沿いにはキャンプ場や温泉施設が散在している。長閑な田園風景や森、適度なワインディングロードもあり、退屈することなくツーリングを楽しむことができる。

 道志みちを走る主役はオートバイ。オートバイ10台に対してクルマ1台といった割合だ。途中道幅の狭い個所もあり、クルマでこの道を走ると、少しストレスを感じるかもしれない。

 道すがら、たまたま見知らぬツーリンググループの最後尾に並ぶ格好となり、しばらくそのグループの一団のように走った。これがまたすごく気持ちよかったのである。

 私は普段ソロツーリングばかり。10台以上のオートバイがゆったりとした走行ペースで縦に並び、峠道を走る楽しさは、一人ぼっちでは決して味わうことができない楽しさだった。

 その集団の先頭が「道の駅どうし」に入っていくと、後続車も続いた。だが、何とその集団は一つのグループではなかった。私を含め、皆バラバラだったのだ。年齢も、性別も違う、偶然に路上で出会った者同士であったが、同じ楽しみ方を共有する者が偶然に集い、〝楽器でハーモニーを奏でる〟ように共鳴し合った瞬間だった。

 道の駅どうしは、道志みちの途中に位置するオートバイの〝聖地〟である。広大な駐輪場に次から次にオートバイが入ってきて、軽く休憩して再び道路に向かう。私は小腹が空いていたので150円の熱々のコロッケを食べた。

 道志みちではオートバイだけでなく、ロードバイクに乗る人たちの姿を多く見かけた。

 奥多摩湖に向かう道は、オートバイよりもロードバイクの方が圧倒的に多かった。

 今夏、北海道の襟裳岬でロードバイクに乗る60代の男性に、「襟裳岬に到達した記念に写真を撮ってくれないか」と頼まれた。ふと見ると、その男性は腕に包帯を巻いていた。痛々しく血が滲んでいる。聞けば、途中のトンネルで転倒して近くの薬局で応急措置をしてもらったのだという。「もし、後ろにトラックが来ていたらと考えると、ぞっとします」と屈託のない笑顔で話した。

 今、日本各地でロードバイクが走りやすい環境づくりが進められている。オートバイやロードバイクの旅では、途中の「道」が何よりも大事である。しかしながら彼らが走る道は、狭い山道であったり、大型トラックが真横を追い抜いたりと、危険が大きい。安心・安全な道路環境の整備も、観光立国に向けた今後の大きな課題の一つである。

(編集長・増田 剛)

日本向け機能を充実化 国内利用者は30%増に(トリップアドバイザー)

2017年10月11日(水) 配信

牧野代表(左)と、神川氏

 トリップアドバイザー(牧野友衛代表)は9月29日に東京都内で会見を開き、事業報告や今後の取り組みを発表した。日本は利用者が昨年から約30%増え、国内施設は70数万件にまで伸びた。スマートフォンからの月間訪問者数も好調で、今年8月に600万人の大台を突破。ただ、旅行系サイトで国内利用者数トップのじゃらんは1200万人で倍近くの差がある。今後は日本人向け機能の充実化をはかり、日本市場で主導権を握りたい考えだ。

【平綿 裕一】

「より日本人向けに」

 今年5月末には日本を含めグローバルでサイトを全面リニューアル。「目的にあった情報を探すために、直観的に使えることを目指した」(グローバリゼーションチーム神川亜矢プロダクトマネージャー)。

 とくに国内利用者増加の要因には「日本向けサービスの充実化」が挙げられる。今年2月にLINE(ライン)のアカウントで、アプリとブラウザのログインを可能にした。フェイスブックとGoogle以外でのログイン対応は日本だけ。

日本人向けに使いやすさを

 検索の簡素化も行った。「日本語は文字を入力して変換と、ステップが多い。これを簡単にする機能を2つ取り入れた」(牧野代表)。

 1つ目はディレクトリ型の検索機能だ。これまでは「東京」と「ホテル」といったキーワード型の検索。ディレクトリ型は「東京」で検索すれば千代田区や渋谷区、そのあとに宿泊や観光など、分類・階層型で情報を表示させる。

