住友林業と提携、民泊物件の「質」向上と掘り起こし狙う

2017年12月18日(月) 配信

百戦錬磨と住友林業が、民泊分野での提携を発表した。安心安心な物件提携に力を入れる

百戦錬磨(上山康博社長)はこのほど、住友林業との業務提携を発表した。「古民家再生」や「農泊」推進の観点で協力し、民泊物件の掘り起こしや、物件クオリティの向上を目指す。

 「合法民泊」のパイオニアとして業界で知られる「百戦錬磨」。新築の注文住宅や木材建材業大手の住友林業と手を組むことによって、合法民泊物件の増加を狙う。来年6月の法施行を前に、民泊プラットフォーマー(仲介業者)各社による、オーナー(宿泊事業者)と物件の掘り起こしが進むなか、同社としての姿勢を打ち出した格好だ。

2月、本紙のインタビューに応える、百戦錬磨の上山社長

 戸建てやリフォームで長年に渡って実績を培ってきた住友林業とのタッグを通じ、民泊物件のさらなるクオリティ向上にも着手できるようになった。来春、旅館業法の特例(特区民泊)下での民泊専用マンション(大阪市西区)の運営を皮切りに、双方の協力体制を確立していく構えだ。

 百戦錬磨は、「農泊」やイベント民泊分野でも先駆者と知られ、9月にはジェイティービー(JTB)との資本・業務提携を発表。地域おこしやインバウンド需要の取り込みで、その手腕に注目が集まっていた。

Booking.com、自社開発のAIチャットボットを全世界に

2017年12月18日(月) 配信 

全世界へサービスを

ブッキング・ドットコム・ジャパン(アダム・ブラウンステイン代表)は、新サポートサービスのチャットボット「Bookingアシスタント」のパイロット版へのアクセスを、全世界の英語での予約へ拡大することを発表した。

 完全自社開発の「Bookingアシスタント」は、独自のAI(人工知能)テクノロジーを駆使した、最新メッセージ・プラットフォーム。

 ゲストはチャット形式のインターフェース上で、宿泊関連のリクエストなどを送信でき、施設側からサポートを受けることができる。多様化する旅行者たちの予約後の問い合わせに素早く自動で対処する。

 モバイル端末向けに開発され、iOSとAndroid版のブッキング・ドットコムのアプリへ導入。Facebook Messenger経由でも利用可能だ。このほか、パソコンやスマートフォン、タブレット上でブッキング・ドットコムのウェブサイトにアクセスしても利用できる。チャットのアイコンから、「Ask a question」と入力すれば、サービスを受けることができる。

ゲストを第一に考えた人工知能

 「Bookingアシスタント」は自然言語処理技術を活用。支払いや、アクセス情報、チェックイン・アウト、予約内容の変更、キャンセル、駐車場、ベッド関連、ペットの受け入れ、インターネット環境など、ゲストからの質問やリクエストに対応できる。

 より多くのユーザーからの質問に対応することで、人工知能技術を融合した「Bookingアシスタント」は、多くの質問内容を認識できるように学習していく。現在では90種類以上ものサブトピックを素早く認識し、正しく対応できるようなっている。

 通常の1つや2つのタスクのみを処理する他のチャットボットとは異なる。「Bookingアシスタント」のチャットボットは、ゲストからの“よくある質問”に対応できるよう開発されている。

 現在は、ゲストからの宿泊関連の質問の3割に自動で5分以内に返答できる。自分で処理できない質問を受けた場合は、質問内容によって同社のカスタマーサービスか、宿泊施設からのサポートを要請し対応。さらに透明性の高いコミュニケーションを提供するため、常にその情報元を明記していく。

 ブッキング・ドットコムのカスタマーサービスのグローバルディレクター、ジェームズ・ウォーターズは「我われにとって、AIは人間同士のやり取りの代わりとなるものではない。むしろゲストに素晴らしい旅行を体験してもらうためのサービスを、迅速かつスムーズに提供することを可能にしてくれるもの。旅行という、人間の感情や個人的な考えなどの複雑な要素が関わるものを扱う業界に身を置く当社にとって、温もりのある人間同士のやり取りと効率の良い自動化との正しいバランスを保つことは常に大きな課題。このバランスを最適化することに努めていくとともに、『Bookingアシスタント』はその一環となるものだ」

ゲストとパートナー施設への新しいサポートのカタチ

 同社が26カ国1万9千人の旅行者を対象にした調査で、回答者の半数は、「返答があるのであれば、対応する相手が人間でもコンピューターでも構わない」と答えた。

 同社のデータによると8割のゲストは、自分で必要な情報を入手することを好む傾向にある。「Bookingアシスタント」は電話やメールなど今までのカスタマーサービスへの問い合わせ方法に代替できる。チャットボットと平行して、人によるサポートにも同インターフェース内から常にアクセスが可能となる。

