国へ最短の28年登録に向けた要望書提出 「温泉文化」をユネスコ無形文化遺産に

2025年7月3日(木) 配信

石破茂首相に要望書を手交

 「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録推進議員連盟(菅義偉会長)と「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録を応援する知事の会(平井伸治会長)、「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産全国推進協議会(青柳正規会長)は6月30日(月)、石破茂首相に対し、登録に向けた要望書を提出した。日本固有の文化である「温泉文化」が最短の2028年に「ユネスコ無形文化遺産」へ登録されるよう、国策として26年3月にユネスコに提案することを求めた。

 要望書は推進議員連盟副会長の小渕優子議員が石破首相に手交した。また、同じく坂本哲志議員、事務局長の牧島かれん議員、堀内詔子議員、福重隆浩議員が参加。応援する知事の会からは、副会長の佐藤樹一郎大分県知事、事務局長の山本一太群馬県知事、花角英世新潟県知事が、全国推進協議会からは、会長代行の井上善博全国旅館ホテル生活衛生同業組合会長らが同席した。

 3団体は要望書のなかで、ユネスコ登録と歩調を合わせ、温泉地の活性化に向けた取り組みへの支援や、温泉関係者による「温泉文化」の普及・啓発についても国からの支援を要望している。

〈観光最前線〉ぐんまちゃん高崎駅ジャック

2025年7月3日(木)配信

 今夏も高崎駅がぐんまちゃん駅に――。群馬県と東日本旅客鉄道(JR東日本)は7月19日から、高崎駅がぐんまちゃん一色に染まる特別企画「ぐんまちゃん高崎駅ジャック―この夏 ぐんまでリトリート―」を実施する。昨年、ぐんまちゃん誕生30周年と高崎駅開業140周年を記念して初開催されたもの。第2弾となる今年は、9月30日まで延べ74日間にわたり、さまざまなイベントを展開する。

 高崎駅(ぐんまちゃん駅)では、ぐんまちゃんグリーティングイベントを開くほか、期間中は、ぐんまちゃん駅オリジナルスタンプ帳を手に、高崎市内を巡るスタンプラリーを実施。群馬県内の観光地や駅を巡るデジタル(エキタグ)スタンプラリーも同時開催する。この夏は群馬県でリトリートしてみては。

【塩野 俊誉】

万博で「砂ンプラリー」開始、砂ゆかりのパビリオン巡る新企画、鳥取県

2025年7月2日(水)配信

鳥取県ゾーンで進呈される「まんが王国とっとり しおり」

 鳥取県は7月1日(火)、大阪・関西万博で砂ゆかりの海外パビリオンと連携する「サンド・アライアンス」の取り組みの一環として、スタンプラリー企画「砂ンプラリー」(サンド・クエスト)を開始した。

 同県はこれまでにヨルダンとサウジアラビアと連携を結んでいたが、今回新たにナウル、アルジェリア、EU、モーリタニア、モザンビークが加わり、計8つのパビリオンが連携することになった。

 砂ンプラリーに参加するためには、まず万博公式スタンプパスポートを購入し、加盟8館のスタンプをすべて押印する必要がある。その後、関西パビリオン内にある鳥取県ゾーンで、パスポートを提示すると砂ンプラリーの専用台紙が受け取れる。この台紙に再び加盟8館のうち3館以上のスタンプを集めると記念品が進呈される仕組みだ。

 記念品は鳥取県ゾーンが「まんが王国とっとりしおり」、ヨルダン館は「ヨルダン館キャラクターステッカー」、ナウルパビリオンは「ポストカード」、EU館は「EU館マスコットキャラクター・エウロパちゃんステッカーとピンバッジ」。

 なお、サウジアラビア館、アルジェリア館、モーリタニアパビリオン、モザンビーク館には記念品の設定はない。

九州産交バスと産交バス、窓ガラスの無いバス運行へ 阿蘇地域巡る日帰りツアーで

2025年7月2日(水) 配信

オープンエア車両

 九州産交バス(岩﨑司晃、熊本県熊本市)と産交バス(小栁亮社長、熊本県熊本市)は7月20日(日)から土・日・祝日限定で、側面に窓ガラスの無い特別仕様のバス「オープンエア車両」を使用した阿蘇地域を巡る日帰りバスツアー「ASO Caldera LINE」を催行する。

 同ツアーは阿蘇駅を出発後、 阿蘇中岳火口や草千里、白川水源 、上色見熊野座神社などを巡る。走行中は阿蘇の風を肌で感じ、草の匂いや牛の鳴き声など、窓ガラスの無い車両だからこそ味わえる阿蘇の空気を堪能できる。同社は「車両から望む車窓の景色は格別で、観光地を巡る合間さえも魅力を楽しめる」とアピールする。