 2つ目は「タイパーヘッド」。ひらがなを入力すると、マッチした施設情報を表示していく。Web検索で一般的な機能だが、サイト上の検索機能としてあるところは多くないという。

 同社のサービスの核となる「口コミ」は宿泊施設やレストランだけでなく、観光施設も他社サイトに提供を開始。牧野代表は「他社サイトに口コミ情報を出すことで、ユーザーへの接触率を上げていく」と話した。

 昨年1年は国内利用者数と、国内旅行での利用増加を行ってきた。来年は「日本人向けの機能や使いやすさを追求することが課題。まだ足りない部分が多い」(牧野代表)と強調。引き続き日本人の特徴に合わせたサイト構築をはかる考えだ。

インバウンド 動向を発表

 アジアの中で日本は、世界から最も注目されている旅行先。閲覧数はアジア全体の21%を占める。閲覧数が多い国は、米国が1位。中国、台湾、香港、豪州と続き、上位5カ国で全体の半数を超える。

 世界の旅行者が、日本と同時に検討する地域はアジア地域ばかりではない。米国は日本を見たあと、仏国、イタリア、英国をそれぞれ約10%の割合で見ている。このほか、中国や豪州もこれに近い数値で、「日本の旅行先の競合は欧州が多いことが分かった」(牧野代表)と報告した。

全国の高速道路乗り放題 訪日客向けパス販売へ(国交省)

2017年10月11日(水) 配信

全国の高速道路乗り放題

 国土交通省は、東日本高速道路(NEXCO東日本)などNEXCO3社と道路公社(宮城県、京都府、兵庫県)と共同で、レンタカーを利用する訪日外国人観光客向けに、10月13日から全国エリア対象の初の高速道路乗り放題パス「Japan Expressway Pass」を販売する。

 これまでも地域ごとに各高速道路会社が、訪日外国人観光客向けに無料乗り放題パスを展開しているが、今回の導入でエリアを跨いだ全国横断型の周遊が可能になる。なお、地域版乗り放題パスは今後も販売を継続する。

外国のパスポート所有者などに限定

 同パスは外国のパスポート所有者、または外国に永住権を持つ日本人が対象。ただし、日本で利用可能な運転免許証を所有している人に限られている。

 対象エリアはNEXCO東日本・中日本・西日本が管理する高速道路と、宮城県道路公社が管理する三陸自動車道(仙台松島道路)、京都府道路公社が管理する京都縦貫自動車道、兵庫県道路公社が管理する播但連絡道路など。

 なお首都高速道路や、阪神高速道路などは都市部の混乱回避のため、また北海道の高速道路は、他地域でのレンタカーの乗り捨てができないなどの理由から対象外となった。

7日間利用で2万円

 料金は、連続する最大7日間利用可能のものが2万円、14日間利用可能なものは3万4千円で販売。自動料金収受システム(ETC)を搭載した普通車で利用でき、全国275店舗(9月26日現在)のレンタカー会社で申し込みが可能だ。

 国土交通省道路局高速道路課への取材によると、このほど全国エリアでの高速道路乗り放題パスの販売に至った背景には、訪日外国人観光客によるレンタカー利用の増加が関わっているという。

 同省の調べでは、外国人のレンタカー利用は2011―15年の5年間で約4倍にも増加し、70万人を突破している。これまでの地域限定版乗り放題パスと異なり、同パスでは一部の道路を除き、パス1枚で全国を横断することができるため、ゴールデンルート以外の地方への誘客に期待がかかる。

 一方で、パスの対象者ではない人たちからは、不公平さに対する不満や、不慣れな運転で多発する事故に関する懸念も出ている。

 現段階では海外における同パスの周知方法は未定となっているが、今後観光部局などとも連携し、より効果的なプロモーション活動を行っていく方向だ。

No.474 JCHA 清水会長インタビュー “地域性”を感じられる宿に

2017年10月11日(水) 配信

 6月に開かれた通常総会で、全日本シティホテル連盟(JCHA、205会員)の新会長に清水嗣能氏(ホテルリバージュアケボノ社長)が就任。「国・会・人・宿づくり」を柱に会を運営していく方針を示した。「ホテル経営者は、地域の観光開発の立役者として課題解決に向けた提言を」と語る清水会長に、JCHAの今後の展開や、民泊問題、宿泊税導入に対する考え方からビジネスホテルのこれからのかたちまで、幅広く業界全体を俯瞰した考えを伺った。