 パートナー施設にとっては、「Bookingアシスタント」は時間の節約に役立つ。チャットボットが簡単な質問に回答し、ゲストが確認のために宿泊施設に直接連絡することが不要となる。またチャットボットは対応する質問の数が増えれば増えるほど、トピックを認識する能力が伸びていく。

ボトルキープとシガーをセットにした若者応援プラン リーガロイヤルホテル東京

2017年12月18日(月) 配信 

「U-35」

リーガロイヤルホテル東京(北垣真紀総支配人、東京都新宿区)は2018年3月31日(土)まで、「セラーバー」で35歳以下の若者向けにウイスキーのボトルキープとシガーをセットにした「U-35」を売り出した。

 「U-35」は、35歳以下の若い世代を応援するプラン。近年の「こだわり志向」や「自分へのご褒美」需要のほか、“ホテルのバーに行ってみたいけれど敷居が高く感じる”、“シガーを試してみたいけれどデビューする機会がない”という声を受け、リーズナブルな価格でバーの雰囲気やシガーを知ってもらい、ホテルのバーを身近に感じることができる商品だ。価格は1万7,820円(税金・サービス料含む)。

英国調のクラシカルなインテリアで統一した本格的なバー

 ウイスキーは、「CHIVAS REGAL18年」(3万5,640円相当)もしくは「NIKKA12年」(3万888円相当)を、シガーはハバナシガーの「Montecristo No.4」(1,600円相当)をセットにした。ボトルキープ期間は4カ月間で、期間中はキープボトル利用時の割り材「水」、「氷」、「ソーダ」を無料で楽しめる。

商品概要

商品名:「U-35」 ※35歳以下限定、1人1回限り。

価格:1万7,820円(税金・サービス料含む)

販売店舗:1階 セラーバー

販売期間:2017年12月18日(月)~2018年3月31日(土)※定休日:日曜日

「セラーバー」店内

予約・問い合わせ先

施設名:リーガロイヤルホテル東京「セラーバー」

所在地:〒169-8613 東京都新宿区戸塚町1-104-19

tel03-5285-1121(代表)

俳優・佐藤健さん書籍とコラボ 熊本の今発信

2017年12月18日(月) 配信

熊本県と熊本市は、俳優の佐藤健さんが震災復興のために自ら発案し、熊本を訪れて制作した書籍「「るろうにほん 熊本へ」(2017年4月発売)を活用し、首都圏を主なターゲットとした広報展開を行っている。

 佐藤健さんが巡った場所を、「くまモン」をはじめ、県内各地のイメージキャラクターたちが再訪し、ホームページを通じて熊本の「今」を紹介している。地震から復興する過程とともに、被災地で頑張る人の姿や生の声、県内各地の食や文化などの魅力を発信し、熊本地震の風化防止とイメージアップをはかる。

 オリジナルHP「熊本震災復興 #るろうにほん 熊本へ」公開中

 書籍「るろうにほん 熊本へ」の中から、「産山・阿蘇神社コース」「南阿蘇コース」「熊本市内コース」「上天草コース」の4つのモデルコースを紹介。 

 それぞれのキャラクターが佐藤健さんと同じ体験をし、同じポーズでカメラに収まった。動画も順次公開していく。

 都内書店で熊本フェアも開催

 熊本に関する本を集めた「熊本フェア」を東京都内の書店で開催する。

場所:三省堂書店 有楽町店 東京交通会館1階 JR駅側入口付近特設会場

   東京都千代田区有楽町2丁目10-1 

主催:熊本県、熊本市

期間:12月22日(金)まで開催中

うめきたガーデンに本物の雪が登場!スノーランド開設

2017年12月18日(月) 

今年2月のようす

都会の中の花畑「うめきたガーデン」(大阪市北区)に、兵庫・但馬などから累計30トンの雪を運び込み、自由に遊べる子供向け雪遊び場「スノーランド」が12月16日(土)から開設される。

 JR大阪駅近くで雪を楽しめる唯一のスポットで、クリスマスに向け花火やライトアップなど各種のイベントを開催する。

スノーランド

 12月16日(土)から連日午前10時-午後5時に開催(12月30日~来年1月4日を除く、2月末までの予定)。参加者多数の場合は時間交代制で案内する。参加料は無料(うめきたガーデンへの入園料が別途必要)。