 阿蘇駅~草千里・阿蘇山上ターミナル間を運行する既存路線「阿蘇火口線」は混雑が激しく、希望の時間に乗車できない場合もあるなか、「ASO Caldera LINE」は完全予約制のため、安心して旅程を組むことができる。

 料金は大人1万2000円、4~12歳は8000円。3歳までの子供は無料。

【観光庁】人事異動(7月1日付)

2025年7月2日(水) 配信

観光庁(写真はイメージ)

 観光庁は7月1日付の人事異動を発令した。

 辞職 秡川直也(長官)

 長官(大臣官房長)村田茂樹

 大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官(次長)平嶋隆司

 次長(鉄道建設・運輸施設整備支援機構副理事長)木村典央

 辞職〈6月30日付〉軽自動車検査協会監事(観光政策特別研究交渉官)村上強

 観光政策特別研究交渉官(鉄道建設・運輸施設整備支援機構監査・事業監理統括役)奈良裕信

 大臣官房総務課長(総務課長)多田浩人

 総務課長(観光戦略課長)河田敦哉

 観光戦略課長(道路局路政課長)菅原晋也

 大臣官房総務課企画官〈鉄道局併任〉(総務課企画官)新田翔

 総務課企画官(鉄道局総務課貨物鉄道政策室長)地主純

 観光戦略課観光経済調査室長(国際観光部国際観光課欧米豪市場推進室長)鈴木宏子

 不動産・建設経済局国際市場課長(観光産業課長)羽矢憲史

 観光産業課長(不動産・建設経済局不動産市場整備課長)二井俊充

 内閣府沖縄総合事務局運輸部長(参事官〈産業競争力強化担当〉)本村龍平

 辞職〈6月30日付〉鉄道建設・運輸施設整備支援機構審議役(参事官〈国際関係担当〉)渡邉敬

 参事官〈旅行振興担当〉(文部科学省大臣官房付)根来恭子

 大臣官房付〈厚生労働省老健局高齢者支援課長〉(国際観光部参事官〈外客受入担当〉)濵本健司

 国際観光部参事官〈外客受入担当〉(航空局総務課企画室長)今井盾介

 道路局道路交通管理課長(観光地域振興部観光地域振興課長)安部勝也

 観光地域振興部観光地域振興課長(近畿地方整備局道路部長)田中倫英

 総合政策局環境政策課長(観光地域振興部観光資源課長)竹内大一郎

 観光地域振興部観光資源課長(不動産・建設経済局地理空間情報課長)矢吹周平

令和トラベル、AIによる旅プラン提案機能 何度でも生成されるプランから比較可に

2025年7月2日(水) 配信

トラベルプランナー(ベータ版)のイメージ

 令和トラベル(篠塚 孝哉、東京都渋谷区)はこのほど、AIが旅行プランを提案する機能「トラベルプランナー(ベータ版)」をリリースした。利用客からの「過ごし方が分からない」「現地で行えることをイメージできない」などの声を踏まえ、何度でもプランを生成できるAIを活用し、比較しながら希望に合う旅程を計画できる環境を整える。

 同機能では、令和トラベルの旅行販売アプリNEWTに掲載されているフリープランなどの商品の旅程をもとに、AIが朝や昼、夜の飲食店や観光地を提案する。利用者は、王道やアクティブ、カルチャー、ショッピングなど6つのテーマから、プランの提案を受けることができる。

大正3年創業の温泉旅館「長命館」(熊本市)、破産手続き開始へ(帝国データバンク調べ)

2025年7月2日(水) 配信

 長命館(上野康行代表、熊本県熊本市)は6月10日(火)、熊本地裁から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約3億円。

 同社は1914(大正3)年創業、25(大正14)年1月に法人改組された温泉旅館の運営業者。当初は宮原大坪鑛泉だったが、93年8月に旅館の屋号である現商号に変更した。

 94年6月期には、年間収入高約8500万円を計上し、2007年ごろには金融機関からの資金調達により、旅館を大幅リニューアルしていた。

 しかし、その後はリーマン・ショックの影響などから利用者数が伸び悩み、業績が悪化。さらに新型コロナの影響で売上が低迷し、23年6月期の年間収入高は約5000万円にとどまった。「支えきれず24年ごろに事業を停止し、25年3月31日に自己破産を申請していた」(帝国データバンク)という。

HIS、PayPay決済で5%分のポイント還元 7月31日(木)まで国内旅行対象

2025年7月2日(水) 配信

キャンペーンのイメージ
 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は7月31日(木)まで、PayPayで支払われた国内旅行代金の最大5%分を、PayPayポイントで還元するキャンペーン「PayPayクーポン」を実施している。夏休み期間の駆け込み需要の獲得を目指す。
 
 同CPでは、5000円以上の決済に対し、期間中1回1000㌽を上限に決済額の5%分のPayPayポイントを付与する。対象商品はHISで販売する国内旅行商品。なお、アクティビティや鉄道+ホテル、レンタカー、新幹線チケット、WOW+掲載商品、JAL系列・ANA系列の航空券チケットは対象外。
 