【聞き手=増田 剛編集長、構成=後藤 文昭】

宿づくりは情報が命 地域の観光開発担う立役者に

 ――6月の総会で会長就任に当たり「国・会・人・宿づくりとジャンル分けし、分かりやすくJCHAを運営していく」と強調していました。そこで、JCHAの事業方針から、聞かせてください。

 これまでのJCHAの活動は、ホテル経営のための情報交換の場がメインで、どちらかというと内向きの組織でした。しかし、組織として生まれたからには、存在意義があるはずです。今後は、もっと外に目を向け、JCHAとして何ができるのかを真剣に考える時期にきています。我われは、ホテル業者が集まる団体として「国づくり」と「会づくり」、「人づくり」、「宿づくり」の4本柱を事業方針に掲げ、観光立国の実現を支えていきます。

国づくり

 ――宿泊団体は観光立国の実現のために、何を求められているのでしょうか。

 国内の人口が減少するなか、海外からの旅行者受け入れを拡大し、日本の経済成長に役立てることはとても重要です。国が進める観光立国の推進に対し、我われは宿泊施設団体として、地方で増加する外国人旅行者の受け皿づくりを進めることで貢献していけると思います。これが、4本柱の1つ目の「国づくり」です。会員であるホテルの経営者は、地方の観光協会や商工会議所で委員として、発言・提言をしていく。まさに自館が位置する地域における観光開発の立役者となるような役割を求められていると思います。

 ――「国づくり」を進めるうえで、今後必要なことは。

 国づくりは、言い換えればまちづくりであり、観光地、ホテルづくりの集合体です。

 例えば客室に備えるテレビのリモコンは日本語表記なので、海外のお客様は読めませんが、英語表記を加えたり案内を添えたりすることはできます。しかし、東京都心部などに比べると地方部はまだ外国人旅行者数も少ないため、外国人の宿泊需要が増加していることを十分に実感できていないのではないでしょうか。

 これからFIT(海外個人旅行者)が拡大するなかで、観光施設へのアクセス環境でも外国人旅行者が、公共交通機関を利用して移動することを想定している会社は少ないと感じています。

 これまで障害を持つ人でも住みやすい街づくりを官民あげて進めてきましたが、これからは、日本語の分からない外国人が安心して地方を旅行できるように、「多言語化」をキーワードに進めなければならないのです。

人づくり

 ――JCHAは台湾の輔仁大学と亞州大學とインターンシップ協定を結んでいますが、この取り組みも人づくり、国づくりに活かせますね。

 インターンシップ制度は、働き手が減少している状況で、会員が困らないように始めました。しかし、労働形態はさまざまです。知的労働者として海外の大学生を受け入れることは就職先として、また、外国人旅行者にもホテルがより選ばれるための理由づくりにもなるのではないでしょうか。

 福井県で私が経営するホテルでは今年の夏、アメリカからのインターン生を受け入れました。学生には通常のホテル業務ではなく、福井の観光地を回ってもらい、実際に外国人が旅行したときに何を感じるかの調査や、外国語サイトの立ち上げ、英語宿泊約款の作成、館内の英語サインのチェックなど多言語化作業をしてもらいました。インターン生を受け入れることは、「多言語化」への取り組みでも利点が大きいので、ぜひほかの会員にも取り入れてもらいたいです。

 一方で、インターン生を雇うときに必要な在留許可書の手続きには1―2カ月と、時間がかかります。この部分は「会づくり」にはなりますが、時間の短縮などにJCHAが取り組むべきだと思います。…

※ 詳細は本紙1688号または10月17日以降日経テレコン21でお読みいただけます。