 天候により中止の場合がある。事務局(TEL06-6633-2274)に問い合わせを。

クリスマス ファイアーイリュージョン

 12月22日(金)-24日(日)の午後8時から音楽と花火のショーを開催する。真冬の都会で花火を楽しめるのは「うめきたガーデン」だけだ。

うめきた音楽祭

 12月23日(祝・土)、24日(日)の週末、大阪の学校を中心に、中学校・高校の吹奏楽部や合唱部によるコンサートを開催する。

 12月23日(土・祝) 大阪府立市岡高校吹奏楽部

           信愛女学院中・高校合唱部

 12月24日(日)   四天王高校・中学校コーラス部

クリスマスライトアップ

クリスマスライトアップ

 12月25日(月)までクリスマスのライトアップを実施。都会の夜景とツリーや花畑のイルミネーションが楽しめる。

うめきたガーデン概要

 「うめきたガーデン」は、うめきた二期区域の暫定利用コンペで当選した企画で、平成28年10月に梅田北ヤード跡地に誕生した約7500平方メートルの巨大な庭園。来年3月18日(日)までの期間限定で開園している。

 世界的庭園デザイナーである石原和幸氏監修の2本の滝が流れるメインガーデン、「御所の庭」を中心に、壁面に植物を使った「みどりの小径(こみち)」や花咲く丸太小屋(第2期で終了)などで構成される。

 日々変化し続けるなか、第2期では欧風のガーデンや花のメリーゴーランドを新設した。花畑の花も、ずい時植え替えられ、いつ来ても季節の花々が楽しめる。

 第3期となる「うめきたガーデン FINAL」では、花を50種類10万株から80種類12万株にボリュームアップする。緑や花が少ないといわれる大阪の「みどりの種」となるべく活動を続けている。

期間:平成30年3月18日(日)まで

開場時間:午前10:00-午後5:00(入場は午後4:30まで)

     ※12月25日まではライトアップのため午後9:00時まで開場

休園日:12月30日~平成30年1月4日

料金:一般(大学生以上)1000円、小・中・高生500円

※未就学児は無料(保護者の同伴必須)※障がいのある方は半額。同伴者1人まで半額。

主催:うめきたガーデン実行委員会

共催:リョーケン、大阪観光局、KADOKAWA関西ウォーカー

銀座にいながら石川をVR観光

2017年12月18日(月)配信

銀座にいながら兼六園の散策も

東京・銀座にいながら石川県の観光スポットをVR(バーチャルリアリティ)で体験。公共施設の運営や自治体業務などを行うシダックス大新東ヒューマンサービスが運営する「いしかわ百万石物語・江戸本店」(東京・銀座)で、無料サービスを開始した。

 VRは、店舗2階のカフェスペースで自由に体験可能。金沢市の「兼六園」や、輪島市の「白米千枚田」からサービスをスタートし、今後スポット数を増やしていく。東京・銀座のアンテナショップで石川県をバーチャルに楽しく仮想旅行することで、より具体的な旅のイメージを喚起し、旅行動機につなげる。

「いしかわ百万石物語・江戸本店」

住所:〒104-0061 東京都中央区銀座2-2-18 TH銀座ビル

TEL: 03-6228-7177

休日:年末年始のみ

営業時間:午前10:30~午後8:00

2階カフェスペースで金沢の観光をVR体験

 

伊豆で横60㍍の巨大スクリーンによる立体イルミ

2017年12月18日(月) 配信 

『Sweets Lantern』1

伊豆ぐらんぱる公園(静岡県伊東市富戸1090)は2017年12月23日(土)から、「グランイルミ3rdシーズン」で、横60㍍の巨大スクリーンによる立体験型イルミネーションを始める。

 巨大スクリーンは、横60㍍、縦13㍍、地上20㍍の高さにあり、圧巻のスケールだ。クリスマスシーズンには、世界最大級のクリスマスツリーが映し出されるなど、「終わりなき、進化し続ける立体験型イルミネーション」(同社)と位置付ける。18年1月からは、スクリーンを用いて「光と音のショー」を絡めた演出を予定している。

 グランイルミは、17年11月9日に東京都で行われた「第5回イルミネーションアワード」で、総合エンタテインメント部門4位を受賞、全国イルミネーションランキング第1位を獲得※した。体験型イルミネーションとして幅広い世代から高評価を得ている。同社は「3rdシーズンは、身長より高い巨大なお菓子のへ世界へとみなさまを導きます」とコメントしている。

※walker+ 2017.10.5調べ 

開催概要 さらなる進化!立体験型イルミネーション

期間:2018年8月末日(予定)※2018年4月以降、平日定休日あり

場所:伊豆ぐらんぱる公園内「グランイルミ」特設エリア

時間:午後4時30分~午後9時30分(予定)※季節により変更がある

入園料金:大人(中学生以上)1500円、小学生800円、幼児無料※小学生以下は要保護者同伴

駐車場:約1千台、グランイルミ駐車料金無料

グランイルミ ~3rdシーズン~

『夢のトンネル』フォトジェニックNo.1。さらなる夢の世界
『お菓子を求めて海底2万マイル』カラフルなお菓子たちと海の仲間たちが踊り出す。

伊豆ぐらんぱる公園

 

新しい地域交流プロジェクト始動!