 ポイントは、PayPayアプリ内のクーポンページで「HIS」を選択してクーポンを取得し、支払うことで後日付与される。

JTBツーリズムビジネスカレッジ、スターアライアンスと共同授業 就職活動前にキャリアデザイン促す

2025年7月2日(水) 配信

授業のようす

 JTBツーリズムビジネスカレッジ(坂本友理校長、東京都豊島区)は6月26日(木)、1年生の科目「キャリアデザイン」で、スターアライアンスとの共同授業を実施した。

 観光業に航空業界のグランドスタッフや客室乗務員のほか、宿泊や旅行業の法人営業などさまざまな業種や職種があるなか、航空会社で働くスタッフとの交流を通じて、学生に対し来年からスタートする就職活動のキャリアデザインを促した。

 主任講師の髙野雅巳氏は「今日の講師は航空会社でさまざまな職種を経験しており、宿泊業に勤めていた人もいる」と紹介。「観光業界で働くうえで、(業種と職種の)選択肢は非常に広い」と話し、就職活動に向けた準備を呼び掛けた。 

髙野雅巳主任講師

 スターアライアンスからは、全日本空輸(ANA)とシンガポール航空、アシアナ航空、タイ国際航空、ルフトハンザグループ、エバー航空、LOTポーランド航空、中国国際航空、ターキッシュエアラインズの9社が参加。授業の冒頭、自社の紹介をはじめ、自身の経歴や仕事内容などを説明した。

 その後、学生41人は9グループに分かれ、それぞれに加わった1人の航空会社の社員と「2045年の観光業をデザインしよう」をテーマに、観光業界の課題である環境やサステナビリティのほか、多様性・文化対応、テクノロジーとリアル体験の価値などに対する解決策を話し合った。この結果、地方誘客の促進に向けて、「アプリで言語の壁をなくす」のほか、「PR動画の作成費用を広告費で補う」などのアイデアが出された。

日本温泉協会、登別温泉で総会開く ”ユネスコ登録は温泉の保護と活用を訴える好機” 佐藤好億副会長「地熱乱開発には保険や補償も必要」

2025年7月2日(水) 配信

多田計介会長

 日本温泉協会(多田計介会長、1124会員)は6月24日(火)、北海道・登別温泉の「祝いの宿登別グランドホテル」で2025年度会員総会を開いた。

 地熱の乱開発がないように、注視を継続していきながら、「温泉文化のユネスコ文化遺産登録は、日本の温泉の保護と活用を訴える好機」との考えから、活動を支援していくことを確認した。

 多田会長は冒頭、コロナ禍で2度延期となった登別温泉での総会が今年実施できたことに対し、関係者に謝辞を述べた。続けて「学術部を有する当協会では、温泉保護の観点から地熱開発の乱開発がないように注視し、声を出して発信していく」と語った。一方、「全旅連をはじめ、当協会も日本の温泉文化をユネスコ文化遺産に登録する活動をしている。会員に周知し、活動をしっかりと支えていこう」と呼び掛けた。

 前田眞治学術部委員長は「温泉の科学的、社会的、医学的学問などを通じて、温泉の正しい知識の普及に努めている。ユネスコ文化遺産登録に向けて、多くの学術部委員も参加し、力強く後押ししている」と述べた。

 地熱対策特別委員会顧問の佐藤好億副会長は、全国各地で行われている地熱発電開発により、源泉の枯渇や温度低下などの影響が出ている状況を報告。「反対のための反対をする気持ちはない。しかし、万が一のことが起こったらどうするか。保険や補償対策も必要」と力を込め、モニタリング装置の必要性を改めて訴えた。

 今年度も引き続き、①地熱開発は慎重に②日本の温泉文化をユネスコ文化遺産へ③世界各国の温泉関係者と交流促進――を事業の柱に据え活動していく。

 温泉地への外国人旅行者が増加するなかで、10カ国語で掲載する「入浴エチケットポスター」の販売強化により、入湯客のマナー向上にも取り組む。

 さらに、29年の創立100周年事業として記念誌の作成に着手するほか、天然温泉表示委員会では、100周年に向けて新看板制定を検討していく考えだ。

 なお、26年度会員総会は、熊本県・南小国町の黒川温泉で開催することを決めた。

パネルディスカッションのようす。(左から)松﨑郁洋氏、瀧康洋氏、大宮一哉氏、熊倉浩靖氏

 総会後には、温泉文化シンポジウムが開かれた。登別温泉取締役営業部長の大宮一哉氏、下呂温泉・水明館社長の瀧康洋氏、黒川温泉・ふもと旅館社長の松﨑郁洋氏が登壇し、それぞれの温泉地の取り組みを紹介した。コーディネーターは高崎商科大学特任教授の熊倉浩靖氏が務めた。

 夕刻からは情報交換会が盛大に開かれた。