2017年12月18日(月) 配信

地域活性の場を提供していく

JTBコーポレートセールスは2017年12月15日(金)から、農業ITベンチャーのファームフェス(小平勘太社長、鹿児島県鹿児島市、)と協業し、地方の耕作放棄地や遊休農地を都市の企業向けにレンタルし、地方創生に貢献するプロジェクト「RE FARM」を販売している。

 地方では高齢化や過疎化に伴う営農人口の減少により、今後農地として利用される予定のない耕作放棄地が年々増加。農村環境への影響が社会問題になっている。その一方で、都市の企業において、職場環境の多様化や働き方改革の浸透により、社内行事や福利厚生メニューの充実などの動きが活発化している。

 同社は、地方と都市の課題をマッチングし、新たな交流を創造するためファームフェスが契約する農場を使った企業向けの同商品を開発・販売。同商品は比較的大規模な農園を企業向けに特化して企画したプロジェクトが特徴。企業は農場の命名権、現地での大人数での収穫体験や農家との交流、収穫物の受け取りなどのサービスを受けることができる。

 プログラムの第1弾として、都市部から車で約2時間の山梨県の八ヶ岳地域の農場からスタート。今後は、全国10拠点を開発し、その地域ならではの体験コンテンツなどを企画していく。

RE FARMでできること

農家との交流も楽しみの1つだ

「マイ農場を契約」
企業が契約した農場は「マイ農場」となり、契約期間中、オリジナルの農場名がつけられる。作付けしたい作物は、農場ごとの「作付けカレンダー」から選ぶことができる。農場は約150㎡~1000㎡ほどで、予算や希望に応じて、提案する。

「農場は農家が管理」
農場は地元の農家が責任を持って管理。安全で美味しい農産物を育ててもらうだけではなく、社員が農場を訪問することで、農家たちとの交流が生まれる。耕作放棄地の解消に加え、農家のやりがいにもつながる地域貢献の形だ。

「WEBページでの交流」
農場を契約すると、契約企業専用のWEBページができる。専用WEBページでは、マイ農場の農作物が育っていくようすなどを農家が定期的に掲載、更新していく。さらに、農家に農産物の収穫時期や美味しい食べ方、地域の天候やイベントなどを質問したり、動画を楽しんでもらうことで、WEB上でコミュニケーションをとることができる。

「農業体験をする」
マイ農場では、専用WEBページから予約後に品目や時期に応じて作付けや収穫体験ができる。澄んだ空気と土の感触、農産物の匂いに直にふれることで、心と身体をリフレッシュ。職場のコミュニケーション向上につながる。

「農産物を味わう」
マイ農場で収穫しきれなかった農産物は農家が収穫し会社に発送。新鮮で美味しい農産物を農家おすすめの食べ方などでご賞味あれ。

「津田令子のにっぽん風土記(32)」「国境越え音楽で人の輪が広がる」 ~ 神奈川県川崎市編 ~

2017年12月17日(日) 配信

川崎市での「歌声の会」のようす
フリーミュージシャン
舩田 忠雄さん

 舩田忠雄さんはもともと音楽が趣味で、トロンボーンやギターなどを演奏していたが、妻と共働きの状況で子育てとの両立が難しくなると、替わりに旅行を趣味とした。毎年時間をかけて計画を練り、子供たちや義父も連れてのヨーロッパ旅行を10年ほど続けた。その後、長女は米国の大学に留学し、長男は国際空港で働いている。国際的な視野が養われたのは「旅行の影響があると思います」と舩田さんは話す。

 子供たちの独立後に音楽活動を再開し、定年退職後はより力を入れている。海外旅行も、好きな金管アンサンブルのコンサートに合わせて行くようになった。

 あるとき、コンサート後にグループのメンバーに声を掛けてみると「ビールを飲みに行こう」と誘われ、仲良くなった。交流は続き、昨年には彼らと、日本で金管楽器のフリーランスプロの若い奏者を集めて自身が代表をしているブラスアンサンブルがコラボしたコンサートが、ロンドンで実現した。

 舩田さんは地域での音楽活動にも力を入れている。その一つが、川崎市での歌声の会だ。同市を中心に、高齢の方々とともに音楽活動をしている団体が開いているもので、舩田さんは参加者の歌にギターで伴奏をつけている。伴奏者の募集を見つけて応募したのがきっかけで始めたが、最初はなかなか人が集まらなかった。しかし、好きな曲を一緒に歌う楽しさが徐々に広まり参加者が増えていった。数多くのレパートリーを持ち、その場でさまざまなリクエストに応じて伴奏してくれることも人気の理由の一つのようだ。

 この会での出会いをきっかけに、昨年は川崎市内のお寺で、金管アンサンブルとソプラノ歌手によるコンサートライブを開催した。また、今年は川崎市幸区の「さいわい健康福祉プラザ(老人福祉センター)」の講座として「うたごえサロン」が開講し、そこでも伴奏を務めている。講座には定員の2倍近い申し込みがあった。「自分は下手だから、などと言っていないで、飛び込んでみると意外とすんなりできることもあるのです。それはロンドンでも川崎でも同じですね」。

 川崎市は「音楽のまち・かわさき」を掲げ、コンサートやストリートライブなどを多く開催し、情報発信もさかん。舩田さんもさらに活動を広げたいと考えており、「もっと演奏の場がほしいですね」と話す。音楽とその人柄がともに伝わるからこそ、舩田さんをとりまく人の輪は温かく広がっていくのだろう。

「井川今日子のおもてなし接客術(28)」 損をさせないおもてなし

2017年12月17日(日)配信

「選んで得した」と思わせる、おもてなしスキルを

 先日、接客研修した旅館様で、時間を割いて協議したのが「お客様に損をさせてはいけない」というテーマでした。

 例えば、お客様の到着順に優先的に夕食開始時刻を決める宿が多いかと思います。午後6―7時といった人気の時間帯が埋まってしまい、お客様の希望の時間に添えない場合に、スタッフの言い方次第では「選べなくて損した」と思わせることもあります。

 一方「自分の希望は通らなかったけど、スタッフの勧める方を選んで得した」と思わせることも可能です。

 おもてなしスキルを上げることで、一見損なことでも損と感じさせない体制を整えるよう注力するのが今回の目的でした。

 この旅館は夕食時間を2部制にしており、1部は午後5時30分、2部は午後8時という時間設定です。一般的に人気な夕食開始時間は午後6時30分や午後7時ですので、この時間設定では、早すぎる時間か遅すぎる時間かのどちらかで、食事をスタートしてもらわなければなりません。

 当然、この2つの時間設定だと、午後5時30分に集中しすぐに枠がいっぱいになります。この状況下で新たな予約が入ると、必然的に午後8時スタートの枠でお客様にご了承いただかなくてはなりません。

 スタッフ自身も午後8時には引け目を感じるようで、「大変申し訳ないのですが、午後8時でお願いできませんでしょうか」というスタンスで話をしてしまいます。

 そうするとお客様は、“人気の”午後5時30分の予約を取れなかったことで「損をした気分」に陥るうえ、「少しでも早く対応してもらえないか」とスタッフに交渉をし始めることになり、結果、スタッフが困り果てる、という悪循環を生んでしまいます。

 この現状を改善しようと、言い回しを改めることにしました。まずは「お客様のご希望には添えない午後8時の食事開始となってしまいますが、実は午後8時の方がお勧めです」と、伝える。

 次に「ご到着後は、まずはお風呂に入っていただき、浴衣に着替えてから是非ラウンジをご利用ください。午後8時までは、お食事中のお客様がいらっしゃるので、大浴場もラウンジも空いています。運が良ければ貸切状態でご利用いただけるかもしれません」と、食事時間までの時間の過ごし方を提案しながら、メリットを挙げて午後8時がお勧めである理由を伝える。

 このように一見お客様に宿の都合を押し付けてしまう場面でも、「実は得なんです」という“言い回し”を“自信を持って”すれば、お客様はすんなりと受け入れてくださることも少なくないと思います。お客様の御要望に応えられずに一見損をさせてしまうような場面でも、得と感じさせる提案・表現をして顧客満足を維持・向上させてこそおもてなしです。

(おもてなしコンサルタント 井川 今日子 )

コラムニスト紹介

井川 今日子 氏

おもてなしコンサルタント 井川 今日子 氏

大学で観光学を学んだ後、船井総合研究所を経て、10年に観光文化研究所入社。全国の旅館や観光協会を中心に、女性の感性を活かした集客・固定客化支援で活躍中。商品戦略や販売促進、現場接客サービスなど多岐にわたり提案。